1

1 さて神様は、天幕からモーセにお語りになりました。

2 イスラエル国民に次のような指示を与えよ、と命じたのです。「神にいけにえをささげる時は、牛でも羊でも、自分の群れのものを使いなさい。雄牛を完全に焼き尽くすいけにえとしてささげる時は、体に傷のないものでなければならない。まず、いけにえ用の動物を天幕の入口へ引いて来る。そこで、祭司がそのささげ物を受け取ってくれる。

3 -

4 いけにえをささげる人は、その動物の頭に手を置く。そうすることで、身代わりのいけにえと認められるのだ。本人が自分の罪の刑罰として死ぬ代わりに、その動物が死ぬことを、わたしは認めよう。

5 わたしの前で、自ら手を下していけにえを殺しなさい。祭司であるアロンの息子たちが、その血をわたしにささげる。天幕の入口で、祭壇の回りに血を振りかけるのだ。

6 続いて、皮をはいで四肢に分け、祭司が祭壇に火を置き、たきぎを並べ、

7 -

8 ばらした部分と頭と脂肪を載せる。

9 その時、内臓と足は、いけにえをささげる本人がきれいに洗う。祭司はそれをみな祭壇の上で焼く。これが、わたしの大好きな完全に焼き尽くすいけにえだ。

10 完全に焼き尽くすいけにえにする動物は、羊か山羊の傷のない雄でなければならない。

11 いけにえをささげる人は、祭壇の北側で、わたしの前でそれを殺す。祭司であるアロンの息子たちが、その血を祭壇の回りに振りかける。

12 その人は死体を四肢に分け、祭司はそれを頭や脂肪といっしょに祭壇のたきぎに載せる。

13 その前に、内臓と足は、いけにえをささげる本人が水で洗う。祭司は神へのささげ物として、それをみな祭壇で焼く。完全に焼き尽くすいけにえは、わたしの大好物だ。

14 動物でなく鳥を使う場合は、山鳩か家鳩のひなのどちらかにしなさい。

15 祭司はそれを祭壇へ持って行き、首をひねり、血は祭壇の横に絞り出す。餌袋と羽毛は祭壇の東側の灰捨て場に捨てる。このあと、翼をつかんで引き裂くが、ばらばらにしてはならない。それを祭壇で焼く。わたしはこのいけにえが大好きだ。

16 -

17 -

2

1 穀物の供え物をする時は、上等の小麦粉にオリーブ油を注ぎ、香料を加えなさい。

2 そのうちの一つかみを、祭司のところへ持って行き、焼いてもらう。わたしはその香りが大好きだ。

3 残った粉は、アロンと息子たちの食物となるが、それも神聖な完全に焼き尽くすいけにえと見なされる。

4 オーブンで焼いたパンをささげる時は、細かくひいた粉にオリーブ油を混ぜて焼きなさい。イースト菌を入れてはならない。オリーブ油を塗った、イースト菌の入らないせんべいも、ささげ物に使える。

5 菓子用の鉄板で焼いたものをささげる時は、細かくひいた粉をオリーブ油でこねて作りなさい。イースト菌を入れてはならない。

6 でき上がったものを細かくちぎって油をかける。これが穀物の供え物の形式だ。

7 なべで作る場合も、細かくひいた粉をオリーブ油でこねて作る。

8 こうして用意ができたら、祭司のところへ持って行き、祭壇で神にささげてもらう。

9 祭司が焼くのはその一部だけだが、わたしは全部をささげ物と認める。

10 残りは祭司が取ってかまわない。しかし、それは全部、神への神聖なささげ物と見なされる。

11 粉で作るささげ物は、イースト菌を使ってはならない。神へのささげ物には、イースト菌やはち蜜の使用は許されない。

12 最初の収穫を感謝するささげ物の場合はかまわないが、完全に焼き尽くすいけにえには使えない。

13 ささげ物はすべて塩で味をつける。塩〔契約が真実であることを象徴的に表わすのに使われた〕は神の契約を思い出させるものだからだ。

14 最初の収穫をささげる時は、新穀を砕くか焼くかしてささげなさい。

15 それにオリーブ油と香料を加える。穀物の供え物だからだ。

16 祭司は神の前で、オリーブ油と香料を混ぜたささげ物を一つかみ、全部の代わりに焼く。

3

1 感謝のいけにえの場合は、雄牛でも雌牛でも差しつかえない。ただし、神にささげるのだから、どこにも傷のないものでなければならない。

2 いけにえをささげる人は、神の天幕の入口で牛の頭に手を置き、殺す。祭司がその血を祭壇の回りに振りかける。

3 次に内臓をおおう脂肪、二つの腎臓とその上をおおう腰の脂肪、胆のうを神の前で焼く。わたしはそのいけにえが大好きだ。

4 -

5 -

6 感謝のいけにえに羊か山羊を使う時は、傷のないものであれば、雄でも雌でもかまわない。

7 羊の場合は、天幕の入口で羊の頭に手を置き、殺す。祭司は血を祭壇の回りに振りかけ、

8 -

9 背骨に沿って取り除いた脂肪、内臓をおおう脂肪、二つの腎臓とその上をおおう腰の脂肪、胆のうを、完全に焼き尽くすいけにえとしてささげる。

10 -

11 -

12 ささげ物として山羊を引いて来たら、

13 天幕の入口でその頭に手を置き、殺す。祭司は血を祭壇の回りに振りかけ、

14 完全に焼き尽くすいけにえとして、内臓をおおう脂肪、二つの腎臓とその上をおおう腰の脂肪、胆のうを祭壇にささげる。このいけにえはわたしの大好物だ。脂肪は全部わたしのものだから、

15 -

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17 脂肪も血も食べてはならない。これはイスラエルの永遠の法律だ。」

4

1 神様はさらに、次のような指示をモーセに与えました。

2 「人々に言いなさい。あやまって戒めを破った場合は、次のように処理する。

3 大祭司があやまって罪を犯し、人々に悪影響を及ぼした場合は、罪が赦されるためのいけにえとして、傷のない若い雄牛をささげなければならない。

4 神の天幕の入口に引いて来て雄牛の頭に手を置き、神の前で殺す。

5 大祭司は血を持って天幕に入り、

6 指を浸し、奥の至聖所へ通じる道をふさぐ垂れ幕の前に、七回ふりかける。

7 次に、天幕の中の神の前にある香の祭壇の角に血を塗る。残った血は、天幕の入口にある完全に焼き尽くすいけにえ用の祭壇の土台に注ぎかける。

8 内臓をおおう脂肪、二つの腎臓とその上をおおう腰の脂肪、胆のうを祭壇で焼く。感謝のいけにえとしてささげる雄牛や雌牛の場合と同じだ。

9 -

10 -

11 皮、肉、頭、足、内臓、腸など残りの部分は、野営地の外の特別にきよめられた場所、祭壇の灰捨て場で焼く。

12 -

13 国家としてあやまって罪を犯し、してはならない事をした場合は、全国民が有罪となる。

14 罪に気づきしだい、罪が赦されるためのいけにえとして、若い雄牛を天幕の入口に引いて来なさい。

15 指導者たちが代表して、神の前で雄牛の頭に手を置き、殺す。

16 大祭司は血を天幕の中へ持って行き、

17 指を浸し、神の前で垂れ幕の前に七回ふりかける。

18 次に、天幕にある香の祭壇の角に血を塗る。残りの血は、天幕の入口にある完全に焼き尽くすいけにえ用の祭壇の土台に注ぎかける。

19 いけにえの脂肪はすべて取り除き、祭壇で焼く。

20 自分の罪のためのいけにえの時と同じようにするのだ。こうして、祭司は国家の罪を償う。これではじめて、全国民が赦されるのだ。

21 最後に祭司は、いけにえの死体を野営地の外へ運び出し、個人の罪のためのいけにえと同じように焼く。

22 指導者のだれかがあやまって罪を犯し、神の法律に背いた場合は、

23 罪に気づきしだい、傷のない雄やぎをいけにえとして引いて来なさい。

24 完全に焼き尽くすいけにえをささげる場所で、その頭に手を置いて殺し、神にささげる。これは指導者の罪が赦されるためのいけにえだ。

25 祭司はそのいけにえの血を祭壇の角に指で塗りつけ、残りは祭壇の土台に注ぎかける。

26 感謝のいけにえと同じように、脂肪はすべて祭壇で焼く。こうして、祭司は指導者の罪を償い、彼は赦される。

27 一般人も、あやまって罪を犯せば、有罪だ。

28 それに気づいたらすぐ、罪の償いとして傷のない雌やぎを引いて来なさい。

29 完全に焼き尽くすいけにえを殺す場所で、いけにえの頭に手を置いて殺す。

30 祭司は指に血をつけ、完全に焼き尽くすいけにえ用の祭壇の角に塗る。残りの血は祭壇の土台に注ぎかける。

31 感謝のいけにえの場合と同じように、脂肪はすべて取り除き、祭司が祭壇で焼く。わたしはそれが大好きだ。このように、祭司は罪の償いをし、罪を犯した者は赦される。

32 罪が赦されるためのいけにえに子羊を引いて来る時は、傷のない雌でなければならない。

33 完全に焼き尽くすいけにえを殺す場所に連れて来て、頭に手を置き、罪が赦されるためのいけにえとして殺す。

34 祭司は指に血をつけ、祭壇の角に塗り、残りの血は土台に注ぎかける。

35 脂肪は感謝のいけにえの羊と同じようにする。火で焼いて神にささげる他のいけにえと同じように、祭壇で焼くのだ。こうして祭司が償いをし、罪は赦される。

5

1 ある犯罪について何かの事実を知っていながら、証言を拒否すれば、有罪となる。

2 野生でも家畜でも、食用にすることを禁じられている動物とか昆虫の死体など、礼拝規則で汚れたものと見なされるものにさわったら、気づかずにした場合でも有罪となる。

3 何であれ人の排泄物にさわったら、たといその時は気づかなくても、あとで気づいた時に有罪となる。

4 良くも悪くも、軽々しく誓いを立て、あとでばか気たことをしたと気づいた時には、有罪となる。

5 以上のどの場合も、罪を告白し、

6 雌の羊か山羊を、罪を償ういけにえとしてささげなさい。祭司は罪の償いをし、その者は赦される。

7 貧しくて羊をささげる余裕がない時は、山鳩か家鳩のひなを二羽ささげなさい。一羽を罪が赦されるためのいけにえに、もう一羽を完全に焼き尽くすいけにえとするのだ。

8 祭司は、初めに手渡されたほうを、罪が赦されるためのいけにえとし、その首をひねる。ただし、切り落としてはならない。

9 次に、血を祭壇の側面に振りかけ、残りは土台のところに絞り出す。これは罪が赦されるためのいけにえだ。

10 もう一羽は、完全に焼き尽くすいけにえの決まりどおりにささげる。こうして、祭司は罪の償いをし、その者は赦される。

11 貧しくて、山鳩や家鳩のひなさえささげられない時は、細かくひいた小麦粉三・六リットルを持って来なさい。オリーブ油を混ぜたり、香料をかけたりしてはならない。罪が赦されるためのいけにえだからだ。

12 それを祭司のところへ持って行き、全部の代わりに、そのうちの一つかみを祭壇で焼いてもらう。火で焼く他のささげ物の場合と同じだ。これが、罪が赦されるためのいけにえとなる。

13 こうして、祭司は罪の償いをし、その者は赦される。残りの粉は穀物のささげ物と同じように、祭司のものとなる。」

14 神様はモーセに命じました。

15 「不実なことを行ない、あやまって神聖なものを汚した時は、その罪を償うのに見合ういけにえとして、傷のない雄羊を一頭ささげなさい。

16 そのほかに、自分の汚した神聖なものや、ささげるのを怠った十分の一のささげ物の償いをしなければならない。罰金は与えた損害額の二割増しだ。祭司にそれを支払う。祭司は罪を償ういけにえの雄羊で償いをし、その者は赦される。

17 神の法律のどれかに違反すれば、たとい気づかずにしたことでも、罪になる。その時は、犯した罪に見合ういけにえをささげなければならない。これは罪を償ういけにえで、傷のない雄羊を一頭ささげる。祭司は雄羊一頭でその者の罪の償いをする。何であれ、知らずに犯した罪は、これで赦される。

18 -

19 罪を犯し、神に有罪と見なされた者は、このように罪を償ういけにえをささげなければならない。」

6

1 神様はモーセに命じました。

2 「借り物やあずかり物、担保の品などを返さなかったり、盗んだり、脅し取ったり、落とし物を見つけながら、取った覚えはないとしらばくれるなどして、神に罪を犯した時は、

3 -

4 その事実がはっきりした日に、取ったものを相手に返し、ほかに二十パーセントの罰金を支払いなさい。また、神の天幕に罪を償ういけにえを引いて来なさい。

5 -

6 その罪に見合ういけにえは、傷のない雄羊一頭だ。それを祭司のところへ引いて来る。

7 祭司は神の前で罪の償いをし、その者は赦される。」

8 神様はモーセに命じました。

9 「アロンと息子たちに、完全に焼き尽くすいけにえについての決まりを示しなさい。完全に焼き尽くすいけにえは、祭壇の上で一晩じゅう焼き続ける。

10 翌朝、祭司はリンネルの下着と上着をつけ、その灰をすっかり集め、祭壇のそばに置く。

11 このあと着替えをし、灰を野営地の外の特別にきよめられた場所に運ぶ。

12 祭壇の火はいつも燃やし続け、消してはならない。祭司は毎朝たきぎをくべ、毎日ささげる完全に焼き尽くすいけにえを供え、和解のいけにえの脂肪を焼く。

13 祭壇の火は絶やしてはならない。

14 穀物の供え物の決まりは次のとおりだ。アロンの息子である祭司は、祭壇の前に立ち、供え物を神の前にささげる。

15 細かくひいた粉を一つかみ、オリーブ油と香料を入れてこね、全部の代わりに祭壇で焼くのだ。わたしは喜んでそれを受けよう。

16 残りはアロンと息子たちの食物となる。天幕の庭で、イースト菌を入れずに焼いて食べなさい。

17 念を押すが、焼く時は絶対にイースト菌を入れてはならない。火で焼くささげ物のうち、この分は祭司に与える。しかし、罪が赦されるためのいけにえや、罪を償ういけにえの場合と同じく、ささげられた全部がきよいのだ。

18 アロンの家系で祭司を務める者は、子々孫々に至るまで、これを食べることができる。火で焼く神へのささげ物は、祭司だけが食べられるのだ。」

19 神様はモーセに命じました。「アロンと息子たちが油を注がれ、祭司の務めにつく日には、日々の穀物の供え物をささげなさい。細かくひいた上等の小麦粉三・六リットルを、朝と夕方に半分ずつ、

20 -

21 オリーブ油でこね、鉄板で焼いてささげる。わたしはそれが大好きだ。

22 祭司の息子は父の跡を継ぐ場合、油を注がれる任命式の日に、これと同じささげ物をする。この法律は永遠に変わらない。このささげ物は全部を神の前で焼く。ほんの一口でも食べてはならない。」

23 -

24 神様はモーセに命じました。

25 「次は、罪が赦されるためのいけにえについて、祭司が知っていなければならない決まりだ。このいけにえは最もきよいものだから、完全に焼き尽くすいけにえを殺す場所で、神の前で殺す。

26 いけにえの儀式を行なう祭司は、天幕の庭でそれを食べる。

27 特別に選ばれ、きよくされた者、祭司だけしか、その肉にさわれない。そのとき衣服に血がかかったら、聖所内で洗いきよめる。

28 煮沸するのに使った容器は、土器ならこわし、青銅製ならきれいに磨き上げ、よくすすぐ。

29 祭司は全員このささげ物を食べてかまわないが、それ以外の者は絶対にいけない。最もきよいものだからだ。

30 ただし、聖所で罪の償いをするためにささげたいけにえで、血を天幕の中へ持って行くものは、祭司といえども食べてはならない。その死体は、神の前で完全に焼き尽くすのだ。

7

1 罪を償う最もきよいいけにえについての決まりは、次のとおりだ。

2 いけにえの動物は、完全に焼き尽くすいけにえと同じ場所で殺し、血は祭壇の回りに振りかける。

3 祭司は脂肪をぜんぶ祭壇にささげる。背骨に沿ってついている脂肪、内臓をおおう脂肪、

4 二つの腎臓、腰のあたりの脂肪、胆のうなどをより分けて、いけにえとするのだ。

5 それを、罪を償ういけにえとして祭壇で焼く。

6 祭司はその肉を食べてかまわないが、食べる場所は神聖な場所に限る。最もきよいいけにえだからだ。

7 罪が赦されるためのいけにえ、罪を償ういけにえ、どちらの場合も、動物の死体は儀式を行なう祭司の食物となる。

8 完全に焼き尽くすいけにえの場合は、皮が与えられる。

9 神への穀物の供え物をささげる祭司は、儀式に使った残りをぜんぶ与えられる。この規則は、供え物をオーブンや鉄板で焼く場合も、なべで料理する場合も変わりはない。

10 ほかの穀物の供え物も、油を混ぜたものであれ乾いたものであれ、すべてアロンの息子である祭司のものとなる。

11 次は、特別な和解のいけにえとしてささげるいけにえについての決まりだ。

12 それが感謝のささげ物なら、いけにえのほかにイースト菌抜きの輪型のパン、オリーブ油を塗ったせんべい、小麦粉をオリーブ油でこねて作ったパン、

13 さらに、イースト菌を入れた輪型のパンを添える。

14 このうち一部を、儀式どおり祭壇の前で揺り動かしてささげる。それは、いけにえの血を振りかける祭司のものとなる。

15 感謝を表わす和解のいけにえとして神にささげた動物の肉は、その日のうちに食べる。翌日まで残しておいてはならない。

16 感謝のいけにえでなく、誓願や進んでささげるささげ物の場合は、その日に食べきれなければ、翌日まで残しておいてかまわない。

17 ただし、三日目まで残った分は焼き捨てなさい。三日目に食べても、わたしはそのいけにえを受け入れない。いけにえとしての価値がなくなるからだ。せっかくのいけにえも無効となり、肉を食べた祭司は罪を犯したことになる。それは神にとって汚れたものだからだ。食べた者は罪の償いをしなければならない。

18 -

19 礼拝規則で汚れていると見なされるものに触れた肉は、食べてはならない。焼き捨ててしまいなさい。食用にする肉は、礼拝規則できよいと見なされる者だけが食べられる。

20 祭司が汚れていると見なされながら、かまわず感謝のいけにえを食べるなら、もはやイスラエル国民ではない。神聖なものを汚したからだ。

21 だれでも、人であれ動物であれ、礼拝規則で汚れていると見なされるものに触れたのに、かまわず和解のいけにえを食べるなら、イスラエル国民とは見なされない。神聖なものを汚したからだ。」

22 神様はモーセに命じました。

23 「イスラエル人は牛、羊、山羊の脂肪を食べてはならない。

24 死んだり野獣に裂き殺されたりした動物の脂肪は、何に使ってもかまわないが、食べることはできない。

25 火で焼くささげ物の脂肪を食べる者は、イスラエル国民とは見なされない。

26 国のどこであろうと、鳥や動物の血を食べてはならない。食べればイスラエル国民とは見なされない。」

27 -

28 神様はモーセに命じました。

29 「人々に命じなさい。神への感謝のいけにえは、本人が手ずからささげなければならない。

30 脂肪と胸の部分を持って来て祭壇の前で揺り動かし、神にささげるのだ。

31 脂肪は祭司が祭壇で焼き、胸はアロンと息子たちのものになる。

32 右のももは、いけにえの儀式を行なう祭司がもらう。

33 -

34 胸とももは、国民から祭司への贈り物と決めたからだ。祭司はいつも、いけにえのこの部分をもらう。

35 つまり報酬なのだ。火で焼くいけにえのこの部分は、神に仕える祭司、アロンと息子たちのものとなる。

36 このことは、わたしが彼らに油を注いで祭司に任命する日から、必ず守らなければならない。子々孫々に至るまで変わらない彼らの権利だ。」

37 以上が、完全に焼き尽くすいけにえ、穀物の供え物、罪が赦されるためのいけにえ、罪を償ういけにえ、祭司任命式のいけにえ、和解のいけにえについての決まりです。

38 シナイの荒野で神様がモーセに教えた、いけにえのささげ方です。

8

1 神様はモーセに命じました。「アロンと息子たちを神の天幕の入口に連れて来なさい。装束、注ぎの油、罪が赦されるためのいけにえ用の若い雄牛一頭、雄羊二頭、イースト菌抜きのパンが入ったかごを用意し、全国民を集めなさい。」

2 -

3 -

4 天幕の入口に集まった全員に、モーセは語りかけました。「これからすることは神様のご命令だ。」

5 -

6 こう言うと、アロンと息子たちを呼び寄せ、彼らの体を水で洗い、

7 アロンには特製の上着、飾り帯、青地の長い式服を着せ、美しく織った帯でエポデをつけさせました。

8 次は胸当てです。その袋にはウリムとトンミム〔神意をうかがう一種のくじ〕を入れました。

9 ターバンをかぶらせ、神様に特別に選ばれた者であることを表わす金のプレートを、正面につけさせました。神様に命じられたとおりです。

10 それから注ぎの油を手に取り、天幕とその中の用具ぜんぶに振りかけ、神聖なものとしてきよめました。

11 祭壇には特別に七回、その用具や、洗い鉢と台にも振りかけて、きよめました。

12 最後はアロンです。頭に油を注ぎ、特別に選ばれた神の祭司に任命しました。

13 それが終わると、今度はアロンの息子たちに式服を着せ、帯を締めさせ、ターバンをかぶらせました。神様に命じられたとおりです。

14 いよいよいけにえをささげる時です。モーセは、罪が赦されるためのいけにえ用の若い雄牛を、引いて来ました。アロンと息子たちはその頭に手を置き、

15 モーセが牛を殺しました。モーセはその血を指につけ、祭壇の四本の角に塗って祭壇をきよめ、残りの血は祭壇の土台に注ぎました。こうして、祭壇を神聖なものとし、きよい儀式に使えるようにしたのです。次に、内臓をおおう脂肪、胆のう、二つの腎臓とその脂肪を祭壇で焼きました。

16 -

17 いけにえの死体は、皮も肉も糞も、野営地の外で焼き捨てました。神様に命じられたとおりです。

18 次にモーセは、完全に焼き尽くすいけにえとして雄羊をささげました。アロンと息子たちがその頭に手を置き、

19 モーセが殺して血を祭壇の回りに振りかけました。

20 死体は四肢に切り分け、まず頭と脂肪をいっしょに焼きます。

21 内臓と足は水洗いし、祭壇で焼きます。こうして全部を神様の前で焼き尽くすのです。これが、神様の大好きな完全に焼き尽くすいけにえです。モーセは、何もかも神様の命令どおりきちんと行ないました。

22 それからモーセは、もう一頭の任命式用の雄羊を引いて来ました。まず、アロンと息子たちがその頭に手を置きます。

23 モーセは雄羊を殺し、その血をアロンの右の耳たぶと手足の右の親指に塗ります。

24 続いて、アロンの息子たちにも同じようにします。残りの血は祭壇の回りに振りかけました。

25 次に、背骨に沿ってついている脂肪と内臓をおおう脂肪、胆のう、二つの腎臓とその脂肪、右のももなどを取りました。

26 その上に、神様の前のかごから、イースト菌抜きのパンと、油を入れて焼いたパンを一個ずつ、それに、オリーブ油を塗ったせんべい一枚を取り出して載せました。

27 それを全部、アロンと息子たちの手に載せ、祭壇の前で揺り動かして神様にささげさせたのです。

28 モーセはそれをもう一度もらい受け、完全に焼き尽くすいけにえといっしょに、祭壇で焼きました。これが祭司任命のいけにえで、神様の大好きなささげ物です。

29 このあとモーセは、胸の部分を祭壇の前で揺り動かして神様にささげました。これはモーセがもらう分です。すべて神様に命じられたとおりです。

30 続いてモーセは、注ぎの油と祭壇に振りかけた血を取り、アロンとその衣服、息子たちとその衣服に振りかけました。アロンと息子たち、およびその衣服を、神様の用にささげるためです。

31 モーセは、アロンと息子たちとに言いました。「教えたとおり、天幕の入口で肉を煮て、任命式用のかごに入っているパンといっしょに食べなさい。

32 残った肉やパンは焼き捨てなさい。」

33 また、七日間は天幕の入口を離れないようにと命じました。祭司の任命には七日を要するからです。

34 さらにモーセは、その日の儀式はすべて、神様が命じたとおりだと言いました。

35 そして最後にもう一度、七日間は昼も夜も天幕の入口を離れてはならないこと、もし離れたら必ず死ぬと言われたことを告げました。

36 アロンと息子たちは、神様がモーセに命じたことをみな行ないました。

9

1 〔任命式の〕八日目に、モーセは、アロン、その息子たち、イスラエルの指導者たちを集め、

2 アロンに、雄牛一頭を罪が赦されるためのいけにえとして、傷のない雄羊を完全に焼き尽くすいけにえとして、神様にささげるよう命じました。

3 「人々に、罪が赦されるためのいけにえ用に雄やぎを、完全に焼き尽くすいけにえ用に傷のない一歳の子牛と子羊を、用意させなさい。

4 また、雄牛と雄羊を和解のいけにえ用に、オリーブ油でこねた小麦粉を穀物の供え物用に、持って来させなさい。きょう、神様が現われるからだ。」

5 人々は命じられたとおりのものを天幕の入口へ持って来て、神様の前に立ちました。

6 「神様のお指図に従えば、必ずその御栄光をあおげるのだ。」

7 きっぱりこう言うと、モーセはアロンに、祭壇に進み出て、罪が赦されるためのいけにえと、完全に焼き尽くすいけにえをささげ、まず自分の罪の償いをし、次に全国民の罪の償いをするよう命じました。神様が命じたとおりです。

8 アロンは祭壇に進み出て、自分の罪が赦されるためのいけにえとして、子牛を殺しました。

9 息子たちがその血を手にすくうと、アロンはそれに指を浸し、祭壇の角に塗り、残りは祭壇の土台に注ぎました。

10 そして神様の命令どおり、祭壇でいけにえの脂肪、腎臓、胆のうを焼きました。

11 ただし、肉と皮は野営地の外で焼き捨てました。

12 次に完全に焼き尽くすいけにえを殺し、息子たちがその血をすくいました。それをアロンが祭壇の回りに振りかけるのです。

13 続いて息子たちは死体をばらばらにし、頭といっしょにアロンのところへ持って来ました。アロンはそれを一つ残らず祭壇で焼きました。

14 内臓と足もきれいに洗い、完全に焼き尽くすいけにえとして、祭壇で焼きました。

15 次は全国民のささげ物の番です。自分の時と同じ要領で、罪が赦されるためのいけにえとして、山羊をささげました。

16 さらに、神様の指示どおり、完全に焼き尽くすいけにえもささげました。

17 穀物の供え物がそれに続きます。全部の中から一つかみを取り、朝ごとのささげ物とは別に、祭壇で焼いてささげました。

18 次に雄牛と雄羊を殺しました。全国民のための和解のいけにえです。アロンの息子たちがその血をアロンのところへ持って行き、アロンは祭壇の回りに振りかけました。

19 続いて、背骨に沿ってある脂肪と内臓をおおう脂肪、腎臓と胆のうを取り出しました。

20 脂肪はいけにえの胸に載せ、祭壇で焼きました。

21 ただし胸と右ももは、モーセが命じたとおり、神様の前でゆっくり揺り動かしてささげました。

22 それから一同に向かって両手をあげ、彼らを祝福し、罪が赦されるためのいけにえ、完全に焼き尽くすいけにえ、和解のいけにえをささげて、祭壇から降りました。

23 今度はモーセとアロンがそろって天幕へ入ります。やがて出て来た二人が一同を祝福すると、なんと一同が見ている前で神様の栄光が現われたのです。

24 そのとき神様の火が下り、祭壇のいけにえと脂肪を焼き尽くしました。一同は、ただもう驚くばかりです。みな大声をあげ、神様の前にひれ伏しました。

10

1 さて、アロンの息子ナダブとアビフは、自分の火皿に神聖でない火をもり、香をくべ、神様の前にささげました。こんなことは神様の命令に反することです。

2 たちまち神様の前から火が吹き出し、二人を焼き殺してしまいました。

3 「『わたしに近づく者によってわたしの聖さを現わし、すべての人々の前で栄光を現わす』と神様が言われたのは、こういうことなのだ。」モーセの説明に、アロンはただ黙ってうなだれるだけでした。

4 モーセはぐずぐずしていません。ウジエルの子で、アロンのいとこにあたるミシャエルとエルツァファンとを呼び、「死体を神の天幕の前から野営地の外へ運び出せ」と命じました。

5 二人は言われたとおり、長服のままの死体を外へ運びました。

6 それからモーセは、アロンと残る二人の息子エルアザルとイタマルに言いました。「気をしっかり持て。このことを悲しんではいけない。髪を乱したり、服を引き裂いたりして嘆くなど、もってのほかだ。そんなことをしたら、おまえたちまで神様に殺されてしまう。そうなれば、神様の怒りは全国民に下るだろう。ほかの者が、神様の下された恐るべき火のことで、ナダブとアビフのために嘆き悲しむのはかまわない。

7 だが、おまえたちはだめだ。たとい家族の者が神様の罰を受けて死んだ時でも、天幕を離れてはならない。特別に神様の油を注がれた者だからだ。」彼らは命令どおりにしました。

8 今度は、神様はアロンに命じました。「天幕に入る時は、ぶどう酒や強い酒を飲んではならない。さもないと死ぬ。おまえだけではない。息子たちも同じだ。このおきては、末代までも守らなければならない。

9 -

10 人々に代わって正しい判断を下すことが、おまえたちの務めだからだ。神聖なものと俗なもの、きよいものと汚れたものの区別を示し、

11 わたしがモーセに与えた法律を教えなさい。」

12 このあとモーセは、アロンとエルアザル、イタマルの三人に言いました。「祭壇で焼いて神様にささげる穀物の供え物は、必ずイースト菌の入らないものとし、一つかみだけささげる。残りは祭壇のそばで食べなさい。ささげ物は最も神聖なものだから、

13 聖所の神聖な場所で食べなければならない。それは、火で焼くささげ物のうち、あなたがたの取り分だ。そう神様から命じられた。

14 ただし、揺り動かしてささげる胸とももは、聖所でなくとも、きよい場所ならどこで食べてもかまわない。家族全員が食べられるものだ。人々がささげる和解のいけにえのうち、これだけはあなたがたがもらえる。

15 脂肪を焼く時、人々は取り分けてあるももと胸を、神様の前で揺り動かしてささげる。そのあとで、あなたと家族がもらう。神様がそうお命じになったのだ。」

16 こう言うと、モーセは罪が赦されるためのいけにえ用の山羊を捜しましたが、どこにも見つかりません。すでに焼いてしまったのです。このことで、モーセはエルアザルとイタマルとをしかりつけました。

17 「なぜ罪が赦されるためのいけにえを聖所で食べなかった。それは最も神聖なもので、全国民の罪悪を取り除くために、神様の前でその償いをさせようと、神様が下さったものじゃないか。

18 その血は聖所の中へ持って行かなかった。だから、そこで食べなければならない。ちゃんとそう言っておいたはずだぞ。」

19 その時、アロンが中へ割って入りました。「まあまあ、そんなにまで言わなくても......。確かに二人は、罪が赦されるためのいけにえと完全に焼き尽くすいけにえをささげた。だが、こんな日にいけにえの肉を食べても、神様はお喜びにならないだろう。」

20 言われてみればもっともです。モーセも納得しました。

11

1 さて神様は、モーセとアロンに命じました。

2 「人々に言いなさい。食用にできる動物は、ひづめが分かれ、反芻するものだけだ。

3 -

4 ただし、らくだ、岩だぬき、野うさぎは食べてはならない。反芻はするが、ひづめが分かれていないからだ。ひづめは分かれているが、反芻しない豚もだめだ。

5 -

6 -

7 -

8 これらは肉を食べることはおろか、死体にさわってもいけない。絶対食用にできない動物だ。

9 魚は、ひれとうろこがあるものなら、海のものであれ川のものであれ食べてよい。

10 ただし、それ以外の水中動物は、絶対に食べてはならない。

11 肉を食べてもいけないし、死体にさわってもいけない。

12 くどいようだが、ひれとうろこのない水中動物は食べられない。

13 鳥の中では、次のものは食べてはならない。はげわし、はげたか、みさご、はやぶさの類全部、とび、からすの類全部、だちょう、よたか、かもめ、たかの類全部、ふくろう、鵜、みみずく、白ふくろう、ペリカン、野がん、こうのとり、さぎの類全部、やつがしら、こうもり

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16 -

17 -

18 -

19 -

20 飛ぶもので、四つ足のものは食べてはならない。

21 ただし、跳びはねるもの、いなごなどの類は別だ。いなご、ばった、大いなご、小いなごなどは食べてかまわない。

22 -

23 それ以外に飛ぶもので、四つ足のものは食べてはならない。

24 その死体にさわるだけで、夕方まで汚れる。

25 死体を運んだ者はすぐ衣服を洗いなさい。礼拝規則で汚れた者と見なされ、夕方まで身を慎まなければならない。

26 ひづめが完全に分かれていない動物や、反芻しない動物にさわる者は、汚れる。

27 足の裏のふくらんでいる動物は食べられない。死体にさわるだけで夕方まで汚れる。

28 死体を運ぶ者は衣服を洗わなければならない。夕方まで、礼拝規則で汚れた者と見なされる。禁じられたことをするからだ。

29 人の足もとや地面をはい回ったりする動物のうち、次のものは汚れている。もぐら、とびねずみ、大とかげ類、やもり、わに、とかげ、すなとかげ、カメレオン

30 -

31 これらの死体にさわれば、夕方まで汚れる。

32 死体が何かの上に落ちた場合は、木の容器であれ、衣服であれ、敷物であれ、袋であれ、みな汚れる。それにさわった物は何でも、水につけなさい。夕方まで汚れるからだ。そのあとは、また使ってもかまわない。

33 土の容器の中に落ちた場合は、中の物は何でも汚れる。容器は砕いてしまいなさい。

34 汚れた容器の水がかかった食べ物はぜんぶ汚れる。汚れた容器に入っている飲み物も汚れる。

35 先の動物の死体が触れたかまどや炉は汚れたものだから、こわしてしまいなさい。

36 死体が泉とか水ために落ちた場合は、水は汚れない。ただし、死体を引き上げる者は汚れる。

37 死体が畑にまく種に触れても、種は汚れない。

38 ただし、ぬれた種の上に落ちた場合は汚れる。

39 食用にできる動物が病死した場合は、その死体にさわれば夕方まで汚れる。

40 その肉を食べたり死体を運んだりした者は、衣服を洗いなさい。夕方まで汚れるからだ。

41 地面をはう動物は食べてはならない。爬虫類のうち、腹ではうもの、足のあるものも含まれる。たくさんの足ではうものも、食べてはならない。汚れたものだからだ。

42 -

43 それにさわって自分を汚してはならない。

44 わたしはおまえたちの神だ。以上のものについて身をきよく保ちなさい。わたしは聖なる者だから、おまえたちも聖なる者になりなさい。地をはいずり回るものにさわって身を汚さないことだ。

45 わたしは、おまえたちの神となるために、おまえたちをエジプトから救い出した。だから、わたしが聖なる者であるように、おまえたちも聖なる者にならなければならない。」

46 以上は、動物、鳥、水中に住む動物、地をはう動物についての法律です。

47 この決まりによって、地上の動物の中で、礼拝規則上どれがきよく、食べてかまわないものか、どれが汚れていて、食べてはならないものかの区別ができるのです。

12

1 神様はモーセに、人々に次のような指示を与えるように、と命じました。

2 「男の子が生まれた時は、母親は七日間汚れる。月のものの時と同じだ。

3 八日目にその子に割礼(生殖器の包皮を切り取る儀式)を施しなさい。

4 さらに三十三日間は、汚れをきよめる期間だから、神聖なものにさわったり、神の天幕に入ったりしてはならない。

5 女の子の時は、汚れは二週間つづく。その期間中、月のものの時と同じ制約を受ける。さらに、汚れをきよめるのに六十六日かかる。

6 きよめの期間が終わったら、男の子の場合も女の子の場合も、次のとおり、いけにえをささげなさい。一歳の子羊一頭を完全に焼き尽くすいけにえに、家鳩のひなか山鳩一羽を罪が赦されるためのいけにえにする。それを神の天幕の入口の祭司のところへ持って来る。

7 祭司はいけにえを神にささげ、罪の償いをしてくれる。こうして、彼女は出産の時の出血の汚れから、きよめられるのだ。産後のきよめは、このようにする。

8 ただし、貧しくて子羊を用意できない時は、山鳩か家鳩のひな二羽でもかまわない。一羽を完全に焼き尽くすいけにえ、もう一羽を罪が赦されるためのいけにえとしなさい。祭司はそれで罪の償いをしてくれる。これで、ふたたび礼拝規則上きよい者となるのだ。」

13

1 神様はモーセとアロンに命じました。「皮膚に、はれもの、かさぶた、できもの、吹き出物が出て、皮膚が透明状になった時は、ツァラアトの疑いがある。祭司アロンか、その息子のところへ患者を連れて行き、

2 -

3 患部を見てもらいなさい。患部の毛が白くなり、患部が皮膚の下まで及んでいるようなら、ツァラアトだ。祭司はツァラアトだと宣告しなければならない。

4 ただし、白い患部が皮膚の下までは及んでいないようで、毛も白く変わっていないなら、患者を七日のあいだ隔離する。

5 七日目にもう一度診察する。患部がそのまま広がっていないなら、さらに七日のあいだ隔離する。

6 七日目にまた診察し、患部がよくなり、広がっていないなら、治ったと宣告する。ただの皮膚病にすぎなかったのだから、患者は衣服を洗うだけで、元どおりの生活に戻れる。

7 もし、診察してもらったあとで患部が広がったら、もう一度、祭司のところへ行かなければならない。

8 診察の結果、患部が広がっているなら、祭司はツァラアトだと宣告する。

9 ツァラアトの疑いのある患者は、必ず祭司のところへ連れて来る。祭司は皮膚に白いはれものがあるか、患部の毛は白いか、はれものがひどくただれているか、などを調べる。

10 -

11 そのような症状がはっきり見えたら、慢性のツァラアトだ。祭司は患者に、ツァラアトだと宣告しなければならない。患者は検査を続けるために隔離される必要はない。明らかに病気だからだ。

12 ツァラアトが、足の先から頭のてっぺんまで広がっているのがわかったら、

13 祭司は患者に、病気は治ったと宣告する。全身が白くなっているので治ったのだ。

14 ただし、一個所でも、ただれたままの赤肌が残っているなら、ツァラアトだと宣告される。赤肌がその証拠だ。

15 -

16 それがあとで白く変わったら、祭司に診察してもらう。患部が完全に白く変わっていたら、祭司は治ったと宣告する。

17 -

18 できものが治っても、

19 白くはれ上がっていたり、赤みがかって白く光っていたりしたら、祭司の診察を受けなければならない。

20 祭司は調べて、できものが皮膚の下まで及んで見えたり、患部の毛が白くなっていたりしたら、ツァラアトだと宣告する。できものの痕がツァラアトにかかったからだ。

21 ただし、患部の毛が白くなっておらず、患部が皮膚の下まで及んでいないように見え、色も灰色なら、患者を七日のあいだ隔離する。

22 その期間に患部が広がれば、ツァラアトだと宣告する。

23 患部がひどくもならず、広がってもいないなら、できものの痕にすぎないから、祭司は治ったと宣告する。

24 やけどの個所が赤みがかった白か、ただ白く光っている場合は、必ず祭司が診察する。

25 光った患部の毛が白くなり、ただれが皮膚の下まで及んでいるようなら、やけどの個所がツァラアトにかかったのだ。祭司は患者をツァラアトだと宣告する。

26 祭司が見て、患部の毛も白くなく、ただれも皮膚の下まで及んでおらず、治りかけているようなら、患者を七日のあいだ隔離する。

27 七日目にもう一度診察し、患部が広がっていたら、ツァラアトだと宣告する。

28 患部が転移したり広がったりせず、治りかけているようなら、やけどの痕にすぎない。祭司はツァラアトではないと宣告する。

29 男でも女でも、頭かあごに、はれものがあったら、祭司が診察する。患部が皮膚の下まで及んでいるように見え、黄色い毛が見つかったら、ツァラアトだと宣告する。

30 -

31 ただし、祭司の診断では患部は皮膚だけにとどまり、しかも黒い毛がないなら、患者を七日のあいだ隔離する。

32 七日目にもう一度診察するのだ。それで患部が広がりもせず、黄色い毛も見つからず、患部も皮膚の下まで及んでいないようなら、

33 患部の毛は残し、回りの毛を全部そり落とす。こうしてさらに一週間だけ隔離する。

34 七日目にまた診察して、患部が広がりもせず、皮膚の下まで及んでもいないようなら、治ったと宣告する。患者は衣服を洗えば、いつでも帰してもらえる。

35 ただし、あとで患部が広がり始めたら、

36 祭司はその患者を再び診察しなければならない。確かに広がっていれば、黄色い毛を調べるまでもなく、ツァラアトだと宣告する。

37 特に広がっているわけでもなく、患部に黒い毛が生えているなら、治ったのであり、ツァラアトではない。祭司は治ったと宣告する。

38 男でも女でも、皮膚に透明状の部分はあるが、

39 それが鈍い白色で、だんだん消えていくなら、ただの皮膚病だ。

40 髪の毛が抜け、はげができたからと言っても、ツァラアトの決め手にはならない。

41 前の毛が抜けても、ただのはげで、ツァラアトではない。

42 ただし、はげた個所に赤みがかった白い部分があれば、ツァラアトの疑いがある。

43 その場合は祭司が診察し、ツァラアトのような、赤みがかった白いはれものがあれば、

44 ツァラアトだと宣告しなければならない。

45 ツァラアトだと診断された者は、衣服を引き裂き、髪をぼさぼさに乱し、口をおおって、『汚れている。汚れている』と叫んで歩かなければならない。

46 病気の間は汚れた者と見なされ、野営地の外で暮らす。

47 毛やリンネルの衣服や織物、皮や皮細工の物に緑あるいは赤みがかった斑点ができ、ツァラアトの疑いがある場合は、祭司に見せなさい。

48 -

49 -

50 祭司はそれを七日のあいだ隔離しておき、

51 七日目に取り出して調べる。もし斑点が広がっていれば、伝染性のツァラアトだ。

52 ツァラアトが発生した物は、衣服でも織物でもリンネルや毛のおおいでも皮製品でも、焼き捨てなければならない。伝染するといけないからだ。

53 七日目に調べて、斑点が広がっていなければ、

54 問題の物を洗い、さらに七日間そのままにしておくよう命じる。

55 そのあとも斑点の色が元のままなら、広がっていなくても確かにツァラアトだから、焼き捨てなさい。その物は完全に汚染されている。

56 洗ったあと、斑点が消えたら、布でも皮製品でも、その部分を切り取る。

57 それでもなお斑点が現われる時は、ツァラアトだから焼き捨てなさい。

58 洗っただけで、斑点がすっかり消えれば、もう一度洗い直してから前のように使える。」

59 以上は、皮や布製の衣服などにツァラアトが発生した場合の決まりです。このようにして、ツァラアトかどうかの判断を下すのです。

14

1 神様はまた、モーセに、ツァラアトが治った人をどうするか指示なさいました。

2 -

3 「まず、祭司が野営地を出て、患者を診察する。確かにツァラアトが治っていたら、

4 食用にできる鳥を生きたままで二羽、杉の木、赤い糸、ヒソプの枝を持って来させる。治った者のきよめの儀式をするのだ。

5 祭司は、二羽のうち一羽を土器に入れた湧き水の上で殺すよう命じる。

6 生きているほうの鳥を、杉の木、赤い糸、ヒソプの枝といっしょにその血につける。

7 次にツァラアトが治った者にその血を七度ふりかけ、病気は治ったと宣告する。そのあと、生きているほうの鳥を野に放す。

8 治った者は衣服を洗い、毛を全部そり落とし、体を洗う。こうしてから、野営地に戻り、普通の生活をする。ただし初めの七日間は、テントに入ってはならない。

9 七日目にもう一度、髪も、ひげも、まゆも全部そり落とし、衣服と体を洗う。これで、完全にツァラアトが治ったと宣告されるのだ。

10 翌日、傷のない雄の子羊二頭と、傷のない一歳の雌の子羊一頭、細かくひいた上等の小麦粉十・八リットルをオリーブ油でこねたもの、オリーブ油半リットルを持って来る。

11 診察する祭司は、患者とささげ物を神の天幕の入口へ連れて来る。

12 まず、雄の子羊一頭とオリーブ油半リットルをささげ、祭壇の前で揺り動かして罪を償ういけにえとしなさい。

13 天幕の、完全に焼き尽くすいけにえや、罪が赦されるためのいけにえを殺す場所で、その子羊を殺すのだ。このいけにえは、罪が赦されるためのいけにえと同じく、最も聖なるささげ物で、祭司の食物となる。

14 祭司はその血を取り、きよめられる者の右の耳たぶと手足の右親指に塗る。

15 それからオリーブ油を左のてのひらに注ぎ、

16 右手の指で、神の前に七回ふりかける。

17 手に残った油は、患者の右の耳たぶと手足の右親指に塗る。つまり、罪を償ういけにえの血の上に塗ることになる。

18 まだ残った油は、最後に患者の頭に注ぐ。こうして、祭司は神の前で、その患者の罪を償うのだ。

19 このあと、罪が赦されるためのいけにえをささげ、もう一度、ツァラアトが治った患者の罪を償う儀式を行なう。それがすんだら、完全に焼き尽くすいけにえを殺し、

20 祭壇に穀物の供え物といっしょにささげる。これらの儀式が全部すんではじめて、その患者はきよくなったと宣告されるのだ。

21 貧しくて子羊を二頭ささげられない時は、罪を償ういけにえに雄の子羊を一頭ささげなさい。それを祭壇の前で揺り動かして、罪を償う儀式をするのだ。ほかに、三・六リットルの上等の小麦粉をオリーブ油でこねたものを、穀物の供え物とし、半リットルのオリーブ油を添える。

22 また、山鳩か家鳩のひなを二羽持って来る。どちらでも手に入るほうでかまわない。一羽を罪が赦されるためのいけにえに、もう一羽を完全に焼き尽くすいけにえにする。

23 この場合も子羊と同じように、八日目に天幕の入口にいる祭司のところへ持って来る。神の前で、きよめの儀式を行なうためだ。

24 祭司は子羊と半リットルの油を、罪を償ういけにえとし、祭壇の前で揺り動かしてささげる。

25 子羊を殺し、その血を、きよめの儀式にあずかる者の右の耳たぶと手足の右親指に塗る。

26 次に、オリーブ油を左のてのひらに注ぎ、

27 神の前に右手の指で七回ふりかける。

28 続いて、患者の右の耳たぶと右手足の親指に塗る。罪を償ういけにえの血と同じ場所につけるのだ。

29 残りの油はきよめにあずかる患者の頭に注ぎかけ、神の前でその者の罪を償う。

30 それから患者は、山鳩か家鳩のひな二羽をささげる。どちらでも手に入るほうでかまわない。

31 一羽を罪が赦されるためのいけにえ、もう一羽を完全に焼き尽くすいけにえとし、穀物の供え物といっしょにささげる。こうして、祭司は神の前で、その患者のために罪の償いをするのだ。」

32 以上は、ツァラアトが治っても、きよめの儀式に普通のささげ物ができない者についての法律です。

33 続いて神様は、モーセとアロンに命じました。「約束のカナンの国へ着いたら、ある家にツァラアトが発生するだろう。

34 -

35 その時は、家の持ち主に、『家にツァラアトが発生したようです』と報告させなさい。

36 報告を受けた祭司は、検査の前に必ず家を空にするよう命じる。さもないと、祭司がその家にツァラアトが発生したと宣告する時、家財道具までぜんぶ汚染されたことになってしまうからだ。

37 家の壁に、緑あるいは赤みがかったしまがあり、表面だけでなく中まで及んでいるようだったら、七日間その家を閉鎖する。

38 -

39 七日目にもう一度調べ、しまが壁に広がっていたら、

40 その部分を取りこわすよう命じる。取り除いた石は町の外の汚れた場所に捨てる。

41 それから壁の内側をすっかり削り落とし、町の外の汚れた場所に捨てる。

42 代わりに新しい石を入れ、新しいモルタルを塗る。

43 それでも、また、しまが現われたら、

44 祭司が確かめる。しまが広がっているのがはっきりすれば、ツァラアトにまちがいない。その家は汚れている。

45 すぐ取りこわさせなさい。石も材木もモルタルも全部、町の外の汚れた場所に運び出す。

46 閉鎖中の家に入った者は、夕方まで汚れる。

47 その家で休んだり食事したりした者は、衣服を洗わなければならない。

48 祭司がもう一度見に来た時、塗り替えた壁にしまが広がっていなければ、その家はきよめられ、ツァラアトは去ったと宣告する。

49 そして、二羽の鳥、杉の木、赤い糸、ヒソプの枝で、きよめの儀式を行なう。

50 祭司は、土器に入れた湧き水の上で鳥の一羽を殺し、

51 その血の中へ生きている鳥を、杉の木、ヒソプの枝、赤い糸といっしょに浸し、七回その家に振りかける。これで家はきよくなる。

52 -

53 それが終わったら、生きている鳥を町の外の野に放す。こうしてその家をきよめ、また住めるようにするのだ。」

54 以上が、ツァラアトにかかった場所についての法律です。

55 すなわち、衣服、家、

56 皮膚のはれもの、やけどの痕、透明状の斑点などに関するものです。

57 この法律に照らし合わせて、ほんとうにツァラアトかどうかがわかるのです。

15

1 神様はモーセとアロンに、さらに次のような指示を人々に与えるよう命じました。「だれでも陰部から漏出があれば、礼拝規則で汚れた者と見なされる。

2 -

3 実際に漏出がある時だけでなく、漏出がない時も、その間は汚れた者となる。

4 寝床や座る物もみな汚れる。

5 患者の寝床にさわるだけで、礼拝規則上は夕方まで汚れた者となる。そうなれば、衣服と体を洗わなければならない。

6 汚れた者の座った物に座る者も、礼拝規則上は夕方まで汚れた者となる。やはり、衣服と体を洗わなければならない。

7 また、患者の病気の個所にさわった場合も、同じことだ。

8 患者につばをかけられただけでも、夕方まで汚れた者となり、衣服と体を洗わなければならない。

9 患者の乗った鞍は汚れる。

10 何でも患者が座った物にさわったり、それを運んだりした者は、夕方まで汚れた者となり、衣服と体を洗わなければならない。

11 患者が手を洗わずに人にさわったら、さわられた者は衣服と体を洗わなければならない。夕方までは汚れた者と見なされる。

12 汚れた者がさわった土器は、全部こわしなさい。木の容器は水できれいに洗えばよい。

13 漏出が止まったら、七日間きよめの儀式を行ないなさい。衣服を洗い、流水で体を洗うのだ。

14 八日目に、神の天幕の入口に、山鳩か家鳩のひな二羽を持って来て、祭司に渡す。

15 祭司はそこでいけにえをささげる。一羽を罪が赦されるためのいけにえに、もう一羽を完全に焼き尽くすいけにえにする。こうして、祭司は、漏出を病んだ患者のために、罪の償いをするのだ。

16 精液を漏らした時は全身を洗うこと。本人は夕方まで汚れた者となる。

17 精液のついた衣服や皮も、夕方まで汚れたものとなり、洗わなければならない。

18 性行為のあとは、男も女も体を洗わなければならない。二人とも翌日の夕方まで、礼拝規則で汚れた者と見なされる。

19 女が月のものがある時は、七日間は礼拝規則上は汚れた者となる。その期間に女にさわる者はだれでも、夕方まで汚れる。

20 その期間に女の寝る床や座る物は汚れる。

21 女の寝床や座った物にさわる者も、衣服と体を洗わなければならない。礼拝規則上は夕方まで汚れた者となるからだ。

22 -

23 -

24 この期間に女と性行為をする者は、礼拝規則で七日間汚れた者となる。彼の寝床も汚れる。

25 月のものが、普通の期間を過ぎても止まらないか、不定期にあった場合にも、同じ規則を適用する。

26 その期間に寝た床は、普通の月のものの場合と同様に汚れる。座った物も同じだ。

27 その女の寝床や座った物にさわる者は、夕方まで汚れる。衣服と体を洗いなさい。

28 月のものが止まって七日たったら、汚れはきよまる。

29 八日目に、山鳩か家鳩のひな二羽を、天幕の入口の祭司のところへ持って来なさい。

30 祭司は一羽を罪が赦されるためのいけにえに、もう一羽を完全に焼き尽くすいけにえにする。月のものの汚れのために、神の前でその女の罪の償いをするのだ。

31 こうして、人々を汚れからきよめる。彼らの間に建てられたわたしの天幕を汚し、死刑とならないようにするためだ。」

32 以上は、陰部に漏出の病気をもつ者や、精液を漏らした者、月のものの期間中の女、その期間中の女と性行為を行なった者についての法律です。

33 -

16

1 アロンの二人の息子が神様の前で死んだあと、神様はモーセに命じました。「兄アロンによく言っておけ。十戒の箱が安置され、恵みの座とされている垂れ幕のうしろの聖所には、好き勝手に入ってはならない。入れば死刑だ。恵みの座にかかる雲は、わたしが現われる場所だからだ。

2 -

3 そこに入る時の条件は、次のとおりだ。若い雄牛を罪が赦されるためのいけにえ用に、雄羊を完全に焼き尽くすいけにえ用に、持って来なさい。

4 体を洗い、神聖なリンネルの長服、下着、帯、ターバンを必ず身につける。

5 人々は罪が赦されるためのいけにえとして雄やぎ二頭、完全に焼き尽くすいけにえとして雄羊一頭を、アロンのところへ持って来る。

6 アロンはまず、自分のために、罪が赦されるためのいけにえとして若い雄牛をささげ、自分と家族の罪の償いをする。

7 続いて、天幕の入口の神の前に、山羊二頭を引いて来て、

8 くじを引き、神のものになるほうと、全国民の罪の身代わりに荒野へ放つほうを決める。

9 神のものと決まったほうを、罪が赦されるためのいけにえとする。

10 もう一頭は、生かしたままで神の前に置く。罪を償う儀式を行なったら、全国民の罪の身代わりとして荒野へ放つ。

11 自分と家族の罪が赦されるために、若い雄牛をいけにえとしたあと、

12 アロンは神の祭壇から炭火を火皿いっぱい取り、細かく砕いた香り高い香を両手いっぱいつかんで、垂れ幕の中に入る。

13 そこで炭火に香をくべ、神の前でたく。香の煙が十戒の箱の上の恵みの座を包むようにするのだ。こうすればアロンは死なない。

14 次に、若い雄牛の血を持ってもう一度中へ入り、指につけて恵みの座の東側に振りかけ、前面にも七回ふりかける。

15 それが終わったら、出て行って、全国民の罪が赦されるためのいけにえ用の山羊を殺し、その血を垂れ幕の中へ持って入り、恵みの座とその前面に振りかける。若い雄牛の時と同じだ。

16 このようにして、アロンは聖所の汚れをきよめる。聖所が人々の罪で汚されたからだ。神の天幕は人々のただ中にあって、汚れに囲まれている。

17 アロンが聖所へ入って罪の償いをする時は、だれひとり天幕に入ってはならない。自分と家族と全イスラエル人のために罪の償いをして、出て来るまでだ。

18 それがすんだら、神の前にある祭壇の汚れをきよめる。若い雄牛と山羊の血を祭壇の角に塗る。

19 また、指に血をつけて祭壇に七回ふりかける。こうして、祭壇を全イスラエル人の罪からきよめ、神聖なものとするのだ。

20 聖所と天幕全体と祭壇をきよめる儀式が終わったら、アロンはもう一頭の生きている山羊を引いて来て、

21 その頭に両手を置き、全国民の犯した罪をすべて告白する。すべての罪を山羊の頭にのせ、特別その仕事に任じられた者が荒野に放つのだ。

22 山羊は人々のすべての罪を背負ったまま、無人の地へ引いて行かれ、荒野に放たれる。

23 それからアロンは、また天幕へ入り、垂れ幕の中へ入る時に着たリンネルの装束を脱ぐ。服はそこへ置いたままにして、

24 神聖な場所で体を洗い、大祭司のいつもの服に着替えたら、外へ出る。自分と全国民のために、完全に焼き尽くすいけにえをささげ、罪の償いをするのだ。

25 罪が赦されるためのいけにえの脂肪も祭壇で焼く。

26 山羊を荒野へ引いて行った者は、衣服と体を洗ってから野営地に戻る。

27 罪が赦されるためのいけにえにした若い雄牛と山羊の死体は、アロンが聖所内で罪の償いの儀式に使った血は別として、野営地の外へ運び出し、皮も内臓もみな焼き捨てる。

28 焼く係りの者は、あとで衣服と体を洗い、野営地へ戻る。

29 これから命じることは、永遠に守るべき法律だ。毎年九月二十四日(ユダヤ暦では七月十日)は何の仕事もせず、謙虚に自分を反省する日としなさい。イスラエル人も共に住む外国人も、区別はない。この日は、すべての罪を赦し、神の目から見てきよい者と認める、罪の償いの日だからだ。

30 -

31 完全な休息の日として、身も心も静め、謙そんな思いで一日を過ごしなさい。これは永遠の法律だ。

32 アロンの死後も、彼の後継者として油を注がれる大祭司が、代々この儀式を執り行なう。神聖なリンネルの装束を身につけ、

33 聖所、天幕、祭壇、祭司、全国民の汚れをきよめ、罪の償いをするのだ。

34 くどいようだが、これはイスラエルの永遠の法律だ。全イスラエルの罪が赦されるため、年に一度償いの儀式をするのだ。」

35 アロンは、すべて神様がモーセに指示なさったとおり行ないました。

17

1 神様はまた、アロンと祭司のための教え、全イスラエル人のための教えを、モーセに示しました。

2 -

3 「雄牛、子羊、山羊を神の天幕以外の場所でいけにえとしてささげる者は、殺害の罪に問われ、国から追放される。

4 -

5 この法律の目的は、野外でいけにえをささげることを禁止し、いけにえはすべて天幕の入口の祭司のところへ持って来させ、そこで、脂肪を焼き、わたしの大好きな香りを放つようにさせるためだ。

6 こうしなければ、祭司は、天幕の入口にある神の祭壇に血を振りかけることができない。また、わたしの大好きな香りを放つように、脂肪を焼くこともできない。

7 そればかりか、イスラエル人が野外で悪霊にいけにえをささげるのを、防ぐこともできない。これは彼らにとって、守るべき永遠のおきてである。

8 くり返すが、イスラエル人であろうと、共に住む外国人であろうと、完全に焼き尽くすいけにえや他のいけにえを、天幕の入口以外の場所でささげる者は、追放される。

9 -

10 また、イスラエル人であろうと、共に住む外国人であろうと、どんな形にせよ、血を食べる者には、わたしは顔をそむけ、イスラエルから追放する。

11 血はいのちそのもの、また罪を償い、たましいを救う代償として、祭壇に振りかけるものだからだ。

12 イスラエル人も共に住む外国人も、血を食べてはならない、と命じたのは、このためだ。

13 イスラエル人でも共に住む外国人でも、猟に出かけ、食用にできる動物や鳥を殺した場合は、血を絞り出し、土をかぶせておかなければならない。

14 血はいのちだからだ。動物でも鳥でも、いのちは血にあるのだから、血を食べてはならない。血を食べる者は追放だ。

15 自然に死ぬか、野獣に裂き殺されるかした動物を食べるなら、ユダヤ人でも外国人でも、衣服と体を洗わなければならない。夕方まで汚れた者となるからだ。そのあとでは、彼はきよい者とみなされる。

16 この決まりどおりにしなければ、あとでどんな罰を受けようと、すべて本人の責任だ。」

18

1 神様はモーセに、次のことを人々に教えるよう命じました。「わたしはおまえたちの神、主だ。

2 -

3 だから、異教徒のまねをしてはならない。長いあいだ住んでいた異教の地エジプトや、これから行こうとするカナンの人々のように、振る舞ってはならない。

4 わたしの法律だけに従いなさい。細かな点に至るまで、きちんと守るのだ。わたしはおまえたちの神だからだ。だれでも、わたしの法律に従うなら生きる。わたしは主だ。

5 -

6 近親者と結婚してはならない。わたしは神だからだ。

7 娘が父と結婚したり、息子が母と結婚したりしてはならない。

8 父の妻(継母)と結婚してはならない。

9 実の姉妹でも片親の違う姉妹でも、姉妹とは結婚してはならない。同じ家で生まれても、ほかの家で生まれても変わりはない。

10 娘の娘であれ、息子の娘であれ、孫娘と結婚してはならない。近親者だからだ。

11 腹違いの妹とも、

12 父方のおばとも結婚してはならない。父の近親者だからだ。

13 母方のおばとも結婚してはならない。母の近親者だからだ。

14 父方のおじの妻である義理のおばとも結婚してはならない。

15 嫁である義理の娘とも結婚してはならない。

16 兄弟の妻もいけない。兄弟のものだからだ。

17 女とその娘、あるいはその孫娘の両方を妻にしてはならない。近親者だからだ。そんなことは恐るべき悪だ。

18 姉妹を同時に妻にしてはならない。嫉妬にかられ、争うようになるからだ。妻が死んで、その姉妹と結婚することはかまわない。

19 月のものの期間中の女と、性行為をしてはならない。

20 人の妻と関係して身を汚してはならない。

21 子供を異教の神モレクにささげ、焼き殺してはならない。わたしの名を決して汚してはならない。わたしはおまえたちの神だからだ。

22 同性愛は絶対に許されない。それは恐るべき罪だ。

23 男も女も、動物と性行為をして身を汚してはならない。恐るべき変態行為だからだ。

24 このようなことをして身を汚してはならない。それは異教徒のすることだ。彼らがそんなことをしているからこそ、わたしはおまえたちの目ざす国から、彼らを追い出すのだ。

25 国全体がその種の行為で汚れ果てている。もう放っておけない。そこの住民を罰し、国から追い出してやる。

26 おまえたちはわたしの法律や定めをしっかり守るのだ。このような恐るべきことを行なってはならない。この法律は、イスラエル人にも共に住む外国人にも当てはまる。

27 確かに、これから行こうとしている国の住民は、このような憎むべきことをくり返し、国中を汚した。

28 そのまねをしてはならない。さもないと、彼らばかりか、おまえたちまで追い出すことになる。

29 こんな恐るべきことを行なう者は、だれでも、追放だ。だからどんなことがあっても、わたしの法律に従いなさい。くれぐれも、こんな身の毛もよだつような習慣に染まってはならない。これから行く国で、こんな悪い生活を送り、身を汚してはならない。わたしはおまえたちの神だからだ。」

30 -

19

1 神様はモーセに、次のことを人々に教えるよう命じました。「おまえたちの神であるわたしが聖なる者なのだから、おまえたちも聖なる者となりなさい。

2 -

3 親を尊敬し、安息日の定めを守りなさい。わたしはおまえたちの神だからだ。

4 神々の偶像を作ったり、拝んだりしてはならない。わたしがおまえたちの神だ。

5 和解のいけにえをささげる時は、決まりどおり正しくささげなければならない。

6 その肉は、ささげた日か遅くとも翌日には食べなさい。三日目になってまだ残っている分は、必ず焼き捨てることだ。

7 三日目に食べても、わたしは不快に思うだけで受け入れはしない。

8 そればかりか、食べた本人は、神の神聖さを汚したのだから有罪だ。罰としてイスラエルから追放される。

9 刈り入れの時は、畑のすみずみまで刈り取ってはならない。地面に落ちた穂を拾い集めてもいけない。

10 ぶどう畑の場合も同じで、実をすっかりもぎ取ったり、地面に落ちた実を拾ったりしてはならない。貧しい者や外国人が取れるように、残しておきなさい。わたしはおまえたちの神だからだ。

11 盗んだり、うそをついたり、だまし取ったりしてはならない。

12 神の名にかけて偽って誓ってはならない。それは神の名をひどく傷つける。わたしは神だ。

13 人を虐待したり、略奪したりしてはならない。使用人にはきちんと給料を払いなさい。支払いを翌朝まで延ばしてはならない。

14 耳の聞こえない人をのろったり、目の見えない人をわざとつまずかせたりしてはならない。神を恐れなさい。わたしが神だ。

15 裁判官は、判決を下す時はいつも、公平で正しくなければならない。被告が金持ちか貧しいかで、左右されてはならない。いつも絶対公正でなければならないのだ。

16 うわさ話をして回ってはならない。ありもしないことで人を訴え、罪に陥れてはならない。わたしは神だからだ。

17 兄弟を憎んではならない。罪を犯した者は戒めなさい。放っておいてはいけない。さもないと、同罪と見なされる。

18 復讐しようと思ってはならない。人を恨んではならない。むしろ、自分を愛するように人を愛しなさい。わたしは神だからだ。

19 わたしの法律を守りなさい。種類の違った家畜を交配させてはならない。畑に二種類の種をまいてはならない。毛と亜麻の混紡の服を着てはならない。

20 婚約している女奴隷を誘惑した場合は、二人とも裁判を受けるが、死刑にはならない。女が自由の身でないからだ。

21 誘惑した男は、罪を償ういけにえを神の天幕の入口に持って来る。いけにえは雄羊でなければならない。

22 祭司は雄羊をささげて、その男が犯した罪の償いをする。そうすれば赦される。

23 約束の国へ入って果樹を植えたら、何の木でも三年は実を食べてはならない。礼拝規則で汚れたものと見なされるからだ。

24 四年目に、全収穫をささげ、神の恵みをたたえる供え物としなさい。

25 五年目からは、収穫はおまえたちのものとなる。わたしは神だ。

26 血抜きしていない肉を食べてはならない。占いや魔法を使ってはならない。

27 こめかみの毛をそったり、ひげの両端を刈り込んだりしてはならない。それは異教徒のすることだ。

28 葬儀の時に死者を悼んで自分の体に傷をつけたり、入れ墨をしたりしてはならない。わたしは神だ。

29 娘に売春をさせて身を汚させてはならない。恐ろしい悪が国中にはびこらないように、こう警告しておくのだ。

30 安息日の定めを守り、神の天幕を神聖な場所として重んじなさい。わたしは神だ。

31 霊媒や口寄せに頼って心を惑わせてはならない。わたしが神だからだ。

32 神を恐れなさい。老人には一目おき、尊敬をはらいなさい。わたしは神だ。

33 イスラエル国内に住む外国人の弱みにつけ込んだり、虐待したりしてはならない。

34 国民と同様に扱い、自分を愛するように愛しなさい。自分たちもエジプトでは外国人だったことを、忘れてはならない。わたしは神だ。

35 判断は公平で正しくなければならない。正確なはかりを用いなさい。長さでも重さでも量でも、正しくはかりなさい。わたしは、おまえたちをエジプトから救い出した、おまえたちの神だからだ。

36 -

37 わたしの命令や布告は、どれも注意深く守りなさい。わたしは主だ。」

20

1 神様はイスラエル国民のために、さらに次のような指示をモーセに与えました。「イスラエル人でも共に住む外国人でも、わが子を異教の神モレクのいけにえとする者は、必ず同胞の手で石打ちの刑に処せられる。

2 -

3 わたしも、その者に顔をそむけ、イスラエルから断つ。わが子をモレクにささげるようなことをしたからだ。そんなことをされたら、わたしの名は汚れ、もう神の天幕に住めなくなる。

4 たとい全国民がそのことに目をつぶり、処刑を拒んでも、

5 わたしは決して赦さない。本人ばかりか家族にまで顔をそむけ、わたし以外の神々を拝んだ者は、みな滅ぼす。

6 わたしの代わりに霊媒や口寄せなどに頼る者にも、わたしは顔をそむけ、イスラエルから断つ。

7 だから、自分をきよめ、聖なる者になりなさい。わたしはおまえたちの神だ。

8 わたしの戒めには、すべて従わなければならない。わたしはおまえたちを聖なる者とする主だからだ。

9 親をのろう者は必ず死刑になる。それが当然の報いだ。

10 人妻と姦淫を犯せば、男も女も共に死刑だ。

11 父の妻(継母)と関係する者は、父をはずかしめるのだ。当然の報いとして、男も女も死刑になる。

12 義理の娘と関係すれば、二人とも死刑だ。互いの責任で道ならぬことをし、この結果を招いたのだ。

13 同性愛にふける者も、二人とも死刑になる。自業自得だ。

14 娘と母親の両方と関係するのは、特にひどい罪だ。三人とも火あぶりにし、悪をぬぐい去りなさい。

15 動物と性行為を行なう者は死刑にし、動物も殺してしまいなさい。

16 女の場合も同じことだ。女も動物も殺しなさい。当然の報いだから、しかたがない。

17 たとい片親が違っても自分の姉妹と関係するのは、恥ずべき行為だ。二人とも公にイスラエルから追放される。それだけの罪を犯したのだ。

18 月のものの期間中の女と関係すれば、二人とも追放される。女の身の汚れを人前にさらしたからだ。

19 父方でも母方でも、おばと関係してはならない。近親者だからだ。この戒めを破った者は、必ず罰を受ける。

20 おばと関係する者は、おじのものを奪うのだ。二人は当然の刑罰を受け、子を残さずに死ぬ。

21 兄弟の妻と結婚するのは、みだらなことだ。兄弟のものを奪うからだ。そんなことをしたら、子供は生まれない。

22 わたしのすべての法律と定めに従わなければならない。きちんと守りさえすれば、新しく住む国から放り出されることはないだろう。

23 これから追い出す国々の習慣に従ってはならない。連中は、わたしがしてはならないと警告したことを、何もかも平気な顔でやってのける。わたしはそんな連中が大きらいだ。

24 約束どおりおまえたちにあの国々を与えよう。『乳と蜜の流れる』国だ。おまえたちは、ほかのどんな国民とも違う。わたしが特別に選び、おまえたちの神となったからだ。

25 だから鳥でも動物でも、わたしの命令どおり、食べられるものと、そうでないものをはっきり区別しなさい。どんなにたくさんいても、だめなものは食べてはならない。食べ物のことで身を汚し、わたしに嫌われないようにしなさい。

26 おまえたちの神であるわたしが聖なる者だから、おまえたちも聖なる者となりなさい。おまえたちは、ほかの国民とは違う。特別に選び出してわたしの国民としたからだ。

27 霊媒や口寄せを行なう者は、男だろうが女だろうが、石で打ち殺される。それが当然の報いだ。」

21

1 神様はモーセに命じました。「縁者に不幸があった場合も、死人にさわって身を汚してはならないと、祭司に命じなさい。

2 ただし、両親、息子、娘、兄弟、めんどうを見ている未婚の姉妹といった近親者の場合は、例外だ。

3 -

4 祭司は全国民の指導者だから、特に身をきよく保ちなさい。ただ縁者だからというので、一般の人と同じに振る舞い、身を汚してはならない。

5 祭司は髪やひげをそってはならない。異教徒がするように、体を傷つけてはならない。

6 神の前に聖なる者となるのだ。神の名を冒涜してはならない。さもないと、火で焼く食物の供え物を神にささげる資格が、なくなってしまう。

7 また、売春婦や離婚歴のある女と結婚することも、許されない。祭司は神のもので、聖なる者だからだ。

8 神へのいけにえをささげるために特に選ばれた祭司を、聖なる者としなさい。おまえたちを選び、きよい者とするわたしが、聖なる者だからだ。

9 祭司の娘でありながら売春婦になる者は、自分ばかりか父親のきよさまで汚すのだから、火あぶりの刑に処しなさい。

10 大祭司として特別に油を注がれた者は、特別な装束を身につける。どんなに悲しい時も、髪を乱したり、衣服を引き裂いたりしてはならない。

11 たとい親でも、死体に近づいてはならない。

12 務めの間は聖所を離れてはならない。普通の家のように、やたらに出入りしてはならない。特別に神聖な務めを果たす者として、神から任命されているからだ。わたしは神だ。

13 大祭司は同族の、しかも処女を妻にしなければならない。未亡人や離婚歴のある女、売春婦と結婚してはならない。大祭司の家系に一般人の血が混じってはならない。わたしが彼を特別に選び、きよい者としたからだ。」

14 -

15 -

16 神様はまた、モーセに命じました。「アロンに言いなさい。代々の子孫のうち体に欠陥のある者は、神にいけにえをささげてはならない。

17 -

18 目の見えない者、足の悪い者、鼻の欠けた者や手足の短すぎたり長すぎたりする者、

19 手足の折れた者、

20 背中の曲がった者、小人、目に欠陥のある者、吹き出物や疥癬ができている者、睾丸のつぶれた者などだ。

21 たとい、アロンの子孫でも体に欠陥があれば、火で焼くいけにえを神にささげることはできない。

22 ただし、いけにえのうち祭司の食物になる分は、聖なるものでも最も聖なるものでも、普通にあてがわれる。

23 だが、垂れ幕の中へ入ったり、祭壇に近づいたりしてはならない。体に欠陥があるからだ。そんなことをしたら、神の聖所を汚すことになる。そこを神聖な所とするのは神だからだ。」

24 モーセはこれらのことを、アロンと息子たち、およびイスラエル全国民に指示しました。

22

1 神はモーセに命じました。「アロンと息子たちに、ささげ物を不用意に扱って、わたしの名を汚さないように教えなさい。わたしは神だからだ。

2 -

3 今から永遠に、祭司が礼拝規則上は汚れたまま、人々の持って来た動物をいけにえにしたり、供え物を扱ったりするなら、その者は祭司職を解任される。わたしは神だからだ。

4 ツァラアトにかかったり、漏出のある祭司は、完全に治るまで聖なるものを食べてはならない。死体にさわった者、精液を漏らした者、

5 爬虫類など汚れた動物にさわった者、あるいは、何らかの理由で礼拝規則上けがれたものにさわった者は、

6 夕方まで汚れる。夕方、体を洗うまでは、聖なるものを食べてはならない。

7 日が沈めば汚れはきよまるから、そのあとは食べてもかまわない。それは祭司のいのちの糧だからだ。

8 祭司は、自然に死ぬか、野獣に裂き殺されるかした動物を、食べてはならない。身を汚すことになるからだ。わたしは神だ。

9 これらの指示を注意深く守るよう警告しなさい。この定めを破ったら、祭司は死刑だ。わたしはおまえたちを選び、きよい者とする神だ。

10 祭司でない者は、聖なるいけにえを食べてはならない。祭司の家の同居人や使用人であっても、口にはできない。

11 ただし、祭司が自分の金で買った奴隷は、食べてもかまわない。その家に生まれた奴隷の子も同じだ。

12 祭司の娘がほかの部族の者と結婚した時は、聖なるものを食べてはならない。

13 ただし、未亡人となるか離婚するかして、めんどうを見てくれる息子もなく、実家に戻った場合は、また食べることができる。

14 知らずに聖なるいけにえを食べた者は、食べた量の二割増しを祭司に返しなさい。

15 人々が持って来た聖なるいけにえは、神へのささげ物だから、一般の人が食べて汚してはならないのだ。

16 この法律を破れば、有罪であることはもちろん、非常に危険な状態に陥る。聖なるささげ物を食べたからだ。わたしはささげ物を特別にきよくする神だ。」

17 続いて神様は、モーセに命じました。「アロンと息子たち、および全国民に命じなさい。イスラエル人、あるいは共に住む外国人が、完全に焼き尽くすいけにえを神にささげる時は、誓願のためのものであっても、自分から進んでささげるものであっても、

18 -

19 傷のない雄でなければならない。それも若い牛か羊、あるいは山羊に限る。

20 傷のあるものはいっさいだめだ。わたしはそんなものは受け取らない。

21 和解のいけにえの場合も、誓願のためのもの、自分から進んでささげるものの別なく、牛や羊は傷のあるものをささげてはならない。わたしはそんなものは受け取らない。

22 目が見えなかったり、骨折していたり、体が不自由だったり、うみが出ていたり、湿疹や皮膚病にかかったりしているものは、ささげてはならない。神の祭壇にささげる完全に焼き尽くすいけにえに、ふさわしくないからだ。

23 神にささげた若い牛か羊の体の一部が、伸びすぎていたり、欠陥があったりしたら、自分から進んでするささげ物にはできるが、誓願のためにささげてはならない。

24 どんな傷でも睾丸の傷ついた動物は、つぶれていようが、切り取られていようが、神にささげてはならない。

25 イスラエル人だけでなく、共に住む外国人も同じ制限を受ける。わたしは、傷のある動物は、いけにえとして受け取らないからだ。」

26 続いて神様は、モーセに命じました。「牛か羊か山羊が生まれたら、七日間は母親のそばにおきなさい。八日以上たてば、火で焼くささげ物として神にささげることができる。

27 -

28 牛でも羊でも、母親と子を同じ日に殺してはならない。

29 感謝のいけにえをささげる時は、決まりどおり正しくささげなければならない。翌日まで残さず、その日のうちにいけにえの肉を食べなさい。わたしは神だ。

30 -

31 すべての命令に従いなさい。わたしは神だからだ。

32 わたしをいいかげんに扱ってはならない。心から尊敬し、あがめなさい。おまえたちを聖なる者とし、エジプトから救い出して自分の国民としたのは、神であるこのわたしだ。」

33 -

23

1 神様はモーセに命じました。「主の祭りを毎年かかさず守るよう、人々に言いなさい。その時には全国民が集まり、わたしを礼拝するのだ。

2 -

3 この祭りは安息日とは別のものだ。毎週七日目は仕事を休み、集まるのは礼拝のためだけで、あとは家で静かに過ごす。この安息日は、どこにいても守らなければならない。

4 毎年行なう聖なる祭りには、次のようなものがある。

5 まず過越の祭り。これは三月末(ユダヤ暦では一月十四日)に祝う。

6 次は種なしパンの祭り。この祭りは過越の祭りの翌日から一週間、イースト菌を入れないパンを食べて祝う。

7 初日には、ふだんの仕事はすべて休み、礼拝に集まる。

8 七日目も同じだ。そのあいだ毎日、火で焼くささげ物を神にささげる。

9 刈り入れの祭り。わたしが与える国で最初の収穫をあげたら、安息日の翌日に、そのうちの一束を祭司のところへ持って来なさい。祭司は、神の前でその束を揺り動かしてささげる。わたしはそれを受け取ろう。

10 -

11 -

12 同じ日に、完全に焼き尽くすいけにえとして、一歳の傷のない雄の子羊をささげなさい。

13 穀物の供え物も、いっしょにささげる。細かくひいた上等の小麦粉七・二リットルをオリーブ油でこね、火で焼くささげ物とするのだ。わたしはそれが大好きだ。また、ぶどう酒一リットル半を、飲み物の供え物としてささげなさい。

14 最初の収穫をささげ終えないうちは、どんな収穫物も食べてはならない。新麦も、パンも、炒り麦も、食べてはならない。これはイスラエルの永遠の法律だ。

15 七週の祭り。最初の収穫をささげてから五十日目に、その後の収穫の中から、新しい穀物の供え物を神に持って来る。

16 -

17 家で焼いたパンを二つ、神の前で揺り動かしてささげるのだ。パンは、七・二リットルの小麦粉にイースト菌を入れて焼く。これは収穫物の見本としてささげるのだ。

18 パンとぶどう酒といっしょに、傷のない一歳の子羊七頭と若い雄牛一頭、雄羊二頭を、完全に焼き尽くすいけにえとして、神にささげる。全部を火で焼いてささげるのだ。それがわたしの大好物だ。

19 ほかに、罪が赦されるためのいけにえに雄やぎ一頭を、和解のいけにえに一歳の雄の子羊二頭をささげる。

20 収穫物の見本としてささげたパンといっしょに、祭司はこれらのいけにえを揺り動かして、神にささげる。

21 その日は全国民が礼拝に集まる。どんな仕事もしてはならない。これは永遠の法律だ。

22 刈り入れの時は、畑のすみずみまで刈り取ってはならない。落ち穂を拾ってもいけない。貧しい人や土地を持たない寄留の外国人のために、残しておきなさい。わたしはおまえたちの神だ。

23 ラッパの祭り。九月十五日(ユダヤ暦では七月一日)は、全国民が礼拝に集まる聖なる記念日だ。ラッパを高らかに吹き鳴らして、その時を告げなさい。

24 -

25 その日は一日、どんな仕事もしてはならない。ただ、火で焼くいけにえを神にささげなさい。

26 全国民の罪を償う日はその九日後だ。全国民が神の前に集まり、めいめいの犯した罪を悔い、火で焼くいけにえをささげる。

27 -

28 その日は、どんな仕事もしてはならない。神の前で罪の償いをする特別な日だからだ。

29 その日一日、罪を悔い改めて過ごさないような者は、イスラエルから追放され、

30 その日に仕事をするような者は、死刑になる。これはイスラエルの永遠の法律だ。

31 -

32 その日は神聖な安息日だから、神の前で謙そんに罪を悔い改めなさい。前日の夕方から、当日の夕方までまる一日、身を慎んで過ごすのだ。

33 仮庵の祭り。さらに五日後の九月二十九日(ユダヤ暦では七月十五日)からは、神の前に七日間の仮庵の祭りを祝う。

34 -

35 初日は全国民が仕事を休み、聖なる集会を開く。

36 祭りの七日間は毎日、火で焼くいけにえを神にささげる。八日目にもう一度、全国民の聖なる集会を開く。その日も火で焼くささげ物をささげる。仕事はすべて休み、楽しく祝うのだ。

37 以上が毎年祝う祭りだ。その時は、全国民が聖なる集会を開き、火で焼くいけにえをささげる。

38 この祭りは毎週の安息日とは別だ。いけにえも、ふだんのものや誓願のためのものとは別のものをささげる。

39 収穫の終わる時期にあたる九月二十九日から、神の前で、この七日間の祭りを祝う。祭りの初日と最終日は神聖な休息の日だ。

40 初日に、実のついた果物の木の大枝と、なつめやしの木の葉、川べりにある柳などの葉の茂った大枝を持って来て〔仮小屋を作り〕、神の前で七日間、共に喜び合う。

41 この祭りを祝うことは永遠の法律だ。

42 イスラエルで生まれた者はみな、この七日間を仮小屋で過ごす。

43 わたしがエジプトからおまえたちを救い出し、仮小屋に住ませたことを、永遠に忘れないためだ。わたしはおまえたちの神だ。」

44 モーセは人々に、これらの祭りを毎年かかさず守るよう教えました。

24

1 神様はモーセに命じました。「至聖所を仕切る垂れ幕の外側に置いた純金の燭台に、絶えず火をともしておくために、純粋なオリーブ油を持って来るよう、人々に命じなさい。毎日、朝と夕方の二回、アロンは新しい油をたし、芯を調節する。その火は神の前に永遠にともし続けるのだ。

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5 安息日ごとに、大祭司は神の前にある金のテーブルに、輪型のパン十二個を二列に並べる。パンは細かくひいた小麦粉を、一個につき七・二リットルずつ使って焼き、純粋な香料を振りかける。これは、わたしがイスラエルと結んだ永遠の契約を記念するささげ物だ。

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9 パンはアロンと息子たちが、指定された場所で食べる。神の永遠の法律に基づいてささげる、火で焼くささげ物で、最も神聖なものだからだ。」

10 さてある日、母親がイスラエル人で父親はエジプト人という男と、イスラエル人の男が、野営地でけんかをしました。

11 その最中、エジプト人の息子のほうが、神様をのろうことばを吐いたのです。さあ、ただではすみません。モーセのところへ連れて来られ、裁判を受けることになりました。ところで、その人の母親はシュロミテといい、ダン部族のディブリの娘です。

12 神様はどんな判決をお下しになるのでしょう。それまでひとまず、牢に入れておくことにしました。

13 神様の指示はこうでした。「その者を野営地の外へ引き出し、のろいのことばを聞いた者全員が、その者の頭に手を置く。それから、全員で石打ちの刑にするのだ。

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15 これだけは、はっきりさせておけ。神をのろう者は必ず罰を受ける。それも死刑だ。全員で石打ちにする。神の名を冒涜する者は、イスラエル人であれ外国人であれ、この法律を適用し、死刑にする。

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17 殺人犯もすべて死刑だ。

18 他人の動物を殺した者は、弁償しなければならない。

19 人を傷つけた者は、刑罰として同じ傷を負わされる。

20 骨折には骨折、目には目、歯には歯だ。人にしたとおり自分にも返ってくるのだ。

21 もう一度言う。動物を殺せば弁償しなければならず、人を殺せば死刑だ。

22 イスラエル人も外国人も区別はない。わたしはおまえたちの神だからだ。」

23 人々は神様の命令どおり、その者を野営地の外へ引き出し、石打ちの刑にしました。

25

1 モーセがまだシナイ山にいる間に、神様は次のような人々への指示をお与えになりました。「わたしが与える国へ着いたら、七年に一度は土地を休ませなさい。

2 -

3 六年間は畑に種をまき、ぶどう園の手入れをして、収穫をあげるがいい。

4 ただし、七年目は休耕にし、土地を神の前に休ませることだ。種をまいたり、ぶどう園の手入れをしたりしてはならない。

5 手入れもしないのに自然に生えた実やぶどうを収穫するのも、許されない。土地を休ませる年だからだ。

6 その年に育った実は収穫はできないが、入り用の分だけなら、だれが取ってもかまわない。おまえたちはもちろん、使用人、奴隷、イスラエル国内に住む外国人も同じだ。家畜や野獣にも、自由に食べさせなさい。

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8 さらに五十年目を特別な年とする。

9 その年の全国民の罪を償う日に、ラッパを国中に高く鳴り響かせなさい。

10 五十年目は聖なる負債免除の年だ。負債のある者は、公私の別なく負債をすべて棒引きにされる。また人手に渡った財産も戻ってくる。

11 種まきもせず、刈り入れもしないですむ。なんと恵まれた年か。

12 聖なる五十年祭だ。その年は、野に自然に育ったものを食べる。

13 五十年祭の年には、だれもが元の財産を取り戻す。売ったものでも、また自分のものになるのだ。

14 だから、それまでの四十九年間に土地を売買する場合は、五十年祭までの年数によって、公正な値段をつけなさい。残りの年数が長ければ、値段は高くなり、短ければ安くなる。つまり、土地を返すまで何回収穫できるかによって、値段が決まるのだ。

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17 神を恐れなさい。不当に高い値段をつけてはならない。わたしは神だ。約束の国で安全に暮らしたければ、わたしの法律に従いなさい。

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19 そうすれば豊作に恵まれ、何不自由なく安全に暮らせる。

20 『七年目は作物をつくれないのなら、いったい何を食べたらいいのだ』と言うのか。

21 心配はいらない。六年目を豊作にし、たっぷり三年分の収穫をあげさせよう。

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23 土地はわたしのものだから、それを永久に売り渡してはならない。おまえたちは小作人にすぎないのだ。

24 土地を売る時は、いつでも買い戻せることを条件にしなければならない。

25 生活に困り、土地を手放さなければならなくなった時は、近親者が買い戻してかまわない。

26 そのとき買い戻す者がいなくても、金ができしだい、売った本人が、五十年祭までの収穫の回数に見合う値段で、いつでも買い戻せる。買い主は代金を受け取り、土地を返さなければならない。

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28 元の持ち主が買い戻せない時は、五十年祭まで買い主のものとなる。五十年祭になったら返すことは当然だ。

29 町中にある家を売る場合は、一年間は買い戻す権利がある。

30 一年以内に買い戻せない時は、永久に新しい所有者のものとなる。五十年祭の時にも返す必要はない。

31 城壁で囲まれていない村にある家は、畑地と同じように、いつでも買い戻すことができ、五十年祭の時には元の持ち主に返される。

32 ただし、レビ人の家の場合は例外だ。城壁に囲まれた町にある場合も、いつでも買い戻せるし、

33 五十年祭には元の持ち主に返さなければならない。レビ人はほかの部族のように農地はもらえず、それぞれの町にある家と、その回りの畑しか持っていないからだ。

34 レビ人は、町の周囲の公用地を売ってはならない。そこは彼らの永遠の所有地で、他のだれのものでもないからだ。

35 兄弟が生活に困ったら、助ける責任がある。客として家に招き、

36 いっしょに住まわせなさい。神を恐れるのだ。金を貸すなら無利子で貸しなさい。

37 決して利息を取ってはならない。必要なものはみな買い与えなさい。困っている人を出汁に、もうけようとしてはならない。

38 わたしがおまえたちを、エジプトから救い出してカナンの国を与え、おまえたちの神となったからだ。

39 同胞のイスラエル人が生活に困って身売りしても、普通の奴隷のように扱ってはならない。

40 使用人か客のように扱いなさい。その者が仕えるのは五十年祭までだ。

41 その時がくれば、子供たちといっしょに家族のところへ戻り、財産も取り戻せる。

42 わたしは、おまえたちをエジプトから救い出した神であり、おまえたちはみな、わたしのしもべだ。普通の奴隷のように売られることも、

43 手荒く扱われることもない。神を恐れなさい。

44 イスラエル周辺に住む外国人なら、奴隷として買ってもかまわない。

45 また、イスラエル生まれの外国人の子も、奴隷として買える。

46 生涯奴隷として使い、子孫に譲り渡してかまわない。ただし、同胞のイスラエル人は、そのように扱ってはならない。

47 生活に困ったイスラエル人が、国内に住む金持ちの外国人やその家族に身売りした場合は、

48 兄弟か、おじか、いとこ、あるいは、親せきの者ならだれにでも、買い戻してもらえる。金ができれば、自分で自分を買い戻すこともできる。

49 -

50 自由の身となる代価は、五十年祭までの残りの年数によって決める。

51 まだだいぶ間がある時は、身売りした時に受け取った額を払いなさい。

52 何年もたって、五十年祭まで残り少なくなっている場合は、それに見合うだけ払えばよい。

53 イスラエル人が外国人に身売りした場合、買った外国人は、奴隷だからといってこき使ってはならない。普通の使用人として扱いなさい。

54 たとい買い戻せない場合でも、五十年祭がくれば、子供たちといっしょに自由の身となる。

55 イスラエル人は、この手でエジプトから救い出した、わたしのしもべだからだ。わたしはおまえたちの神だ。

26

1 偶像を作ってはならない。彫像だろうが、石像だろうが、オベリスクだろうが、偶像を拝んではならない。わたしがおまえたちの神だからだ。

2 安息日の定めを守り、神の天幕を重んじなさい。わたしは主だ。

3 わたしのすべての命令に従うなら、

4 季節ごとに、きちんと雨を降らせ、豊作をもたらす。麦の脱穀はぶどうの時期までかかり、ぶどうの取り入れは次の種まきの時まで続く。何不自由なく安心して暮らせるだろう。

5 -

6 少しの心配もない平和な毎日を送れるのだ。危険な野獣はわたしが追い払おう。戦争で国土を荒らされることもない。

7 おまえたちは敵を追い払い、さんざんに打ちのめす。

8 五人で百人を、百人で一万人を追い散らし、敵の息の根を完全に止める。

9 わたしは契約どおり、おまえたちをふやし、心にかける。

10 刈り入れ時がきても、まだ前の収穫が残っていて困るほどだろう。

11 わたしはおまえたちと共に住む。おまえたちを軽べつしたりはしない。

12 親しく共に歩み、おまえたちの神となる。おまえたちはわたしの国民となるのだ。

13 わたしがおまえたちをエジプトから救い出し、奴隷の鎖を断ち切ったのだ。だから、胸を張って堂々と歩きなさい。

14 ただし、わたしの言うことを聞かず、従おうともせず、

15 法律を無視するなら、

16 おまえたちを罰する。テロやパニックが突発し、結核や熱病が猛威をふるうだろう。目は衰え、生きる気力もなくなる。種をまいても、収穫はぜんぶ敵が横取りする。

17 わたしの知ったことではない。敵に追い散らされても助けはしない。おまえたちは憎しみに燃えた敵に支配され、追いかけられもしないのに、逃げ出す。

18 それでもなお従わないなら、七倍の罰を加える。

19 自分の力に頼ろうとする思い上がりを、木端微塵に砕いてやる。思い知るがいい。天は鉄のように、地は青銅のようになり、一滴の雨も降らず作物も実らない。

20 いくら耕し、手入れをしても、むだだ。収穫は全くない。

21 それでもなお従わず、言うことを聞かないなら、さらに七倍の災害で苦しめる。

22 野獣を放って、子供たちや家畜を殺し、人口を減らす。こうして、イスラエルは荒れ果てるのだ。

23 それでもなお行ないを改めず、反抗し続けるなら、

24 わたしも黙ってはいない。その罪の重さを、いやと言うほど思い知らせる。この手で、七倍も強く打ちのめしてやる。

25 契約違反は戦争で罰する。町に逃げ込んでもだめだ。町中に伝染病がはやり、結局は敵に征服されてしまう。

26 食べ物は底をつき、十家族分のパンを焼くのに、一つかまどで間に合うほどになる。配給はわずかで、とうてい腹を満たすことはできない。

27 それでもなお聞き従わないなら、

28 もう容赦はしない。七倍も重い罰を加えてやる。

29 事もあろうに、わが子まで食べるほどに飢えさせる。

30 おまえたちが偶像を拝む、山の祭壇を打ちこわし、香の祭壇を切り倒す。偶像に混じって、おまえたちの死体がごろごろ転がり、腐れ果てていくのを黙って眺めよう。おまえたちが大きらいになる。

31 町々を廃墟にし、礼拝所は打ちこわす。ささげ物でなだめようとしても、ふだんは大好きな香りさえ、嗅ぐ気もしない。

32 国はすっかり荒れ果て、代わって住みついた敵でさえ、あまりのひどさに驚き恐れるだろう。

33 おまえたちは散り散りに外国へ逃げ、そこでも行く先々で戦いに敗れる。国はすっかり荒れ果て、町々は廃墟と化す。

34 こうして、ようやく土地を休ませることができる。おまえたちが利用できるだけ利用し尽くした土地を、敵の捕虜となっている間、ずっと休ませよう。そうだ。ゆっくり土地を休ませよう。おまえたちが住んでいた時、七年ごとに一年の休みを与えなかった分を、まとめて取り戻すのだ。

35 -

36 生き残った者は、捕虜や奴隷として遠い国へ連れて行かれる。外国でおびえながら暮らすのだ。風に舞う木の葉の音にもおびえ、剣で追い立てられるように逃げ惑う。追いかけられもしないのに倒れる。

37 戦いで弱気を起こし、敵前を逃げ惑うように、追いかけられもしないのに、力なく恐怖におののく。

38 あげくの果ては敵地であえない最期を遂げる。

39 運よく生き残った者も、自分と先祖たちの犯した罪の重さに耐えきれず、見る影もなくやつれ果てるのだ。

40 しかし最後には、自分たちの裏切りを認める。苦しい思いをするのも、元はと言えば、わたしに反抗したからだ。それで、わたしも黙ってはおらず、敵の手に渡した。だが、悪かったと反省し、素直に罰を受けるなら、

41 -

42 アブラハム、イサク、ヤコブと結んだ契約を思い出し、荒れ果てたイスラエルを、もう一度心に留めよう。

43 その間に国土は十分に地力を回復する。一方、国民は神の法律を犯し、定めを軽んじた罰を素直に受ける気になる。

44 彼らの行状はひどかったが、わたしはちゃんと契約を守り、完全に滅ぼすことはしなかった。わたしは彼らの神だからだ。

45 わたしは彼らの先祖と結んだ契約を思い出す。彼らの神となるという契約だ。周囲の国々が驚き見守る中で、彼らの先祖をエジプトから救い出したのは、このわたしだ。わたしは彼らの神だ。」

46 以上は、シナイ山で神様がモーセに語った、イスラエル国民の守るべき法律、定め、指示です。

27

1 神様はまた、モーセに命じました。「人々に言いなさい。神に身をささげるという特別な誓願を立てる者は、その代価として次の額を納める。

2 -

3 二十歳から六十歳までの男子は七千五百円、女子は四千五百円。

4 -

5 五歳から二十歳までの少年は三千円、少女は千五百円。

6 一か月から五歳までの男児は七百五十円、女児は四百五十円。

7 六十歳以上の男子は二千二百五十円、女子は千五百円。

8 ただし、貧しくて全額を払いきれない者は、祭司に申し出ること。事情を話し合ったうえで、祭司が決めた額を払えばよい。

9 神に動物のいけにえをささげると誓ったら、そのとおりにしなければならない。

10 一たん誓った以上、やたらに変えないことだ。良いものを悪いものに替えることはもちろん、悪いものを良いものに替えるのもいけない。そんなことをしたら、両方とも神のものになる。

11 ささげたのが、いけにえにできない動物の場合、持ち主は祭司に申し出て適当な値をつけてもらい、その金額を代わりに支払う。

12 -

13 いけにえにできる動物の場合でも、買い戻したい時は、祭司がつけた値の二割増しを支払えばよい。

14 家を神にささげたが買い戻したくなった時は、祭司が評価した額の二割増しを支払いなさい。そうすれば、また自分のものになる。

15 -

16 畑の一部を神にささげる時は、まく種の量で評価する。大麦の種三百六十リットルをまける広さの土地は、七千五百円だ。

17 五十年祭の時に畑をささげる場合は、評価額の全額を支払う。

18 五十年祭以後は、次の五十年祭まであと何年あるかによって決める。

19 買い戻したい時は、祭司が決めた評価額の二割増しを支払う。それでまた、自分のものになる。

20 ただし買い戻さないと決めるか、すでに人手に渡っている場合は、もう取り戻せない。

21 その畑は五十年祭の時に、神にささげられた土地として祭司のものになる。

22 もともとの所有地でない買った土地を、神にささげる場合は、

23 祭司が決めた五十年祭までの評価額を直ちに支払わなければならない。

24 五十年祭の時には、土地は元の持ち主に戻る。

25 代金はすべて通貨で支払う。

26 牛や羊の初子をささげてはならない。初めから神のものだからだ。

27 いけにえにできない動物の初子の場合は、祭司の評価額の二割増しを支払う。持ち主に買い戻すつもりがないなら、祭司はほかの者に売ってかまわない。

28 しかし、人であれ、動物であれ、畑であれ、神に完全にささげたものは、売ることも買い戻すこともできない。それは神のもので、最も神聖なものだからだ。

29 法廷で死刑を宣告された者は、代わりに罰金を支払ってすますことはできない。必ず死刑となる。

30 穀物でも果実でも、農産物の十分の一は神のもので、神聖なものだ。

31 十分の一の穀物や果実を買い戻したい時は、評価額の二割増しを支払わなければならない。

32 牛であれ羊であれ、家畜はすべて十頭ずつ数え、十頭目が神のものとなる。

33 質の良し悪しで選んではならない。取り替えてもいけない。取り替えた場合は、両方とも神のものになる。もちろん買い戻すこともできない。」

34 以上は、シナイ山で神様がモーセに語った、イスラエル国民への命令です。