1 ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤ、というユダ王国の四人の王の治世に、ベエリの子ホセアに神様のお告げがありました。その間のイスラエルの王の一人は、ヨアシュの子ヤロブアムです。
2 最初のお告げはこうです。「遊女と結婚せよ。その女から生まれる子供のうちには、ほかの男が父親である場合もある。そのことは、わたしの国民のわたしに対する不誠実を表わしている。彼らは他の神々を礼拝し、わたしを無視して、おおっぴらに姦淫している。」
3 こうしてホセアは、ディブライムの娘ゴメルと結婚しました。彼女はみごもり、男の子を産みました。
4 すると、次のお告げがありました。「その子をイズレエルと名づけよ。わたしは、イズレエルの谷で、エフーが犯した殺人〔王国衰亡記下一○・一一参照〕に報復するため、エフー王家を罰しようとしている。そうだ、わたしはイズレエルの谷で、イスラエルの独立を失わせ、その国の力を打ち破ろう。」
5 -
6 やがてゴメルは、もう一人の子を産みました。今度は女の子です。またホセアに、お告げがありました。「ロ・ルハマ〔『もうあわれみをかけない』の意〕と名づけよ。わたしは二度とイスラエルにあわれみをかけず、イスラエルを赦そうとは思わないからだ。
7 だが、ユダ部族にはあわれみをかける。ユダ王国の軍隊や武器の力を借りることなく、わたし自身の力で、ユダを敵の手から救い出して自由にする。」
8 ロ・ルハマが乳離れすると、ゴメルはまたもみごもり、今度は男の子を産みました。
9 例によってお告げがありました。「ロ・アミ〔『わたしのものではない』の意〕と名づけよ。イスラエルはわたしのものではなく、わたしも彼らの神ではないからだ。
10 それでも、イスラエルが栄え、大きな国民となる時がくる。その日には、海岸の砂のように数えきれないほどの人口となる。その時は、彼らに、『おまえたちはわたしの国民ではない』と言わずに、『おまえたちはわたしの息子、生ける神の子供だ』と言おう。
11 それから、ユダとイスラエルは統一され、一人の指導者が立てられる。人々は捕囚の地から手を携えて帰る。それが実現する日は、なんとすばらしいことか。その日、わたしはわたしの民を、彼らのものである肥沃な地に、再び住まわせる。」
1 イズレエルよ、おまえの弟や妹の名を改めよ。弟をアミ〔「今、あなたはわたしのもの」の意〕、妹をルハマ〔「あわれみを受けた」の意〕と呼ぶのだ。神様があわれみをかけようとしておられるからだ。
2 おまえたちの母親を責めよ。彼女はほかの男の妻になったのだ。私はもう彼女の夫ではない。姦淫をやめ、ほかの男たちに身を任せないよう、懇願するがいい。
3 もしやめなければ、私は彼女の着物をはいで裸にし、生まれたままの姿にする。ききんや日照りで地割れした土地のように、彼女をやせ衰えさせ、干からびて死ぬようにさせる。
4 わが子を愛するようには、彼女の子供たちに愛を注ぐことはしない。私の子供ではなく、ほかの男の子供だからだ。
5 それというのも、その母親が姦淫したからだ。彼女は、「男たちを追いかけ、食べ物、飲み物、着物のために、身を売ったのさ」と言い、あさましいことをした。
6 わたしは、いばらの茂みで彼女を囲み、進む道をふさいで路頭に迷わせる。
7 それで、彼女が恋人たちを追いかけても、つかまえることができない。捜し回っても、見つけることができない。そこで、「夫のもとに戻ろうかしら。今より、あの人と暮らしていた時のほうが、ずっとよかったわ」と考え直すようになる。
8 彼女は、持っているものはすべて、わたしが与えたものであることに気づかない。彼女の神バアルを拝むために使った金や銀も、全部わたしが与えたものだ。
9 それで、今からは、わたしが欠かさず与えたぶどう酒と穀物を取り戻そう。彼女の裸をおおうために与えた着物も、はぎ取ろう。わたしはもう、季節ごとの豊かな収穫を約束せず、ぶどうの収穫時にも、ぶどう酒を与えない。
10 さあ、彼女の裸を人前にさらして、恋人たちに見せつけよう。だれもわたしの手から彼女を救い出すことはできない。
11 彼女のすべての喜び、宴会、休日、楽しい祭りを、ぴたりとやめさせる。
12 彼女が恋人たちに、報酬として要求したぶどう畑と果樹園をめちゃめちゃにして、ジャングルのようにする。野獣がその実を食い散らす。
13 彼女が、偶像の神バアルのために香をたき、イヤリングや宝石を身につけ、わたしを捨てて、恋人たちを捜し求めて行ったこと、その他もろもろの悪事のために、わたしは彼女に仕返しをする。神様がこう言われるのです。
14 だが、わたしは再び彼女をくどいて荒野に連れて行き、やさしく語りかけよう。
15 そこを彼女のためにぶどう畑とし、「苦しみの谷」を「望みの門」に変えよう。彼女はそこでわたしに答え、遠い昔、彼女が若かった日に、わたしがエジプトの奴隷から解放してやった時のように、喜びにあふれて歌うようになる。
16 神様はこうお語りになります。その日には、彼女はわたしを「ご主人様」とは呼ばず、「私の夫」と呼ぶようになる。
17 ああ、イスラエルよ。わたしはおまえの偶像を忘れさせよう。その名さえ口にすることがなくなるように。
18 その時わたしは、もうこれ以上、互いに恐れることがないように、おまえと野獣や鳥や蛇との間に契約を結ぼう。すべての武器を捨てさせるので、地上から戦争がなくなる。おまえたちは、何の心配もなく横になれる。
19 正義と公平、愛とあわれみの鎖で、永遠におまえをわたしにつなぎとめる。
20 真実な愛をもって、おまえと契りを結ぶ。その時、以前とは全く違って、ほんとうにわたしがわかるようになる。
21 その日、雨を降らせてくれという天の叫びに答えて、わたしは、雨雲を呼ぼう。すると地は、穀物やぶどうやオリーブの木の求めに応じて、水分と露を供給する。全地から、「神様が種をまいてくださる」という大合唱が起こる。神様がすべてのものを与えてくださるのだ。
22 -
23 わたしはイスラエルという種をまき、自分自身のために、それを育てる。「あわれみをかけられなかった」者たちをあわれみ、「わたしの国民ではない」者たちに、「今、おまえたちはわたしの国民だ」と言おう。すると彼らは、「あなた様こそ私たちの神です」と答える。
1 それから、神様は私にこうお語りになりました。「さあ、もう一度、妻を連れ戻せ。たとい姦通の女であっても、彼女を愛せ。イスラエルが他の神々に心を向け、その祭壇に高価な贈り物をささげても、わたしはなおもイスラエルを愛しているからだ。」
2 そこで私は、六百円と大麦五百四十リットルで、〔奴隷であった〕妻を買い戻し、
3 こう言い渡しました。「当分、一人で暮らすのだ。ほかの男たちと出かけたり、遊女になることはやめろ。いいな。」
4 これは、イスラエルが今後ずっと、王も、君主も、祭壇も、神殿も、祭司も、また偶像もなく過ごすことを示します。
5 のちに、彼らは、彼らの神様と、彼らの王であるメシヤのもとに帰って来るでしょう。終わりの日に、彼らは震えおののきながら、うやうやしく神様とその恵みに近づいて来るのです。
1 イスラエル国民よ、私のことばを聞け。私はあなたがたを訴え、非難しているのだ。イスラエルの地には、誠実もなく、親切もなく、神を知ることもない。
2 やたらに毒づき、うそをつき、人を殺し、盗み、姦淫にふけっている。至る所に暴虐があり、流血は後を断たない。
3 それで、この地には産物がなく悲しみだけが満ちる。すべての生き物は病んで倒れ、動物も鳥も、果ては魚までも姿を消す。
4 だれかを指さして、責めるようなことをするな。ほら、祭司よ。わたしの指はおまえをさしている。
5 その罪のため、おまえは真昼でも、夜と同じようにつまずく。頼みの綱の偽預言者も同じだ。わたしは、おまえの母であるイスラエルを滅ぼす。
6 わたしの国民は、わたしを知らないために滅ぼされる。それもみな、おまえたち祭司のせいだ。おまえたちが、わたしを知ろうとしなかったからだ。それで、わたしも、おまえたちをわたしの祭司とは認めない。おまえがわたしのおきてを忘れてしまったので、わたしもおまえの子供たちを祝福することを忘れよう。
7 おまえは数を増せば増すほど、わたしに罪を犯すようになった。神の栄光を偶像の恥に変えたのだ。
8 祭司は、国民が罪を犯すのを喜び、それに自分もはまり込み、もっと罪を犯すことを願うかのように、舌なめずりする。
9 だから、「祭司も国民も変わらない」と言われる。祭司が悪いから、国民も悪くなるのだ。だから、祭司も国民も、その邪悪な行ないに応じて罰する。
10 彼らはいくら食べても腹がへる。いくら姦淫しても、望む子供は生まれない。わたしを見捨てて、他の神々へ心を向けたからだ。
11 酒と女と歌は、わたしの国民から判断力を奪ってしまった。
12 驚いたことに、彼らは木片に向かって、自分がどうしたらよいか、うかがいを立てている。神の真理を占いによって知ろうとしている。偶像を恋い慕ううちに、ろくでなしになってしまった。他の神々に仕えて遊女とたわむれ、わたしなど捨ててしまった。
13 山のいただきで偶像にいけにえをささげ、丘に登って、樫やポプラやテレビンの木の心地よい木陰で香をたく。おまえたちの娘はそこで売春婦に身を持ちくずし、おまえたちの嫁はそこで姦淫をする。
14 だが、どうして彼女らを罰することができよう?男のおまえたちも同じことをし、遊女や神殿娼婦とともにいけにえをささげ、罪を犯しているからだ。大ばか者め!いっこうに目が覚めないので、おまえたちの運命は定まっている。
15 イスラエルが売春婦のようであっても、ユダはそれに惑わされないようにせよ。ユダよ、ギルガルやベテルで、心にもなくわたしを礼拝している者たちの仲間になるな。その礼拝は見せかけにすぎない。
16 イスラエルは若い雌牛のように扱いにくく、せっかく草の生い茂る牧場へ連れて行こうとしても、ちっとも言うことを聞かない。ユダよ、そのようになるな。
17 イスラエルは偶像崇拝からどうしても離れられないでいる。そのような者から遠ざかれ。
18 イスラエルの男たちは酒を飲みあかし、それにも飽きると、売春婦をあさる。名誉よりも恥を愛してやまないのだ。
19 だから、強い風が吹きつけ、彼らを巻き散らす。偶像にいけにえをささげたので、恥さらしな死に方をするのだ。
1 祭司とイスラエルの指導者よ、よく聞け。王家の者たちよ、聞け。おまえたちに判決が下る。おまえたちはミツパやタボルで、国民をたぶらかして偶像に走らせた。
2 心の曲がった者は、深い穴を掘って彼らをその中に落とし込んだ。そのことは決して忘れないぞ。おまえたちがしでかしたことの決済は必ずする。
3 イスラエルよ。おまえたちの邪悪な行ないはお見通しだ。売春婦が夫を置き去りにするように、おまえたちはわたしを捨てた。全身汚れきっている。
4 その行ないが、おまえたちに神のもとへ帰ろうという気を起こさせない。姦淫の思いで心の底まで腐り果て、神を知ることができなくなっているからだ。
5 イスラエルの鼻持ちならない思い上がりは、わたしの法廷では不利な証言となる。イスラエルは罪の重荷によろめき、ユダも倒れる。
6 それからやっと、羊や牛の群れを引いて、神にいけにえをささげにやって来る。だが、もう遅い。もうわたしを見いだすことができない。わたしは彼らから離れて行き、彼らだけが取り残される。
7 彼らはわたしの子でない子供を産んで、わたしの顔にどろを塗ったからだ。あっという間に、彼らも彼らの富も消えうせる。
8 警告のラッパを吹け。ギブアとラマで、ベテルまでもラッパを吹き鳴らし、警告せよ。ベニヤミンの地も震えおののけ。
9 イスラエルよ、この知らせを聞け。刑罰の日がくれば、おまえたちは瓦礫の山となるのだ。
10 ユダの指導者たちは、最もたちの悪い盗人となる。だから、滝のように激しい怒りを、彼らにぶちまける。
11 イスラエルは偶像に従う決心をしたので、罰を受けて押しつぶされる。
12 しみが羊毛を食い荒らすように、わたしはイスラエルを滅ぼす。木材が腐るように、ユダの力を取り去る。
13 イスラエルとユダが自分たちの病状を知ると、イスラエルはアッシリヤの大王に頼ろうとする。だが、大王は助けることも、治すこともできない。
14 ライオンが獲物を引き裂くように、わたしはイスラエルとユダとを引き裂き、連れ去る。彼らを助けようとする者たちも追い散らす。
15 非を認めて、わたしに助けを求めて来るまで、彼らをほったらかし、家に戻っていよう。苦しい目に会うと、たちまち彼らはわたしを求め、次のように言うのだ。
1 「さあ、神様に帰ろう。私たちを引き裂いたのは神様だ。その神様が治してくださる。神様は傷つけたが、傷口に包帯を巻いてくださる。
2 ほんの二日で、いや、せいぜい三日で、私たちを立ち上がらせ、愛のうちに生かしてくださる。
3 そうだ、神様を知ろう。ほんとうに、神様を求めよう。必ず夜明けが訪れ、早春の雨期がくるように、神様は必ず報いてくださるのだ。」
4 イスラエルとユダよ。おまえたちをどうしたらいいのか。おまえたちの愛は、朝もやのように消えうせ、露のように消え去る。
5 預言者たちを遣わして、おまえたちに迫る滅びを警告した。「おまえたちは死ぬぞ」と脅しつけることばで、おまえたちを切り殺した。突然、前ぶれもなく、ちょうど昼のあとに夜がくるように、わたしのさばきがおまえたちを打ち倒す。
6 いけにえなど、欲しくもない。ただ、わたしを愛してほしいのだ。ささげ物もいらない。何よりも、わたしを知ってもらいたいのだ。
7 ところが、おまえたちはアダムのように契約を破り、わたしの愛をはねつけた。
8 ギルアデは罪に満ちた町で、血の足跡がついている。
9 どろぼうが犠牲者を待ち伏せるように、祭司も徒党を組み、シェケムへ通じる道で人を殺し、ありとあらゆる犯罪を重ねている。
10 まさに、わたしはイスラエルの中に身の毛もよだつようなことを見た。エフライム(イスラエル)は他の神々を追い求め、イスラエルはとことんまで身を汚している。
11 ユダよ。おまえたちにも、重い刑罰の刈り入れがどっさり待ち受けている。わたしはおまえたちを、どれほど祝福したかったことか。
1 わたしはイスラエルをどうしても赦したかった。だが、イスラエルの罪はひどすぎた。うそつきやどろぼうや追いはぎにでもならなければ、だれもサマリヤには住めないほどだ。
2 国民は、わたしが見ていることなど気にもかけない。彼らの罪深い行ないが、あらゆる面から彼らの正体をあばき出している。わたしはそれを見届ける。
3 王は彼らの悪をうれしがり、王子たちは彼らのうそに笑いこける。
4 彼らはみな姦通者だ。パン屋が小麦粉をこね、それがふくらむのを待つ間を除いて、パン焼きがまがいつも燃えているように、この国民はいつも欲望を燃やしている。
5 王の誕生日に、王子たちは王に酒を飲ませる。王は笑い者にされ、自分をあざける連中と酒をくみ交わす。
6 彼らの心は陰謀で炉のように燃えさかる。その計略は夜通しくすぶり続け、朝になると、めらめら燃え上がる。
7 彼らは次から次へと王を殺す。だが、だれ一人、わたしに助けを呼び求めようとしない。
8 わたしの国民は異教徒とつき合い、その悪に染まっている。だから、生焼けの菓子のように、何の役にも立たなくなる。
9 外国の神々を礼拝するうちに、彼らの力が抜けてしまった。だが、それに気づいていない。白髪になっているのに、自分が老い衰えたことを知らない。
10 ほかの神々を自慢して、公然と自分を罪に定めている。自分の神のもとには帰らず、神を求めようともしないのだ。
11 イスラエルは愚かで、思慮の欠けた鳩だ。エジプトに呼びかけ、アッシリヤに飛んで行く。
12 だが、わたしは飛んでいるイスラエルに網を投げ、空から舞い落ちる鳥のように、彼を引き落とす。わたしは、そのすべての悪行に報いる。
13 わたしを捨て去ったわたしの国民は、のろわれよ。わたしに罪を犯したのだから、滅びうせよ。わたしは彼らを救い出そうとしたが、彼らは強情を張り、真理を受け入れようとしなかった。
14 彼らは心配のあまり眠れない。それでも、わたしに助けを求めない。それどころか、異教の神々を拝み、それらに穀物をささげて、繁栄を願い求めている。
15 わたしは彼らを助け、また強くした。それでもなお、彼らはわたしに背を向けている。
16 彼らはあたり一帯をくまなく見回すが、いと高き神がいる天には目を向けない。まるで、いつも的をはずす、曲がった弓のようだ。指導者たちは、わたしへの横柄な態度のゆえに敵の剣に倒れる。こうして、全エジプトが彼らをあざ笑うようになる。
1 警告を発せよ。敵が来る。はげたかのように、敵が神の国民を襲って来る。彼らがわたしとの契約を破り、わたしのおきてに背いたからだ。
2 今になってイスラエルは、「神様、助けてください」と泣きつく。
3 だが、もう遅い。イスラエルはまたとない機会を踏みにじってしまった。だから、今度は敵に追いかけられる破目になるのだ。
4 イスラエルは、わたしの同意なしに、かってに王や君主を立てた。金や銀で偶像を作り上げ、それを拝んで、わたしの助けをはねのけた。
5 サマリヤよ。わたしはあの子牛など認めない。あんなものはおまえたちが作った偶像だ。おまえたちには全く腹が立つ。いつになったら、正直者をただの一人でも見つけることができるだろう。
6 いつになったら、おまえたちは、自分が礼拝しているあの子牛を、人間の手で作られたものだと認めるのだろう。そんなものは神ではない。そんなものは、粉々に砕かれてしまうのだ。
7 彼らは風を蒔いて、つむじ風を刈り取る。麦には穂が出ず、茎だけが立っている。そのうち枯れて病気になり、実を結ばなくなる。たとい少しばかり実を結んでも、外国人に食べられてしまう。
8 イスラエルは滅ぼされ、こわれた壺のようになって、国々の間に横たわる。
9 一人ぼっちでさまよう野生のろばのようになる。友と言えば、自分が雇い入れた者たちだけで、アッシリヤもその一人だ。
10 たとい多くの国から友を雇い入れても、わたしはイスラエルを国外に追放する。ほんのしばらくの間、イスラエルは王の重荷から解放される。
11 イスラエルは多くの祭壇を築いたが、わたしを礼拝するためのものではない。それは罪を積み上げる祭壇だ。
12 たといわたしが万という法律を授けても、彼らはそれを自分のものとはせず、遠くにいるだれかのものだ、と言うだろう。
13 この国民は、いけにえの儀式を好むが、わたしにとって、それくらい無意味なものはない。わたしは彼らの罪の勘定を清算し、それを罰する。彼らはエジプトに帰る。
14 イスラエルは大きな宮殿を多く建て、ユダは町々の防備を固めた。だが、どちらも、自分たちを造った神を忘れてしまった。だから、わたしはそれらの宮殿に火を放ち、それらの要塞を燃やしてしまう。
1 ああ、イスラエルよ、ほかの国々の民のように喜ぶな。おまえは自分の神を捨て去り、すべての麦打ち場で、ほかの神々にいけにえをささげたからだ。
2 それゆえ、収穫は乏しく、ぶどうの木も枯れ果ててしまう。
3 おまえはこの神の地にこれ以上とどまることができず、エジプトやアッシリヤに連れ去られる。そこで残飯を食べて生活するようになる。
4 祖国を遠く離れたその地では、神にささげるいけにえのために、ぶどう酒を注ぐこともできない。その地でささげられるいけにえは、どれも神を喜ばせることができない。それは、まるで葬式の食物のように汚れている。そのようないけにえを食べる者は、だれでも汚れた者となるのだ。自分のためにそれを食べるのはかまわないが、神にささげることは許されない。
5 アッシリヤに奴隷として連れて行かれる時、聖なる日や神の祭りの日に、何をしようとするのか。あとに残された財産は、だれが相続するのか。その相続者はエジプトだ。エジプトはおまえたちの死体を集め、メンピスがそれを埋葬する。その廃墟には、いばらとあざみが生える。
6 -
7 イスラエルの刑罰の日がきた。ついに報復の日が訪れた。やがてイスラエルは、そのことをいやというほど思い知らされる。「預言者たちは頭が変だ。」「霊感を受けた人たちは気が狂っている。」こう言って人々はあざ笑う。それは、この国民が罪のうちに沈み、神を愛する者たちに憎しみしか示さないからだ。
8 わたしは自分の国民を守ろうと預言者を任命した。だが、この国民はことごとに預言者たちを妨害し、公衆の面前で彼らへの憎しみを露骨に示し、神の神殿でも同じように振る舞った。
9 今わたしの国民がやっていることは、昔ギブアでやったこと〔カナン征服記下一九・一四以下参照〕と同じように、堕落しきっている。わたしはそれを忘れず、必ず罰を下す。
10 ああ、イスラエルよ。わたしは荒野でおまえたちを導いた、あの最初の楽しかった日々のことを、よく覚えている。おまえたちの愛は、なんと新鮮であったことか!夏の初物のいちじくのように、その愛は満ち足りていた。だが、バアル・ペオル(イスラエル人が偶像礼拝をした山)でわたしを捨て、ほかの神々に身をゆだねてしまった。やがて、偶像の神々と同じように、おまえたちは汚れてしまった。
11 イスラエルの栄光は鳥のように飛び去る。おまえたちの子供は出産と同時に死に、あるいは胎内で消えうせ、はらまれることもなくなる。
12 たとい子供たちが育っても、わたしは彼らを取り去る。すべてが滅びに定められている。ほんとうに、わたしがおまえたちから離れ、おまえたちを放り出す時は、悲しみの日となるのだ。
13 私は幻のうちに、イスラエルの息子たちが滅びに定められているのを見た。父親は、息子たちを虐殺される場所までむりやり連れて行かせられる。
14 神様。あなたの国民のために、何を願ったらよいのでしょう。子を産まない胎と、乳を出して養うことをしない乳房とを、私は求めます。
15 彼らのすべての悪事はギルガルで始まった。わたしも、その地で彼らを憎み始めた。その偶像礼拝のゆえに、わたしは彼らをわたしの地から追い出す。二度と彼らを愛さない。彼らの指導者はみな反逆者だからだ。
16 エフライムも滅びに定められている。イスラエルの根は枯れ、もう実を結ばなくなる。たとい子を産んでも、わたしはそのいとし子をも殺す。
17 私の神様は、聞くことも従うこともしないので、イスラエル国民を滅ぼされる。彼らは諸国民の中で、祖国のない、さすらいのユダヤ人となる。
1 イスラエルの繁栄ぶりの、なんとすばらしいことよ。まるで実を豊かに結んだぶどうの木のようだ。ところが、わたしが富をふやせばふやすほど、異教の神々の祭壇に多くの物が供えられる有様だ。収穫を豊かにすればするほど、それだけ多くの美しい彫像や偶像を立てるしまつだ。
2 イスラエル国民の心は偽りで満ちている。彼らには罪があり、刑罰を受けなければならない。わたしは彼らの作った異教の偶像を砕き、その祭壇を打ちこわす。
3 そのとき彼らは言う。「私たちが神様を捨てたので、神様は王を取り去ってしまわれた。だから、どうだというのだ。王なんか要るものか!」
4 彼らは守る気もないのに約束事をする。それゆえ、畑のうねの間に生える毒草のように、刑罰が彼らの間に生え出る。
5 サマリヤの住民は、ベテルの子牛像が倒されはしまいかと震えおののく。祭司も国民も共に、打ち砕かれた偶像の、失われた栄光のために悲しむ。
6 この像は、彼らがアッシリヤに奴隷となって行く時、そこの大王への贈り物として持ち去られる。こんな偶像に信頼していたのかと、エフライムはあざけられ、イスラエルは赤恥をかく。
7 サマリヤの王は、大海の波間にただよう一片の木切れのように消えうせる。
8 イスラエルが罪を犯した、ベテルにある偶像の祭壇もくずれ落ち、いばらやあざみが回りに生い茂る。人々は山や丘に、「私たちの上に落ちかかり、押しつぶせ」と叫ぶ。
9 ああ、イスラエルよ。あのギブアでの恐怖の夜以来、ただ罪、罪、罪の連続だ。おまえたちには全く進歩が見られない。ギブアの人々が一掃されたのも当然ではないか。
10 わたしはおまえたちの不従順に立ち向かう。山のように積み上げられた罪を罰するために、わたしは諸国の軍隊を集めて、おまえたちを攻めさせる。
11 イスラエルは麦打ち場で麦を踏むことに親しみ、そのたやすい仕事が好きだ。わたしはこれまで、イスラエルに重いくびきをかけたことがなかった。そのか弱い首をいたわったのだ。だが今、イスラエルにくびきをかけて馬鍬をひかせ、畑を耕させる。気楽に過ごす時代は終わったのだ。
12 正義の種をまけ。そうすれば、わたしの愛の実を刈り取るだろう。堅くなった心を耕せ。わたしが救いの恵みを注ごう。今は神を求める時なのだ。
13 ところが、実際はどうか。おまえたちは悪を耕し、はびこる罪の実を育ててきた。巨大な軍事力があれば安全だと信じたので、そのような偽りに信頼した報いを、十分に受けることになったのだ。
14 それで、戦争の恐怖が民の中に起こり、シャレマンがベテ・アレベルを破壊したように、おまえたちの要塞はみな打ちくずされる。母親は子供もろとも、その場で一気に殺される。
15 イスラエル国民よ。それもみな、おまえたちの罪悪があまりにもひどいからだ。ある朝、イスラエルの王は滅ぼされる。
1 イスラエルが子供のころ、わたしは彼を息子のように愛し、エジプトから連れ出した。
2 それなのに、呼べば呼ぶほど、彼はますます反逆し、バアルにいけにえをささげ、偶像に香をたいた。
3 わたしは、赤ん坊の時からいろいろと面倒を見、歩くことを教えたり、腕に抱いたりした。だが、彼らを育てたのはこのわたしであることを、彼らは知りもしなければ、心にかけようともしない。
4 まるで気に入った牛を引いて歩くように、わたしはイスラエルを愛の綱で導いた。食べる時には、くつわをゆるめ、わたし自身しゃがんで食べさせてやったりした。
5 それなのに、わたしの国民はエジプトやアッシリヤに帰ろうとする。わたしのところへ帰りたくないからだ。
6 イスラエルの町々は戦争のうずに巻き込まれ、敵は門を押しつぶし、計略にかけて苦しめる。
7 わたしの国民が、わたしを離れる決心をしたからだ。わたしは彼らに、奴隷となるよう宣告した。解放する者はだれもいない。
8 ああ、わたしのイスラエル。どうして、おまえを捨て去ることができよう。どうして見放せよう。どうして、アデマやツェボイム〔ソドム、ゴモラとともに滅びた町〕のように見捨てることができよう。わたしの心は叫んでいる。なんとしても、おまえたちを助けたい。
9 確かに、燃えるような怒りが、そうするように命じるが、わたしはおまえたちを罰しない。イスラエルを滅ぼすのは、これが最後だ。わたしは神であって、人ではないからだ。わたしはおまえたちのうちに住む聖なる者であって、滅ぼすために来たのではない。
10 人々は、わたしのあとについて歩くようになる。わたしは、〔イスラエルの敵に向かって〕ライオンのようにほえる。わたしの国民は、西方から震えおののきながら帰って来る。
11 鳥の群れのようにエジプトからやって来る。鳩のようにアッシリヤから飛んで来る。こうしてわたしは、彼らを再び自分の家へ連れて行く。これは神様の約束です。
12 イスラエルは偽りと欺きでわたしを取り囲む。だが、ユダはまだわたしに信頼し、聖なる神に忠実だ。
1 イスラエルは風を追い、つむじ風の番をしている。全く危険な遊びだ。エジプトやアッシリヤへ、援助を求めて贈り物をするが、その報いは価値のない約束ばかりだ。
2 だが、神様はユダをも告訴しておられる。ユダもその行ないのゆえに、公正に罰せられる。
3 ユダの先祖ヤコブは、生まれるとき兄弟と争い、大人になってからは神様とさえ戦った。
4 まさに、彼は御使いと格闘して、勝ったのだ。彼は御使いに、祝福してくれるようにと泣いて頼んだ。ベテルでは、神様と顔と顔を合わせるようにして出会った。神様は彼に語りかけた。
5 まことに、主は天の軍勢の神であり、「主」と呼ばれるにふさわしい方だ。
6 さあ、神様に立ち返り、愛と公正の原理に立って生活せよ。いつも、神様から多くのものを期待せよ。
7 ところが、わたしの国民はその反対で、ずる賢い商人のように不正なはかりで物を売っている。だますことが好きなのだ。
8 イスラエルは自慢そうに言う。「私はこんな大金持ちになった。みんな自分でもうけたんだ。」だが、富は罪を贖うことができない。
9 わたしは、おまえをエジプトの奴隷生活から救い出した、その同じ主、同じ神だ。わたしは、毎年の仮庵の祭りの時のように、おまえを再びテントに住まわせる。
10 わたしは預言者を遣わし、多くの幻やたとえや夢で警告した。
11 それなのに、ギルガルの罪は相も変わらず、おおっぴらに行なわれている。まるで畑のうねのように幾段も祭壇が築かれ、偶像へのいけにえのために使われている。ギルアデも、偶像を礼拝するばか者でいっぱいだ。
12 ヤコブはシリヤへ逃げ、羊の番をして妻をめとった。
13 神様はその国民をエジプトから連れ出すために一人の預言者を立て、彼らを導き、守るようにさせた。
14 それなのに、イスラエルは神様をひどく怒らせてしまった。その罪の支払いとして、神様は彼に、死の宣告を下されるのだ。
1 かつては、イスラエルが何か言うと、国々は恐れのあまり震え上がったものだ。イスラエルが強力な君主だったからだ。ところが、イスラエルはバアルを拝んで、滅びを決定的なものにした。
2 今や、人々は以前にもまして不従順になっている。銀を溶かして鋳型に入れ、じょうずに偶像を作っている。「これにいけにえをささげろ」と言い、その子牛像に口づけしている。
3 だから、彼らは朝もやのように、すぐ乾いてしまう露のように、風で吹き散らされるもみがらのように、また煙のように、消え去るのだ。
4 わたしだけがおまえの神だ。そのことは、エジプトからおまえを連れ出した時から、ずっと変わらない。わたしのほかに、神はいない。ほかに救い主はいないからだ。
5 あの乾ききって一滴の水もない荒野で、おまえの面倒を見てやった。
6 だが、たらふく食べて満足すると、高慢になり、わたしを忘れてしまった。
7 だから、わたしはライオンのように、また道ばたで待ち伏せるひょうのように、おまえに襲いかかる。
8 子を奪われた熊のように、おまえをずたずたに引き裂き、ライオンのように、食い尽くす。
9 ああ、イスラエルよ。わたしが滅ぼしたら、だれがおまえを救えよう。
10 おまえの王はどこにいる。なぜ、その王に助けてもらわないのか。この地の指導者はどこにいるのか。おまえは王や指導者を頼みにした。それなら、彼らに救ってもらうがいい。
11 わたしは怒って王を与えたが、憤って王を取り上げた。
12 イスラエルの罪は刈り取られ、罰せられるために積み上げられている。
13 イスラエルは、新生の機会が与えられているというのに、母親の胎内で生まれ出るのを拒んでいる子供のようだ。なんと頑固で、愚かなことよ。
14 わたしはイスラエルを地獄から解き放ち、死から救い出すべきだろうか。死よ、その恐ろしさをイスラエルに存分に味わわせよ。墓よ、その災いをはっきり示せ。わたしはかわいそうに思わないからだ。
15 イスラエルは、兄弟たちの中でいちばん実り豊かな者と呼ばれた。だが、東風、荒野からの神の風が吹きまくり、イスラエルを干上がらせてしまう。そのあふれる泉も緑のオアシスも枯れてしまう。こうして、イスラエルは渇きで死に絶える。
16 サマリヤも自分の神に反逆したので、刑罰を受けなければならない。住民は侵略軍に殺され、赤子は地面にたたきつけられ、妊婦は剣で切り裂かれる。
1 ああ、イスラエルよ、神に立ち返れ。おまえは罪によってたたきのめされていたからだ。
2 願い事を携えて来い。わたしのもとへ来て、こう祈るがいい。「ああ神様、私たちの罪を取り去り、恵みによって私たちを受け入れてください。私たちは賛美のいけにえをささげます。
3 アッシリヤは私たちを救えません。私たちの戦力も同様です。もう二度と、自分で作った偶像に頼るようなことはしません。神様。みなしごの私たちは、神様からしか、あわれみをいただくことができないのです。」
4 その時、おまえたちの偶像礼拝と不信の罪をいやそう。わたしの愛は尽きることを知らない。わたしの怒りは永久に消えてしまうからだ。
5 わたしは天からの露のようにイスラエルを潤すので、イスラエルはゆりのように花を咲かせ、レバノン杉のように土の中に深く根を張る。
6 枝はオリーブの木のように美しく伸びて広がり、その香りはレバノンの森のようにかぐわしい。
7 イスラエル国民は遠い地での捕囚から帰り、わたしの陰にいこうようになる。彼らは水をまいた庭のようになり、ぶどうの木のように花を咲かせ、レバノンのぶどう酒のように良い香りを放つ。
8 ああ、イスラエルよ、偶像から離れよ。わたしは生き生きとして、たくましい。わたしがおまえの世話をし、面倒を見る。わたしは常磐木のように、一年中、おまえにわたしの実を結ばせる。わたしのあわれみは決して絶えることがない。
9 賢い者はみな、これらのことを悟れ。知恵のある者はみな、聞け。神の道は真実で正しい。良い人はその道を歩む。だが罪人は、そうしようとしても、つまずき倒れる。