1

1 悪人の入れ知恵に耳を貸したり、罪人といっしょになって神様をあざけったりしない人は、なんと幸いなことでしょう。

2 そうした人は、神様がお望みになることを何でも喜んで実践し、いつも、おきてのことを考えては、どうしたらもっと神様に近づけるかと思いめぐらします。

3 そのような人は、川の土手に植えられた木が、毎年欠かさず甘い実をつけるのに似ています。その葉は決して枯れず、することなすこと、みな栄えます。

4 ところが罪人には、まったく逆の運命が待っています。まるで風に吹き飛ばされるもみがらのようで、

5 神様のさばきの日には不安にかられます。彼らは、信心深い人と肩を並べて立つことはできません。

6 神様は信心深い人の願いも成り行きも、すべて見守ってくださいます。それに引き替え、不信心な者の行き着く先は滅びです。

2

1 身のほど知らずめ!なぜ、国々は主に向かって怒り狂うのか!人が神様を出し抜こうなんて、そんなばかな!

2 地上の王たちは一つとなり、神様と、王なるキリストに反逆する陰謀を練りました。

3 彼らはうそぶきます。「さあ、神の鎖を断ち切ろう。もう神の奴隷なんかじゃないぞ。」

4 しかし、天におられる神様は一笑にふすだけです!取るに足りない計画を聞いて、吹き出すだけです。

5 それから、激しい怒りを燃やしてしかりつけ、彼らを恐れおののかせます。

6 主は断言なさいます。「これがわたしの選んだ王だ。わたしは彼をわたしの聖なる都エルサレムで即位させた。」

7 選ばれたお方がお答えになります。「神の永遠の目的を明らかにするのは、このわたしです。主が、『わが子よ、きょうはおまえの戴冠式だ。今、子にふさわしい栄誉を与える』と告げてくださいました。」

8 「わたしに願い出よ。そうすれば、世界中の国々を授けよう。

9 それらを鉄の杖で治め、粘土細工のつぼのように砕くがよい。」

10 ああ、この世の王、支配者たちよ、手遅れにならないうちに聞きなさい。

11 敬虔な恐れをいだいて主に仕え、おののきをもって喜びなさい。

12 神のひとり子の前にひれ伏し、その足に口づけするように。神様の怒りにふれて、滅ぼされたりしないうちに。その怒りがまもなく燃え上がることを、警告しておきます。しかし、主に信頼する人は、なんと幸いでしょう。

3

1 ああ神様。どうして、こんなに大ぜいの人が私に逆らうのでしょう。どうして、こんなに大ぜいから命をつけ狙われるのですか?右も左も敵ばかりです。

2 神様が私をお助けになるはずはないと、だれもが口をそろえて言います。

3 しかし、神様は私の盾、栄光であり、たった一つの望みです。神様だけが、今は恥じてうなだれている私の頭を、高く持ち上げてくださるお方です。

4 私が大声で叫ぶと、主はエルサレムの神殿から答えてくださいました。

5 それで、安心して横になり、ぐっすり眠りました。主が見守ってくださったからです。

6 今はもう、たとい一万の敵に包囲されても、恐れません。

7 私は主に叫びます。「主よ、立ち上がってください!神様、お救いください!」すると、主は敵の顔に平手打ちをくらわせて侮辱し、歯をへし折ります。

8 救いは神様から来ます。神様はご自分の国民に、なんと大きな喜びをお与えになることでしょう。

4

1 ああ神様。神様は私を、御目にかなった完全な者だとおっしゃってくださいました。私が苦しんでいる時、いつも介抱してくださいました。今また、私は神様を呼んでいます。どうか答えてください。あわれんで、私の祈りを聞いてください。

2 主は問いただします。「人の子よ、こんなくだらない偶像を拝んで、いつまでわたしの栄光をはずかしめるつもりか。その偶像の肩書きなど、ぜんぶ偽物なのに。」

3 いいですか、よく心に留めておきなさい。主は救われた人々を、ご自分のためにえり分けました。ですから、私の声に耳をそば立てていて、答えてくださいます。

4 恐れかしこんで、主の前に立ちなさい。また、主に罪を犯してはいけません。寝床で、静かに思いめぐらしなさい。

5 主に信頼し、喜ばれる供え物をささげなさい。

6 神様が助けるはずがないと、だれもが言っています。ああ主よ、御顔の光で私たちを照らし出し、彼らの誤りを実証してください。

7 あなたからいただいた喜びは、刈り入れ時に、人々が穀物の山を眺めて喜ぶのより、幾倍もまさっています。

8 私は安心しきって横になり、眠ります。たとい一人ぼっちであっても、ああ主よ、あなたはすべての危害から守ってくださるからです。

5

1 ああ主よ、この祈りを聞いてください。王である神様、私の嘆きに耳を傾けてください。私は神様以外のだれにも、決して祈ったりしません。

2 -

3 朝ごとに、天におられる神様を見上げ、御前に願い事を申し上げ、ひたすら祈ります。

4 神様は、これっぽっちの悪も喜んだりなさらず、どんなささいな罪でも大目に見たりはなさいません。

5 ですから、おごり高ぶる罪人どもは、神様の鋭い視線に色を失うのです。神様は不法な行為を徹底的に憎むからです。

6 うそはあばかれ、彼らは滅ぼされます。神様は、殺人と欺きをどんなにお嫌いになることでしょう。

7 しかしこの私は、あわれみと愛に守られて、神殿へまいります。心の底から恐れかしこんで神様を礼拝します。

8 主よ、お約束のとおり、私を導いてください。そうでないと、敵に踏みにじられてしまいます。何をなすべきか、どちらへ曲がるべきか、はっきりお教えください。

9 彼らは嘘ばかりつき、心は悪い思いでいっぱいです。彼らの誘いには、罪と死の悪臭がただよい、邪悪な目的のためには、おべっかを使いまくるのです。

10 ああ神様、彼らに責任をとらせてください。自分でしかけた罠にかからせてやってください。自らの罪の重みに耐えかねて、その下敷きになりますように。彼らは神様に背いたのです。

11 しかし、すべて神様を信頼する者には、喜びをお与えください。神様がかばってくださることを知って、彼らがいつまでも喜びの声を張り上げますように。神様を愛する人たちを、幸福にひたらせてください。

12 神様は信心深い者を祝福なさいます。ああ主よ、あなたは愛の盾で囲んでくださいます。

6

1 主よ、お願いです!怒りにまかせて私を罰しないでください。

2 ああ主よ、あわれんでください。か弱い者です。いやしてください。私は病気なのです。

3 狼狽し、頭が混乱しています。心は不安に駆り立てられ、気分がすっかりめいっています。ああ、早く元どおりにしてください。

4 ああ主よ、帰って来て、私を健康にしてください。あわれんで、お救いください。

5 死んでしまえば、友の前で神様をほめたたえることができません。

6 痛みのため、私はやせ細りました。夜ごと涙で枕をぬらします。

7 回りは敵ばかりなので、嘆いて目も衰え、かすんできました。

8 不法を行なう者ども、さあ、あっちへ行け。私の泣き声は天に届き、

9 訴えも取り上げられた。主は私の祈りにすべて答えてくださいます。

10 敵はみな、突然、名誉をはく奪され、恐れにわななき、恥辱を受ける。神様は彼らに赤恥をかかせて、追い返します。

7

1 ああ私の神、主よ。頼りになるのは、あなただけです。どうか、迫害する者からお救いください。

2 だれも助ける者がいないために、彼らがライオンのように襲いかかり、私をさらって行くことがありませんように。

3 主よ。もし、私が悪事を働いているというなら、話は別です。

4 悪をもって善に報い、えり好みして人を不当に攻撃しているというのなら、話は別です。

5 もしそうであれば、敵が私を滅ぼし、地に押しつぶし、ちりの中でこの命を踏みにじるのを、神様がお許しになったとしても、文句の言いようはありません。

6 しかし、主よ!怒り狂う敵に対しては、怒りを込めて立ち上がってください。目を覚ましてください!どうか、正しい裁判をお開きください。主よ!

7 諸国民を召集し、いちだんと高い座から、彼らの罪をさばいてください。そして、この身の潔白を明らかにしてください。全員の前で、私の名誉を回復し、誠実さを証明してください。

8 -

9 ああ主よ、いっさいの悪を根絶やしにし、心底から主を礼拝する者を祝福してください。正しい神である主は、人の心の奥底まで見抜き、いっさいの動機と思いとをお調べになります。

10 神様は私の盾。私を守ってくださるお方です。神様は、心と生活が真実で正しい人をお救いになります。

11 神様は公平そのものの裁判官。日々、悪人には怒りを燃やします。

12 悔い改めない者を、とぎすました剣で血祭りにあげます。神様は弓を引きしぼり、

13 恐ろしい火の矢をつがえています。

14 悪者は良からぬことをたくらみ、陰謀を企てては、偽りと背信行為に走ります。

15 そんな連中は、自らしかけた罠に落ち込めばいいのに。

16 他人にふるった暴力がわが身に跳ね返り、いのちを奪われるといいのに。

17 ああ、どれほど主に感謝していることでしょう。その恵みは測り知れません。王の王なる主の御名を、力いっぱいほめ歌います。

8

1 ああ私たちの神、主よ。御名の威厳と栄光は全地に満ち、天にみなぎっています。

2 神様は幼子たちに、神様を真心からほめたたえよとお教えになりました。その子供たちの姿に、敵が恥じ入って、口をつぐみますように。

3 夜空を仰いで、神様がお造りになった月や星を眺めると、

4 なぜ、ちっぽけで取るに足りない人間を、神様が相手にし、目をかけてくださるのか、わからなくなります。

5 ところが神様は、御使いにほんの少し及ばないだけのものとして人間を造り、栄光と誉れの冠をお与えになりました。

6 神様は、お造りになった万物を、人間の手におゆだねになったのです。いっさいのものが人の支配下にあります。

7 牛も羊も、また野獣も、

8 鳥、魚、すべての海の生物も。

9 私たちの神、主よ。御名の威厳と栄光は全地に満ちています。

9

1 ああ主よ。心の底からあなたをたたえます。目を見はるばかりのお働きを、すべての人に伝えます。

2 私はうれしいのです。神様のおかげで喜びが込み上げてきます。あらゆる神々にまさる神様。私はあなたをほめ歌います。

3 敵は御前でたじろぎ、滅んでしまいます。

4 神様は私を弁護してくださいました。御座から私の行為を支持し、この身の潔白を保証してくださいました。

5 神様は諸国民をしかり、悪者を滅ぼし、その名を永久に抹殺なさいました。

6 よいか、敵対する者ども。おまえたちの行き着く先は、永遠の滅びだ。主はおまえたちの町々を廃墟となさるので、その町があったことさえ、人々の記憶から消えうせるだろう。

7 しかし、主は永遠に生きておられます。主は御座につき、世界中の国々を正しくおさばきになります。

8 -

9 虐待された人々はみな、主のもとに来ます。主は苦しんでいる人々の隠れ家です。

10 主よ。主のあわれみを知る者はみな、お助けを期待しているのです。主はいまだかつて、頼って来る者をお見捨てになったことがないからです。

11 エルサレムに住まわれる神様に、賛美の歌をささげよう。世界中の人に、永久に銘記すべき神様のみわざを伝えよう。

12 殺人者に報復なさるお方は、正しいさばきを求める者の叫びに耳を貸します。苦しんで助けを求める者の祈りを、無視したりはなさいません。

13 ああ主よ、私をあわれんでください。私を憎む者の手にかかって私がどんなに苦しんでいるか、目を留めてください。主よ、死の口から私を引き出してください。

14 どうかお救いください。そうなれば、エルサレムの門の、並み居る人々の前で、神様をたたえ、救い出された喜びを語ることができます。

15 諸国民は、人を落とそうと掘った穴に落ち込みます。自分のしかけた罠にかかります。

16 主は、悪者に自業自得の罰を与える名手です!

17 悪者は地獄へ送り込まれます。これが、主を忘れた国民の運命です。

18 困っている者の窮状は、いつまでも放っておかれるわけではありません。貧しい者の願いは、いつも踏みにじられるとは限らないのです。

19 ああ主よ、立ち上がってください。諸国民をさばき、罰してください。彼らが神様に勝ち誇ったりしませんように!

20 恐れおののかせてやってください。諸国民に分をわきまえさせ、取るに足りない人間にすぎないことを、思い知らせてください。

10

1 主よ、なぜ、遠く離れてお立ちになるのですか。主をいちばん必要としている時に、なぜ、お隠れになるのですか。

2 そばに来て、貧しい者を邪険に扱う、高慢ちきな者どもの相手になってください。連中の悪だくみを、その頭上に返してやってください!

3 やつらときたら、汚ない欲望を自慢するしまつです。神様をののしり、主に忌みきらわれる者どもと意気投合しています。彼らにとっては、金だけが人生の目的なのです。

4 この悪者どもは、お話にならないほど高慢で横柄で、神様は死んだとみなしているかのようです。彼らには、神様を求める気持ちなど、これっぽちもありません!

5 ところが、手がけることは片っぱしから成功し、敵をなぎ倒していきます。神様の刑罰が待ち受けていることなど、まるで眼中にないのです。

6 「神も人もさしたる相手ではない」と、彼らはうそぶきます。そしてどういうわけか、道を切り開いていくのです!

7 彼らの口には、神様への冒涜と偽りと欺きとが満ちています。常に悪だくみを自慢の種にしています。

8 薄暗い裏通りに待ち伏せては、道行く人を殺すのです。

9 ライオンのように息をひそめてうずくまり、貧しい者に今にも襲いかからんばかりです。猟師のように罠をしかけ、えじきを得ます。

10 不運な人は彼らの並はずれた腕力に圧倒され、一撃のもとに倒されるのです。

11 彼らは自分にこう言い聞かせています。「神はご存じないさ!見てもいないんだから。」

12 ああ主よ、立ち上がってください!ああ神様、彼らをひねりつぶしてください!貧しい者を忘れないでください。

13 なぜ、悪者が神様を侮るのを放っておかれるのですか。「神から責任を追求されることはない」と、彼らは高をくくっているのです。

14 主よ。あなたは彼らの仕打ちをご存じのはずです。悪行の数々をじっとご覧になったはずです。彼らがどれだけ悩みや悲しみを引き起こしたかご存じです。さあ、罰してください。ああ主よ。貧しい者はあなただけが頼りなのです。あなたは無力な者の助け手として知られています。

15 悪者どもの腕をへし折ってください。最後の一人に至るまで、追い回して滅ぼしてください。

16 主は永遠から永遠まで王であられます。ほかの神々に従う者は、主の地から一掃されます。

17 主よ。あなたは謙そんな人の望みが何であるか、ご存じです。必ずその叫びを聞いて救いの手を差し伸べ、心に安らぎを与えてくださいます。

18 主は、みなしごや虐待されている人たちのそば近くにいてくださるお方です。おかげで彼らは、この世の人間から、二度と脅かされることはありません。

11

1 なぜ、あなたたちは臆面もなく、「身の安全のため山へ逃げろ」と言うのですか。私は主に信頼しているというのに。

2 なるほど、悪者どもは弓を張り、弦に矢をつがえ、神様の国民を射ようと待ち伏せています。

3 「法も秩序もあったものじゃない。こうなれば、正しい者は逃げるより手がない」と、人々は言います。

4 しかし、主はいぜんとして聖なる宮に住み、天から何もかも支配しておられます。地上での出来事をことごとく監視しておられます。

5 主は正しい者と悪者とをふるいにかけ、暴虐を好む者を憎みます。

6 悪者の上に火と硫黄の雨を降らせ、燃える風で彼らをあぶります。

7 神様は正しく、正義を愛します。信心深い者はその御顔を拝することができるでしょう。

12

1 主よ、お助けください!神様を敬う者がどんどん減っていきます。世界中さがしても、頼りになる人などいません。

2 だれもかれもがだまし合い、お世辞を並べ立て、嘘をつきます。もはや、一かけらの誠実も残っていません。

3 しかし、このように振る舞う者を、主が優遇なさるはずがありません。「好きなだけ嘘をついてやるさ。どうせ自分の舌じゃないか。だれに止められるわけじゃなし。」こんな鼻持ちならない嘘つきどもを、主は滅ぼすのです。

4 -

5 主の答えはこうです。「立ち上がって、虐待された者、貧しい者、困っている者を守ろう。わたしの救いを待ちこがれてきた人々を助け出そう。」

6 主の約束は確実です。不用意なことばが主の口からもれることはなく、七度も精錬された銀のように、純粋そのものの真理ばかりをお語りになります。

7 ああ主よ。あなたはご自分の国民を、悪者の手の届かない所に永久にかくまってくださるはずです。

8 たとい、連中がぐるりをうろつき、国中に不道徳が横行しようとも。

13

1 主よ、いつまで私を顧みてくださらないのですか。永久にですか。こんなに困っているというのに。いつまで知らん顔で、よそをご覧になっているのですか。

2 いつまで日々つきまとう苦悩に耐えなければならないのですか。いつまで敵が先手を取るのでしょう。

3 教えてください。ああ主よ、私の神よ。私が死なないように、暗がりに光を投じてください。

4 敵に、「あいつをやっつけたぞ!」と言わせないでください。私が倒れたと言って、彼らがほくそ笑んだりしませんように。

5 私は常に、主とそのお恵みによりすがり、主の救いを喜びます。

6 身にあまる祝福をいただき、心から主に歌います。

14

1 「神なんかいやしない!」と言う者の愚かさよ。この手の人間は、決まって偏見をいだいており、絶対に根っからの善人ではありません。

2 主は天から全人類を見下ろし、神様をお喜ばせしたいと願う賢い者をお探しになります。

3 ところが、いないのです。だれもが道を踏みはずし、罪のために腐りきっています。善人はいません。ただの一人もです!

4 彼らはわたしの国民をパンのように食いものにし、祈ろうなどとは思ってもみない!もっとましな生き方があることを、ほんとうに知らないのだろうか。

5 そのうち、彼らは恐怖に取りつかれるに決まっています。神様はご自分を愛する者とともにおられるからです。

6 貧しい者や謙そんな者が悪人に虐待される時、神様は避け所となってくださいます。

7 ああ、今すぐ救出の時がきますように。ご自分の国民を救うため、神様が即刻、シオン(エルサレム)から駆けつけてくださいますように。ああ、イスラエルが救い出される時は、どんなにうれしいでしょう!

15

1 主よ。聖なる山にある神の天幕に行き、身の避け所を見いだす人はだれでしょう。

2 それは、非の打ちどころのない生活を送る、誠実そのものの人です。

3 口が裂けても人を中傷せず、うわさ話に耳を貸さず、決して隣人を傷つけたりしない人です。

4 大胆に罪を告発し、罪に落ち込んだ者を批判しては、主に忠実に従う者をほめる人です。たとい危害を受けようとも、約束は破らない人です。

5 高い利息で負債者を窮地に追い込むようなことはせず、わいろを受け取って、無実の人に不利な証言をしたりなど、まちがってもしない人です。このような人は大地にしっかり根を下ろし、いつまでたっても、びくともしません。

16

1 ああ神様、どうかお救いください。私は隠れ家を求めてまいりました。

2 「あなたは私の主です。神様のもと以外に助かる場所はありません。」私はこう申し上げました。

3 私はこの国の神様を敬う人々の仲間に加わりたいのです。彼らこそ、真に高貴な人々です。

4 ほかの神々を選んだ者は、すっかり悲しみに打ち沈むことでしょう。私は彼らのように供え物をささげず、その神々の名を口にすることもありません。

5 神様こそ、私の相続財産、また宝です。私の血となり肉となるもの、また最高の喜びです!主は私の全所有物を守ってくださいます。

6 美しい谷川と青々とした牧場が、分け前としていただけますように!なんとすばらしい譲りの地でしょう!

7 助言者である主をほめたたえます。夜になると、主は知恵を授けてくださいます。どうしたらよいかを教えてくださいます。

8 私は、いつも主のことを思っています。主がすぐそばにいてくださるので、つまずいたり、倒れたりする心配もありません。

9 心も体もたましいまでも、喜びにあふれています。

10 神様は私を死人の中に置き去りにせず、墓の中で朽ち果てるのをお許しにならないからです。

11 神様は生きる喜びを教え、永遠に伴ってくださることによって、無上の楽しみを経験させてくださいます。

17

1 ああ神様、お願いです。どうかお助けください。私はまっとうに生き、正しいことだけをしてきました。ですから、どうしても、この切なる叫びを聞いていただきたいのです!

2 主よ、人前で私の嫌疑を晴らしてください。神様はいつも公平なお方だからです。

3 神様は私を取り調べて、やましいところがないと確認してくださいました。神様は夜中に来られましたが、不正は何一つ見いだせず、私が真実を語ってきたことをお認めになりました。

4 私はご指示に従ってまいりましたし、残忍な悪人とは行動を共にしませんでした。

5 私の足は、神様の道から一歩たりともすべり落ちたりしませんでした。

6 なぜ、私はこのように祈っているのでしょう。お答えがいただけると信じているからです。ああ神様!どうかこの祈りを聞いてください。

7 ああ、敵から助け出されたいと願う者すべての救い主よ。その大いなる愛を、目をみはるほどに見せてください。

8 私をひとみのように守り、御翼の陰にかくまってください。

9 敵は殺意をいだいて私を取り囲んでいます。

10 情け知らずで、横柄なやつらです。豪語する彼らの声に耳を傾けてください。

11 私を追いつめ、今にも地面に投げつけんばかりです。

12 私を引き裂こうと目を光らせるライオン、チャンスをうかがって待ち伏せる若いライオンのようです。

13 主よ、立ち上がり、対戦してください。彼らを追い返してください。早くおいでになって、地上の利得しか眼中にないこの世の人々から、救ってください。彼らの家には神様の宝がうなっているので、子々孫々栄えています。

14 -

15 しかし、私の関心は富にはなく、神様を見ているかどうか、また、神様との間がうまくいっているかどうかにあります。天で私が目覚める時、この上ない満足感にひたるでしょう。神様の御顔をじかに見るからです。

18

1 主よ。どれほどお慕いしていることでしょう!こんなにもすばらしいことをしてくださった主を。

2 主は、安心して立てこもれるとりでです。だれ一人、そこまで入って来て、私を殺すことはできません。主は、身を隠すのに絶好の険しい山、私の救い主、だれも近づくことのできない岩、安全を保証する塔です。また私の盾、めっぽう強い闘牛の角です。

3 私はただ、主に叫び求めさえすればよいのです。そうすれば、あらゆる敵から助けてくださいます。ああ、主をほめたたえよ。

4 死の鎖が私に巻きつき、滅びが洪水のように押し寄せてきました。

5 私は罠に落ち、助けてくれる人もなく、死へと引きずり込む綱の力に抵抗してもがきました。

6 力尽きる思いの中で、私は主の助けを叫び求めました。その声を、主は天から聞いてくださいました。叫びは届いたのです。

7 その時、大地は大揺れに揺れ、山々は震えわななきました。その揺れ方といったらありません。神様のお怒りのせいです。

8 神様の口からはすさまじい炎が吹き出して、地を焼き尽くし、鼻からは煙が立ちのぼりました。

9 主は天を押し曲げて降りて来て、私を救ってくださいました。御足の下には、暗やみがたちこめていました。

10 主はケルビム(天使)にまたがり、風を翼とし、矢のように速く、助けに来てくださいました。

11 暗やみを身にまとい、一寸先もわからない濃い黒雲におおわれて、近づいてくださいました。

12 突然、いなずまと雹の嵐を伴って、お姿が、雲間から輝きました。

13 雷のような声が天空にとどろき、神の中の神がお語りになったのです。ああ、雹が。そして、火が!

14 主はいなずまを恐怖の矢として放ち、私の敵をかき乱しました。あの逃げ惑うさまを見てください。

15 主よ、ご命令のままに海の水は引き、あなたのすさまじい鼻息で、海の底はむき出しになりました。

16 主は天から下って来て、私を大きな試練から助け出してくださいました。深い海の底から引き上げてくださったのです。

17 その手にかかって、手も足も出なかった私を、頑強な敵から、私を憎む者から救い出してくださいました。

18 彼らは、弱りきっている私に襲いかかりました。しかし、主は私をしっかり支え、

19 安全な場所へ連れ出してくださいました。私を喜びとされたからです。

20 正しいことを行ない、潔白であった点に、報いてくださったのです。

21 私はご命令に従い、主に背を向け、罪を犯すようなことはしませんでした。

22 いつも主のおきてを目の前に掲げ、一つたりとも捨てたりはしなかったのです。

23 おきてを守ることに全力を尽くし、悪行への誘惑を振り払い続けました。

24 それにこたえて、主は祝福を下さったのです。私が正しいことを行ない、純粋な思いをいだいていたことを、ご存じなのです。私の一挙手一投足に目を留めておられるのですから。

25 主よ。あなたは、恵み深い者に対してはなんと恵み深くあられることでしょう。また、悪の道から引き返す者には罰をお加えになりません。

26 心のきよい者には祝福を、主の道からそれる者には苦痛をお与えになります。

27 謙そんな者をお救いになりますが、高慢で横柄な者は有罪に定めます。

28 主は、私に明かりをともしてくださいました。神様は、私を囲むやみを光に変えてくださいました。

29 今や私には、どんなに高い城壁でもよじ登り、どんなに強力な軍隊でも襲う力が与えられています。

30 なんとすばらしい神様でしょう!神様はあらゆる点で全く完全です!そのお約束がすべて真実であることは、明らかです。その背後に隠れる者には、盾となってくださいます。

31 私たちの主のほかに、だれが神でありえましょう。だれが不動の岩でありえましょう。

32 主は私に力をみなぎらせ、行く先々でお守りくださいます。

33 私の足を、岩山ででもしっかり立つ野やぎのようにし、絶壁の上をも安全に導いてくださいます。

34 戦いに備えて私を鍛え、鉄の弓さえ引く力を与えてくださいます。

35 主の救いは私の盾です。ああ主よ。右の御手が私を支えています。主のご温情のおかげで、私は名の知れた者となりました。

36 主は、私を大またで歩かせ、しかも足がすべらないようにしてくださいました。

37 私は敵を追撃し、一人残らず倒すまでは引き返しませんでした。

38 連中を地面に突き刺してやりました。敵はたじたじとなり、私はその首を踏んづけてやりました。

39 戦いに臨んで、頑丈なよろいを着せていただいたおかげです。敵は私を見ておじ気づき、足もとに倒れ伏します。

40 主が、背を向けて逃げるように仕向けたので、私を憎む者を皆殺しにすることができました。

41 大声で助けを求めても、だれひとり彼らを助ける者はいませんでした。そこで、彼らは主に向かって叫びましたが、返事がありません。

42 私は、ここぞとばかり彼らをちりのように粉々に砕き、空中高くまき散らしました。彼らを、床を掃くように掃き捨てました。

43 神様は、次々と戦いに勝利をもたらしてくださいました。諸国民は私のもとに来て、仕えるようになりました。知りもしなかった国民までが、やって来てひれ伏すのです。全く面識のない外国人が、いとも簡単に恭順の意を表わします。震えながら、とりでから出て来るのです。

44 -

45 -

46 主は生きておられます!大いなる救いの岩である主をほめたたえよ。

47 神様は私に害を加える者に報復し、目の前の国々を制圧してくださいます。

48 敵に囲まれた私を助け出して、手の届かない安全な場所に移し、猛威をふるう相手から救ってくださいます。

49 ですから、私は主を国々の間でほめたたえます。

50 主から王に定められた私は、幾度となく、奇蹟的に救い出されました。いつも愛と恵みを注いでいただきました。子孫をも同様に、お恵みくださることでしょう。

19

1 天は、神様の栄光を物語る、神様の手になる傑作です。

2 そして、昼となく夜となく、神様について語り続けます。

3 大空は、音もことばもなく、静まり返っているのに、その意味するところは全世界に知られます。太陽は神様の定めた空間を回ります。

4 -

5 結婚式の花婿のように晴れ晴れと、競技を待ちわびる選手のようにうれしげに、大空を闊歩します。

6 天の端から端まで渡り、その熱を免れるものは何一つありません。

7 神様のおきては完全無欠です。私たちを守り、賢くし、喜びと光を与えます。

8 -

9 そのおきては純粋で、正しく、すたれることがありません。

10 また、金よりも慕わしく、蜜ばちの巣からしたたる蜜よりも甘いのです。

11 それは、危険に近づくなと警告し、従う者には祝福を約束するからです。

12 しかし、心にひそむ罪を、どうして知りえましょう。どうか、隠れた罪からもきよめてください。

13 故意に悪に走ることからも引き止め、守ってください。そうすれば、私は過ちを犯さず、大きな罪からも逃れることができます。

14 私の口のことばと、秘めた思いが、神様に喜ばれますように。ああ、私の岩、私の救い主、主よ。

20

1 苦難の日に、神様があなたとともにおられますように!ヤコブの神が、いっさいの危険から守ってくださいますように。

2 主がシオン(エルサレム)の聖所から、助けの手を伸べてくださいますように。

3 あなたのささげ物、完全に焼き尽くすいけにえを、喜んで心に留めてくださいますように。

4 あなたの願いをかなえ、計画をことごとく実現させてくださいますように。

5 あなたの勝利の知らせが伝わると、喜びの声がわき上がり、神様があなたのためになさったすべてを記念して、神様をたたえる旗が高く掲げられますように。あなたの祈りが、ぜんぶ答えられますように!

6 神様が王をお救いになるのを、今こそ知りました。神様は高い天から答えて、大勝利をもたらしてくださいます。

7 他の国々は軍隊や武器を誇りますが、私たちは私たちの神、主を誇ります。

8 国々はやがて衰え、滅びます。しかし、私たちは立ち上がり、大地に根を下ろしてびくともしません。

9 ああ主よ、王に勝利をお与えください。どうか、この祈りをお聞きください。

21

1 ああ主よ。王はどんなに御力を喜ぶことでしょう!どんなに救われたことに狂喜することでしょう。

2 主が願いをかなえ、望むものをことごとくお与えになったからです。

3 主は、名誉と繁栄の保証された王座に彼を迎え、純金の王冠をかぶせてくださいました。

4 満ち足りた長寿を求める王の願いを、お聞き届けになりました。彼のいのちは永遠に限りなく続くのです。

5 主は彼に名誉と名声を与え、威光と尊厳とをまとわせました。

6 また、永遠の幸福を授け、主の前に立つことの喜びが、いつまでも薄れないようにしてくださいました。

7 王は主により頼んでいるので、つまずいたり倒れたりすることは絶対にありません。あらゆる神々にまさる神様の不変の愛に、頼りきっているからです。

8 ああ主よ。あなたの手は敵を見つけ出します。主を憎む者を一人残らず探し出します。

9 主が姿を現わされると、御前から出る激しい火が、彼らをたちどころに滅ぼします。その子らも共に倒されます。

10 -

11 この連中は、主であるあなたに陰謀をたくらんだからです。しかし、そんな計画は万に一つも成功するはずがありません。

12 彼らは、主の矢にねらわれているのを知り、あわてて向きを変え、一目散に逃げるでしょう。

13 ああ主よ、この賛美をお受けください。御力をたたえているのです。私たちは、向かうところ敵なしの主を記念して、歌を書きとどめます。

22

1 ああ神様、私の神様。どうして、私をお見捨てになったのですか。どうして、助けるどころか、うめきさえ聞いてくださらないのですか。

2 昼となく夜となく泣いては、助けを叫び求めていますのに、答えてくださいません。

3 しかし、主はきよいお方です。先祖の賛美の声は、御座を取り囲んでいました。主に信頼していた彼らを、主は助け出してくださいました。

4 -

5 彼らの叫びを聞いて、救い出してくださいました。助けを求める人々を、ただの一度も失望に終わらせたりなさらなかったのです。

6 しかし、この私は虫けら同然で人間ではありません。同国人ばかりか、全人類からもさげすまれています。

7 私を見るなり、だれもがあざけり、冷笑し、肩をすくめます。

8 私はお笑い草となるのです。「これが、主に重荷を肩代わりしてもらったという男かい。主のお気に入りだとうぬぼれていたやつか。神様に助け出されるところを見せてもらおうじゃないか。そうしたら信じてもいいぜ。」

9 主よ、以前はよく、助けてくださったではありませんか。母の胎から難なく取り上げ、幼い日々も、無事に過ごさせてくださったではありませんか。私は生まれてこのかた、ずっと主を頼りにしてきたのです。主はいつも私の神様でした。今になって、置き去りにしないでください。苦難が近づいており、主のほかだれも、私を助けることはできません。

10 -

11 -

12 バシャンの巨大な雄牛のように獰猛な敵が、私を囲んでいます。

13 まるで獲物をねらってほえたけるライオンのように、口を開けて近づいて来ます。

14 私は空気の抜けたタイヤのようになり、骨はみながくがくし、心臓はろうのように溶けてしまいました。

15 天日でかわかした粘土のようにひからび、舌は上あごにくっつきました。主が私を、死のちりの中に置かれたからです。

16 徒党を組んだ悪人どもが、群がる野犬のように私を取り巻きます。私の手足は引き裂かれています。

17 自分の骨を、一本残らず数えることができるほどです。私を見てはほくそ笑む、この悪人どもをご覧ください。

18 彼らはくじ引きで、私の着物を分け合うのです。

19 ああ主よ、そばにいてください。ああ、私の力である神様、大急ぎで助けに来てください。

20 死から救い出してください。かけがえのないこの命を、こんな悪人の手に渡さないでください。

21 ライオンの口や、野牛の角からお救いください。そうだ、神様は私に答えて、助け出してくださるに違いない。

22 私はすべての兄弟の前で主をたたえ、会衆の面前で、主のすばらしい行為を語ります。

23 声を大にして語ります。「主を恐れる人たちよ、主をほめたたえよ。主の名を恐れ、敬え。イスラエルのすべての人よ、主に向かって賛美の歌をうたえ。

24 主は、私の絶望の底からの叫びをさげすまれなかった。背を向けて立ち去りはなさらなかった。叫び声が届くと、主は助けに来てくださった。」

25 私は全会衆を前にして、主をほめたたえます。御名を心から敬う人々の面前で、誓いを果たします。

26 貧しい者はたらふく食べて満足し、主を求める者は主を見いだして、御名をほめたたえるでしょう。その心は永遠の喜びに酔いしれるはずです。

27 それを目のあたりにした全世界の人々は、主のもとに立ち返るでしょう。あらゆる国民が主を礼拝するでしょう。

28 主は王であって、国々を支配します。

29 高慢な者も謙そんな者も、死すべき運命にある人はみな、主を拝みます。

30 私たちの子供も主に仕えます。私たちが、主のすばらしさを語り伝えるからです。

31 のちのちの世代もまた、主が私たちのためになさったすべての奇蹟のことを聞くでしょう。

23

1 主は私の羊飼いですから、必要なものはみな与えてくださいます。

2 主は私を牧草地にいこわせ、ゆるやかな流れのほとりに連れて行かれます。傷ついたこの身を立ち直らせ、私が最高に主の栄光を現わす仕事ができるよう、手を貸してくださいます。

3 -

4 たとい、死の暗い谷間を通ることがあっても、こわがったりしません。主がすぐそばにいて、道中ずっとお守りくださるからです。

5 主は敵の面前で、私のためにおいしいごちそうを備えてくださいます。たいせつな客としてもてなしてくださったのです。まるで、あふれんばかりの祝福です。

6 生きている限り、主の恵みといつくしみが、私についてきます。やがて、私は主の家に着き、いつまでもおそばで暮らすことでしょう。

24

1 全地は神様のものです!世界中のものがすべて神様の持ち物です!

2 このお方は、海を押しやり、かわいた地をあらわにされました。

3 主の山に登り、主のお住まいに入れる者はだれですか。主の前に立てる者はだれですか。

4 それは、心と手のきよい人、嘘偽りのない人だけです。

5 そのような人は、神様の祝福と恵みをいただけます。しかも、救い主である神様は、その恵みが日々の生活に根を下ろすようにしてくださいます。

6 こうした日々が許される人、それは、主の前に立ち、ヤコブの神を拝むことを許された人だけです。

7 古くからある門よ、開け。栄光の王をお通しせよ。

8 栄光の王とはだれですか。強くたくましく、向かうところ敵なしの王のことです。

9 門を開け放ち、栄光の王をお迎えせよ。

10 栄光の王とはだれですか。天の軍勢の主ではないか。

25

1 ああ神様、あなたに祈ります。

2 主よ、信頼もうし上げている私に、恥をかかせないでください。敵が有利に立ち回り、勝ち誇ったりしませんように。

3 神様を信じる者は、だれ一人、信仰のために面目を失ったりしません。しかし、罪のない者を傷つける者はみな、身をもって手痛い敗北を経験します。

4 ああ主よ、進むべき道を教えてください。歩むべき小道を示してください。

5 私を導き、教えてください。主は救いをお与えになる神だからです。主以外に望みはありません。

6 若いころの罪はお見のがしください。ああ主よ!あわれみと赦しの目で、永遠の愛と恵みの目で、私をご覧ください。

7 -

8 主は正しいお方で、迷い出た人に、喜んで正しい道を教えてくださいます。

9 謙そんになって主のもとに帰る人に、主は最高の道を教えてくださいます。

10 主に従い行く時、その道は、どこもかしこも、主のいつくしみと真実の香りが漂っています。

11 しかし、主よ。私はなんと数多くの罪を犯していることでしょう。ああどうか、御名のために私をお赦しください。

12 主を恐れる人はどこにいますか。主はその人に、最善のものを選ぶ秘訣を教えてくださいます。

13 その人は神様の祝福の中に住み、子孫は地を受け継ぎます。

14 神様を敬う者には神様との親しい交際が待っています。神様はそのような人とだけ、秘密の約束をかわされます。

15 私の目はいつも助け主に向いています。私を救い出せるのは、主お一人だからです。

16 主よ、早くおいでになって、あわれみをお示しください。私はすっかり打ちひしがれ、手も足も出ずに悩んでいます。

17 かかえている問題は、だんだん手に負えなくなるのです。ああ、すべての苦しみから引き離してください。

18 この悲しみに目を留め、この痛みを感じ取り、この罪をお赦しください。

19 私にはなんと敵が多く、また、どれほど彼らに憎まれているかをご覧ください。

20 お救いください!このいのちを敵の手中から奪い返してください!ああ、主に信頼したことがむだだったなどと、決して言わせないでください。

21 神様を敬う心と誠実さとに、私を守らせてください。主が私を守ってくださり、

22 また、イスラエルを、ありとあらゆる苦しみから解放してくださると期待しています。

26

1 私に対する告発をすべて却下してください、主よ。私はいつもおきてを守ろうと心がけ、迷うことなく主に信頼してまいりましたから。

2 きびしく取り調べて、お確かめください。ああ主よ、動機ばかりか、思いも探ってください。

3 私は、主の恵み深さと真実を理想としてまいりました。

4 私は、裏表のあるずるい人間とはつき合いません。連中は不誠実で、偽善的です。

5 私は罪人のたまり場がきらいです。まちがっても、そんな所には出入りしません。

6 私は手を洗って身の潔白を証明し、それから祭壇に行き、

7 感謝の歌をうたい、主の奇蹟を人々に語り聞かせます。

8 主よ。私はあなたの家を愛しています。光り輝くこの宮を。主ご自身から照り渡る、目もくらむばかりのこの輝きを。

9 どうか、私をありきたりの罪人といっしょにしないでください。また、罪もない者を罠にかけ、わいろを取る連中といっしょにしないでください。

10 -

11 私はそんな人間ではありません。ああ主よ。正しいことだけを行なうために、狭くてまっすぐな道を歩もうとしてきたのです。どうか、あわれんでお救いください。

12 主は、すべったり、倒れたりしないように守ってくださいます。私はそのことを、人々の前でほめたたえるのです。

27

1 主は私の光、また救いです。だれを恐れる必要がありましょう。

2 私を亡き者にしようと襲いかかる悪者は、つまずき倒れます。

3 たとい大軍が押し寄せようとも、こわくありません!必ず神様が救ってくださると信じているからです。

4 私が神様にお願いすることは、ただ一つです。その求めてやまないものとは、主の宮で黙想にふけり、いのちある限り主の前で暮らし、主の比類なき完全と栄光とを喜ぶ特権です。

5 悩みの日に、私はそこへ出かけます。主はかくまってくださり、高い岩の上に座らせて、

6 敵が手出しできないようにしてくださいます。その時、私は主に供え物をささげ、大喜びで賛美の歌をうたいます。

7 私の訴えに耳を傾けてください。主よ。あわれんで、お助けください。

8 「ここへ来て、わたしと話そう。」このお声を、私の心は聞きました。そして、こう答えます。「主よ、参ります。」

9 どうか、お隠れにならないでください。あなたを見つけ出そうとしているのです。怒って、召使の私を退けないでください。かつて、試練に会うたびに助けてくださったではありませんか。今になって、放り出さないでください。ああ救いの神よ、見捨てないでください。

10 たとい、父や母が私を勘当しても、主は迎え入れて、慰めてくださるはずです。

11 ああ主よ、どうすべきか、はっきり教えてください。敵が手ぐすねひいて待ちかまえているのです。

12 どうか、捕まったりしませんように!彼らの手中に陥ることなどありませんように!身に覚えのないことを、彼らは告発するのです。その一方では、いつも残忍な仕打ちをたくらんでいます。

13 主は、今度もきっと救い出してくださいます。人々が生きているこの地上で、改めて主のあわれみを見ることができますように。

14 いらだってはいけません。主を待ち望みなさい。主は必ずおいでになって、あなたを救ってくださいます。勇気を出しなさい。神様を待ち望みなさい。主はきっと救ってくださいます。

28

1 ああ神様、どうかお助けください。神様は安全を保証してくださる岩です。神様にそっぽを向かれたら、いっさいをあきらめ、死ぬしかありません。

2 主よ。私は両手を差し伸べ、お助けをひたすら願っているのです。どうか、私の叫びを聞いてください。

3 口先では隣人に愛想をふりまきながら、心の中ではひそかに相手を殺そうとたくらむ悪者どもと、いっしょに罰しないでください。

4 彼らに見合う罰が下りますように!その悪事に比例して罰を重くし、すべてのしわざに報いてください。

5 連中は神様のことになど無関心で、神様が何をなさろうとおかまいなしです。ですから、神様の手で古い建物のように取りこわされ、二度と建て直されません。

6 私は、訴えを取り上げてくださった神様をほめたたえます。

7 神様は私の力、あらゆる危険から身を守る盾です。私の信頼にこたえて、神様は助けてくださいました。心にわき上がる喜びは、賛美の歌となってあふれます。

8 神様はご自分の国民を守り、油を注がれた王に勝利をもたらしてくださいます。

9 主よ、あなたの国民を守ってください。主に選ばれた者を守り、祝福してください。羊飼いとなって、いつまでも抱きかかえて運んでください。

29

1 御使いたちは神様をほめたたえなさい。その栄光と力をほめたたえなさい。

2 まぶしいばかりの御名の栄光を覚えて、主をほめたたえなさい。きよい衣を着て神様の前に出なさい。

3 神様の声は雲間から響きます。栄光の神様は大空に雷鳴をとどろかせます。

4 その声は力強く、威厳に満ちています。

5 それは杉の木をなぎ倒し、レバノンの巨木を引き裂きます。また、レバノン山とシルヨン山を揺り動かし、子牛のように跳びはねさせます。

6 -

7 神様の声は、いなずまを光らせ、とどろき渡ります。

8 砂漠にこだまし、カデシュの荒野を揺るがします。

9 それは巨大な樫の木を倒します。また、大風を巻き起こして森を激しくゆさぶり、丸裸にします。しかし神の宮では、「栄光あれ。神様に栄光あれ」と、ものみなほめたたえる声がするのです。

10 大洪水をもたらして、全宇宙の支配者であることを示された主は、引き続きその力を顕示しておられます。

11 ご自分の国民に力を与え、平安をもたらし、祝福してくださいます。

30

1 私は神様をほめたたえます。神様は私を敵の手から助け出し、敵が勝ち誇るのをお許しにならなかったからです。

2 ああ神様。神様は私の願いを聞き入れて、元の健康な体に戻してくださいました。

3 墓の入口から、連れ戻してくださいました。おかげで、こうして生きることができます。

4 神様を信じる人よ、神様を賛美し、そのきよい御名に感謝しなさい。

5 主の怒りはつかの間に過ぎますが、その恵みは生きる限り続きます。たとい、夜通し泣き明かすことがあろうと、朝には喜びが訪れます。

6 順境の日に、私はこう言いました。「いつまでも今のままだ。だれも私のじゃまはできない。神様が恵んでくださって、私をびくともしない山のようにしてくださった。」ところが、神様は顔をそむけて、祝福の川をからしたのです。たちまち私は意気消沈し、恐怖におじまどいました。

7 -

8 ああ神様。私は大声でお願いしました。

9 「神様、私を殺したって、一文の得にもなりません。生きていてこそ、友人の前で神様をたたえることができるのです。墓に埋められたら、どうして神様の真実を世間に知らせることができましょう。

10 ああ神様、どうか私をあわれみ、助けてください。」

11 すると、神様は嘆きを喜びに変え、喪服を脱がせて、きらびやかな晴れ着をきせてくださいました。

12 墓に埋められないで、神様に喜ばしい賛美の歌声をあげるためです。ああ神様。私はいつまでもこの感謝の気持ちを忘れません。

31

1 神様。あなただけが頼りなのです。どうか敵の横暴から私を守ってください。いつも正しいことをなさる神様、どうか助け出してください。

2 すすり泣きの訴えに、すぐさま答えてください。絶え絶えの祈りに、耳を傾けてください。外敵を防ぐ大きな岩となってください。

3 神様こそ私の岩、とりでです。どうかこの窮地から救い出して、神様のお名前をあまねく知れ渡らせてください。

4 敵がしかけた罠から、抜け出させてください。神様だけが、そうする力をお持ちなのです。

5 私はたましいを御手にゆだねます。ああ、約束をお守りになる神様。私を助け出してくださったあなただけを礼拝いたします。神様はどれほど、まがいものの神や偶像を拝む者どもを、おきらいになることでしょう。

6 -

7 神様の恵み深さを知って、私の顔は喜びに輝きます。神様は私の苦悩を知り、たましいにしのびよる危機を察してくださいました。

8 私を敵の手に渡さず、作戦上有利な、見通しのきく場所へと移してくださいました。

9 ああ神様、苦しみもだえるこの身をあわれんでください。さんざん泣いて、目も真っ赤です。嘆き疲れた体は、もうずたずたです。悲しみのためにやつれ果て、私の歳月は縮まり、力尽きてしまいました。罪のおかげで骨抜きにされ、嘆きと恥とでうずくまっています。

10 -

11 敵という敵は言うに及ばず、隣人や友人からも悪しざまにののしられます。彼らは私に会うのもいやだと言わんばかりに、すれ違いざま、ぷいと顔をそむけます。

12 まるで屍のように、こわれたつぼのように、見捨てられた私です。

13 絶え間なく、デマや敵の中傷が耳に入り、どちらを向いても、恐怖ばかりです。連中はこの私の命をつけねらっているのです。

14 しかし神様。私はあなたへの信頼を失わずに、こう申し上げました。「神様はあなたお一人だけです。私の時は神様の手中にあります。情け容赦なく追い立てる者の手からお助けください。

15 -

16 恵みの光で、もう一度このしもべを照らしてください。限りなく恵み深いお方よ、どうかお救いください。

17 主よ、助けを叫び求める私を放りっぱなしにして、恥をかかせないでください。一方、悪者どもは、頼みとするものに裏切られて、赤恥をかくようにしてください。その口を封じ、墓に埋めてやってください。

18 その時、正しい者を非難する、横柄きわまりないやつらのくちびるは、ついに麻痺するのです。」

19 神様の助けを信じて公言する者を、神様はなんと大きな恵みで包んでくださることでしょう。信頼と敬愛を失わない者のために、神様はすばらしい祝福をたくわえてくださっています。

20 いとおしまれる者たちを、神様のおられる隠れ家にかくまい、謀略家の手から守ってください。

21 ああ、恵み深い神様。あなたは変わらない愛を示して、分厚いとりでの壁のように守ってくださいました。

22 「神様に見捨てられた」と口走った私でしたが、やはり早合点でした。確かに神様は、私の願いを聞き入れてくださったのですから。

23 神様の国民よ、こぞって神様を愛しなさい。神様は忠誠を尽くす人を守られますが、はねつける者には断固とした罰をお下しになるからです。

24 さあ、元気を出しなさい。もし、神様に信頼しているなら、雄々しく立ち上がりなさい。

32

1 罪を赦された人は、どれほど幸せなことでしょう。罪がかき消されたとすれば、どれほどうれしいことでしょう。罪を告白し、その記録を塗りつぶしてもらった人は、どれほど解放感を味わうことでしょう。

2 -

3 この私には、罪状を認めたくない時がありました。おかげで、すっかりみじめな思いをし、くる日もくる日も挫折感にとらわれて過ごしたものです。

4 神様の手は、いつも重くのしかかっていました。私の力は、強烈な日ざしの中の水たまりのように干上がりました。

5 とうとう私は、自分の罪を神様の前にさらけ出さざるをえませんでした。「何もかも神様にお話ししよう」と決心したのです。すると、神様は赦してくださいました。私の罪は跡形もなく消えたのです。

6 私は神様を信じる人々に、自分の罪に気づいたら、まだ赦される間に神様に告白しなさいと、大声で忠告します。そうすれば、その人は天罰を免れるのです。

7 この人生にどんな嵐が吹き寄せようと、私は神様のもとに避難いたします。そこでは勝利の歌が響き、苦しみに巻き込まれることがないからです。

8 神様はこう言われます。わたしはあなたを教え、最善の人生航路へと導いてあげよう。助言を与えて、一歩一歩を見守ってあげよう。

9 くつわをはめなければ言うことを聞かない、馬やらばのようになるな!

10 悪者どもは次々と悲しみに見舞われますが、神様に信頼する人は神様の無限の愛に包まれます。

11 ですから、神様のものとなっている人々は喜びなさい。これから神様に従おうとする人々は、喜びの声をあげなさい。

33

1 神様を敬う人々の喜びが、賛美の声となってわき上がりますように。神様をほめたたえるのは良いことです。

2 竪琴と十弦の琴で、喜びにあふれる賛美の調べをかなでなさい。

3 新しい賛美歌を作り、巧みにハープをかき鳴らして、喜びの歌をうたいなさい。

4 神様のことばには偽りがなく、その行為にも裏切りはありえないのです。

5 神様はすべて正しいこと、良いことを愛しておられ、地上はそのやさしい愛で潤っています。

6 あの星をちりばめた天空も、神様のひと言で造られました。

7 神様は海を造り、水を注がれました。

8 全世界の人は、老いも若きも、男も女も、恐れかしこみながら神様の前に立ちなさい。

9 神様のおことば一つで、この世界は始まったからです。

10 主はひと息で、反抗的な国々の策略を吹き消されます。

11 神様の計画はいつまでも不滅で、そのお考えはいつの時代にも揺るぎません。

12 神様を信じる国民はしあわせです。神様から選ばれた国民だからです。

13 人の心を造られた神様は、天のお住まいから全人類を見下ろし、一人一人の行動をつぶさに眺めておられます。

14 -

15 -

16 最強の軍備を誇る軍隊でも、王を救えるわけではありません。力だけでは、だれひとり救うことはできないのです。勇ましい軍馬も、勝ちいくさを保証してはくれません。力が救いとはならないのです。

17 -

18 しかし神様の視線は、神様を信じて従い、その変わらない愛に頼る者に注がれます。ききんの際にも、餓死することはありません。

19 -

20 あてになるのは主お一人です。神様は盾となって守ってくださるのです。

21 神様に信頼する私たちに、喜びがあふれるのは当然です。

22 主よ、尽きることのない愛で包んでください。あなただけが望みなのです。

34

1 何が起ころうと、私は神様をほめたたえます。どんな時にも、神様の栄光と恵みを人々に伝えます。

2 神様のあたたかい思いやりの数々を誇ります。失意の中にある人々は気を取り直しなさい。

3 さあ、共に神様をほめたたえ、そのお名前をとどろかせましょう。

4 声の限りに私が呼び求めた時、神様はそれに答えて、いっさいの恐怖を取り払ってくださいました。

5 神様のなさることを見て、私以外の人も顔を輝かせました。もう、その表情は沈んでいません。

6 大声で叫び求める哀れな者を、神様は苦しみから助け出してくださいました。

7 神様の使いは、敬虔な人を守り、救い出してくれるのです。

8 さあ、神様を試してみたらどうですか。そして、どんなに神様が恵み深いお方か思い知るべきです。神様に信頼する人には恵みが雨と降り注ぐことを、自分で確かめてごらんなさい。

9 あなたが神様のものとなっているのなら、恐れかしこみなさい。そうすれば、必要なものはいっさい与えられます。

10 若く雄々しいライオンも、時にはひもじさに襲われます。しかし、神様を敬う私たちに、祝福が足りない時などありません。

11 息子よ、娘よ、私のことばを聞きなさい。神様だけに頼り、信じてお従いすることのたいせつさを教えよう。

12 君たちは、しあわせになって長生きしたいと願っているのか。

13 それなら、自分のことばに注意をはらいなさい。どんなことがあっても、うそをつかないことです。

14 罪だと思うものからは、いっさい手を引き、善行を積むことに身を入れなさい。だれとでも平和に暮らそうと考え、そのために全力を尽くしなさい。

15 神様は正しい生活を送る者をじっと見守り、その人の願い出ることを聞き届けてくださいます。

16 しかし、悪者どもは地上から抹殺し、彼らがいたという記憶さえぬぐい去ろうと決心なさいました。

17 神様は正しい人の叫びを聞き、すべての苦しみから救い出してくださいます。

18 神様は心の砕かれた人のそばにおられ、謙虚に罪を悔いる人を助け出されます。

19 正しい人だからといって、すべての苦難を免れるわけではありません。しかし、神様はあらゆる苦しみから救い出し、

20 不慮の事故から守ってくださるのです。

21 悪者には、災難が的中し、善人を憎む者には、重い刑罰が待っています。

22 しかし、神様はご自分のしもべを救い出されるのです。神様のもとに逃げ込む人は、無条件で赦されます。

35

1 ああ神様、私にいどむ者に立ち向かい、攻撃をしかけてくる者と戦ってください。

2 よろいをまとい、盾を取り、前に立ちはだかって私を守ってください。

3 槍を高くかざしてください。追手がすぐそこまで迫っていますから。絶対に敵の手に渡したりしないとおっしゃってください。

4 私のいのちをつけねらう連中をなぎ倒し、赤恥をかかせてやってください。

5 主の使いの起こす風で、もみがらのように吹き飛ばしてください。

6 主の使いに追い立てられた連中の逃げ道をすべりやすくし、暗やみで閉ざしてください。

7 連中は無実の私にぬれぎぬを着せようと、罠をしかけ、落とし穴を掘ったのですから。

8 どうか、自らしかけた網にかかり、たちまち滅んでしまいますように。

9 しかし、私は、神様が助けてくださると信じてほほ笑みます。

10 心の底から、神様への賛美が込み上げてきます。天にも地にも、神様のようなお方はありません。いったいだれが、身寄りのない弱い者を強い者から守り、貧しい者を強盗から救い出してくれるでしょうか。

11 これらの悪者どもは、宣誓したその舌でうその証言をします。身に覚えのないことで私を告訴します。

12 良いことをしてやっても、しっぺ返しをくらうのです。私はもう力尽きてくずおれます。

13 彼らが病気の時、治してやってくださいと神様に泣いてすがったのは私です。そのために食を断ち、ひたすら祈り続けました。しかし、神様はお聞き入れになりませんでした。

14 私はまるで、自分の親兄弟や友人が危篤ででもあるかのように、悲痛な思いにとらわれていたのです。

15 ところが、いざ私が困難にぶつかると、彼らは手を打って喜び、ぐるになって押しかけて来ては、のべつ幕なしに中傷します。中には、私の知らない顔もありました。

16 私をのろわせるのに、町のならず者まで駆り集めていたからです。

17 主よ、いつまで手をこまぬいて、つっ立っていらっしゃるのです?さあ、どうか助け出してください。若いライオンが牙をむいて、かけがえのない私のいのちをねらっています。

18 お救いください。そうすれば、私は黒山の人だかりもものともせず、感謝の祈りをささげます。

19 理由もなく私を憎む者どもに、勝ち誇らせないでください。私が倒れるのを見て、彼らが手をたたくなんてことがあってたまるものですか。彼らにこそ死がふさわしいのです。

20 平和や慈善事業については口をつぐむ彼らも、善良な市民を陥れる悪だくみとなると、能弁になります。

21 彼らは、この私が悪事を働く現場を目撃したと叫びます。「確かにこの目で、あいつが悪いことをするのを見たんだぜ」とはやし立てます。

22 主よ、あなたは一部始終をご存じです。貝のように口をつぐんで、私を見捨てないでください。

23 ああ神様、今こそこの身の疑いを晴らしてください。

24 正義の神様、どうか私の無実を宣告してください。悩む私の姿を見て、はしゃぎ回ったりさせないでください。

25 「全く思いどおりに事が運んだな。ついにあいつもお陀仏だよ!」と喜ばせてなるものですか。

26 彼らこそ赤恥をかきますように。人の苦しみを喜ぶ者こそ、不幸にみまわれ、文無しになりますように。身ぐるみはいで、恥をかかせてやってください。

27 しかし、私のしあわせを願ってくれる者には、大きな喜びをお与えください。そして、こう叫ばせてください。「信じる者を喜んで助けてくださる神様はすばらしい!」

28 神様がどれほど偉大で正しいお方か、私は会う人ごとに語りましょう。一日じゅう神様をほめたたえて過ごしましょう。

36

1 罪は悪者どもの心に巣くい、いつも悪事へとけしかけます。彼らには、神様を恐れて悪事から遠ざかろうとする気持ちなどありません。

2 それどころか、知らぬ存ぜぬで押し通せば、どんな不正行為も隠しおおせ、逮捕にまでは至らないと、自分に言い聞かせています。

3 彼らのことばにはみな裏があり、一かけらの真実もありません。知恵や善行とは無縁の連中です。

4 夜通し悪事をたくらむ彼らには、悪事から足を洗おうという気持ちなど、みじんもないのです。

5 ああ神様。あなたの揺るがぬ愛は天のように高く、あなたの真実は雲にまで達します。

6 あなたの正義は神の山のように不動で、そのご判断は、満ち潮の海のように知恵であふれています。神様は人にも獣にも心をお配りになります。

7 ああ神様。尽きることのないご愛を、心から感謝いたします。あらゆる人が御翼の陰に身を隠します。

8 その人々は神様の祝福をふんだんに受けて養われ、喜びの川の水を心ゆくまで飲ませていただくのです。

9 神様はいのちの泉です。私たちは神様の光を反映しているにすぎません。

10 神様を信じている人々に、変わらない愛を注いでください。どうか、おこころにかなった生き方をしようとする人々を、お救いください。

11 あの高慢な連中が私を踏みにじるのを、許さないでください。不正を行なう者らの手で、もてあそばれるのはごめんです。

12 ご覧ください。彼らは投げ倒され、二度と立てなくなったのです。

37

1 悪者をうらやんではいけません。

2 しょせん、草のようにあっという間に枯れ、消え失せる存在なのですから。

3 神様を信頼して他人を思いやり、親切にしてやりなさい。そうすれば、この地に安住し、成功を収めることもできます。

4 神様を喜びとしなさい。神様は心の願いをみな、かなえてくださいます。

5 自分のしようとすることをみな、神様にゆだねなさい。信頼する者を、神様は助けてくださいます。

6 あなたの潔白はだれの目にも明らかになります。神様は、真昼の太陽のようにまぶしい正義の光をあてて、弁護してくださいます。

7 すべてを神様にゆだねて、大船に乗った気でいなさい。神様が立ち上がられるまで忍耐して待つのです。悪者どもの繁栄ぶりをねたんではいけません。

8 怒るのをやめ、憤りを捨てなさい。くよくよ思い悩んではいけません。自分が傷つくだけです。

9 悪者は滅ぼされますが、神様に信頼する者には祝福が降り注ぐのです。

10 もうしばらくすれば、どれほどひとみをこらそうと、悪者の姿は見あたらなくなります。

11 一方、神様の前に謙そんになる人は、ありとあらゆる祝福を受け、ここちよい平安にひたるのです。

12 神様は、ご自分を信じる人を陥れようとたくらむ者を一笑にふされます。彼らのさばかれる日が近いのをご存じだからです。

13 -

14 悪者どもは貧しい者のいのちをつけねらい、正義の人を血祭りにあげようと身構えています。

15 しかし、彼らの剣は自分の心臓を突き刺し、その武器はみな木端微塵になるに決まっているのです。

16 不正な手段でかせぎまくるより、わずかな持ち物に甘んじて、神様を敬って過ごすほうがましです。

17 悪者の腕はへし折られますが、罪を赦された人は神様に守られて暮らせるからです。

18 神様は毎日、神様を敬う人の善行をご覧になっていて、永遠のほうびをお与えになるのです。

19 逆境の時にも、神様に守られています。だから、ききんの年にも飽き足りることができるのです。

20 しかし、悪者は滅びます。神様に敵対する者は草のようにしおれ、煙のようにはかないのです。

21 悪者は借りても、返済できません。しかし、正しい人は利子をはずんで返します。

22 神様に祝福された人はこの地上を相続しますが、のろわれた者は滅びます。

23 正しい人は、神様の指示に従って歩みます。神様はその一歩一歩をお喜びになるのです。

24 たとい倒れても、それで終わりではありません。神様がしっかり支えておられるからです。

25 以前は若かった私も、今では年をとりました。しかしこの間、神様が御自身を愛する者をお見捨てになったり、神様を敬う人の子供を空腹のまま放っておかれたりする光景を、一度も目にしたことがありません。

26 むしろ、神様を敬う人は惜しげもなく物を人にふるまい、金を貸しており、その祝福は子供にまで及ぶのを見ました。

27 永遠の住まいに行きたいと願うのなら、卑劣な悪の道を捨て、正しい生活を送りなさい。

28 神様は正義と公平を愛されるからです。神様はご自分の国民を決してお見捨てになりません。その人々は永遠に安全を保証されているのです。反対に、悪の道を慕う者は滅びます。

29 神様を敬う人はこの地に植えられて根を張り、永遠に住みつくのです。

30 神様を敬う人は正しく公平で、善悪をわきまえているため、すぐれた相談役を務めます。

31 -

32 悪者どもは神様を敬う人をつけねらい、なんとか訴える口実を見つけ、死罪に追い込もうと目を光らせます。

33 しかし、悪者どもの思いどおりになるのを、神様がお見過ごしになるはずがありません。神様を敬う人は、法廷に引き出されるようなことがあっても、有罪の判決を受けることはありません。

34 神様が乗り出される時を、じっとしんぼうして待ちなさい。そして、神様の道をしっかり歩んで行くのです。やがて、神様が祝福をあふれるばかりに注ぎ、あなたの名声を高めてくださる時がきます。しかも、あなたは悪者が滅ぼされるのを目のあたりにするのです。

35 この光景は私自身も経験ずみです。そびえ立つレバノン杉のように、おごり高ぶった悪者が、次の瞬間には影も形もなくなっていたのです。ひとみをこらして捜しましたが、その姿は消え失せていました。

36 -

37 それに引き替え、正しい人はどうでしょう!非の打ちどころなく高潔で、平和を愛するその人の未来は、ばら色に輝いています。人もうらやむ晩年が待っているのです。

38 しかし、悪者は滅ぼされ、子孫は根絶やしにされます。

39 神様を敬う人は救われます。苦しみの時、神様は救いとなり、とりでとなってくださるのです。

40 神様は、頼って来る者を助け、悪者の策略から守ってくださいます。

38

1 ああ神様、お怒りのままに私を罰しないでください。

2 あなたの矢は深く突き刺さり、私は容赦ない連打に圧倒されました。

3 お怒りにふれて病気となり、罪のため健康を害したのです。罪は洪水のように頭上を越えました。もう、自分では負いきれない重荷です。

4 -

5 傷口はただれ、うみがあふれています。罪の重さに、身を二つに折るようにして苦しんでいます。昼も夜も苦痛に満ち、

6 -

7 腰は焼けつくように痛く、全身が病み疲れているのです。

8 私は精根尽き果て、絶望してうめくのみです。

9 主よ。どれほど健康な体に戻りたいことか!あなたはご存じです。私のため息は一つ残らずお耳に達したはずです。

10 動悸は激しく、体力は消耗し、失明の一歩手前まで来ました。

11 愛する者や友人たちは、私の病気をこわがって近寄ってくれません。家族の者さえ遠巻きにしています。

12 一方、敵はと言えば、この命をつけねらい、目覚めている間中、策略を練っているのです。

13 しかし私は、彼らの脅し声には我関せずを決め込んでいます。口がきけない人のように、黙りこくっています。

14 -

15 神様に望みを託しているからです。ああ神様、早くおいでになって、私を守ってください。

16 ざまあ見ろと言わんばかりに、失意の私を眺める、あの高慢な連中に、とどめを刺してください!

17 いつまで私は危険な崖っぷちに立ち尽くすのでしょう。悲しみの原因である罪が、四六時中、私を見すえています。

18 私は罪を告白いたします。どうか、今までの行ないを赦してください。

19 しかし、私を憎む敵は気勢をあげて迫害してきます。私には少しも身に覚えがありませんのに。

20 連中は悪をもって善に報い、正義を唱える私を憎むのです。

21 ああ神様、私を置き去りにしないでください。

22 私を救ってくださる神様、急いで駆けつけて来てお助けください。

39

1 私は自分に言い聞かせました。「不平を鳴らすのはやめよう。特に、神様を信じない連中に取り巻かれている間は。」

2 ところが、おし黙っている私の心の中では、すさまじい暴風が吹き荒れているのです。思いにふければふけるほど、体の中で火が燃え上がります。私はたまりかねて口を開き、神様にとりすがりました。

3 -

4 主よ、地上で生きる期間などあっという間だ、とわからせてください。ここにいるのもあとほんの少しだ、と思い知らせてください。

5 残りの生涯は手の幅ほどもありません。私の一生など、神様から見ればただの一瞬にすぎません。人はなんとおごり高ぶることでしょう。人のいのちは息のようにはかないものです。しかも、どんなにあくせくしようと、何一つ残せるわけではありません。他人にくれてやるために、富を築くようなものです。

6 -

7 ですから、神様。私は神様にだけ望みをかけているのです。

8 私が罪に負けたりしないように、神様、助けてください。そうでないと、間の抜けた連中までが、私をばか呼ばわりしますから。

9 主よ。もう私は何も申し上げません。不平がましいことなどひと言も口にいたしません。罰をお下しになるのは神様ですから。

10 主よ、これ以上、打たないでください。おかげで私は、息も絶え絶えです。

11 ひとたび神様から罪を罰せられれば、だれでも倒れてしまいます。人は、しみに食われた衣類のようにもろく、霧のようにはかないものですから。

12 ああ神様、私の祈りを聞いてください。この涙ながらの訴えに耳を貸してください。私の涙などそ知らぬ顔で、手をこまぬいていないでください。私は神様に招かれた客ではありませんか。先祖同様、この地上を仮の宿とする旅人なのです。

13 どうかこの命をお助けください。死ぬ前にもう一度、元気になりたいのです。喜びに満たされたいのです。

40

1 私はただひたすら神様のお助けを待ち望みました。すると、その願いは聞かれたのです。

2 神様は絶望の穴から、どろどろのぬかるみから引き上げて、踏み固めた道に下ろし、しっかり歩けるようにしてくださいました。

3 神様は私の口に、新しい賛美の歌を授けてくださいました。私が神様に、どれほどすばらしいことをしていただいたかを知って、大ぜいの人が敬虔な心で神様を敬い、信頼するようになるでしょう。

4 いばったり偶像を拝んだりする者には頼らず、神様だけを頼りとする人には、ふんだんに祝福が注がれます。

5 ああ神様。何度も何度も大きな奇蹟を見せてくださったあなたは、いつも私たちのことを心に留めてくださっています。ほかのだれに、こんなすばらしいまねができるでしょう。だれも比べものにはなりません。神様のすばらしいみわざは、どんなに時間をかけても語り尽くせないのです。

6 神様が真に望んでおられるものは、いけにえや供え物ではありません。完全に焼き尽くすいけにえが、特に神様をお喜ばせするわけではありません。しかし、生涯を通じて神様にお仕えしようとする私の申し出は、受け入れてくださいました。

7 そこで、私はこう言いました。「神様。いま私は、預言者が言っていたとおりに参りました。

8 神様のおきてを心に刻んでいる私は、喜んでご意志に従います。」

9 私は会う人ごとに、神様が人の罪を赦してくださるという、うれしい知らせを伝えます。そうすることにためらわなかったのは、よくご存じだと思います。

10 私はこの良い知らせを胸の中にしまい込んだりはせず、かえって、神様のいつくしみと真実を多くの人にふれ回りました。

11 ああ神様。あなたの愛と真実だけが頼りなのですから、あわれみを出し惜しまないでください。

12 それがなければ、私は滅んでしまいます。とても手に負えない問題が、山積みなのですから。その上、数えきれない罪に責め立てられ、恥じ入るばかりで顔を上げることもできません。身も心も縮み上がる思いです。

13 お願いです。さあ、早く助けてください。

14 いのちをつけねらう者どもをかき乱し、追い払ってください。あざけるやつらをいやと言うほど痛めつけ、赤恥をかかせてやってください。

15 -

16 しかし、神様とその救いを慕う人は、喜びにあふれますように。そして、常にその口からは、「神様はなんとすばらしいお方でしょう」という賛美がもれますように。

17 私は貧乏で、困っています。しかし、神様はこんな時こそ、私を心にかけてくださっているのです。ああ、救い主であられる神様、直ちに駆けつけて、救ってください。

41

1 貧しい者に親切な人は、神様から祝福を受けます。その人が困難に会う時、神様は助けの手を差し伸べてくださいます。

2 また、無事に守って生かし、人前で面目を施させ、敵を蹴散らしてくださいます。

3 病気になると、神様ご自身が看護にあたり、痛みをやわらげ、心配事を取り去ってくださるのです。

4 私はこう祈りました。「ああ神様、私をあわれんで、病気を治してください。私は罪を洗いざらい告白したではありませんか。」

5 ところが敵は、「とっととくたばれ。早くあの世に行っちまえ」と言っています。

6 連中は、いかにも親しげに、病床の私を見舞うくせに、心の中では憎悪をたぎらせていて、苦痛を訴えながら寝ている私を見てほくそ笑むのです。一歩外に出ると、大笑いし、あざけり、

7 私が死んだらどうしてくれようかと、ひそひそ耳打ちし合っています。

8 彼らはこう言います。「どんな病気か知らんが、もうすぐお陀仏さ。二度と起き上がれるものか!」

9 食事を共にした親友さえ、私を裏切りました。

10 神様、どうか私を見殺しにしないでください。あわれに思ってください。どうか健康な体に戻し、この手で、やつらに仕返しできるようにしてください。

11 神様は、敵が私に勝ち誇るのをお許しになりませんでした。おかげで私は、神様のお目にかなっていることを知りました。

12 正直がとりえの私を、神様はこれまで守ってくださったのです。これから先、いつまでも目をかけてくださいます。

13 イスラエルの神様をあがめなさい。この方は永遠に生きておられます。アーメン。アーメン!

42

1 ああ神様。鹿が水をあえぎ求めるように、私も神様を慕い求めます。

2 焼けつくような渇きを覚えながら、私は生きておられる神様を慕っています。どこへ行けば、お目どおりがかなうのでしょうか。

3 昼も夜も涙にむせびながら、神様のお助けを祈っています。かたわらでは敵が、「おまえの神様とやらはどこへ行ったんだ」とあざけるのです。

4 さあ、私のたましいよ、元気を出せ。あの日のことを思い出すのだ。よもや忘れはしまい。あの祭りの日、多くの人の先頭に立って神の宮に参り、喜びに満たされて賛美の歌をうたったことを!どうしてそんなに沈み込む必要があるのか?どうして、悲しげにしょげ込んでいるのだ。神様に望みを託すがよい。そうだ、お助けを信じて、もう一度神様をほめたたえよう。

5 -

6 それでもなお、私は意気消沈し、ふさぎ込んでいます。しかし、やがてその思いは、ヨルダン川が流れ、ヘルモン山やミツァル山のそびえる美しいこの地に注がれている、神様のお恵みへと移っていくのです。

7 神様のさかまく大波が私の頭上を越え、悲しみの洪水が、とどろく大滝のように降りかかって来ます。

8 しかし、その一方、神様は日ごとに変わらない愛を注いでくださるのです。私は夜通し賛美歌をうたい、このいのちを授けてくださった神様に祈りをささげます。

9 「ああ、岩なる神様」と、私は叫びます。「なぜ、私をお見捨てになったのですか。なぜ、私は敵の攻撃にさらされて、こんなにも苦しまなければならないのですか。」

10 人のあざけりが、この身を突き刺し、致命傷を負わせます。やつらは、「おまえの神様はいったいどこへ行ったのだ」と、いやがらせを言うのです。

11 しかし、私のたましいよ、気落ちするな。動転するな。神様はきっと乗り出してくださる。そのうち、神様がすばらしいことをしてくださり、私は賛嘆の声をあげるに決まっているのだ。このお方こそ、私のいのち綱。私の神なのです。

43

1 ああ神様、情け容赦もなく、だまし取ろうとするやつらの言いがかりから、守ってください。

2 神様は、かけがえのない隠れ家なのです。どうして、私など眼中にないかのように突き放されるのですか。どうして、敵に痛めつけられて私が泣きを見なければならないのですか。

3 どうか、あなたの光と真実に道案内させ、きよいシオンの山にある神の宮へと導いてください。

4 この上ない喜びにあふれて祭壇の前に立ち、竪琴をかきならしながら賛美したいのです。ああ神様。

5 私のたましいよ、どうしてそんな憂うつそうな顔をして、ふさぎ込むのか。神様に何もかもお任せしなさい。きっとそのうち、すばらしい助けの手が差し伸べられ、感謝の思いに満たされるに決まっている。神様はきっとまた、私の顔をほころばせてくださる。神様は私を決してお見捨てになったりはしない。

44

1 ああ神様。ずっと昔には、神様はすばらしい奇蹟を行なわれたと聞いています。私たちの先祖は、神様がこの地から異教の国民を追い出し、すみずみまでイスラエルの支配を行き渡らせてくださったいきさつを、話してくれました。

2 -

3 人々は自分の力や腕で、この地を手に入れたのではありません。全能の力をお持ちの神様が、おこころにかけてくださり、お力添えくださったおかげなのです。

4 私の王、私の神様!あなたの国民に勝利をもたらしてください。

5 敵を踏みにじるには、そのお力とお名前のご威光にすがるよりないからです。

6 武器などあてにはなりません。そんなものが救ってくれると考えるのは、大まちがいです。

7 神様だけが、憎しみのかたまりとなっている連中に打ち勝つことが、おできになるのです。

8 私はいつも神様を誇ってきました。神様には、どんなに感謝しても、感謝しきれません。

9 ああ神様。けれどもここしばらく、あなたは私どもを無視していらっしゃいます。おかげで大いに面目を失いました。これほど悪戦苦闘しておりますのに、助けの手を差し伸べてくださいません。

10 それどころか、私たちに対抗しようとさえなさり、敵の前で痛い目に会わせられました。敵はこの国を襲い、あちこち略奪して回りました。

11 まるで屠殺場の羊のように、神様は私たちを扱い、国中に散らされました。

12 そして、二束三文で売り飛ばされたのです。何の値打も認めてくださらなかったのです。

13 このひどい仕打ちのおかげで、私たちは回りの国々の笑い者となり、さんざんばかにされました。

14 「ユダヤ人」ということばが、外国人の間では侮蔑と恥の代名詞となったのは、神様のせいです。

15 復讐心に燃えた敵は、私たちをのべつ幕なしにさげすみ、あざけり、なじり、のろっています。

16 -

17 あれほど神様に忠誠を尽くし、神様のご契約を守ってきましたのに、こんなひどい目に会わされています。

18 私たちの心は、かた時も神様から離れたことはありませんのに!ただの一度も、神様の道からそれませんでしたのに。

19 もしそんな過失があったのなら、荒野で罰せられようと、暗やみと死に放り出されようと納得がいきます。

20 もし、私たちが神様に背いて、偶像を拝んでいたりすれば、当然お目にも留まるはずです。

21 神様は人の心の奥の奥までお見通しではありませんか。

22 ところが、私たちときたら、神様にお従いしているばかりに、常に死の恐怖にとらわれているのです。まるで屠殺場に引かれて行く羊みたいです。

23 ああ神様、目を覚まし、起き上がってください!まどろまないでください。いつまでも見捨てておかないでください。

24 どうして、顔をそむけ、この悲しみと苦悩を見て見ぬふりなさるのですか。

25 私たちは泥の中に転がっています。

26 ああ神様、早く来て、変わらない愛でお助けください。

45

1 私の心は美しい思いであふれています。さあ、うるわしい詩を王にささげましょう。見る間に物語をつづる即興詩人のように、ことばがわき上がってくるのです。

2 あなたはだれより美しい。あなたのことばは優しさにあふれている。永遠にあなたは神様の祝福に包まれる人。

3 力強い方よ、威風堂々として、腰に剣をつけなさい。

4 威厳をまとい、勝ち進むのだ。真理と謙そんと正義のために手あたりしだいに粛清を押し進めよ。

5 あなたの矢は鋭く、敵の胸に突き刺さり、目の前でなぎ倒していく。

6 神様の王座は永遠、神様の笏は正義。

7 真実を愛し、悪を憎むあなたに、神様は格別大きな喜びをお授けになった。

8 あなたの服には没薬、アロエ、シナモンの芳香がただよいます。象牙をちりばめた宮殿では、ここちよい音楽がかなでられています。

9 諸王の娘があなたの側室に加わり、王妃は、オフィル産の最高級の金の飾りをつけ、あなたのかたわらに立っています。

10 「娘よ、私の忠告を聞きなさい。遠い故国の父や母を思って悲しんではいけません。あなたには王という夫があり、あなたの美しさはことのほか愛でられています。主人である王に、うやうやしく仕えなさい。

11 -

12 当世いちばん金回りのよいツロの人々が、あなたの歓心を買おうと、贈り物を山と積んで来るでしょう。」

13 花嫁姿の王女は、金の糸で織りなした美しい晴れ着をまとい、自室で控えています。

14 侍女にかしずかれ、しずしずと王の前に出る、その姿の美しいこと!

15 王宮の門をくぐる行列は、なんと楽しげで、うれしそうなのでしょう。

16 「あなたから生まれる子供は、いつか父親の跡を継いで王となり、世界を支配します。

17 わたしはあなたの名を、のちの世までも輝かせます。諸国民はいつまでも称賛してやまないでしょう。」

46

1 神様は私たちの隠れ家、また力、そして苦難にあえぐ時の確実な助けです。

2 ですから、たとい全世界が吹っ飛び、山々が海に沈もうとも、こわがることはありません。

3 海よ、鳴りとどろき、白くあわ立つがよい。山よ、激しく揺れ動くがよい。

4 喜びの川が、神の神であられるお方の聖なる住まいのある都を流れます。

5 神様がそこに住んでおられるので、ここかしこで騒ぎが起ころうと、都はびくともしません。しかも、神様はすばやく助けの手を差し伸べてくださるのです。

6 国々は怒り狂い、わめき散らします。しかし、神様のひと言で大地は溶けて服従し、王国はよろめき倒れます。

7 天の軍勢の主である神様が、そばにいてくださいます。このお方はヤコブの神で、私たちを助けに駆けつけてくださいました。

8 さあ、どんなにすばらしいことをなさるか、よく見なさい。神様は全世界を灰とし、

9 世界のすみずみまで戦争をやめさせ、武器という武器を残らず破壊し、焼き捨てられます。

10 「よく聞きなさい。わたしこそ神であることを、思い知りなさい!わたしは全世界の称賛の的となるのだ!」

11 天の軍勢の主は、確かに私たちの味方です。ヤコブの神であるこのお方が、駆けつけて助けてくださいました。

47

1 さあ、皆さん、喜んで手をたたきましょう。大声をあげて神様をほめたたえましょう。

2 この比類ないお方は、ことばには尽くせないほど神々しい神であり、全地を治める偉大な王なのです。

3 神様は、私たちが国々を治めやすいようにしてくださり、

4 ご自分の愛する者たちに、手ずから最高の祝福を選び取ってくださいます。

5 鳴りわたるラッパの音と勇ましい雄叫びの中を、神様はのぼって行かれました。

6 私たちの主である神様に向かって、賛美の歌を声高らかにうたいなさい。全世界の王である神様をほめ歌いなさい。心からほめ歌いなさい。

7 -

8 神様は国々を治め、聖なる御座におつきになります。

9 全世界の支配者たちも、声を合わせて、アブラハムの神をほめたたえました。

10 諸国の勇者が手に取る盾は、神様のトロフィーなのです。神様は世界のどこででも大きな栄誉をお受けになります。

48

1 神様はなんと偉大なお方でしょう。どれほどほめことばを連ねても足りません。神様はエルサレムのシオン山に住んでおられます。

2 なんと神々しい光景でしょう。都の北に、ひときわ高くそびえ立つシオン山をご覧なさい。あそこは偉大な王の住まいで、世界中の喜びの源泉です。

3 神様ご自身がエルサレムの守りにつかれます。

4 諸国の王は、都を探ろうと集まって来ました。

5 しかし、ひと目見るなり驚嘆し、ほうほうの体で逃げ帰りました。

6 彼らは目に映ったものにおびえ、産気づいた女のようにうろたえます。

7 神様には、無敵艦隊を木端微塵にすることなど朝飯前です。

8 かねてから、天の軍勢の主であられる神様の都のすばらしさは、話には聞いていましたが、ついに今、この目で確かめました。神様はエルサレムを永遠の都となさいました。

9 主よ。私たちは、神殿の中で、あなたの恵みと愛に思いをはせています。

10 ああ神様。あなたのお名前は全世界に知れ渡っています。世界中の人をお救いくださる神様に、至る所で賛美がわき上がっています。

11 エルサレムとユダヤの人々は喜びなさい。最後には、あなたがたも陽の目を見るようになると、神様が保証してくださっています。

12 さあ、都中を点検しなさい。外側を巡って、塔を数えなさい。

13 城壁に注意をはらい、宮殿を見て歩きなさい。そうしてこそ、子孫に語り伝えることもできるというものです。

14 この偉大なお方は、いつまでも私たちの神様でいてくださり、死ぬまで導いてくださいます。

49

1 身分の高い者も低い者も、金持ちも貧しい人も、世界中のだれもかれも、私のことばに耳を傾けてください。

2 -

3 この口から出ることばは、心の底まで見通して、知恵に満ちているのです。

4 竪琴の伴奏に合わせ、奥深い人生の問題に答えて歌いましょう。

5 悩みが訪れ、敵にぐるりを囲まれようと、少しもこわがることはありません。

6 彼らの信じるものは金だけで、その誇りは財産だけなのです。

7 しかし、王に負けないくらい裕福な彼らも、兄弟の罪を帳消しにしてやることはできません。罪の赦しは金では買えないのです。

8 たましいは余りにも高価なので、この世の富をいくら積んでも買い戻せません。世界中の金をかき集めても、ただ一人分の永遠のいのちも買ってやれません。もちろん、地獄から救い出してやることもできないのです。

9 -

10 あなたがた金持ちも、傲慢な者も、賢い者も、結局、同じように死ぬ運命にあります。ばかで、まぬけな連中より長生きできるわけではありません。しかも、一銭だって持って死ねはしないのです。

11 あなたがたは、まるで永久にその土地に住めるかのように、自分の名をつけています。

12 しかし、どんなに羽振りのいい人間でも、死ぬのは犬や猫とそう変わりません。

13 全く、あほらしい存在です。それなのに、そういう人々は死後も、非常に賢い人物として引き合いに出されたりもするというわけです。

14 死が全人類を飼い慣らしています。別世界に目覚めたその朝、邪悪な者たちは正しい人々の奴隷となるのです。死と同時に、金にものを言わせることは不可能になります。なにしろ、金を持って行くことはできないのですから。

15 しかし、私は別です。神様はこのたましいを死の力から買い戻してくださいます。私を迎え入れてくださるからです。

16 ですから、悪者の金回りがよかろうと、りっぱな邸宅を構えていようと、目をむくことはありません。

17 死ぬ時には、名誉はおろか、何一つ持って行けないのですから。

18 生きている間中しあわせ者だと自分でも思い、世間からも出世頭だと拍手を送られるような人でも、

19 やがては皆と同じように死に絶え、永遠のやみに沈んでいくのです。

20 どんなに華やかな生涯を送ろうと、人は犬や猫とそう変わりなく死ぬことになっています。

50

1 全能の神様は、東の果てから西の果てまで、人々を召集なさいました。

2 シオン山のうるわしい宮から、神様の栄光が輝きわたります。

3 神様は焼き尽くす火をまとい、雷とともに姿を現わされます。その回りには嵐が猛り狂っています。

4 ご自分の国民をさばくためにおいでになった神様は、天と地にこうお叫びになります。

5 「祭壇にいけにえをささげてくれた人々を捜し出せ。わたしに忠誠を誓った国民を集めてくれ。」

6 神様は完全無欠な裁判官となって、判決を下されます。天も、神様のおっしゃることの正しさはよくわかっていて、証言に立ちます。

7 民よ、耳を傾けなさい。わたしはあなたがたの神です。話しておきたいことがあります。

8 といって、祭壇にささげられるいけにえに、不満があるわけではありません。それは欠かさず供えられています。

9 しかし、真にわたしの求めているものは、いけにえの雄牛や雄やぎではないのです。

10 野原や林の獣は、もともとわたしのものなのですから。ここかしこの丘で草をはむ家畜も、山の鳥もみな、わたしのものなのです。

11 -

12 たとい飢えても、あなたがたに頼ったりはしません。全世界とその中のものはみな、わたしのものなのですから。

13 あなたがたに、いけにえの肉と血を、どうしてもささげてもらわなければならないわけではないのです。

14 わたしが欲しいのは、真心からの感謝です。誓いを果たすことです。困難に出会った時、わたしにすがってほしいのです。そうすれば、わたしは助けの手を差し伸べ、あなたがたはわたしの栄誉をたたえてくれるでしょう。

15 -

16 しかし、悪者に向かっては、神様はこう宣言なさいます。二度とわたしのおきてを口にしてはいけません。わたしの約束を盾に取ってどうこう言ってはいけません。

17 わたしの懲らしめを拒み、おきてをないがしろにしたおまえには、当然のことです。

18 おまえは、どろぼうを見ると手を貸し、腹黒い者や不道徳な人間とつき合っています。

19 のろいのことばを吐き、うそをつき、聞くに耐えないことばを口にする、おまえのような人間は、血を分けた兄弟の悪口さえ平気で言うのです。

20 -

21 今まではわたしも、じっと黙って見てきました。さぞかし、気にされてないといい気になっていたことでしょう。しかしついに、罰の下る時がきたのです。おまえの罪状は、ほら、このとおりだ!

22 しかし、神を忘れ去った者にも最後のチャンスが残されている。さあ、心を入れ替えないと、即刻おまえをずたずたに引き裂くぞ。そうなっては、もう遅いのだ。

23 わたしは、心からの賛美がうれしいのです。それこそ、わたしの栄誉です。わたしの道を進む人は救われるのです。

51

1 ああ、愛と恵みにあふれる神様、私をあわれんで、恐ろしい罪の汚点をぬぐい去ってください。

2 どうか私を洗い、この罪からきよめて、もう一度、潔白な身としてください。

3 私は、自分がどんな恥ずべきことをしたか、よく存じております。そのことで夜も昼も責めさいなまれているのです。

4 私はあなたに、ただあなたに罪を犯し、この恐ろしいことをしでかしました。一部始終をご存じの神様が下す判決に、誤りはございません。

5 しかし、私は生まれながらの罪人なのです。母が私をみごもった時から、罪人でした。

6 神様をお喜ばせするものは、徹底した正直さだけです。ああ、そのことを私に心底わからせてください。

7 汚れをきよめる血を振りかけてください。再び身も心もきれいになれるように、私を洗ってください。雪よりも白くなりたいのです。

8 罰は受けます。でもそののち、喜びを取り戻させてください。

9 どうか、いつまでもこの罪を見すえないで、視界から消し去ってください。

10 ああ神様。どうか、きよい思いと正しい願いでいっぱいの、新しいきれいな心にしてください。

11 私を見限って、永久に御前から追放しないでください。聖霊を私から取り上げないでください。

12 救いの喜びを再びあざやかにして、心から神様に従おうとする思いに満たしてください。

13 そうすれば、私のように罪深いほかの人間にも、神様の道を教えてやります。きっと悔い改めて、神様に立ち返ることでしょう。

14 ああ神様。頼みの綱はあなただけですから、どうか死刑の宣告を下さないでください。助けてさえいただければ、私の舌はゆるみ、神様の赦しを高らかに歌いだすでしょう。ああ、どれほど神様をほめたたえますことか。

15 -

16 神様は罪滅ぼしに何かをせよとはおっしゃいません。もしそうであれば、喜んで仰せに従うことでしょう。神様は、祭壇で焼かれる供え物に興味をお持ちになるわけではありません。

17 神様がお望みなのは、悔いくずおれたたましいです。ああ神様。罪を深く後悔して砕かれた心にこそ、神様は目を留めてくださるのです。

18 どうか神様、私の罪のためにイスラエルの国を罰しないでください。あなたの国民を助け、エルサレムをお守りください。

19 私が潔白の身となってはじめて、神様は私の善行と、祭壇に供えるいけにえの雄牛とを、喜んで受け入れてくださることでしょう。

52

1 おまえは英雄のつもりでいるのか。神様の国民に加えたこの暴虐を誇っているのか。

2 おまえは策略を謀ることにかけては天才だ。

3 どうしてそれほど、善より悪が、真実よりうそが好きなのか。

4 相手を中傷するのに目がなく、うそ八百を並べ立てては、平気で人を傷つけるやつめ。

5 神様はおまえをなぐり倒し、死人の国へ引きずって行かれるぞ。

6 それを見て、神様に従う人々は恐れを感じるが、まもなく笑ってこう言うだろう。

7 「あれが、神様をあなどり、ますます大胆に悪事を働いた拝金主義者の末路だ。」

8 一方、この私は、神様に守られている、囲いの中のオリーブのようで、いつまでも神様のあわれみにすがるのだ。

9 ああ神様。あなたの懲らしめがどんなものか知った私は、永久にあなたをほめたたえて、そのあわれみを待ち望みます。あなたがどんなにいつくしみ深い神であるか、知らない者などいないのですから。

53

1 「神などいない」と言うのは愚か者だけです。心がひねくれていて、うしろ暗い生活を送っている証拠です。その人のいのちは罪にむしばまれています。

2 神様は天から全人類を見下ろして、だれか一人でも、正しいことを行ない、心から神様を求める者がいないかと、ひとみをこらしておられます。

3 しかし、神様に背いていない人間なんていないのです。人々は罪にまみれ、芯まで腐りきっています。正しい者は一人もいません。

4 どうしてこんなことになったのでしょうか。彼らには何一つわかっていないのでしょうか。彼らはパンのように、わたしの国民を食いちぎり、神様に立ち返ろうとしないからです。

5 しかし、そのうち、かつてないほどの恐怖に取りつかれます。神様は、こういう敵どもを見捨て、その骨をばらまかれます。

6 ああ、今、神様がシオン(エルサレム)からおいでになって、イスラエルを救ってくださったなら、と思います。神様の手で元どおりにしていただいてはじめて、人々はしあわせになれるのです。

54

1 ああ神様。大いなる力をふるって私をお救いください。力強い腕でかばってください。

2 どうか、この祈りを聞き届けてくださいますように。

3 暴虐を働く者どもが、いどみかかってまいります。神様のことなど眼中にない、冷酷無比の連中が、このいのちをつけねらっています。

4 しかし、神様は助けてくださいます。私の友なのですから。

5 敵の悪らつな仕打ちは、反動で、その頭上に跳ね返ることになります。ああ神様。お約束どおりに事を運び、悪人どもの息の根を止めてください。

6 主よ。私はあなたに心からのいけにえをささげ、御名をほめたたえます。それこそ道理にかなったことです。

7 神様はすべての苦しみから私を救い出し、敵を蹴散らしてくださいます。

55

1 ああ神様、この祈りをお聞きください。この切なる願いに、お姿を隠さないでください。

2 主よ、私に目を留めてください!重荷につぶされそうなこの身からは、うめきと涙しか出て来ません。

3 敵はわめき散らし、殺してやると脅します。遠巻きにして、私を殺す策略を練っています。その激しい怒りと憎しみが、じかに肌に伝わってきます。

4 私は身もだえして苦しみ、恐怖の戦慄が全身を貫きます。

5 私は身ぶるいし、おののいています。

6 ああ、鳩のように翼があれば、遠くへ飛び去り、身を横たえることもできますのに。

7 はるかかなたの砂漠へ飛んで行き、そこに潜んでいたいのです。

8 この嵐を逃れて、どこかの避難所へ逃げ出したいのです。

9 主よ、敵を仲間割れさせ、暴力沙汰で自滅させてください。

10 やつらときたら昼も夜も城壁の上を巡り、侵入者を見張っていますが、実際には問題は内部に巣くっているのです。邪悪と不正行為が町にはびこっていますから。

11 そのほか、殺人や強盗、市場ばかりか至る所で詐欺がまかり通っています。

12 私をののしるのは敵ではありません。それなら我慢もできたでしょう。身を避け、逃げることもできたでしょう。

13 しかし、相手というのは、ほかならぬおまえ、仲間であり、友人であるおまえだった。

14 われわれは兄弟同様の仲だったではないか。祭りの日には連れ立って神の宮へ行き、道々楽しく語り合った私たちだったのに。

15 死が取りついて、働き盛りの彼らを倒しますように。その家庭生活まで罪に冒され、心は底の底まで汚れきっていますから。

16 しかし私は、神様にお願いすれば、救っていただけるのです。

17 朝、昼、晩と、私は神様に祈り、大声で嘆願します。すると、神様はその願いを受け入れてくださいます。

18 多数を敵に回した不利な戦いであろうと、神様の救いは確実です。

19 神様を敬わず、その戒めを踏みにじった彼らには、永遠の神様が報復なさるのです。

20 かつてあれほど親しかった友人が、私を裏切りました。約束を破ったのです。

21 口あたりのいいことばの裏には殺意が、甘いことばの中には剣が隠されているのです。

22 重荷は神様におゆだねしなさい。神様が背負ってくださいます。信じて従って来る者が足をすべらせたり、倒れたりするのを、神様が黙って見ておられるはずがありません。

23 神様は敵を滅びの穴に投げ込まれます。人殺しと嘘つきの寿命は、半分に縮まることでしょう。しかし、私は神様のお救いを信じ続けます。

56

1 主よ、私をあわれんでください。敵の軍勢が、夜も昼も押し寄せて来ます。居丈高に襲いかかって、私を血祭りにあげようとする連中がひしめいているのです。

2 -

3 おじ気づいた心の頼みの綱は、神様だけです。神様の約束だけが頼りなのです。神様に信頼している私に、ただの人間が手出しなどできるわけがありません。

4 -

5 彼らはいつでも私のことばをねじ曲げ、どうしたら私を傷つけることができるかと考えています。

6 彼らは計画を練り上げるために集まり、道ばたに潜んでは、私をねらって待ち伏せています。

7 主よ。彼らは首尾よく事を運べるつもりでいるのでしょうか。そんな思いのままにはさせないでください。どうか、怒りを燃やし、やつらを地面にたたきつけてください。

8 神様は、私が夜通し寝返りを打っているのをご存じです。神様は、私の涙を一滴残さず、びんにすくい集めてくださいました。その一滴一滴は、余すところなく、神様の文書に記録されています。

9 私が助けを呼び求めると、その日のうちに戦いの流れは変わり、敵は逃げ惑います。私にわかっているのは、ただこの一事、神様が味方だということです。

10 私は神様への信頼を失いません。ああ、神様のすばらしいお約束!人間ごときが何をしかけて来ようと、私は恐れません。そうです、神様は約束を守ってくださるのです。

11 -

12 主よ。あなたへの約束は、きっと果たします。お助けいただいたことを心から感謝しています。

13 なぜなら、あなたは、私が地上で御前を歩めるように、死から救い出し、転ばないようにと支えてくださったからです。

57

1 ああ神様、あなただけを頼りにしているこの私を、あわれんでください。嵐が過ぎ去るまで、御翼の陰に潜ませてください。

2 私は、天におられる神様、奇蹟を行なってくださる神様に、大声でお願いします。

3 すると、愛と真実の神様は、天から手を差し伸べて救ってくださるでしょう。私を亡き者にしようと、やっきになっている嘘つきどもから、救ってくださるでしょう。

4 私は、どう猛なライオンに囲まれているようなものです。やつらときたら、まるで槍や矢のように鋭い歯をして、気炎を上げています。その舌は、まさしく剣です。

5 主よ、ご名声を天まで高めてください。ご栄光を地上高く現わしてください。

6 敵が罠をしかけたので、私は言いようのない恐怖にとらわれています。また、私の通り道に落とし穴も掘りました。しかし、ざまあ見ろと言ってやります。そこに落ちたのは、彼らのほうだったのです。

7 ああ神様。私の心は平安で、確信に満ちています。神様をたたえる歌が、自然に口をついて出ます。

8 私のたましいよ、目を覚ませ。十弦の琴と竪琴よ、身を起こせ。さあ、歌って夜明けを待とう。

9 私は国中を巡り、公衆の前で神様に感謝をささげます。諸国を漫遊して、神様をたたえる歌をうたいます。

10 神様の恵みと愛は、天そのもののように広大無辺です。神様の真実は、空よりも高くそびえています。

11 ああ神様。ご名声が天よりも高く響き渡りますように。ご栄光が全世界を照らしますように。

58

1 正義だと?権力を笠に着るおまえたち政治家に、このことばの意味がわかってたまるか。公平だと?おまえたちのうち、多少なりともそれをわきまえている者がいるのか。おまえたちの取り引きは不正だらけで、わいろと引き替えに「正義」を切り売りしている。

2 -

3 こんな手合いは生まれながらの罪人で、最初に覚えたのが嘘をつくことなのです。

4 彼らは毒蛇のように口に毒を含み、熟練した蛇使いの声にさえ耳をふさぐコブラのようです。

5 -

6 ああ神様、彼らの牙を折り、若いライオンの歯のようなその歯を引き抜いてください。

7 かわききった地に吸い込まれる水のように、影も形もなくしてください。彼らの手の武器を、へし折ってください。

8 塩をかけられて溶けるなめくじのように、日の光を知らない死産の子のようにしてください。

9 神様は、老いも若きもいっしょに掃き捨て、あっという間に滅ぼされます。

10 神様を敬う人は、ついには正義が勝つのを見て喜び、殺された悪者どもの血のしたたる野原を歩きます。

11 こうして、地上には公平にさばく神様がおられ、善人に必ず報いてくださることが、だれの目にも明らかになるのです。

59

1 ああ神様、敵の手から救い出してください。いのちをねらって押し寄せて来る者どもから守ってください。

2 人殺しどもの手から守ってください。

3 腕っぷしの太いやつも、手ぐすねひいて待ち伏せています。主よ。何も私が悪いことをしたわけではありません。

4 それなのに、彼らは私の息の根を止めようと、意気込んでいるのです。主よ、目を覚まして、この有様をよくご覧ください。そして助けの手を差し伸べてください。

5 天の軍勢の主であるイスラエルの神様、どうか周囲の異教の国々を罰してください。こんな恥知らずの悪党どもを、生かしておかないでください。

6 彼らは夕暮れになると様子をうかがい、町の通りを犬のように嗅ぎ回ります。

7 「だれも聞いていないさ」と高をくくっている彼らは、大声で悪態をついては、神様をのろいます。

8 主よ、こんな連中は、笑い者にしてください。

9 私の力の源、神様を賛美します。神様は、私の安全な隠れ家ですから。

10 神様は、常に変わらない愛を注ぎ、私を助けに来てくださいます。また、敵を私の思いどおりにしてくださいます。

11 彼らに、まだとどめを刺さないでください。私の国民の心に、貴重な教訓を刻み込みたいからです。私たちの盾である神様、お力で敵をよろめかせ、ひざまずかせ、どろの中にはいつくばわせてください。

12 彼らはおごり高ぶり、うそをつき、口汚なくののしります。どうか、激しい怒りで彼らを滅ぼし、一掃してください。そして、神様がイスラエルを支配し、やがて全世界を治められることを、諸国民にも知らせてください。

13 -

14 こういう腹黒い連中は、夕方になると舞い戻って来て、夜通し町をうろつき、犬のようにほえ、食べ物をあさるのです。それも、なすがままにさせておきましょう。

15 -

16 しかしこの私は、朝ごとに神様の力と恵みを歌います。悩みの日、神様は危険を避ける高い塔、安全な隠れ家となってくださったからです。

17 ああ、私の力そのものの神様。あなたをたたえて歌います。あなたは、安全な高い塔、恵みにあふれた神様だからです。

60

1 ああ神様。あなたは私たちには取り合わず、その守りをもくずされました。お怒りにふれて、私たちは見捨てられたのです。主よ、もう一度、情けをかけてください。

2 あなたはこの国を恐怖で震撼させ、ずたずたに引き裂かれました。主よ、今、地に落ちた国威を回復してください。

3 さんざんに打ちのめされて、私たちの足はふらついています。

4 しかし、神様はこんな私たちを奮起させるための旗を下さいました。真理を愛する人々が、この旗のもとに集うためです。そうしてこそ、神様は愛する国民に解放をもたらしてくださるわけです。どうか、力に満ちた右の手をふるって、私たちを救い出してください。

5 -

6 神様は、ご自分の名誉にかけて救援を請け合ってくださいました。私が有頂天になるのも無理はありません。神様はこう宣言なさいます。「シェケム、スコテ、ギルアデ、マナセは、いぜんとしてわたしのものだ。ユダからは相変わらず王が出るし、エフライムからは勇士が誕生する。

7 -

8 モアブは、わたしの召使となり、エドムは奴隷となる。わたしはまた、ペリシテを攻め取って、大声で勝ちどきをあげよう。」

9 あの強固なエドムの町に、この私を入城させてくださるのはどなたでしょう。神様に決まっています!一度は私たちを捨てて、敵の手に渡された、その神様です。

10 -

11 主よ、どうか敵の攻撃から守ってください。人の助けなど、あてになりません。

12 神様の助けがあれば、めざましい活躍をしてみせます。神様が敵を踏みつけてくださるからです。

61

1 ああ神様、この声を聞き、この祈りに答えてください。

2 どこからでも、たとい地の果てからでも、私は大声で、お助けくださいと叫びます。失望落胆して心がくずおれる時、堅固な大岩に避難させてください。

3 神様は私の隠れ家、敵を寄せつけない高い塔です。

4 私はいつまでも神様の天幕で暮らします。神様の翼の陰に身を潜めていれば、何も心配はありません。

5 ああ神様。くる日もくる日も神様をほめたたえて過ごすという私の誓いを、あなたは覚えておられるはずです。それで私は、神様を信じてお従いする者のために用意された祝福を、いただいたのです。

6 神様は私の寿命を延ばし、何世代もの人々のいのちを凝縮したような、充実した人生を送らせてくださるでしょう。

7 しかも、いつまでも神様のそばで暮らせるのです。どうかあなたの慈愛と真実で、私をしっかり支えてください。

8 そうすれば、私は常に神様をほめたたえるという誓いを果たします。

62

1 私は黙って、神様から救いの手が差し伸べられるのを待ちます。救うことができるのは神様だけですから。

2 神様こそ私の岩、私を救うお方、そして私のとりでです。ですから、私には、困難にぶつかったからといって、おじ気づく理由は何もないのです。

3 ところが、いったいどうしたことでしょう。私の王座がぐらつくと、人々はいっせいに非難をあびせかけてくるのです。王位から追い落とそうと、策略を練り、やっきになって根も葉もないうわさを流します。面と向かっては、いかにもにこやかに振る舞うくせに、心の中ではのろっているのです。

4 -

5 しかし、私はじっと黙って、神様から救いの手が差し伸べられるのを待ちます。救うことができるのは神様だけだからです。

6 確かに、神様だけが私の岩、私を救うお方、そして私のとりでなのです。ですから、困難に出くわしても、顔をこわばらせなくてよいのです。

7 私が守られるのも、名声を獲得するのも、神様のおこころひとつです。神様は私の隠れ家、敵の手の届かない岩です。

8 同胞よ。いつでも神様への信頼を失わず、心にある願いを洗いざらい申し上げなさい。きっと神様は助けてくださいます。

9 身分の高い者も低い者も、神様の目から見ればみな同じで、秤皿の上の空気より軽いのです。

10 搾取と強奪によって財産をふやしてはいけません。金持ちだからといって、大きな顔をするものではありません。

11 -

12 愛と恵みに満ちた神様は、一人一人のしわざに報われるのです。

63

1 ああ神様!いったいどこにおられるのですか。一滴の水もない、からからの荒れ地で、気も狂わんばかりに私は神様を慕い求めています。

2 神の聖所へ行ってお力とご栄光を拝したいと、どれほど願っていることでしょう。

3 私にとって、神様の愛と恵みは、いのちよりも大切なのです。ああ、神様はなんとすばらしいお方でしょう。

4 生きている限り、私は神様をほめたたえ、両手を上げて祈ります。

5 こうして、ついには身も心も満ち足りるのです。私は喜びにあふれて賛美します。

6 私は夜、横になったまま、

7 今までどれほど神様に助けていただいたかを思いめぐらします。そうして、御翼の下にいこいながら、夜通し喜びにひたるのです。

8 神様のふところに飛び込めば、右の手でしっかり抱きしめていただけます。

9 一方、私のいのちをつけねらう者どもは、地獄の底にたたき落とされるのです。

10 彼らは結局、剣に倒れ、野獣のえじきとなるのです。

11 しかしこの私は、神様にいだかれて喜びにあふれます。神様に信頼する者は歓声をあげ、うそつきどもは、うちしおれることでしょう。

64

1 神様、この訴えに耳を傾け、残忍な悪党どものたくらみから、守ってください。

2 -

3 やつらの舌ときたら、剣のようにとぎすまされていて、私を傷つけるのです。情け容赦ないことばを矢のように、この胸に射かけてくるのです。

4 彼らは待ち伏せては、罪もない者を不意打ちにしますが、何食わぬ顔をしています。

5 彼らは肩をたたき合って、悪事に励むのです。ひそかに談合しては、罠をしかけ、「よもや、気づくまい」とほくそ笑みます。

6 とにかく、うの目たかの目で、悪事を重ねる機会をねらっているのです。たっぷり時間をかけて、際限のない悪知恵を働かせ、策略を巡らします。

7 しかし、神様から不意に矢が飛んで来るのです。矢は彼らを突き刺します。

8 彼らはよろめいてのけぞり、敵対していた相手の手で、息の根を止められるのです。それを見ていた人々はみな、あざ笑います。

9 同時に、すべての人は恐れに取りつかれ、神様の奇蹟の偉大さを口にするのです。こうして、神様は驚くべきことをなさるお方だと思い知ります。

10 正しい人は神様を信頼して喜び、賛美のことばを惜しみません。

65

1 ああ、シオン(エルサレム)に住まわれる神様。私たちは賛美を内に秘めながら、おいでをお待ちしています。この態度こそ、私どもの誓いを果たすものです。神様は祈りに答えてくださるお方なので、あらゆる人が願い事を携えてまいります。

2 -

3 たとい私の心が罪に占領されていようと、お赦しになることができるお方です。

4 聖い天幕の内庭で神様とともに住むようにと名指された人は、なんともうらやましい限りです。そこには、すべての良いものに混じって、大いなる喜びが待ちかまえているのです。

5 神様は、恐怖におののかせるような行為や、恐ろしい力を駆使して、私たちを敵から救い出してくださいます。神様は、世界中の人々にとって、唯一の望みなのです。

6 神様は底知れない力で山々をお造りになりました。

7 また、怒濤さかまく海原を静め、世界中の騒動を鎮圧なさいます。

8 地の果てに住む人々は、神様のまばゆいばかりの行ないに度肝を抜かれます。夜明けと日没は喜びの声を張り上げます。

9 神様は水をまいて、肥沃な土地に変えられます。神様の川は常にまんまんと水をたたえています。また神様は、ご自分の国民のために大地を整え、大豊作をもたらされます。

10 あぜみぞは十分な雨でうるおいます。夕立が大地をやわらげ、土のかたまりをほぐして、田畑はいっせいに芽吹くのです。

11 こうして、大地は緑の絨毯でおおわれ、荒れ地にはみずみずしい牧草が生い茂り、小高い山の木々は嬉々として花を咲かせます。

12 -

13 牧草地には羊が群がり、谷間には麦の穂が波打ちます。全世界が喜びの声を張り上げ、歌っています。

66

1 全地よ。主に向かって歌声をあげ、栄光に輝く神様を賛美しなさい。世界中の人に、神様のすばらしさをふれ回りなさい。

2 -

3 ああ神様。あなたのなさることの荘厳さに打たれます。そのお力の壮大さに圧倒されます。敵が降伏するのも、もっともです。

4 全地はひれ伏し、ご栄光をほめ歌います。

5 さあ、こっちへ来て、神様がどんなにすばらしいことをなさったかご覧なさい。神様の国民は驚くべき奇蹟を体験するのです。

6 例えば、海の中にかわいた道をつくっていただいたこともありました。人々はそこを踏みしめて渡りました。その日、彼らはどれほど興奮し、喜びにあふれたことか!

7 神様は、偉大な力で永久に支配し、国々の動静を監視なさるお方です。謀反を謀る国々は、高慢の鼻をへし折られます。

8 すべての人よ、神様をほめたたえ、賛美の歌をうたいなさい。

9 私たちのいのちを手中におさめておられるのは、神様なのです。神様はまた、道を踏みはずさないように、私たちを支えてくださいます。

10 ああ神様。あなたはるつぼの銀のように、私たちを炎で精錬なさいました。

11 あなたは私たちを網で生け捕りにし、背中に大きな荷をくくりつけられたのですね。

12 軍隊を送って、息も絶え絶えの私たちを踏みつけにされたのですね。こうして、火の中を通り、水の中をくぐり抜けた私たちも、最後には、この世のパラダイスへと導かれました。

13 私は今、誓いを果たすため、火で焼き尽くすいけにえの動物を引いて、宮へやってまいりました。

14 苦しみの渦中で私は、やがて供え物を山ほどささげますと約束したからです。

15 おかげで、こうして雄やぎや、雄羊、雄牛を持って来ることができました。このいけにえから立ちのぼる煙は、きっと神様のもとに届くことでしょう。

16 さあ、神様を敬う人よ、こっちへ来て聞きなさい。神様のなさったことをいろいろとお話ししますから。

17 私は、この口で助けてくださいと叫び、この舌で神様をほめたたえてきた人間です。

18 もし、私が罪を告白していなかったら、神様は祈りに答えてくださらなかったに違いありません。

19 しかし、神様は身を乗り出すようにして、私の祈りを聞き届けてくださいました。

20 祈りの声を無視せず、恵みと愛をふんだんに注いでくださった神様を、ほめたたえます。

67

1 ああ神様。私たちをあわれんで祝福してください。私たちをご覧になる時のお顔が喜びにほころびますように。

2 私たちを世界各地に送り出し、神様の救いの力と全人類への永遠のご計画とをふれ回らせてください。

3 どの国の人々も、心から神様をほめたたえるでしょう。

4 また国々は、神様が王となってくださり、公平にさばいてくださると知ったら、喜びのあまり歌いだすに決まっています。

5 全世界が、神様をほめたたえ、地上のすべての国が、感謝をささげますように。

6 刈り入れた作物が、山のように積み上げられたからです。神様が、私たちを祝福してくださいますように。そうすれば、地の果てに住む人も、私たちの神様を拝むようになるでしょう。

7 -

68

1 ああ神様、立ち上がってください。敵どもを蹴散らし、追い返してください。

2 煙が風で吹き払われ、ろうが火で溶けるように、悪党どもが神様の御前で滅ぼされますように。

3 しかし、正しい者は、躍り上がって喜ぶことになりますように。歓喜にあふれますように。

4 神様に賛美の歌をささげなさい。雲に乗って来られる方に、声高らかに歌いなさい。喜びを満面にたたえて、この方の前に出なさい。

5 きよいお方である神様は、みなしごの父となり、未亡人の訴えを公正に取り扱ってくださいます。

6 身寄りのない者に家族を与え、囚人を牢獄から解き放ち、その口に喜びの歌をわき上がらせてくださいます。しかし、おこころに背く者の行く手には、ききんと悩みが待っているのです。

7 ああ神様。あなたが荒野で人々を導かれた時、

8 大地は揺れ動き、天は震えました。シナイ山も、イスラエルの神様の前で縮み上がりました。

9 ああ神様。ふんだんに雨を降らせ、くたびれ果てたようなご自分の領地を、生き返らせてくださったのですね。おかげで、根無し草のようであった神様の国民は、その地を住みかとしていただいたのです。

10 -

11 神様のひと言で、敵は逃げ惑います。家を守る女たちは、「こっちへ向かっていた敵軍は、逃げて行きましたよ!」と大声でふれ回ります。今や、イスラエル中の女が戦利品を分け合うのです。ご覧なさい。女たちは、まるで羽でおおわれた鳩のように、きらめく金銀で身を飾ります。

12 -

13 -

14 敵は神様の手によって、ツァルモンの森に落ちる雪片のように、影も形もなく消え去りました。

15 バシャンに連なってそびえる、壮大な山々、峰々よ。君たちがシオン山をうらやましげに眺めるのも、もっともです。この山は、神様の永遠の住まいとして選ばれたのですから。

16 -

17 おびただしい戦車を巡らして、神様はシナイ山から、シオン山にある聖なる宮に移られます。

18 大ぜいの捕虜を率いて、高い所へ上って行かれます。神様の受けられる貢物の中には、かつての反逆者からのものもあります。神様は私たちのただ中に住んでくださるのです。

19 神様はすばらしいお方です。日ごとに私たちの重荷を肩代わりして、救いの手を差し伸べてくださるのです。

20 神様は私たちを解き放ち、死から救い出されます。

21 しかし、強情で罪深い生き方を改めようとしない敵は、粉砕なさいます。

22 ヘルモン山の岩地や、海の底に身を潜めている敵に、「さあ、出て来い」と叫ばれます。

23 人々はこの敵を徹底的に滅ぼし、彼らの血に足を浸すべきです。犬が敵の肉を食べるでしょう。

24 私の王である神様の行列は、聖所に向かっています。

25 先頭を行くのは歌い手たちで、楽器をかなでる人々がしんがりを務め、真ん中をタンバリンを打ち鳴らすおとめらが進みます。

26 さあ、イスラエル国民よ、私たちの泉そのものである神様をほめたたえなさい。

27 小部族のベニヤミンが先頭集団となり、そのあとに、ユダの部族長と長老たち、ゼブルンとナフタリの部族長たちが続きます。

28 ああ神様、どうか奮い立って、今まで同様に、あなたの力強さをお示しください。

29 諸国の王は、エルサレムの神の宮に貢物を納めに来ます。

30 ああ神様、敵をしかりつけ、進んで税を持って来るようにしてください。争い事を好む連中を蹴散らしてください。

31 エジプトは貴金属の品品を贈ってよこし、エチオピヤは神様に慕いこがれて手を差し出すでしょう。

32 世界の国々よ、神様に賛美の歌声をあげなさい。

33 大昔からこの天空にまたがり、力強い声を、雷のように大空にとどろかせておられた神様に、賛美をささげなさい。

34 力の源は神様です。神様のご威光はイスラエルの上に輝き、その力は天上にみなぎります。

35 宮でぬかずく時、口では言い表わせないほどの厳粛さに打たれます。イスラエルの神様は、ご自分の国民を強化し、力づけてくださいます。神様をほめたたえましょう。

69

1 ああ神様、お救いください。洪水で水がはんらんし、私はどろの中にじわじわと沈み込んでいきます。

2 -

3 泣き疲れて、のどは干からび、声はかれ果てました。神様の助けを待ちわびて、目も充血してはれ上がりました。

4 理由もないのに私を憎む者はあとを絶ちません。何も悪いことをしていない私を殺そうと謀る連中はみな、有力者ばかりです。私は身に覚えがないのに、彼らは報復しようといきり立っています。

5 ああ神様。あなたは、私の愚かさかげんをよくご存じです。私の罪も一つ残らず覚えておられます。

6 ああ神様。この私の存在が、あなたを信頼しようとする人々にとって、つまずきとなったりしませんように。また、混乱を引き起こす原因にもなりませんように。

7 私は神様のために、のろわれ、辱しめられているからです。

8 血を分けた実の兄弟でさえ、赤の他人のようにしか振る舞ってくれません。

9 神様のことを熱心に思うあまり、心は焼け尽きそうです。私が神様の代弁者を買って出たところ、敵は、私をあなた同様にみなして、侮辱のことばを投げつけてきます。

10 私が神様の前で嘆き悲しみ、断食すると、連中はどれほどあざ笑い、ばかにすることでしょう。

11 罪を恥じて謙そんになり、悲しんで荒布をまとう私を、どれほど笑い者にすることでしょう。

12 町の人は私のうわさを立て、私の名は酔いどれのざれ歌にものぼりました。

13 しかし、私は祈りの手を下ろしません。神様がかがみ込んで聞いてくださる時がきたからです。神様は、愛と恵みを十分に用意して、待っていてくださいます。どうか祈りに答え、約束どおりお救いください。

14 このどろ沼から引き上げてください。このまま沈ませないでください。憎しみをいだく者どもから救い出し、深い水から引き上げてください。

15 洪水が私の背丈を越え、海にのみ込まれたりしませんように。私を脅かす穴から救ってください。

16 ああ神様、私の祈りに答えてください。あなたの恵みはすばらしく、あわれみにあふれています。

17 どうかお姿を隠さないでください。早く駆けつけて、苦しみのどん底から救ってください。

18 主よ、駆けつけて来て、救い出してください。敵の手から守ってください。

19 彼らが折りあるごとに私のうわさをし、名誉を傷つけているのを、ご存じのはずです。彼ら一人一人がどんなことばを口にしたか、覚えておられるはずです。

20 彼らにさげすまれて、私の心は傷つきました。ふさぎの虫に取りつかれました。一人でも、同情して慰めのことばをかけてくれる人がいてくれたらと思います。

21 彼らは私の食べ物に毒を盛り、のどの渇きを訴えると酢をつぎました。

22 彼らの喜びはくすぶり、不安にとらわれますように。

23 暗やみに閉じ込められて失明し、骨と皮ばかりに衰えますように。

24 御怒りの火で、彼らを焼き尽くしてください。

25 その住まいは廃屋とし、荒れるにまかせてください。

26 彼らは、神様が懲らしめた者を迫害し、神様が切りつけた者の傷を見てあざけったからです。

27 彼らの罪は高く積もっています。どうか、見のがさないでください。

28 この連中の名を、いのちの書から抹殺してやってください。正しい人と同じように生きる権利など、はく奪してください。

29 しかし、この私は、貧困と苦痛から救い上げてくださいますように。ああ神様。

30 そうすれば、感謝を込めてあなたをほめたたえることができます。

31 それは、いけにえの雄牛や若い雄牛以上に、神様をお喜ばせするでしょう。

32 謙そんな人々は神様からの助けを体験します。彼らがこおどりして喜ぶのも当然です。神様を探し求める人は、喜びに満たされます。

33 神様は困っている人の叫びを聞き届けてくださり、無視したりはなさいません。

34 天と地よ、神様をほめたたえなさい。海も、その中に生きるものも、神様をほめたたえなさい。

35 神様はエルサレムを救い、ユダの町々を再建してくださるからです。神様の国民はそこに住み、決して追い立てをくったりすることはありません。

36 子々孫々にわたってその地を受け継ぎ、神様を愛する人々は平穏無事に暮らします。

70

1 ああ神様、お救いください。急いで手を差し伸べてください。

2 私のいのちをねらう者どもが、傷を負わせて楽しんでいるのです。あんな連中は右往左往させてください。恥をかかせてやってください。そんなにいつまでも、ばかにされてたまるものですか。

3 -

4 しかし、神様にお従いする者には喜びを下さい。あなたの救いを喜ぶ者には、「なんとすばらしい神様でしょう!」と叫ばせてください。

5 とにかく、今、私は困り果てています。どうか駆けつけてください。あなたにしか助けていただけないのです。主よ、さあ早くお越しください。

71

1 主よ。あなたは私の隠れ家です。私をくずおれさせないでください。

2 不正を憎まれるお方、この訴えに耳を傾け、救いの手を差し伸べてください。

3 私を守る大きな岩であってください。いつでも私をかくまい、あらゆる攻撃を防いでください。

4 ああ神様、不正を売り物にする残忍な者どもの手から、逃れさせてください。

5 ああ、神様だけが頼りです。幼いころから神様に頼ってきたのです。

6 そうです、産声をあげた瞬間から、神様はそばにいてくださり、折りあるごとに助けてくださいました。ですから、私がいつも神様をほめたたえるのも当然なのです。

7 神様の強力な応援のおかげで、私は多くの人がいぶかるほどの成功を収めたのです。

8 ああ神様。私は一日中、あなたが骨折ってくださった数々のことを思い起こしては、あなたを賛美し、栄誉をたたえているのです。

9 ところで、今や、年老いて体力も衰えた私ですが、どうか、お見捨てにならないでください。

10 敵はひそひそ話しています。

11 「神もあいつを見限ったぞ。もうじゃまは入らん。今度こそ、やっつけてしまえ。」

12 ああ神様、そんなに離れた所にいないでください。飛んで来て助けてください。

13 敵を痛めつけ、赤恥をかかせてください。

14 助けてくださると信じて待ちます。ますます神様をほめたたえます。

15 何度、神様が、危ない目から助けてくださったか、数えきれないくらいです。会う人ごとに、神様の恵み深さと、日々とぎれることのない思いやりとを告げましょう。

16 神様の力をおびて歩き回り、正しくて恵み深いお方は神様だけだと伝えましょう。

17 ああ、右も左も知らない子供の時分から、私を助けてくださった神様。それで、私は機会あるごとに、あなたのすばらしいわざを、ほかの人に伝えてきたのです。

18 今、年をとり、白髪頭になった私ですが、どうか見捨てないでください。神様のめざましい奇蹟を新しい世代に伝える機会を、与えてください。

19 主よ。あなたの力と恵みは天の天にまで届きます。あなたほどすばらしいことをなさった神が、ほかにあるでしょうか。

20 時に私は、八方ふさがりの深刻な問題をかかえ込まされたこともありました。しかし、神様は地中深い所から私を引き上げ、再び生き返らせてくださるお方なのです。

21 そして、以前にもまさる名誉を与え、振り向いて慰めてくださるのです。

22 ああ、イスラエルのきよい神様。私は楽器をかなでてほめ歌をうたい、あなたがどれほど約束に忠実なお方であるかを、告げ知らせます。

23 神様に救い出していただいた私は、歓声をあげて、感謝の賛歌をうたいます。

24 一日中、神様の公正なおさばきとご温情とを、人々に伝えます。私に害を加えようとした者はみな、恥じ入り、すっかり面目を失ったからです。

72

1 ああ神様。王がおこころにかなった政治を行ない、王子も神を恐れて暮らすように、助けてください。

2 王が、神様の国民にはもちろんのこと、貧しい人にも公平であるように、助けてください。

3 王のすぐれた治世を反映して、山や丘には草木が生い茂りますように。

4 王の手で、貧しい者や困っている者が手厚く保護され、虐待しようとする連中は容赦なく懲らしめられるように、ご配慮ください。

5 こうして、貧しい者や困っている者が、太陽や月が空にかかっている限り永久に、いつも神様に対して敬虔な態度をくずしませんように。

6 約束の王子は、牧草地に降る春の雨のようにおだやかに、世を治めてくれますように。地をうるおす夕立のように、人々を豊かにしてくれますように。

7 彼の治世においては、正しい者が栄え、永遠に平和を楽しみますように。

8 その支配は東の海から西の海に至るまで、ユーフラテス川から地の果てにまで及びますように。

9 砂漠の遊牧民は目の前にひれ伏し、敵は土下座するでしょう。

10 タルシシュや地中海に浮かぶ島々の首長、シェバやセバの王侯はみな、貢物を納めるでしょう。

11 それどころか、全地の王が頭を下げ、すべての人が彼に仕えるでしょう。

12 彼は、身寄りのない者や貧しい者を援護します。

13 弱っている者や困っている者を見ると、いても立ってもいられず、助け上げるのです。

14 人の命はかけがえのないものだと感じる彼は、虐待されたり痛めつけられたりしている人を、黙って見過ごしにはできないのです。

15 彼は長生きし、シェバから黄金を贈られます。絶えず称賛を受け、国民も一日じゅう祝福を祈ってくれます。

16 どうか、平野ばかりか高原にも、豊作の恵みをもたらしてください。レバノンのような実り多い地にしてください。青々とした野原のように、町を人々であふれさせてください。

17 この方の名は太陽のように永遠にあがめられます。すべての人はこの方によって祝福され、世界中の国々がこの方をほめたたえます。

18 イスラエルの神様、ばんざい!このお方こそすばらしいことをしてくださるのです。

19 栄光に輝くこの方のお名前を、永遠にほめたたえなさい。そのご栄光が全世界を照らしますように。アーメン。アーメン。

20 (エッサイの子ダビデの賛歌は、ここで終わります。)

73

1 神様はイスラエルに対して、なんと恵み深いことでしょう。また心のきよい人に対して、その恵みは行き渡ります。

2 しかし、私はと言えば、崖っぷちぎりぎりで足をすべらせ、あわや、下へまっさかさまという目に会いました。

3 というのも、傲慢な連中や悪党どもの羽振りがよいのを、ねたましく思ったからです。

4 全くやつらの人生ときたら、すいすいうまくいくんですから。あのつややかな顔、でっぷりした体。

5 連中は、ほかの人のように悩むこともなく、深刻な問題で頭をかかえ込んだりすることもないのです。

6 おかげで、きらきら光る首飾りのダイヤのように高慢をちらつかせ、残忍の糸で織ったかのような服を着ています。

7 この腹の突き出た連中には、欲しいものが何でも手に入るのです。

8 神様をあざけり、神様を信じる人々を脅す、その口のきき方のなんと横柄なこと!

9 彼らは天を向こうに回していばり、大手を振って地上を闊歩します。

10 おかげで、その影響は神様を信じる人々にもまともに及び、多くの混乱ととまどいをもたらしたのです。

11 なんとも納得しがたいのです。「いったい神様は、地上でどんなことが起こっているか、ご存じなんだろうか。

12 見ろよ。あのいばりくさった連中を。全く気楽なもんだぜ。じっとしていても財産は雪だるま式に増えていくんだからな。」

13 私が今までしてきたことは、むだだったのでしょうか。きよくあろうと苦しんだ日々は、何だったのでしょう。

14 神様にお従いする生活から得たものと言えば、苦しみと災いだけです。しかも、それは、くる日もくる日も、朝から晩までつきまとうのです。

15 もし、本気でこう口にしたら、私は神様の国民を裏切ることになったでしょう。

16 とはいえ、主を憎む者どもがこんなに栄えている現実をどう説明したらいいのか、私にはわかりません。

17 ところが、ある日、神の聖所で瞑想していた私は、これらの悪者どもの行き着く先を悟ったのです。

18 あの者たちは、なんとすべりやすい道を歩いていることでしょう。突然、神様から崖っぷちに追いやられて、足をすべらせ、滅びの底に落ちて行くのです。

19 こうして、その幸福も、あっけなく幕切れとなり、永遠の恐怖にのみ込まれるのです。

20 彼らの今の暮らしぶりも、つかの間の夢にすぎません。夢から現実の世界に引き戻される人のように、いつかは、真実を突きつけられるのです!

21 このことがわかった時の、私の心の動揺といったら!

22 自分がどれほど愚かで無知であったかを思い知らされたのです。ああ神様。さぞかし、私は獣のように見えたことでしょう。

23 しかし、神様はこんな私をも愛してくださり、右手をしっかりつかんでくださっています。

24 生涯を通して、神様は知恵と助言を与えて私を導いてくださることでしょう。そしてついに、私は栄光の天へと招かれるのです。

25 天でも、あなた以外に私の神様はなく、地上でも、慕わしいお方はあなたお一人です。

26 やがて私の体は衰え、気分も沈みがちになっていくことでしょう。しかし神様は、いつまでもお変わりになりません。心の支えとなってくださいます。永久に私の神様でいてくださいます。

27 神様を拝まない者は破滅です。神様は、ほかの神々に仕える者を滅ぼされるからです。

28 しかしこの私は、できるだけ神様のおそばにいましょう。神様にお従いするのです。会う人ごとに、神様のすばらしい救いのわざを告げましょう。

74

1 ああ神様、いつまでも私たちをお見捨てになるのですか?なぜ、神様を信じお従いしている私たちに、こんなにも激しい怒りを向けられるのですか?

2 その昔、奴隷の身であった私たちを救い出し、かけがえのない宝のように大切になさったことを、思い出してください。自ら地上の住まいとお定めになったエルサレムを、思い起こしてください。

3 どうか、敵の手で、見るも無残な廃墟と化した都を、あなたの聖所を、ご覧ください。

4 そこで、敵は勝ちどきをあげ、戦勝記念碑を建てたのです。

5 あらゆるものが荒廃し、木を切り倒したあとの森のようです。彼らはハンマーや斧で、聖所の彫り物を打ち砕き、切り刻み、

6 -

7 あげくの果てに火を放ちました。恐れ多くも神様の聖所にです。彼らは、「さあ、神の名残をとどめるものを一掃しろ」と叫びながら、国中を駆け巡り、礼拝するための集会場を焼き払いました。

8 -

9 私たちが神様の国民であることを証明するものは、もう何もなくなりました。預言者もいないのです。こんな状態がいつまで続くのか、だれも知りません。ああ神様、いつまで、敵があなたのお名前を踏みつけるのを、お許しになるのですか。いつまで、見て見ぬふりをなさるのですか。

10 -

11 なぜ、ためらっておられるのですか。なぜ、手をこまぬいておられるのですか。さあ、手をポケットから出して彼らをめった打ちにし、息の根を止めてやってください。

12 神様は、大昔から私の王であられました。私がどこにいても、いつも神様のほうから、救いの手を差し伸べてくださったのです。

13 神様は紅海を二つに分け、海神の脳天を打ち砕き、砂漠に住む人々のえじきとされました。

14 -

15 神様がお命じになると泉がわき出て、イスラエル人はそれを飲んだのです。次には、とうとうと流れるヨルダン川をせき止め、そこを乾いた道となさいました。

16 昼も夜も神様の支配下にあります。神様は星と太陽をお造りになったお方です。

17 自然界を治め、夏と冬の区別もおつけになりました。

18 主よ、敵がどんなにあなたをあざけっているか、ご存じですか?ああ神様。思い上がった国民がお名前を冒涜しています。

19 主よ、お救いください。あなたの山鳩を、どう猛な鷹からお守りください。あなたが愛しておられる国民を、獣からお救いください。

20 お約束を思い出してください。この地は暗やみに閉ざされ、残忍な者どもが幅をきかせているからです。

21 主よ、あなたの国民が踏みにじられ、いつまでもばかにされ続けていいのですか。金もなく日々の生活にも事欠く者たちが、お名前をほめたたえることができるようにしてください。

22 ああ神様、立って敵に言ってやってください。反逆者が一日中あびせかけてくる侮辱のことばを、聞いてください。

23 敵ののろいのことばを、聞き逃さないでください。それはしだいに声高になっていくのです。

75

1 神様。感謝のことばもありません!このすばらしい奇蹟の数数は、やっぱり私たちをおこころにかけてくださっていた証拠なのですね。

2 すると、神様のお声がしました。「そうだ、手はずが整いしだい、悪者には罰を下そう。

3 地が揺れ動き、人々が大混乱に巻き込まれても、地の柱は揺るがない。それは、わたしが据えつけたものだからだ。

4 わたしは思い上がった者に、謙そんになれと警告した。悪者には、横柄な態度を捨て、

5 強情で高慢な生き方もやめよと言った。」

6 神様のお力添えがあってこそ、栄達も権力も手にすることができるのです。神様は、思いのままに人を栄転させたり、左遷させたりなさいます。

7 -

8 神様の手には、よく醸された白ぶどう酒のグラスがあり、このさばきの杯を、悪者たちは最後の一滴まで飲みほさなければなりません。

9 一方、私はと言えば、神様を永久にほめたたえます。

10 神様は、「悪者の力は打ち砕こう。しかし、正しい者の力は増し加えよう」と言われます。

76

1 神様のご名声はユダとイスラエルに行き渡っています。

2 神様はエルサレムのシオン山に住まいを定めて、

3 敵の武器を粉砕なさいます。

4 大昔からそびえ立つ山々も、栄光をまとわれた神様の足もとには及びません。

5 最強の敵でさえ征服されて死体を横たえ、一人として手向かって来る者はありません。

6 神様のご叱責のひと声で、敵の軍馬は騎手もろとも倒れました。

7 当然、人々は神様を非常に恐れ、だれ一人お怒りに耐えることはできません。

8 神様が天から宣告を下されると、地はおののき、口をつぐみます。

9 神様は立ち上がって、悪事を働く者を罰し、謙そんな人を弁護なさいます。

10 人間の無益な憤りは、神様の飾りとなるだけで、かえってご栄光を輝かせるのです。

11 神様に立てた誓いは、すべて果たしなさい。すべての人に、贈り物をささげさせなさい。神様を敬い、恐れるべきです。

12 神様はこの世の君主のいのちを絶ち、諸王に恐ろしい境遇を用意なさるのです。

77

1 私は声がかれ果てるまで神様を呼び続けます。どうか耳を傾けてください。

2 苦悶に沈みながら、あえぐようにお助けを求めています。夜通し祈り、天に手を差し伸べて嘆願しているのです。祈りが聞かれるまでは、喜びなどとは縁がありません。

3 神様のことを思いめぐらしてはうめき、気が遠くなるほどお助けを待ちわびているのです。

4 神様からお答えが来るまでは、眠ることもできません。それどころか、悲しみのあまり、もう祈りのことばさえ出てこないのです。

5 私は、とうに終わった古き良き時代のことを思い起こします。

6 あのころは、夜になると喜びの歌が口をついて出てきました。この、たましいのあまりにも大きな変わりようは、どうでしょう。

7 神様は永久に私を吐き捨てて、二度と陽の目を見せないおつもりでしょうか。

8 神様の恵みは過去とともに過ぎ去り、お約束もすたれたのでしょうか。

9 ろくでなしに注ぐお恵みなど用がない、とお考えなのでしょうか。怒って戸を閉め、愛を隠してしまわれたのでしょうか。

10 「これが運命なのだ。神様の祝福はのろいに変わった」と、私は自分に言い聞かせました。

11 ずっと昔、神様のなさった多くの奇蹟を思い起こします。

12 あのころのすばらしい恵みが、頭にこびりついて離れないのです。どうして、忘れてしまうことなどできましょうか。

13 ああ神様。あなたの道はきよさで塗り固められています。あなたのように力に満ちたお方は、ほかにありません。

14 あなたは奇蹟を行なう神で、今でも恐るべき力を発揮なさいます。

15 かつて、神様はその力強さで、ヤコブとヨセフの子孫である私たちを救い出してくださいました。

16 紅海は神様をひと目見るなり、縮み上がり、底まで揺すぶられました。

17 雨が降り、いなずまが走り、雷がとどろき渡りました。

18 雷鳴とともにつむじ風が巻き起こり、いなずまが世界を照らし出すと、大地はわななき、揺れ動きました。

19 神様の道は海底に敷かれていました。そんな所に道があろうとは、だれひとり知らなかったのです。

20 神様がお立てになった指導者、モーセとアロンは、神様の国民をその道づたいに、まるで羊の群れを牧するように導いたのでした。

78

1 民よ、私の教えをよく聞きなさい。私のことばに耳を傾けなさい。

2 先祖代々語り伝えられてきた教訓を、たとえを使って教えよう。

3 -

4 この真実の解き明かしを聞いたら、あなたがたもまた、栄光に輝く神様のわざを子孫に説明し、そのめざましい奇蹟を語り伝えてほしい。

5 神様はおきてをまずイスラエルに授け、私たちの先祖に、子孫にまでも伝えよとお命じになりました。

6 こうして、神様のおきては順々に、子から孫の世代へと伝えられていくのです。

7 こうしていけば、各世代の人々は、神様のおきてを守り、神様に希望を見いだし、その栄光に輝く奇蹟を忘れることはないのです。

8 そればかりか、先祖のように、反抗的なひねくれ者や、神様に心を明け渡そうとしない者も出ないはずです。

9 エフライムの人々は、完全武装にもかかわらず、いざ戦いとなると敵に背を向け、逃げ出しました。

10 神様のおきてを守らず、ご命令に従うのを拒んだからです。

11 エジプトでは先祖があれほど助けていただき、ほかにもすばらしい奇蹟を見せていただいたというのに、彼らは神様を忘れてしまったのです。

12 -

13 神様は、目の前で海を二つに分け、その間を通らせてくださったというのに。しかも、水は両側にせき止められてそそり立っていたというではありませんか。

14 神様は、昼は雲で、夜は火の柱で人々をお導きになりました。

15 荒野では、岩から水を吹き出させ、ぞんぶんに飲ませてくださいました。

16 岩からほとばしり出た水は、川のように流れたそうではありませんか。

17 それでもなお、人々は神様に背き続け、罪を犯し続けたのです。

18 不平たらたらで、神様の下さる食べ物ではいやだと言いだしました。

19 面と向かって神様に文句を言ったのです。「神様、水を出されたくらいですから、もう少しましな食べ物をいただけないものですかね」と。

20 -

21 このことばに、神様はどれほどお怒りになったことでしょう。怒りの炎がイスラエルに向かって燃え上がりました。

22 親身になって心を砕いてくださる神様に、信頼しなかったからです。

23 神様は、天の窓を開き、

24 天上のパンとも言うべきマナを降らせてくださったというのに。

25 御使いの食べ物を、たらふく食べさせていただいたというのに。

26 神様は東風を起こし、すごい力で南風を引き寄せられました。

27 そのため、空から鳥の大群が落ちて来て、ちりのように厚く、海辺の砂のようにびっしり敷き詰められました。

28 こうして、テントのそばに落ちた小鳥は、

29 十分に人々の食欲を満たしたのです。人々の欲しがるものを、神様はお与えになったわけです。

30 しかし、まだ肉が歯にはさまっている間に、

31 神様の怒りは燃え上がり、イスラエルの屈強の若者たちがなぎ倒されました。

32 それでもなお、人々は罪を犯し続け、神様の奇蹟を信じようとはしませんでした。

33 そこで、神様は人々の寿命を短くし、悲惨な生涯を用意されたのです。

34 神様が彼らを滅ぼされると、ついに、人々は目の色を変えて神様に立ち返りました。

35 神様こそ自分たちの岩であり、どんな神々にもまさるお方であることを思い出したのです。

36 しかし、その従順ぶりもしょせん口先だけで、心からのものではなかったのです。

37 本心は遠く離れていたので、約束もすぐに破ってしまいました。

38 それでもなお、あわれみ深い神様は、そんな彼らの罪を赦し、絶滅にまでは追い込まれませんでした。幾度も、怒りをぐっとのみ込まれたのです。

39 人々が朽ちていく存在にすぎず、風のように、あわただしく去っていく身であることを、思いやられたからです。

40 荒野をさまよっていたころ、人々は何度反抗して、神様を悲しませたことでしょう。

41 彼らは性懲りもなく背いては、神様に殺されそうになりました。こうして、自らの手で、神様の祝福をとどめたのです。

42 神様の力も愛も、どのようにして敵の手から救い出していただいたかも忘れました。

43 また、ツォアンの野でエジプト人が神罰を受け、恐ろしい病魔に冒されたことも、

44 川の水が血に変わって、飲めなくなったことも、

45 エジプト全土におびただしいあぶの群れが押し寄せたり、かえるが国中にあふれたりした事件も忘れました。

46 神様はエジプト人の作物を油虫に食わせたり、その収穫物をいなごの餌に変えたりもなさいました。

47 また、彼らのぶどうといちじくを雹で全滅させました。

48 天から降って来た氷のかたまりの直撃で家畜が殺されたり、落雷によって羊の群れが死んだりもしました。

49 神様は彼らに激しい怒りを燃やし、災難をもたらす御使いの一軍を送り込まれました。

50 神様の怒りは荒馬のように駆け巡ったので、エジプト人は次々と伝染病にかかって倒れました。

51 続いて神様は、エジプトの全家族から、一家の柱となるべき長男をより分けて殺されました。

52 しかし、ご自分の国民をさながら羊の群れのように導き出し、荒野の道も無事に進ませてくださいました。

53 神様が安全を保証してくださったので、恐れを感じることもなかったのです。結局、敵は海にのみ込まれて滅びました。

54 こうして彼らは、神様が特別に備えてくださった、なだらかな丘陵の続く、祝福の地の入口まで連れて来られたのです。

55 神様はこの国に住みついている民族を追い払い、イスラエルの各部族に、領地を分配してくださいました。

56 このように至れり尽くせりの恵みを受けながらも、彼らは神様に逆らい、その言いつけを守ろうとしませんでした。

57 入ろうとしている約束の地からあとずさりして、先祖同様に神様を裏切り、先の曲がった矢のように、神様が意図なさった的からそれてしまったのです。

58 また、他の神々の像を作り、異教の祭壇を築いては、神様の怒りを買いました。

59 彼らのしわざをご覧になった神様の怒りは激しく、ご自分の国民をさえ、さげすむまでになりました。

60 そこで、地上の住まいであったシロの宮を見限り、

61 契約の箱が奪われるのも無視なさいました。ご自分の栄光を敵の手にお渡しになったのです。

62 神様の怒りの火は燃えさかり、イスラエル国民は虫けら同様に殺されました。

63 若い男は焼き殺され、若い女は、婚姻の歌をうたう年齢に達しないうちに死に絶えました。

64 祭司は虐殺され、その未亡人は、夫の死を嘆くいとまもなく亡くなりました。

65 その時、神様は眠りから覚めた人のように、また、ぶどう酒を飲んで景気づいた勇士のように立ち上がられました。

66 敵はあわてふためいて逃げ、ぬぐいがたい恥をかかされたのです。

67 神様はヨセフの家系のエフライム部族を見放し、

68 ユダ部族を選んで、シオン山をいとおしまれました。

69 そこに、山のようにそびえ立つ不動の神殿をお建てになりました。

70 そして、ダビデをしもべとして選び、羊飼いの仕事場から、

71 子羊を連れた雌羊の番をしていた場所から召し出されました。イスラエルの羊飼いとなったダビデは、その昔ならした腕で、真心から人々のために尽くしました。

72 -

79

1 ああ神様。あなたの地は、外国の軍隊の占領下にあります。神殿は汚され、エルサレムは瓦礫の山となりました。

2 あなたの国民のしかばねは野ざらしで、鳥や獣のえじきとなっています。

3 敵はエルサレムの全住民を、まるで家畜でもほふるように殺したので、血は川となって流れました。一人の生き残りもいないのですから、いったいだれが死体を埋葬できるでしょう。

4 周囲の国々が、寄ってたかって私たちをあざけり、侮辱の限りを尽くします。

5 ああ神様、いつまでお怒りになるのですか。あなたのねたみの炎は、私たちの望みをすべて焼き尽くすまで燃えるのでしょうか。

6 その激しい怒りを、私たちにではなく、神様を信じない国々に注いでください。祈りもせず、お名前を呼び求めもしない国々に注いでください。

7 その国々は、神様の国民イスラエルを滅ぼし、一軒残らず荒らし回ったからです。

8 私たちの昔の罪を持ち出して、有罪の宣告を下さないでください。行き届いた神様のあわれみで、ちりの中にはいつくばっている私たちを立たせてください。

9 救いの神様、お名前があがめられるためにも、私たちを助け、この罪を赦してください。

10 どうして、外国人が、「いったいおまえたちの神はどこにいるんだ」とあざけるのを、放っておかれるのですか。おかげで、神様の国民は無残にも虐殺されたわけですから、白日のもとで彼らに報復してください。

11 牢獄につながれている者と、死刑を待つ者のうめきを聞いてください。彼らを救い出し、神様の力の偉大さを証明してください。

12 ああ神様、あなたをののしった国々に、七倍の報復を加えてください。

13 そうすれば、神様の国民である私たちは、いつまでも感謝し、のちのちまで神様の偉大さをほめたたえるでしょう。

80

1 ああ、イスラエルを導く偉大な羊飼いよ。ケルビム(天使を象徴する像)の上の王座におられる神様。どうか、私の訴えを聞き入れて、お力を発揮してください。光り輝くご栄光を現わしてください。

2 さあ、お立ちになって、どれほど強い力で私たちを救い出してくださるのか、エフライムやベニヤミンやマナセにも見せてやってください。

3 ああ神様、おそばに戻らせていただきとうございます。喜びと愛のまなざしを注いでください。それこそ、私たちを救うものです。

4 ああ神様、いつまで怒ったままで、この祈りを無視なさるのですか。

5 悲しみと涙が私たちの食べ物なのですか。

6 いつまで私たちを、近隣諸国の笑い者とされるのですか。

7 ああ神様、おそばに戻らせてください。喜びと愛のまなざしを注いでください。それこそ、私たちを救うものなのです。

8 神様は私たちをエジプトから、か弱いぶどうの木でも運ぶようにして連れ出し、異教の国民を追い出したあとの約束の地に、植えつけてくださいました。

9 土をふんわり耕していただいたので、私たちは根を張り、国中にはびこりました。

10 山々も私たちの影でおおわれました。私たちは杉の大木のように枝を伸ばし、

11 地中海からユーフラテス川に至る全土を埋め尽くしました。

12 ところが今になって、神様は私たちの石垣を切りくずし、番人を追い払って、荒らされるままに任せられます。

13 森のいのししには回りを鼻で掘られ、野獣どもには格好のえじきとねらわれています。

14 ああ神様、お願いですから、お戻りになって私たちを祝福してください。天からこの惨状をご覧になり、あなたのぶどうの木を手入れしてください。

15 手ずから植え、手塩にかけて育て上げた子供を守ってください。

16 敵にぶった切られて焼かれているのですから、その敵が神様のきびしい御顔を見て、消え入りますように。

17 いとおしまれた、お気に入りの息子を強めてください。

18 もう二度と、私たちは神様を捨てたりはしません。私たちを再び生かし、神様への信頼を回復させてください。

19 ああ神様、おそばに連れ戻してください。私たちに向けられる御顔が、喜びと愛で明るく輝きますように。それこそ、私たちを救うものです。

81

1 神様こそ私たちの力です。さあ、賛美の歌をうたいましょう。

2 タンバリンの伴奏で歌いましょう。うるわしい音色の竪琴と十弦の琴をかなで、

3 ラッパも吹き鳴らしましょう。さあ、祭りです。楽しく祝いましょう。満月と新月の祭り、そのほかにも祭りは多いのです。

4 祭りにはうんと楽しめと、神様がイスラエルのおきてに、組み込んでくださったのです。

5 祭りは、私たちに奴隷の強制労働を強いたエジプトに対する戦いの記念として、神様が定めてくださったのです。私は、生まれて初めて、こんなお声を聞きました。

6 「さあ、肩の重荷を下ろしてやろう。重労働から解放してやろう。

7 おまえが『苦しい』と叫ぶと、わたしは助けてやった。雷の隠れ家シナイ山から、わたしは答えた。『水がない』と、おまえが文句を言った時、メリバでおまえの信仰を試した。

8 わたしの国民よ。こうして口をすっぱくして叱っている間に、聞き従ってくれたならなあ!

9 どんなことがあっても、ほかの神を拝むんじゃないぞ。また、家の中に偶像を置いてもいけない。

10 エジプトから連れ出してやったのは、おまえの神である、このわたしではないか。疑うのなら、口をあんぐり開けてみるがよい。そして、わたしが口いっぱいに恵みを満たすかどうか試しなさい。ありとあらゆる祝福はおまえのものになるだろう。

11 しかし、わたしの国民はいっこうに聞こうとしない。イスラエルは、わたしのそばを煙たがる。

12 そこで、かってに闇の中を手探りして、欲望のままに暮らすがいい、と放っておくことにしたのだ。

13 ああ、わたしの国民が、従順になってくれたならなあ。イスラエルが、わたしの道を歩んでくれたならなあ。

14 そうなれば、直ちに敵と戦って征服してやるのに。」

15 いま神様を憎んでいる者も、やがてはぺこぺこするようになるのです。そして、そんなみじめな状態から、決して抜けられなくなります。

16 しかし、神様はあなたに極上の食べ物を下さり、上質の蜜で堪能させてくださるのです。

82

1 神様は、天の法廷を開いて、裁判官たちに判決をお授けになります。

2 いつまでおまえたち裁判官は、真実の証言に耳をふさぐのか。いつまで悪党どもに便宜をはかってやるのか。

3 貧しい者、悩む者、身寄りのない者、暮らしに事欠く者を公平にさばけ。

4 腹黒い連中から、貧乏で苦しんでいる人々を救ってやれ。

5 ところが、おまえたちときたら、お話にならないくらい無知なのだ。それというのも、おまえたちが暗やみに閉じ込められていて、社会の土台も根本から揺らいでいるからだ。

6 わたしはおまえたちに「神様方」とか、「いと高き神々のご子息様」とか呼びかけてやった。

7 しかし、やっぱり死んでいくのだから、ただの人間と変わりはしない。ほかの王族にしても同じだ。人間はみな死すべき運命にある。

8 ああ神様、立ち上がって、この世をさばいてください。地にあるものはみな、神様のもので、諸国は神様の手中にあります。

83

1 ああ神様、私たちが祈っているのに、じっと黙って、見て見ぬふりをしないでください。祈りに答え、救い出してください。

2 あの、敵の興奮して騒ぎ立てる声が、お耳に入らないのですか。神様を憎む者どもの目に余る行為が、お目に留まらないのですか。

3 やつらは悪知恵を働かせて策略を練り、神様にとってかけがえのない人たちを殺そうとしています。

4 「さあ、イスラエルを抹殺しよう。そんな国があった痕跡さえ残すな。」

5 これが、彼らのトップ会談での一致した意見でした。全能の神様を敵に回して、彼らは同盟条約を結んだのです。

6 こうして、イシュマエル人、エドム人、モアブ人、ハガル人、

7 ゲバル、アモン、アマレク、ペリシテ、ツロの住民たち、

8 それにアッシリヤも加わって、このロトの子孫たちとの連合軍ができ上がりました。

9 どうか彼らを、いつかのミデヤンと同じような目に会わせてください。もしくは、キション川でのシセラやヤビンと同じ敗北を、なめさせてやってください。

10 また、土地をこやすほど死体が朽ち果てたエン・ドルでの敵のようにしてください。

11 とくに権力者の貴族たちには、オレブとゼエブのような死にかたをさせてください〔カナン征服記下七・二五参照〕。また高官たちをも、ゼバフとツァルムナのように葬り去ってください〔カナン征服記下八・二一参照〕。

12 この二人は、「神様の牧場をごっそりいただいて、わしらのものにしようぜ」とたくらんだ連中です。

13 ああ神様、砂ぼこりやもみがらのように、彼らを吹き飛ばしてください。

14 森林をなめ尽くす山火事のように襲ってください。

15 猛烈な嵐や龍巻で、追い払ってください。

16 ああ主よ、彼らがあなたのお力とお名前の前にかぶとを脱ぐまで、徹底的に恥をかかせてください。

17 そのやることなすことを、すべて失敗に終わらせてください。そうして深く恥じ入り、おじ気づき、

18 ついには、全地を支配する神様はあなたお一人であることを、思い知らせてほしいのです。

84

1 天の神様。あなたの神殿の美しさには、全くほれぼれいたします。

2 この神殿の内庭に入り、生ける神様のおそば近くに出ることを、私は夢にまで見ているのです。

3 雀やつばめでさえ、祭壇の回りに巣を作らせてもらい、ひなを育てています。天の神様。私の王様。

4 神殿に住めて、常にあなたを賛美できる人は、なんと幸せなことでしょう。

5 神様から力をいただき、神様に従って歩むことを最優先したいと願う人は幸いです。

6 そんな人には、涙の谷も、祝福のわき出る泉となるでしょう。

7 彼らはいよいよ溌剌としてシオン(エルサレム)に向かい、一人ずつ呼ばれて、主にお目どおりを許されるのです。

8 ああ神様、私の祈りを聞いてください。

9 私たちを守る盾であられる神様、あなたが油を注いでお立てになった王をあわれんでください。

10 あなたの神殿で過ごす一日は、よそで過ごす千日よりもすばらしいのです。悪の宮殿に住むよりは、神の家の門番になりたいと思います。

11 神様は、私たちの光であり、守り手であるからです。神様は恵みと栄光を下さる方であり、ご自分の道を歩む者に、良いものを出し渋ったりはなさいません。

12 天の神様に信頼する人は幸いです。

85

1 神様、あなたは驚くべき恵みをこの国に注がれましたね。イスラエルの繁栄を回復し、

2 国民の罪を赦し、そのいっさいを水に流されたのですね。

3 こうして、神様の激しい怒りは、きれいに消え去りました。

4 ああ神様、あなたを愛していた昔に戻してください。そうすれば、二度とお怒りを買うこともないと思います。

5 それとも、子々孫々に至るまで、いつまでもお怒りはやまないのですか。

6 私たちを生き返らせてください!そうなれば、神様の国民は、再びあなたを喜ぶようになります。

7 主よ、私たちに愛と恵みを注いで、救ってください。

8 私は、神様の口から出ることばをひと言も聞きもらすまいと、耳をそばだてています。神様の国民である聖徒たちが罪を離れさえすれば、平和を告げられるからです。

9 救いは、神様を敬う人たちの身辺にあるのです。私たちの国は、やがて主の栄光で満ちあふれるようになるでしょう。

10 恵みと真実は出会いました。厳正な正義と平和は頬ずりし合いました。

11 真実は地に生い茂り、神様の公正は天からほほ笑みます。

12 神様から祝福されて、この国には豊作が続きます。

13 正義は神様の前を進んで、道を踏み固めます。

86

1 ああ神様、こちらを向いて、この祈りをお聞きください。私は悩み果てています。

2 神様のおきてをすべて守ろうとしている私です。どうか、このいのちをお守りください。神様に信頼して仕えている私です。どうかお救いください。

3 ああ神様、最後まで望みを失わず、あなたを見上げている私をあわれんでください。

4 神様以外のだれをも拝んだりはしませんから、どうか、しあわせにしてください。

5 神様は恵み深いお方で、赦すのをためらったりなさいませんから、助けを求めて来る人にはだれにでも、あふれるほどにあわれみをかけてくださいます。

6 ああ神様。もう限界です。この叫びを聞いてください。

7 苦しいことにぶつかるたびに、神様を呼んでいます。すると、あなたは助けてくださるのです。

8 異教の神々の中に、神様のような方はいません。だれがあんな奇蹟を行なえるものですか。

9 神様がお立てになった諸国家は、目の前でひれ伏し、聖なるお名前をたたえるでしょう。

10 神はあなたお一人であり、目をみはるばかりの偉大な奇蹟を行なわれます。

11 私がどちらへ行けば、おこころにかなうのか教えてください。喜んで、そちらへ参ります。全身で、神様のお名前を恐れさせてください。

12 心の底から神様をほめたたえ、常にお名前に栄光を帰したいのです。

13 神様はこんなにも愛してくださり、常に情けをかけてくださるからです。また、神様は、地獄の底から私を救い出してくださったお方です。

14 ああ神様。思い上がった連中が、公然と突っかかって来ます。神様を無視するならず者が、私のいのちをねらっています。

15 しかし神様。あなたはあわれみ深くてやさしく、短気を起こさず、恵みと真実にあふれていらっしゃいます。

16 ですから、あなたのしもべである私にあわれみをかけ、力を与えて救い出してください。

17 おこころにかけてくださっているというしるしを、見せてください。私を憎むやつらに、それを突きつけてやりたいのです。私が神様から助けられ、慰められているのを知ったら、彼らも面目を失うでしょう。

87

1 エルサレムは神様のきよい山にそびえています。この神の都を、神様はどこよりも深く愛しておられるのです。

2 -

3 神の都については、なんとすばらしい語り伝えのあることでしょう。

4 最近、友人たちとの会合で、エジプトやバビロン、ペリシテやツロ、それにはるかエチオピヤの名前が話題にのぼった時、それらの国の生まれだと誇らしげに語る人がいました。

5 しかし、いつかは、エルサレム生まれであることが最高の栄誉となる日が訪れます。神々にまさる神が、格別この都に目をかけ、祝福してくださることになるからです。

6 エルサレム出身者は国籍の登録に際して、神様から二重丸をいただくでしょう。

7 祭りの日、人々は、「ああ、わが心のエルサレム」と歌うようになります。

88

1 ああ、私を救ってくださる神様。私は昼も夜も、あなたの前で泣きくずおれているのです。

2 この叫びに耳を傾け、祈りを聞き届けてください。

3 苦しみにがんじがらめにされた私に、死の足音が忍び寄って来たのです。

4 人々は、私のいのちが尽きるのも時間の問題で、手の施しようもないと言います。

5 戦場で倒れ、神様からのあわれみも絶たれた兵士のように、見殺しにするのです。

6 神様は私を、深い真っ暗やみの穴に投げ込まれました。

7 神様の激しい怒りは、息つく暇なく押し寄せる波のように、私をのみ込みます。

8 神様は、友人たちが私をけぎらいして去るようにされました。私はさながら袋のねずみでした。

9 目は泣き疲れてかすんでいます。ああ神様。くる日もくる日も、助けてくださいと、取りすがっているのです。あわれんでくださいと、両手を差し伸べているのです。

10 もうすぐ、手遅れになってしまいます。死んでしまえば、どんな奇蹟を行なってくださろうと、あとの祭りです。私が、神様をたたえるすべもありますまい。

11 なんで墓の中にいる者が、神様の恵みや真実を言い広めることができましょう。

12 暗やみに、神様の奇蹟を証言できるでしょうか。あの世へ行った人間に、神様の助けを語り伝えることができるでしょうか。

13 ああ神様。くる日もくる日も、私はいのち乞いをしています。

14 なぜ、私の寿命を縮められるのですか。なぜ、お顔をそむけられるのですか。

15 私は若いころから病気がちで、いつも死にさらされていました。死におびえて、なすすべもなく立ち尽くしていました。

16 神様の激しい怒りに私は震え上がりました。

17 一日中、恐怖に襲われています。

18 愛する人も、友人も、知人も、みな去って行きました。どちらを向いても、暗やみばかりです。

89

1 私は神様のこまやかなお心づかいを、いつまでも歌います。

2 神様の愛と恵み、それに真実は、永遠に絶えることがありません。

3 神様はこう言われます。「わたしは、よりすぐったしもべダビデと厳粛な契約を結んだ。彼の子孫を永久に王座につけると誓ったのだ。」

4 -

5 ああ神様。天はあなたの奇蹟をたたえ、御使いたちは、あなたの真実をたたえます。

6 天に、神様と並ぶ存在などありえませんから。いちばん偉い御使いでさえ、神様の足もとにも及びません。

7 天使の中で最高位の者さえ、御前では恐れおののきます。ほかのだれが、神様のように尊敬されているでしょうか。

8 天の軍勢の主である神様。あなたのように権威ある方は一人もいません。神様は真実そのものなのです。

9 すさまじい嵐が起こって、波がさかまこうと、神様のひと言で凪いでしまいます。

10 傲慢な態度を捨てなかったエジプトは、神様の手で切り刻まれました。神様の恐るべき腕を見て、敵はくもの子を散らすように逃げて行きました。

11 天も地も、万物は神様の手中にあります。いっさいのものを造られたのは神様なのですから。

12 北も南も神様がお造りになりました。タボル山とヘルモン山は、創造主の神様に感謝しています。

13 神様の腕の力は天下に並ぶものがなく、その栄光ある右の手は、高くあげられています。

14 神様の王座を支えているのは、公平と正義の太い二本の柱です。あわれみと真実は、いつもおそばに控えています。喜びに震えるラッパの音を聞く人々は、神様の光の中を歩くことができるので幸せです。

15 -

16 彼らは、神様のすばらしい名声と、非の打ちどころのない正義を知って、一日じゅう喜びに満たされます。

17 神様は彼らの力です。神様の恵みが私たちの力の源であるとは、なんという光栄でしょう。

18 私たちの保護者は、ほかならぬ神様ご自身です。この、イスラエルのきよい神様が、私たちに王をお立てくださいました。

19 神様は幻の中で、預言者にこう告げました。「わたしは国民の中から、一人のすぐれた若者を選んで王とした。

20 しもべダビデだ!わたしは彼に、きよい油を注いだ。

21 彼をしっかり支えて、強めよう。

22 だから彼は、決して敵に出し抜かれたり、悪者にひけをとったりすることはない。

23 わたしは敵を打ちのめし、彼を憎む者の息の根を止めてやろう。

24 常に彼を守り、祝福し、愛で包もう。わたしといううしろだてを得て、彼は名をあげるのだ。

25 ユーフラテス川から地中海に至るまでが、彼の領地となる。

26 『あなたはわたしの父、わたしの神、わたしの救いの岩』と、彼はわたしを呼ぶだろう。

27 わたしは彼を長男として迎え、地上で最強を誇る王としよう。

28 いついつまでも愛を注ぎ、常に恵みをほどこそう。彼との間に立てた契約は、決して破棄されはしない。

29 また跡継ぎの絶えることもなく、永遠に王座は受け継がれていく。

30 しかし、もし彼の子孫がわたしのおきてを無視して守らなくなれば、罰が下ることになる。

31 -

32 -

33 とはいえ、恵みを根こそぎ奪ったり、約束を破ったりはしない。

34 そうだ。わたしは契約を破りはしない。前言を翻すようなこともしない。

35 わたしはダビデに、その王朝はいつまでも続き、王座も、月日のある限りすたれはしない、と誓ったからだ。そして、きよい神は決して嘘がつけないのだ。

36 -

37 大空にかかる忠実な証人である月のように、彼の王座はいつまでも続くのだ。」

38 このようにおっしゃった神様が、どうして彼を拒絶し、お捨てになるのですか。なぜ、王として選んでおきながら、こんなにもお怒りになるのですか。

39 神様は、ダビデとの契約を解消なさったのでしょうか。その王冠をはく奪されたではありませんか。

40 神様は城壁をくずし、要塞を一つ残らず破壊なさいました。

41 行きずりの者たちがその廃墟を物色してあさり、近隣の者もあざけって見ています。

42 神様は、むしろ敵を勇気づけ、喜ばせておられるのですね。

43 戦場では、彼の手から剣をたたき落とし、見殺しになさったではありませんか。

44 その勢いにとどめを刺し、その王座をくつがえされたではありませんか。

45 彼を年以上にふけこませ、公衆の面前で恥をかかせられたではありませんか。

46 ああ神様、いつまでこんな状態が続くのですか。いつまで顔をそむけて、燃えさかる怒りを注がれるのですか。

47 あなたが人間の一生を、どんなに短く、また空しいものにお定めになったか思い起こしてください。

48 人はいつまでも生きることはできません。みな死に果てるのです。だれが、墓から自分のいのちを救い出せましょう。

49 神様、以前は、あんなに愛してくださったではありませんか。かつてダビデに約束された確かな恵みは、どこへ行ったのでしょう。

50 主よ、ご覧ください。人々がこのように私をばかにしているのです。

51 敵も、神様が王として油を注がれたこの私を、はやし立てています。

52 しかし、それでもなお、神様は永遠にほめたたえられるべきお方です。アーメン。アーメン。

90

1 神様。あなたはいついつまでも私たちの住まいです。

2 大地が造られ、山が生まれる前から、あなたは神であられました。あなたには初めも終わりもないのです。

3 神様のひと言で、人は土に帰ります。

4 千年の昔も神様にとっては、きのうのことにすぎず、つい一時間前と変わりません。

5 私たちは流れの速い潮に乗って、見る間に過ぎ去り、一夜の夢のように、あわただしく消えていきます。朝のうちは青々と生い茂っていても、夕暮れには刈られてしおれる草に似ています。

6 -

7 私たちはあなたの怒りのうちに死に、あなたの憤りに打ち滅ぼされます。

8 神様は隠された罪をあばき、白日にさらされます。

9 神様のお怒りの日々は、私たちに重く長く、ため息ばかりで過ぎていくのです。

10 人生七十年、中には八十まで生きる人もいるでしょう。しかし、その脂の乗りきった時期でも、むなしさと苦しみにむしばまれています。しかも、月日は矢のように過ぎて、たちまち帰らぬ身となるのです。

11 だれが、神様のお怒りの真のこわさを知っているでしょう。だれが、ほんとうに恐れることを知っているでしょう。

12 どうか、私たちに与えられた日を数えさせてください。そして、どんなに短いものか気づかせてください。どうか、正しい日の過ごし方を教えてください。

13 ああ神様、祝福してください。いつまでじらすおつもりですか。お怒りはずっと向こうに遠ざけてください。

14 お恵みで若い日々を満ち足らせ、生涯を閉じる日まで、喜びを絶えさせないでほしいのです。

15 悲惨な日々のことなどつゆだに思い返さないほどの喜びを、いただきたいのです。災いの年月を、祝福の日々と取り替えてください。

16 もう一度、奇蹟を見せてください。子供たちに、以前のようにご栄光を見せてやってください。

17 どうか、私たちに目をかけ、することなすこと成功させてください。

91

1 私たちは、どんな神々にもまさる神様によってかくまわれ、この全能のお方のふところに住んでいます。

2 私は宣言します。「神様こそ私の避難所、また安全地帯です。この神様への信頼を失うことはありません。」

3 神様はどのような罠からもあなたを救い出し、いのち取りの病気からも守ってくださいます。

4 神様の翼の下に、あなたはかくまわれるのです。また、神様の変わることのないお約束が、あなたのよろいとなるのです。

5 ですから、もう暗やみを恐れてはいけません。真昼の襲撃にもおののいてはいけません。

6 暗やみに乗じてはびこる伝染病も、明け方を襲う災害も恐れるに足りません。

7 たとい千人がそばに倒れ、一万人の死体が回りを埋め尽くそうと、私はかすり傷一つ負いません。

8 ただ、悪者が罰せられるのを眺めていればよいのです。

9 私には、神様という避難所があるのです。私はこのお方を、すべての神々にまさる神様として選んだのです。

10 ですから、災難にみまわれたり、伝染病に取りつかれたりするはずがありません。

11 神様が御使いたちに言いつけて、行く先々で守ってくださるからです。

12 山道でも、石につまずかないように、手で支えてもらえるのです。

13 ライオンに出くわそうと、毒蛇を踏もうと、平気のへいざで踏みにじることさえできるのです。

14 主はこう言っておられます。「わたしを愛する者を、救い出してやろう。わたしを信頼する者を偉大な人物にしよう。

15 その者が呼べば答えてやり、苦しんでいる時にはそばにいてやろう。その者を救い出し、面目をほどこしてやろう。

16 彼を救って、充実した人生を送らせよう。」

92

1 神様に「感謝します」と言うこと、神々にまさる神様に賛美の歌をささげることは、すばらしいではありませんか。

2 朝ごとに、「お恵みを感謝します」と言い、夜ごとに、神様の真実を喜びなさい。

3 十弦の琴やリュート、竪琴をかなでながら、賛美の歌をうたいなさい。

4 こんなにも多くのことをしてくださった神様に、感謝せずにはいられません。喜びの歌をうたわずにはいられません。

5 神様、なんとすばらしい奇蹟でしょう!あなたの思慮の深さには測りがたいものがあります。

6 浅はかな人には、とても理解できず、愚かな人の想像をも越えています。

7 たとい、今は雑草のようにはびこっていようと、悪人を待ち受けているのは永遠の滅びだけです。

8 神様は永遠に天であがめられるお方ですが、

9 神様に敵して悪事を働く者の運命は、滅びなのです。

10 しかし、神様は私を、野牛のように強くしてくださいました。神様に祝福されて、活力がみなぎりました。

11 敵が刑罰を宣告されて滅ぶ様子を、私はこの目で見ました。

12 しかし、神様を信じて従う人は、なつめやしの木のように青々と茂り、レバノン杉のようにそびえ立ちます。

13 というのも、神様の農園に移植され、しかも、神様みずから世話してくださるからです。

14 おかげで老木となっても実を結び、青々と茂ることができるのです。

15 そして、このことが神様の栄誉となり、その真実を人々に知らせることになります。神様は私の隠れ家です。神様は恵みそのもののお方です。

93

1 世界の王、主は、威光と権能をまとっておられます。ああ神様。永遠の昔から、あなたは世界を支配しておられます。

2 -

3 大洋も鳴りとどろいて、賛美しています。

4 白く砕け散りながら岩をかむ大波より力強いお方です。

5 そのおきては不変で、その支配の原理は、きよさです。

94

1 復讐する権利をお持ちの神、主よ、ご栄光を輝かせてください。地上の人々をさばき、おごり高ぶる連中を罰してください。

2 -

3 神様、いつまで悪者が勝ち誇り、有頂天になっているのですか。

4 あの横柄なことば、人を食った態度、大口をたたく様子をご覧ください。

5 ああ神様。彼らは、あなたが愛しておられる人々をあんなにも悩ませています。

6 「なあに、神に知れるわきゃないよ」と、未亡人や移民、みなしごなどを殺します。

7 -

8 この愚か者めが!

9 耳と目をお造りになった神様が、なんで耳が聞こえず目が見えないものか。

10 世界をおさばきになるお方が、なんでおまえたちの罪を見過ごしになさるのだ。いっさいのことをお見通しの神様に、おまえたちの悪事がばれないはずはないのだ。

11 神様は、人の考えや判断にはどれほど限りがあり、無益かを、よくご存じです。

12 ですから、痛い目に会わせることによって、私たちを神様の道へと導かれるのです。一方、神様は敵に罠をしかけて滅ぼし、私たちにひと息つかせてくださいます。

13 -

14 決して、ご自分の国民を見捨てたりなさいません。宝のように思っておられるのですから。

15 裁判は再び公平さを取り戻し、正直な人が陽の目を見るようになります。

16 だれが、盾となって私を悪者から守ってくれるのでしょう。

17 もし神様の助けの手が差し伸べられなかったら、私は今ごろ死んでいたことでしょう。

18 「ああ神様、足もとがすべります!」と大声を出した時、神様は救い上げてくださったのでした。

19 神様、何もかも信じられなくなって動揺している時、どうか私の気持ちを静め、新しい希望を与え、快活さを取り戻させてください。

20 どうか、悪が正義に勝っても当然とするような腐敗政治を、神様の保護のもとに存続させないでください。

21 まさか、罪もない人が死刑になるのを見過ごされるわけはないでしょうね!神様は私のとりで、難を避けるための、揺るぎない岩です。

22 -

23 悪者どもの罪は、その頭上に跳ね返らせてくださいました。神様は悪者の計略を逆用して、皆殺しになさいます。

95

1 さあ、神様をたたえましょう。救いの岩である神様に向かって、喜びの声を張り上げましょう。

2 感謝の思いを込めて御前に近づき、賛美の歌をささげましょう。

3 神様は、どんな神にもまさる偉大な王であられるのです。

4 主は地中深い地層も、そびえ立つ高い山々も、意のままにあやつられます。すべてのものが神様のものなのです。

5 神様は海と陸をお造りになりました。それらは神様のものです。

6 さあ、創造主である神様の前に出て、ひざまずきましょう。

7 私たちは神様の羊であり、神様は羊飼いなのです。きょう呼びかけられる声を聞いたなら、神様のもとへ行きましょう。

8 荒野のメリバやマサでのイスラエル国民のように、強情になってはいけません〔出エジプト記一七・七参照〕。

9 あの時、あなたがたの先祖は、わたしの奇蹟を何度も目にしながら、信じようとしなかったのです。わたしの忍耐は、彼らの不平やぐちで、ぎりぎりのところまで試されました。

10 「この四十年間、わたしは苦々しい思いで国民を見すえてきた。心も思いも遠く離れているこの国民は、わたしのおきてに見向きもしなかった。

11 わたしは激しい怒りを込めて、彼らのためにせっかく用意した約束の地への入国を、拒否したのである。」

96

1 世界中どこででも神様に新しい歌をささげましょう。

2 賛美の声をあげましょう。くる日もくる日も、だれかに、神様の救いを伝えなさい。

3 栄光に輝く神様を世界中に宣伝し、神様のお働きに、目をみはらせましょう。

4 神様は、口で言い表わせないほど偉大で、大いにほめたたえられるべきお方なのです。他の神々には目もくれず、ひたすら神様だけを拝みなさい。

5 他国の神は、人が作った偶像にすぎません。しかし私たちの神様は、天をお造りになったお方です。

6 栄誉と威光が神様を包み、力と美が宮に立ちこめています。

7 世界の国々よ、神様だけに栄光と力があることを認めなさい。

8 神様にふさわしい栄誉をささげ、供え物を携えて来て礼拝しなさい。

9 同時に、きよい生活を守りなさい。全地は神様の前で震えおののくべきなのです。

10 諸国民に、神様の支配が行き渡ると告げなさい。神様の権威は、いつまでもすたれることなく、すべての国を公平にさばかれるのです。

11 天は喜び、地はこおどりしなさい。見渡す限りの海は、鳴りとどろいて神様の栄光を伝えなさい。

12 青々とした野原を見て、ほめたたえなさい。草の一本一本が、神様の偉大さを物語っているではありませんか。森の木々も、こずえを鳴らして賛美しなさい。

13 神様は世界をさばくためにおいでになり、公平で真実なさばきを下されます。

97

1 神様は全世界の王です。大地よ、喜んで跳びはねなさい。最果ての島々も喜びなさい。

2 雲と暗やみが神様を取り囲み、正義がその王座の土台です。

3 露払いを務める火が、敵をみな焼き滅ぼします。

4 大地は、神様のいなずまがあちこちで光るのを見て、おののきます。

5 山々は、神様の前でろうのように溶けました。

6 天は神様の正義を宣言し、世界中の人々が神様の栄光を仰ぎます。

7 拝む価値もない神々を誇る者どもは、恥をかきますように。その神々はみな、まことの神様の前にひれ伏すべき存在なのです。

8 神様。エルサレムとユダの町々は、あなたの公正な判決を耳にしました。神様の威厳に満ちた支配が全地に行き渡り、ほかの神々ははるか足もとにも及ばないのですから、喜びもひとしおです。

9 -

10 神様は、悪を憎む人をいとおしまれます。神様の国民はいのちを守られ、悪者の手から救い出されます。

11 光は、神様を敬う者のために蒔かれ、喜びは、正しい者のために蒔かれます。

12 神様を敬う人がみな幸せになり、きよい神様に冠をささげますように。

98

1 神様のめざましい働きをたたえる、新しい歌をささげましょう。そのお力ときよさが、すばらしい勝利を神様にもたらしたからです。

2 この勝利は全世界の人々の目に明らかです。それは、イスラエルを恵むという約束の実現によって、歴然としているのです。全世界は、神様がご自分の国民を救われる様子を目のあたりにしました。

3 -

4 だからこそ、大地は大声を張り上げてほめたたえ、感きわまって歌うのです。

5 竪琴の音色に合わせて、賛美歌をうたいましょう。

6 角笛とラッパの音を高らかに響かせなさい。王である神様の前で、喜びに満ちたシンフォニーをかなでなさい。

7 広大な海と、その中のすべてのものは、鳴りとどろいて賛美しなさい。地と、そこに住むものはみな、「神様に栄光があるように」と叫びなさい。

8 海の波は楽しげに手を打ち鳴らし、山々は、喜びの歌を合唱しなさい。正義を貫いて世界をさばくために、神様はおいでになるのです。

9 -

99

1 全世界の王、神様は、ケルビム(天使を象徴する像)の上の王座におつきです。諸国民は、震え上がり、大地は揺らぎますように。

2 シオン(エルサレム)に立たれる神様のご威光はと言えば、この世の支配者たちには、はるかに及びもつかないものです。

3 どうか彼らが、きよく偉大な神様のお名前を、恐れかしこみますように。

4 公正なさばきを断行すること、それこそが、この絶大な王の支配理念なのです。イスラエル中に正しい判決が下ります。

5 きよい神様をあがめ、その足もとにひれ伏しなさい。

6 預言者モーセとアロン、それにサムエルが助けを呼び求めた時、神様はお答えになりました。

7 雲の中から響いてくるお声に、彼らは従順に従いました。

8 神様。あなたは、彼らの祈りに答えて罪をお赦しになりましたが、その誤った行為に対しては、厳然として罰を下されたのです。

9 私たちの神様をあがめ、エルサレムの聖なる山で礼拝しなさい。神様はきよいお方なのです。

100

1 大地よ。神様に喜びの声をあげなさい。

2 喜びをもってお仕えし、喜びの歌をうたいつつ、神様の前に進み出なさい。

3 主が神であるとはどんなことか、肌で感じ取りなさい。主は私たちをお造りになりました。私たちは神様の国民、その牧場の羊なのです。

4 感謝の思いも新たに、神殿の門をくぐり、賛美の歌声とともに宮の内庭に入りなさい。さあ、感謝してほめたたえなさい。

5 神様はいつも正しく、愛と思いやりに満ち、いついつまでも変わらない真実を示されるのです。

101

1 神様。あなたがどんなに恵み深く公正なお方であるかを、ほめ歌いたいのです。

2 非の打ちどころのない生活を送りたい、と心がけている私ですが、神様のお助けなしには何もできません。ことに、おこころにそった歩みをしたいとせつに願う家庭の中でこそ、お助けいただきたいのです。

3 低俗で下品なものをはねつけ、あらゆる不正行為を憎んで、縁を切らせてください。

4 いっさいの自分中心の態度を捨て、すべての悪から遠ざかるつもりです。

5 陰で隣人を中傷するような人間には、容赦をしません。また、うぬぼれや思い上がりが幅をきかすのを、黙って見てはいられません。

6 神様を敬う人こそ真の英雄と考えて、家へ招きます。身も心も潔白な人だけが、わが家の召使となれるのです。

7 うそを言ったり裏切ったりする人を泊めることなど、決していたしません。

8 悪人狩りをして神様の都を守ることが、私の日課なのです。

102

1 神様、この祈りを聞き、この訴えに耳を傾けてください。

2 こんな悩みの時にこそ、私を放っておかないで、すみやかに答えてください。

3 私の日々は、煙のように消えていくからです。私は肉体ばかりか心も病んでいて、草のように踏みにじられ、しおれてしまいました。食欲もなく、何を食べてもまずいのです。

4 -

5 絶望して嘆き、うめき続けたこの身は、骨と皮だけになりました。

6 まるで、はるか遠い荒野に住むはげたかや、仲間からはずれて砂漠をさまようふくろうのようです。

7 また、一羽だけ屋根にいる雀のように、孤独をかみしめ、まんじりともせず身を横たえているのです。

8 敵は、くる日もくる日も私をののしり、のろいます。

9 神様の激しいお怒りにふれて、私はパンの代わりに灰を食べ、涙まじりの飲み物をのむのです。私は神様から突き放されました。

10 -

11 私の一生は、夕方の影のように伸び尽くし、草のようにしおれます。

12 それに引き替え、永遠の王である神様のご名声は、いついつまでも語り継がれます。

13 私は、神様がエルサレムをあわれんでくださることを知っています。今こそ、その時なのです。

14 神様の国民は、城壁の一つ一つの石に愛着を覚え、通りの土にさえ忘れがたい思いをいだいているのです。

15 諸国の民や支配者たちは、神様の前で震え上がりますように。

16 神様が栄光の姿で現われ、必ずエルサレムを再建してくださるからです。

17 神様は、苦闘している人の祈りを聞かれます。主は、彼らの願いが耳に入らないほど、忙しくしてはおられません。

18 このことを記録にとどめるのは、子孫たちにも神様のなさったことをたたえさせ、次の時代の者に主を賛美させるためです。

19 さあ、こう伝えなさい。神様は天から見下ろし、

20 奴隷として死ぬ運命にある国民のうめきを聞いて、解放してくださったと。

21 すると、人々はエルサレムの神殿になだれ込んで、神様を賛美し、その歌声は都中に広がるでしょう。また、世界各国の王も、神様を拝もうと詰めかけて来ることでしょう。

22 -

23 神様は、寿命を短くして、人生半ばで私を倒れさせました。

24 そこで、こう申し上げたのです。「ああ、永遠に生きておられる神様、どうか死なせないでください。ようやく、人生も折り返し点に来たところですのに。

25 大昔、神様は地の基礎をすえ、天をお造りになりました。

26 それらはやがて消滅するでしょうが、神様は永遠に生き続けられます。着古した着物のようにすり切れたものは、新しいものと取り替えられますが、

27 神様ご自身は永久に不変です。

28 そして私たちの家系も、神様の保護のもとに、めんめんと世代から世代へ継承されていくのです。」

103

1 私は心から神様をたたえます。

2 今までにいただいた祝福を、決して忘れません。

3 神様は私の罪をみな赦し、病気を治してくださいます。

4 地獄行きの身を身受けし、恵みとやさしい思いやりで包んでくださいます。

5 私の一生は祝福でおおわれ、鷲のように若返ります。

6 神様は、不当に扱われている者を公平にさばかれます。

7 神様はご自分の本性と、これからなそうとすることを、モーセおよびイスラエル国民に知らされました。

8 神様は、虫けら同然の者をあわれみ、やさしくいたわってくださいます。また、短気を起こさず、恵みと愛に満ち、

9 いつまでも根に持ったりはなさいません。

10 罪の深さに比例して罰を下されるわけでもありません。

11 神様を恐れ、あがめる人には、無尽蔵のあわれみをかけてくださいます。

12 神様は私たちの罪を取り除き、はるか地平線のかなたに投げ捨ててくださいました。

13 神様は、恐れかしこむ者に対しては、父親のようにやさしい思いやりを示してくださいます。

14 というのも、私たちが土くれにすぎず、

15 また草花のようにはかなく、

16 風に吹き飛ばされて消える存在であることを、知っておられるからです。

17 しかし、神様は、ご自分を信じる人をいついつまでも恵み、神様との契約を忠実に守り従う人を、子々孫々に至るまでお救いになります。

18 -

19 神様は天に御座をすえ、すべてのものを支配なさいます。

20 神様の命令を一つとして聞きもらさず、すぐ実行に移す御使いたちよ、神様をほめたたえなさい。

21 四六時中、神様に仕える天使の軍団よ、ほめたたえなさい。

22 万物が声を合わせて、賛美しますように。私も力いっぱいにほめ歌います。

104

1 神様はすばらしいお方です。栄誉と威厳をまとわれたそのお姿は、なんと神々しいことでしょう。天には星をちりばめ、

2 -

3 地表のくぼみには海原を創造された神様。雲の馬車に乗り、風の翼でかけ抜けられる神様。

4 その先ぶれを務める天使は、風のように速い、炎の使者です。

5 くずれ落ちることのないように、大地はしっかりとゆわえつけられました。

6 また、山々をのみ尽くすほどの洪水で、大地はおおわれました。

7 神様のひと声で、水はたちまち広大な海の底に吸い込まれ、山々は姿を現わし、谷は規定の線まで沈みました。

8 -

9 神様はまた、海水が二度と地表にあふれないよう、境界線をお定めになりました。

10 谷には泉を、山には渓流を、神様は配置なさいます。

11 あらゆる獣はそこでのどをうるおし、野ろばは渇きをいやします。

12 鳥は渓流のほとりに巣を作り、木々のこずえでさえずります。

13 神様は山々に雨を降り注ぎ、地をくだものの宝庫となさいます。

14 そのひと言で、家畜の飼料となる柔らかい草が生え、栽培用の果樹や野菜、それに穀物も育ちます。

15 また、だんらん用のぶどう酒、皮膚をつややかにするオリーブ油、力の源となるパンも作ることができるのです。

16 神様がお植えになったレバノン杉は、すくすくと伸び、みごとな大木に成長しました。

17 そこには鳥が巣を作り、こうのとりは、もみの木に宿ります。

18 高原には野やぎの牧草地があり、岩だぬきは、岩の間を隠れ場にしています。

19 神様は、一か月の長さを知るために月を掲げ、一日を区切る目じるしとして太陽を照らされました。

20 夜のとばりが神様の手で降ろされると、森の獣たちはいっせいに出て来ます。

21 若いライオンは、獲物を求めてほえたけります。しかし、神様のお助けなしに、食い物にありつくことはありません。

22 明け方近く、獣たちはほら穴に引き返して横になり、

23 入れ替わりに、人間が一日の作業を始め、夕暮れまで働きます。

24 神様。あなたの知恵で、さまざまな生活形体ができ上がりました。おかげで、地は豊かに満ちあふれています。

25 目の前に開ける広大な海には、大小さまざま、ありとあらゆる生物が生息しています。

26 あそこを行く船をご覧なさい。沖合にはくじらが戯れ、

27 神様から食べ物をいただくのを待っています。

28 そして、配られた食糧を満腹するまで食べるのです。

29 もし、神様のそのような配慮がなければ、彼らは途方にくれ、飢え死にするしかないのです。

30 神様が御霊を送られると、新しいいのちが誕生します。

31 神様をいついつまでもほめたたえなさい。神様は、ご自分の手のわざに目を細めておられるのです。

32 神様にひと睨みされると、大地はすくみ上がり、神様の手が少しでも触れれば、山は噴火するのです。

33 私は息を引き取るその時まで、神様をたたえ続けます。

34 どうか、こんな思いが神様に喜ばれますように。私にとって、神様は喜びの泉なのです。

35 神様なんかくそ食らえと思っている罪人たちはみな、地上から消え去りますように。しかしこの私は、神様をほめたたえます。ハレルヤ。

105

1 神様のすばらしい行為の一つ一つに感謝し、諸国民に伝えなさい。

2 賛美の歌をうたい、会う人ごとにその奇蹟を告げ知らせなさい。

3 神様を拝む人々は、誇らかにこおどりして喜びなさい。

4 常に神様を求め、お力を慕い続けなさい。

5 神様がどれほど大きいことをしてくださったか、考えてみなさい。それは、私たちが神様のしもべアブラハムとヤコブの子孫であり、選ばれた国民だからです。さあ、どのようにして敵を滅ぼしていただいたか、思い起こしなさい。

6 -

7 私たちの神様の恵みは、国じゅう至る所で明らかです。

8 たとい、何千年を経たのちでも、神様はお約束を忘れず、アブラハムやイサクと結んだ契約をお破りになりません。

9 -

10 そして、この契約をヤコブに再確認されました。つまり、「カナンの地を相続させよう」という、イスラエル国民への約束です。

11 -

12 このころはまだ、イスラエルはほんの一にぎりの少数民族であり、カナンの寄留民にすぎなかったのです。

13 こののち、彼らは国々に散らされ、国から国へと放浪したこともありました。

14 しかし、そんな時でも、神様の許しなしには、彼らに指一本ふれることはできなかったのです。彼らを攻撃しようとする多くの王が滅ぼされました。

15 「わたしの選んだ者にさわるな。わたしの預言者に害を加えるな」と、神様の警告が響き渡りました。

16 神様がカナンの地にききんを呼び寄せられると、食糧が底をつきました。

17 その一方、ご自分の国民を飢えから救うため、ヨセフを奴隷としてエジプトに送り込まれました。

18 ところが、彼は牢獄につながれ、足かせや鉄の首輪をかけられたのです。

19 しかしこれこそ、ヨセフの忍耐を試す絶好の機会となりました。

20 彼はついに、王によって自由の身とされ、

21 王室の全財産の管理を任されました。

22 このため、思いどおりに王の補佐官を投獄したり、側近を教育したりできる身となったのです。

23 そののち、ヤコブもエジプトを訪れて、息子たちとともに住みつくことになりました。

24 それ以後、イスラエルの人口は爆発的に増え、支配者たちを脅かす大民族とまでなったのです。

25 ここまで来て、神様はエジプト人をイスラエルの敵と変え、イスラエル国民は奴隷にされてしまったのです。

26 しかし、神様はご自分の代理として、モーセをアロンとともに派遣なさいました。

27 エジプトに、世にも恐ろしいみわざを行なうためです。

28 神様からのお指図を受けて、この二人は、国中を暗やみでおおい、

29 あの国家の象徴とも言うべき大河を血に変え、魚を死滅させました。

30 また、おびただしいかえるが王の部屋を占拠しそうになりました。

31 モーセのひと言で、あぶやぶよが雲やかすみのように立ちこめ、エジプト全土をおおいました。

32 神様は、雨の代わりに、人の脳天を打ち砕く雹をお降らせになりました。また、目もくらむばかりのいなずまに、エジプト国民は震え上がりました。

33 ぶどうといちじくの木は全滅し、木という木の幹は、ことごとく裂けたのです。

34 また、神様のひと声で、いなごの大群が襲来して、

35 青いものを跡形なく食い尽くし、穀物をすべて食い荒らしました。

36 続いて、神様はエジプト人の全家庭の長男を殺されました。長男は、その家の誇りを一身にになう存在なのです。

37 一方、ご自分の国民には銀と金をふんだんに持たせて、エジプトを脱出させてくださいました。その時、一行の中からは、体の弱い者や病人は一人も出ませんでした。

38 あまりの恐怖にゆすぶられたエジプトは、むしろ、彼らが国外に出てくれて喜んだくらいです。

39 神様は雲の幕を広げて、彼らから焼けつく太陽をさえぎり、夜には火の柱を立てて、明かりとされました。

40 人々が肉を欲しがると、空からうずらを降らせ、その上、天のパンとも言うべきマナをお与えになりました。

41 神様が岩を裂かれると、水がほとばしり出て、かわいた地をうるおす川となりました。

42 神様は、しもべアブラハムへの約束を覚えておられたのです。

43 こうして、選民イスラエルは、意気揚々と約束の地に入りました。

44 神様が、麦の穂の波打つ他民族の領地を与えてくださったので、彼らは、他人が育てた穀物を食べました。

45 それもこれも、神様のおきてを忠実に守るためでした。ハレルヤ。

106

1 ハレルヤ。神様の恵み深さを感謝します。その愛は、いつまでも脈打っています。

2 栄光に輝く神様の奇蹟を、一つ残らず書き留めることのできる人がいるでしょうか。だれが、神様を十分に賛美し尽くせましょう。

3 公平と正義と思いやりとを身につけている人々には、幸福が訪れます。

4 ああ神様。あなたの国民に祝福と救いを注がれる時、私にも目を留めてください。

5 この身をも、選ばれた国民の繁栄にあずからせ、彼らと同じ喜びにひたり、ご栄光を共有できるようにしてください。

6 私たちも先祖同様、はなはだしい悪の道にそれました。

7 先祖はエジプトで、あれほどの、目をみはるばかりの奇蹟を目撃しながら、感動することもなく、たちまち数々の恵みを忘れてしまったのです。それどころか、紅海のほとりで、神様に逆らったりもしたのです。

8 しかし、そんな人々をも、神様はお救いになりました。それは、ご自身の名誉を守り、お力を全世界に知らせるためでした。

9 紅海に命じられると、海は二つに裂け、まるで砂漠のように乾ききった、一本の道ができたのです。

10 こうして、神様は人々を敵の手から救い出し、

11 続いて、水を元に戻して、敵を一人残らずおぼれさせてくださいました。

12 ここまで来て、ようやく彼らは神様を信じ、堅く閉じていた口を開いて、賛美の歌をうたいました。

13 しかし、あっという間に、元のもくあみです。彼らは神様を無視して行動し、

14 もっとおいしいものを食べたいと注文をつけました。こうして、神様の忍耐はぎりぎりのところまで試されたのです。

15 神様は欲しがるものをお与えになりましたが、彼らの心を空虚になさいました。

16 人々は、モーセと、神様に祭司として任命されたアロンとをねたんだのです。

17 そのため、大地は口をあけてダタンとアビラム、その友人たちをのみ込みました。

18 しかも、天から降って来た火は、悪者どもを焼き尽くしたのです。

19 それは、彼らが栄光に輝く神様より、草を食べる牛の像を選んだことへの罰でした。

20 -

21 彼らは、エジプトと紅海のほとりで大きな奇蹟をなさった神様の顔に、どろを塗るようなまねをしたのです。

22 -

23 あわや神様は、人々を皆殺しにしようとなさるところでしたが、選ばれた人モーセが間に入ってとりなしました。どうか、お怒りを静め、人々を滅ぼすのを思いとどまってください、と嘆願したのです。

24 彼らは、神様がきっと祝福してくださるという約束を信じられず、約束の地に入ることを拒絶したのです。

25 人々はおのおのの天幕で口をとがらせ、嘆き悲しみ、神様の命令なんかくそ食らえ、とどなりました。

26 そこで神様は、彼らを荒野で殺し、

27 その子孫を遠い国へ追いやることになさったのです。

28 そのあと、私たちの先祖は、ペオルでのバアル礼拝に加わったり、死人にいけにえをささげたりするところまで堕落しました。

29 こうして、神様の怒りは極限に達し、恐ろしい伝染病が起こったのです。

30 ピネハスが、災いを引き起こした張本人たちを処刑してはじめて、病気はおさまりました。

31 このピネハスの適切な処置は歴史に残ることでしょう。

32 イスラエル国民はメリバでも神様を怒らせ、モーセを窮地に追い込みました。

33 そのためかっとしたモーセは、思わず軽率なことを口にしてしまったのです。

34 さて、イスラエル国民は、神様の命令に逆らい、カナンに住む外国人を滅ぼさなかったばかりか、

35 いっしょになって悪の道に励みました。

36 土着民の偶像にいけにえをささげ、神様には目もくれませんでした。

37 果ては、わが子を、カナンの偶像の悪霊にささげたりするしまつで、罪のない者の血を流し、国土を汚したのです。

38 -

39 偶像を愛することは、神様の目から見れば姦淫罪であり、自分自身を汚すことにもなりました。

40 今や、神様の怒りは燃え上がりました。彼らの存在は神様に嫌悪感をもよおさせ、

41 こんなことから、イスラエルは外国人に踏みにじられるようになったのです。敵に支配され、その虐待に甘んじる時期が続きました。

42 -

43 そんな奴隷状態から、神様は何度お救いくださったことでしょう。しかし人々は、反抗的な態度をくずそうとせず、とうとう自滅していったのです。

44 それでもなお、神様はその叫びを聞き、その苦境を思いやってくださいました。

45 愛の神様は、以前の約束を思い出してあわれみ、

46 敵さえ、捕虜となったイスラエル人をあわれむように配慮してくださいました。

47 ああ神様、お救いください。各地に散らされた人々を再び集めてください。私たちは、躍り上がって喜び、感謝と賛美をささげさせていただきたいのです。

48 イスラエルの神様は、永遠から永遠まで賛美を受けるにふさわしいお方です。人々が口々に、「アーメン」と申しますように。ハレルヤ。

107

1 神様に感謝しなさい。神様は恵み深く、愛と思いやりにあふれたお方ですから。

2 神様のおかげで自由の身となれた人は、大声でそう人に伝えなさい。神様に、敵の手から救い出してもらったことを、ほかの人に知らせなさい。

3 主は、最果ての地で囚われの身となった人々を連れ戻されました。

4 住む家もない人々は、砂漠をあてどなくさまよい、

5 空腹をかかえ、のどはからから、体力も衰え果てました。

6 しかし、「神様、助けてください」と彼らが叫ぶと、その切なる願いは聞かれました。

7 神様はすぐさま、安全で住むのに適した土地へと移してくださったのです。

8 神様がどれほどおやさしい心づかいを示し、どれほどすばらしいことをしてくださったか分かっているなら、賛美がおのずからあふれてくるでしょう。

9 神様は渇いたたましいを潤し、飢えたたましいを良いもので満たされるからです。

10 みじめな奴隷になり下がり、陰湿な暗やみに座り込んでいる人はだれですか。

11 主に逆らい、神々にまさる神をさげすんだ人々です。

12 それゆえ、彼らは神様から重労働を強いられ、倒れても、だれにも起こしてもらえないのです。

13 八方ふさがりの中で、彼らが神様に助けを求めた時、その願いは聞かれました。

14 陰惨な暗やみから引き上げられ、奴隷の鎖を断ち切っていただきました。

15 これほどすばらしい思いやりと恵みをかけていただいたのですから、神様への賛美を忘れないでほしいものです。

16 牢獄の青銅のとびらを押し倒し、鉄格子を切断してくださったのは、ほかならぬ神様なのですから。

17 またほかの所には、自業自得で病気にかかった愚かな人もいました。

18 食欲もなく、死の一歩手前にいた人たちですが、

19 その苦境の中から神様を呼んだところ、力を与えられ救い出されたのです。

20 神様のひと声で病気はたちどころに治り、死の口から引き上げられました。

21 これほどすばらしい恵みをいただいたのですから、いつまでも神様を賛美して過ごしなさい。

22 感謝のことばが何よりの供え物です。神様がしてくださったすばらしいことを歌にして、語り継ぎなさい。

23 またほかには、七つの海をまたにかけて商売をする船乗りたちがいました。

24 この人たちもまた、神様の力を目のあたりに見るのです。

25 神様がお命じになると、波は山のように高くうねり、

26 船を天まで持ち上げるのです。そして、次の瞬間、奈落の底にでも沈み込んだかのように、船乗りたちを恐怖のどん底に突き落とすのです。

27 彼らは酔っぱらいのようによろめいて、途方にくれます。

28 こうして、あえぎながら神様を呼び求める時、彼らは救われるのです。

29 神様は嵐を静め、波をおだやかにされます。

30 海が凪ぐと、目ざす港に無事に導かれるのです。なんという祝福でしょう。

31 このすばらしい恵みを決して忘れることなく、いつまでも彼らが神様をほめたたえますように。

32 どうか、公衆の面前でも神様をほめたたえ、お偉い方々の前でも、ものおじしませんように。

33 神様は川の水を干上がらせ、

34 悪者どもの手に入れた折り紙つきの一等地を、塩分の多い荒れ地に変えられます。

35 また砂漠を、肥沃で水はけのいい平野に変えられます。

36 そこに飢えた人々を住まわせると、彼らは町をつくり、

37 畑に種をまき、ぶどう畑には苗木を植え、やがて豊作を祝うようになります。

38 神様の祝福を受けて、大家族をかかえるようになり、家畜も大いに増えます。

39 しかし、虐待され、苦しみや悲しみをなめていくうちに、貧しくなる人々もいます。

40 神様は、おごり高ぶった人々をさげすみ、権力者に廃墟をさまよわせます。

41 しかし、神様を信じて従う貧しい人には、救いを与え、子宝を恵み、繁栄をもたらされます。

42 正しい人々はそれを見てかっさいを送り、悪者どもは貝のように堅く口を閉ざさざるをえません。

43 あなたに知恵があるというなら、私の言っていることをよく聞いて、神様の恵みを深く思いめぐらすがよい。

108

1 ああ神様。賛美が私の口からあふれてきます。大喜びであなたへの歌をささげましょう。

2 十弦の琴と竪琴よ、目覚めなさい。共々に歌って、夜明けを迎えようではないか。

3 私は世界のどこでも、神様をたたえます。

4 神様の恵みは測り知れず、その真実は天にまで達します。

5 ご栄光は、大空を突き抜くようにそびえています。

6 目をかけていただいている私の叫びが、お耳に達したなら、どうか救いにおいでください。

7 神様から聖なる約束を交わしていただいた私が、有頂天になるのも当然です。神様は、シェケムの全土とスコテの谷を下さると約束なさいました。

8 「ギルアデとマナセは、おまえたちに与えるつもりの、わたしの領地だ。エフライムは、わたしのかぶと、ユダはわたしの笏。

9 しかし、モアブとエドムには、つばを吐きかけよう。わたしはペリシテ人に向かって、勝ちどきをあげよう。」

10 神様でなくてだれが、こんな要塞で固められた町々を征服する力を、私に授けてくれるでしょう。また、エドムまで導いてくれるでしょう。

11 神様、まさか、私たちを見捨て、その軍勢を置き去りになどなさらないでしょうね。

12 どうか、敵に立ち向かう力を与えてください。同盟軍の助太刀などあてにできません。

13 神様のお助けさえあれば、何ものをも恐れない勇者さながら、ぞんぶんに戦えます。神様が敵を踏みにじってくださるからです。

109

1 ああ、すばらしい神様、そんなに遠くで黙っていないでください。

2 悪者どもは私を中傷し、うそ八百を並べ立てています。

3 これという理由もないのに私を憎み、突っかかって来るのです。

4 私は彼らを愛し、祈ってやっているのに、私のいのちをつけねらうのです。

5 善の代わりに悪を、愛の代わりに憎しみを、返してよこします。

6 私がどんな気持ちでいるか、敵に知らせてやってください。ありもしない噂を立てて、彼を不公平な裁判官のいる法廷に引き出してください。

7 そして、有罪宣告が下されますように。彼の祈りさえも、罪とみなしてくださればいいのです。

8 彼の寿命は縮まり、その仕事はほかの者が取って代わりますように。

9 その子供は父なし子に、妻は未亡人になり、荒れ果てた家から立ち退きを命じられますように。

10 -

11 債権者に全財産を没収され、見も知らぬ者に、たくわえをみな巻き上げられますように。

12 だれひとり同情せず、遺児にもあわれみをかけてやりませんように。一家の者が死に絶え、その家系が一代でとだえればいいのです。

13 -

14 両親の罪まで見のがさず、徹底して罰してください。

15 彼のした悪事をかた時も忘れず、その名を人々の記憶から消し去ってください。

16 彼は人を思いやる気持ちなどみじんも持たず、困っている人を虐待し、傷心の者を死に追いやったからです。

17 人をのろうのを趣味にしていた彼を、今度は、神様がのろう番です。一度も人を祝福したことがない彼から、今度は祝福を奪い返してください。

18 彼にとってのろうことは、水を飲んだり、好きな物を口にしたりするのと同様に、体にしみついてしまっているのです。

19 今度は、そののろいが舞い戻って来て、彼にからみつきますように。

20 それこそ、私のことで嘘の証言をし、殺してやるぞと脅した敵への、神様からの刑罰なのです。

21 しかし神様、私はあなたの子にしてください。どうか、やさしいおこころをかけてください。ああ、限りなく恵み深いお方よ、どうか救い出してください。

22 私は、まっさかさまに谷へ落ちて行くような心境です。人の腕から払いのけられるいなごのようです。

23 -

24 断食のため、ひざはがくがくし始め、体は骨と皮になりました。

25 まるで失敗の見本でも見るように、人々は私をあざけります。

26 愛と真実に満ちた神様、どうかお救いください。

27 人々の目の前で私に救いの手を差し伸べてくださるなら、きっとだれもが、あなたこそ力ある神様であることを知るでしょう。

28 そうすれば、彼らにいくらのろわれても平気です。神様の祝福さえあれば、何も気になりません。私を亡き者にしようとする彼らの努力は水泡に帰し、私は胸を張って出歩けるようになるのです。

29 することなすこと彼らは失敗し、恥じ入りますように。

30 しかし、私は絶えず神様に感謝をささげ、あらゆる人々の前で賛美します。

31 神様は、飢えている貧しい者の味方となって、敵の手から救ってくださるからです。

110

1 神様は、私の救い主にお告げになりました。「わたしの代理として、右の座について治めてくれ。わたしは敵を征服し、おまえの前で土下座させよう。」

2 神様は、あなたが敵を支配するために、エルサレムに強固な王座をおすえになりました。

3 あなたのご威光が輝き渡ると、国民はきよい祭服をまとって、いそいそとやってまいりましょう。あなたは、朝露のように、日々新しい力を帯びられます。

4 神様は、あなたが永遠にメルキゼデクのような祭司であるという契約は、決して無効にはならない、と誓われました。

5 神様はあなたのそばにいて、守られます。ひとたびあなたの怒りを買った国々の王は、必ず倒されます。

6 あなたは国々を罰し、指導者を全滅させては、死体で足の踏み場もないほどにされます。

7 しかし、あなたは道のほとりの泉から水を飲み、気勢をあげられるのです。

111

1 ハレルヤ。私がどれほど神様に感謝しているか、人々に知ってほしいものです。感謝を忘れない人たちよ、さあいっしょに、神様のなさった数々の奇蹟を振り返ってみましょう。

2 -

3 この奇蹟こそ、神様の栄誉と威厳、それに永遠の恵みを物語るものです。

4 だれが、神様のあわれみと恵みを簡単に忘れるでしょう。

5 神様はご自分に信頼を寄せる人に食いぶちを与え、決して約束を破棄なさいません。

6 神様はご自分の国民を大きな力でバックアップし、多くの民族が根づいていた、今のイスラエルの地をお与えになりました。

7 神様のなさることはみな正しく、そのおきてはどれ一つ取っても誤りがありません。

8 それは真理と恵みで成り立っていて、永遠にすたれません。

9 神様から身の代金の全額を払っていただいた国民は、恐れ多くも、今や自由に神様の前に出入りできるのです。

10 人はどうしたら知恵をみがけましょうか。それには、神様を信じて従うことです。そのおきてを守ってこそ、賢くなれるのです。神様を永遠にほめたたえましょう。

112

1 神様をほめたたえましょう。神様を信じて従う人は、口で言い表わせないほどの祝福を受けます。心から、神様のおっしゃるとおりにする人はしあわせです。

2 正しい人は息子にまで祝福が受け継がれます。その子らは至る所で尊敬を集めます。

3 正しい人は資産にも恵まれ、善行をたたえられるでしょう。

4 たとい、暗やみの力に巻き込まれたとしても、すぐに光にこうこうと照らされるでしょう。彼はあわれみ深く、親切です。

5 公平な取り引きをするので、万事がうまく運びます。

6 このような人は、事態が思わしくなくなったからといって、動じたりしません。周囲の人々は、神様が彼をいつも引き立てておられる様子を見て、深い感銘を受けるのです。

7 彼は悪い知らせを受けても恐れず、今度は何が起こるかと、びくつきもしません。神様から見放されるわけがないと、信じきっているからです。

8 ですから、何事も恐れないで、冷静に敵の顔を見つめることができるのです。

9 彼は物惜しみしたりせず、貧しい人に気前よく与えます。その善行は、いつまでも忘れられず、人々の尊敬を集めます。

10 これを見たひねくれ者は、怒りに震えますが、歯ぎしりしながら、逃げるしかありません。望みが消え去ったからです。

113

1 ハレルヤ。神様に仕える人々は、そのお名前をほめたたえなさい。

2 永遠から永遠まで、神様のお名前がたたえられますように。

3 夜明けから日没まで賛美し続けなさい。

4 神様は国々を高い所から見下ろし、ご栄光は世界中にみなぎっているのです。

5 これほど高い御座についておられる神様を、ほかのだれと比べることができましょう。

6 はるか下の天と地を、身をかがめて眺めては、

7 弱い者や、飢えた者を拾い上げ、

8 人々の指導者とされるのです。

9 不妊の女は子宝に恵まれて、しあわせな母親となるのです。ハレルヤ。神様をほめたたえなさい。

114

1 昔、イスラエル国民は、ことばも通じない外国、つまりエジプトから逃げ出して来ました。

2 その時、ユダとイスラエルの地は、神様の新しい住まいとなり、王国となったのです。

3 紅海は、神様の国民の近づく足音に、あわてて二つに分かれ、ヨルダン川は、歩いて渡れる道をつくりました。

4 山は雄羊のように跳びはね、丘は子羊のように躍りました。

5 なぜ、紅海は二つに分かれたのですか。どうして、ヨルダン川の水が逆流したのですか。

6 なぜ、山は雄羊のように跳びはね、丘は子羊のように躍ったのですか。

7 大地よ、神様の前におののきなさい。

8 神様は、堅い岩から、噴水のように水を出されたからです。

115

1 ああ神様。私たちではなく、あなたがあがめられますように。すべての人が、神様の恵みと真実をたたえますように。

2 諸国民に、「あいつらの神は死んだんじゃないのか」などと言わせておいて、よいものでしょうか。

3 天におられる私たちの神様は、意のままに事を運ばれます。

4 ところが彼らの神々ときたら、銀や金でこしらえた手製のものなのです。

5 目や口があっても、見ることも話すこともできません。

6 聞くことや、嗅ぐことはおろか、

7 手足を動かすことも、声をたてることもできないのです。

8 そんなものを作ったり、拝んだりする連中のおめでたさかげんも、偶像と似たりよったりです。

9 イスラエルよ、神様にすがりなさい。神様はあなたがたを助け、盾となって守ってくださいます。

10 アロンの家の祭司よ、神様に信頼しなさい。神様はあなたがたを助け、盾となって守ってくださいます。

11 神様の国民となった人々も、神様に信頼しなさい。神様はあなたがたを助け、また盾となって守られます。

12 神様はいつも私たちを心にかけて、祝福してくださいます。イスラエル国民とアロンの家の祭司、

13 それに、神様を信じてお従いする人は、だれでも祝福されるのです。

14 神様が、あなたがたとその子孫を十分に祝福してくださいますように。

15 天と地をお造りになった神様は、進んであなたがたを祝福されるに違いありません。

16 天は神様のものですが、地は人間にゆだねられています。

17 死んでしまえば、神様を賛美することもできません。

18 しかし、私たちには、それができます。神様をいつまでもほめたたえましょう。ハレルヤ。

116

1 私は神様を愛しています。なぜなら、祈りを聞いてくださるからです。

2 身を乗り出して聞いてくださる神様に、私は生きている限り祈り続けます。

3 死に見入られた私は、恐怖にかられ、悲しみのどん底に突き落とされました。

4 思わず、「神様、どうかお救いください」と叫んだのですが、

5 神様は実にあわれみ深く、恵みを注いでくださいました。

6 子供のように素直な心根の者を、お見捨てにはならないのです。私も、死の一歩手前で救われました。

7 おかげで今、ゆったりくつろいでいます。神様がすばらしい奇蹟を行なってくださったからです。

8 死の手から私を救い出して、つまずいたり、泣いたりしなくてもいいようにしてくださいました。

9 私は生きることができるのです。神様の前で、しかもこの地上で、大手を振って生きるのです。

10 失意に沈んでいたころの私は、「もうだめだ。死ぬに決まっている。回りの人間は気休めを言ってくれているのだ」と思い悩んでいました。

11 -

12 しかし今では、これほどよくしてくださった神様に、どうお報いすればよいのか、迷ってしまいます。

13 感謝のしるしに、ぶどう酒を供え、神様のお名前をほめたたえましょう。

14 また、かねてからの約束どおり、人々の目の前でいけにえをささげます。

15 神様に愛されている、かけがえのない人々が、そう簡単にいのちを落とすなど、許されるものですか。

16 ああ神様。自由の身としていただいた私は、いつまでもあなたにお仕えいたします。

17 あなたを拝み、感謝のしるしのいけにえをささげます。

18 ここエルサレムの神殿の庭で、しかも公衆の面前で、誓いどおりのことをみないたします。神様をほめたたえましょう。

19 -

117

1 世界の諸国よ。神様をほめたたえなさい。地に住む人はみな、賛美しなさい。

2 私たちを、目に入れても痛くないほどに思ってくださる神様に、心変わりはありえません。神様をほめたたえなさい。

118

1 さあ、神様に感謝しましょう。神様はあわれみ深く、その恵みはいつまでも尽きません。

2 イスラエルの人々よ、口々に、「神様の恵みは尽きることがありません」とほめたたえなさい。

3 アロンの家の祭司よ、「神様の恵みはいつまでも尽きません」と歌いなさい。

4 神様を信じるようになった外国人も、「神様の恵みはいつまでも尽きません」と歌いなさい。

5 苦しみの中から祈り求めると、神様は答えて、救い出してくださいました。

6 神様は私の味方です。ですから、こわいものなどないのです。ただの人間に何の手出しができましょう。

7 神様がそばにいて助けてくださるから、私を憎む者どもよ、用心するがいい。

8 人をあてにするより、神様を信頼したほうがよいのです。

9 力ある王にかくまわれるより、神様の保護を受けるほうがよいのです。

10 たとい、世界中の国が攻めて来ても、私は神様のあとについて進軍し、敵を全滅させてやります。

11 敵に包囲され、攻撃をしかけられても、私は高々と翻る神様の旗のもとで、勇気百倍し、相手方を皆殺しにしてやります。

12 蜂のように群がって来る敵は、ごうごうと燃え上がる炎さながら襲いかかります。しかし、私は神様の旗のもとで彼らを滅ぼします。

13 私を亡き者にしようと図る彼らは、あらゆる手を打ってきましたが、神様はいつも助けてくださいました。

14 激戦のさなかに、神様は私の力となり、歌となってくださいます。こうして、私は勝利を手にしました。

15 私たちの勝利の知らせを聞いて、神様を信じお従いする人々の家には、喜びの歌がわき起こります。神様はめざましい働きをしてくださいました。

16 -

17 死なずにすんだ私は、生き長らえて、神様のなさったことを人々に語り伝えましょう。

18 神様は私を懲らしめられたものの、死には渡されませんでした。

19 神殿の門よ、開きなさい。私は中に入って、神様に感謝します。

20 神様を信じお従いする人が、この門から入って神様の前に出るのです。

21 ああ神様。祈りに答えて私を救ってくださったことを、心の底から感謝します。

22 大工の捨てた石が、今では一番たいせつな土台石になっています。

23 これこそ神様のなさることで、人の思いをはるかに越えています。

24 きょうこそ、主がお造りになった日です。さあ、この日をぞんぶんに楽しみましょう。

25 ああ神様、どうかお助けください。お救いください。することをすべて成功させてください。

26 神様の代理として間もなくおいでになる方に、祝福がありますように。私たちは神殿であなたがたを祝福します。

27 神様は私たちの光です。私はいけにえを祭壇にささげます。私は神様に感謝し、賛美の声をあげます。

28 -

29 感謝の祈りをささげましょう。神様はあわれみ深く、その恵みはいつまでも尽きないのです。

119

1 神様のおきてを完全に守る人は幸いです。

2 神様を探し求め、常にそのご意志に従う人は幸いです。

3 そのような人は、まちがっても悪と妥協などせず、神様の道をひたすら歩みます。

4 神様は、守るべきおきてを与えてくださいました。

5 おきてから少しでもそれないでいたいと、どれほど私は願っていることでしょう。

6 それさえできれば、いつも良心はすみきっていて、恥をかくこともないでしょう。

7 神様に懲らしめられれば、私は神様に喜ばれる生活をして、感謝の気持ちを表わすでしょう。

8 これからは神様にお従いしますから、どうか、見捨てないでください。私があとずさりして、二度と罪の中に落ち込まないように導いてください。

9 どうしたら、若い人は身も心もきよく保つことができるでしょうか。神様のおことばを読み、その規範に従うほかはありません。

10 私は、神様を見いだそうと、あらゆる努力をはらいました。どうか、お教えからはみ出さないよう守ってください。

11 私はおことばを深く味わい、心にたくわえました。それによって罪から引き離されるためです。

12 神様、あなたの規範をお教えください。

13 私はあなたのおきてを暗唱し、

14 宝よりもたいせつにしました。

15 それをかみしめて味わい、心からの敬意をはらうのです。

16 それは私の喜びであり、常に忘れることのないものです。

17 私を長く生かして、いつまでもお従いできるようにしてください。

18 私の目を開いて、おことばの中に隠されている、すばらしい祝福を見させてください。

19 私はこの地上では旅人です。神様のご命令が私の地図であり、ガイドブックなのです。

20 神様のお教えを、どれほど切望していることか。

21 神様は、言いつけを守らない、思い上がった連中をしかりつけられます。

22 彼らが、神様にお従いする私をばかにしたりしませんように。

23 たとい、町の名士からそろって非難されても、この私は、神様のお決めになった道から一歩もそれません。

24 神様のおきては私の光であり、相談相手です。

25 私は失望のあまり、ちりの中にはいつくばっています。おことばによって、生き返らせてください。

26 私の考えを申し上げると、神様は答えてくださいました。どうか、指示をお与えください。

27 何をお望みなのか、私にわからせてください。そうすれば、私は神様の奇蹟を見ることができます。

28 私は悲しみのあまりすすり泣き、すっかり滅入ってしまいました。どうか、勇気づけ、奮い立たせるようなおことばをかけてください。

29 どうか、いっさいの過ちから守り、こんな私ですが、神様のおきてが守れるように助けてください。私はすでに、正しい道を進もうと決心したからです。

30 -

31 私は神様の戒めにしがみつき、できるだけ忠実に守ります。神様、どうか、落度なく過ごさせてください。

32 神様のおこころに従うことが楽しくなるように助けていただけるなら、もっとおきてに情熱を傾けることができるでしょう。

33 神様、実際にどうしたらいいかを教えてください。そのとおりにしたいと思います。いのちある限り、心を尽くしてお従いします。

34 -

35 私に正しい道を歩ませてください。それがどれほど喜ばしいことか、よく存じていますから。

36 金もうけより、従順の道を選び取らせてください。

37 神様のご計画以外のものに目移りさせないでください。私の心を奮い立たせ、ひたすら神様を慕わせてください。

38 お約束を再確認させてください。神様への信頼と敬愛の念を失っていないからです。

39 まだ私には、神様にお従いしているために人からばかにされることを、かなり恐れているきらいがあります。神様のおきてはみな正しく、良いものばかりだというのに。

40 神様のおきてを守りたいと、ひたすら願っている私の健康を、すっかり回復させてください。救いの手を差し伸べてくださるというのが、前々からのお約束でしたから。どうか、その恵みと愛でお救いください。そうすれば、お約束を私が信じているからと言ってののしる連中に、言い返すことばも出てくるというものです。

41 -

42 -

43 どんなことがあっても、神様のおことばを忘れさせないでください。それこそ、ただ一つの望みですから。

44 私は、いついつまでも心から神様にお従いします。おきての範囲内でこそ、自由があるからです。また、神様のおきてを国王に告げれば、彼らは関心をいだき、襟を正して、聞き入ることでしょう。

45 -

46 -

47 どれほど神様のおきてを愛し、ご命令に従うことに、生きがいを見いだしていることでしょう。

48 「さあ、早く、早く来てください」と、私はおきてを手招きします。それを愛し、身も心もささげたいと願っているからです。

49 神様にお仕えしている私への約束を、お忘れにならないでください。それこそ頼みの綱なのですから。おかげで、困難な時にも、どれほど力づけられたかしれません。全く息を吹き返す思いでした。

50 -

51 おごり高ぶる者どもは、神様にお従いする私をばかにしますが、私は動揺しません。

52 幼いころからずっと、私は神様にお従いしようと心がけてきました。神様のおことばによって、いつも慰められてきました。

53 神様のご命令を無視する者たちには、腹が立ってなりません。

54 神様のおきては、この地上での巡礼の道中にある私にとって、喜びと歌の原動力なのですから。

55 ああ神様。私は夜でもおきてを守り、あなたに思いをはせます。

56 常に神様にお従いすることが、どれほど祝福であったことでしょう。

57 神様は私のたいせつなお方ですから、喜んでお従いします。

58 私はひたすら祝福を求めています。どうか、お約束どおりあわれんでください。

59 私は、知らぬ間にまちがった方向に進んでいる自分に気づき、あわてて引き返し、神様のもとに駆け込みました。

60 -

61 悪者どもは、私の首に綱を巻き、罪に引きずり込もうとしました。しかし、私は神様のおきてにつなぎ留められています。

62 真夜中に私は起きて、こんなにすばらしいおきてを授けてくださったお方に感謝します。

63 神様を信じてお従いする人は、だれでも私の兄弟です。

64 ああ神様。大地はお恵みであふれています。正しい道をお教えください。

65 神様。お約束のとおり、私は十分に祝福をいただいております。

66 どうか、知識ばかりか、正しい判断力をも与えてください。神様のおきては、案内の杖なのです。

67 神様に懲らしめられる前は、私はよく迷い出ました。これからは、おことばにはすべて従います。

68 神様は情け深く、いつも恵みを注いでくださいます。どうか、従順にならせてください。

69 思い上がった連中は、私について根も葉もないことを言いふらします。しかし、私はただひたすら神様のおきてを守ります。

70 やつらの良心は麻痺しているのです。私は冷静に、神様にお従いしています。

71 結局、神様から懲らしめられたことは、この上ない幸いだったのです。おかげで、はっきり目をおきてに向けることができました。このおきてこそ、山と積まれた金や銀より価値あるものと思えます。

72 -

73 神様。あなたは私の体をお造りになったお方です。ですから、今度はおきて第一に歩むための知恵をお授けください。

74 神様を信じて従っている人々は、仲間が一人ふえたと心から迎え入れてくれるでしょう。

75 ああ神様。あなたは正しい決定と罰を下されるお方であることを知っています。どうか、お約束どおり、やさしく慰めてください。あたたかい思いやりで包んで、生かしてください。神様のおきてこそ、私の無上の喜びなのですから。

76 -

77 -

78 思い上がっている連中の鼻っ柱を、へし折ってやってください。全くのうそ八百を並べ立てて人を傷つける者たちなのです。しかし、私の関心はもっぱら神様のおきてにあります。

79 神様に信頼し、お従いしている人々を、もっと仲間に加えてください。皆で神様のお教えについて語り明かします。

80 神様のお気持ちに添いたいと熱烈に思わせてください。そうすれば、わが身をふがいなく思うこともなくなりましょう。

81 神様からの救いを待ちくたびれました。それでもなお、助けてくださるというお約束を期待しています。

82 約束どおりになる瞬間を見のがすまいと、目も緊張し続けて、すっかり充血してしまいました。いったいいつ、私を助け、慰めてくださるのですか。

83 私は待つのに疲れ果て、ミイラのようになりました。しかし、なおおきてを恋い慕っています。

84 いつになったら、迫害して来るやつらに報復してくださるのですか。

85 神様の真実とおきてを目の敵にする、この思い上がった連中は、私を蹴落とそうと深い穴を掘ったのです。彼らの偽りのおかげで、ひどい目に会わされました。神様は真実を愛されるお方なのですから、どうか助けの手を伸べてください。

86 -

87 あわや命を落としそうになったほどです。しかし、私は彼らの言いなりにはなりませんでしたし、おきてを捨てたりもしませんでした。

88 お願いですから、この命をお救いください。そうすれば、こののちずっと、神様にお従いすることができるのです。

89 ああ神様。あなたのおことばは、天にある、びくともしない岩のようです。

90 あなたの真実は、あなたの手でできた大地のように、いつまでも存続します。万物はご計画の完成を目ざして、ご命令どおりに動くのです。

91 -

92 神様のおきてが、心の底からわき上がる喜びになっていなかったら、私は失望の果てに、自滅したことでしょう。

93 どんなことがあろうと、おきてだけは手放せません。その教えによって、喜びと健康を回復していただいたからです。

94 神様のものとなった私を、どうか救ってください。私は、神様のお望みどおりの生活をしようと心がけてまいりました。

95 悪者どもは命をねらって待ち伏せしますが、私は落ち着いて、神様のお約束だけを思いめぐらしています。

96 神様のおことば以外に、完全なものは何もありません。

97 どれほど、そのおことばを愛していることか!一日中、そのことばかり思いめぐらしているのです。

98 それは、かた時も離れず道案内を務めてくれ、敵よりもまさる知恵を授けてくれます。

99 それどころか、私は、教師と呼ばれる人たちよりも賢くなります。というのも、一日中、神様のおきてを思って暮らしているからです。

100 またさらに、私は、長年の経験を積んだ人々より賢い知恵をいただくのです。

101 神様のおことばに従順でありたかった私は、断固として悪の道に足を踏み入れませんでした。

102 神様のおことばは蜜より甘いので、私はそのお教えに聞き入ってきました。

103 -

104 おきてから受ける真の知恵と理解力のおかげで、私はまちがったすべての教えを退けることができました。

105 神様のおことばは、つまずかないように道を照らしてくれる懐中電燈です。

106 私は神様のすばらしいおきてに従います。何度でもそう宣言します。

107 私は敵の手に落ちて、死と背中合わせになっています。どうか、お約束どおり私を生き返らせてください。

108 この心からの感謝を受け入れ、神様が何を望んでおられるかを悟らせてください。

109 かろうじて生きているような私ですが、そう簡単に、おきてを手放したりするものですか。

110 悪者どもは、私の通り道に罠をしかけましたが、だからといって、わき道にそれようとは思いません。

111 神様のおきては、いつまでも私の宝です。

112 死ぬまで神様に従う決心を固めております。

113 神様に従おうかどうしようかと迷う優柔不断な人々を、私は軽べつします。私は、おきてを愛するという立場を貫きます。

114 神様は私の隠れ家、また盾です。神様のお約束だけが、私の望みです。

115 悪事をたくらむ者よ、とっとと消え失せろ。私が神様の言いつけを守るのを邪魔するな。

116 神様。私を生かすと言われたお約束が空手形になったなんて、人々に言わせてなるものですか。

117 私を敵の手の届かない高い所で、しっかり支えてください。そうすれば、こののちおきてを守ることができます。

118 神様のおきてを捨てる人はみな、神様に捨てられました。彼らは結局、自分をあざむいたことになるのです。

119 悪者どもは、神様に捨てられる金かすにすぎません。私が喜んでおきてに従うのも、当然です。

120 私は神様の罰を恐れるあまり、胴震いしています。

121 どうか、私を敵のなぶりものにしないでください。私は正しいことをしてきましたし、だれの目にも公平な立場をとってきたからです。

122 思いきり私を祝福してください。思い上がった連中の攻撃から、身を守ってください。

123 いつ神様がお約束を果たして、救い出してくださるのかと、食い入るように見つめてきた私の目は、すっかりかすんでしまいました。

124 主よ、やさしく私を取り扱い、このしもべに従順を学ばせてください。

125 どうか、あなたにお仕えする身である私に、すべての点であなたの規範に照らして考える知恵を、お授けください。

126 神様、どうか、お出ましください。悪者どもが、おきてを破りましたから。

127 一方、私はと言えば、神様の戒めを純金より慕っています。

128 神様のおきては、どれを取っても正しいのです。この道以外に慕うべき道はありません。

129 神様のおきてはすばらしく、私は何のためらいもなくそれを守ります。

130 神様のご計画が明らかにされると、それは頭の鈍い者にさえ理解できるのです。

131 当然、私は、神様がどんな言いつけを下さるか、とても期待して待っているのです。

132 神様を愛する者にいつもかけてくださるあわれみを、そばに来て、私にもかけてください。

133 悪に打ち負かされることのないように、どうか、そのおことばで導いてください。

134 悪者どもの虐待から、救い出してください。そうすれば、大手を振ってお従いすることができます。

135 愛情のこもったまなざしを注ぎ、すべてのおきてを教えてください。

136 おきてが平気で破られる現状に、私の目は涙でくもります。

137 ああ神様。公明正大なあなたは、人を正しくさばいて罰を下されます。

138 神様のご要求はみな正しく、理にかなっているのです。

139 敵がおきてを鼻であしらう様子には我慢なりません。

140 あらゆる角度から、神様のお約束を検討してみた上で、私はそれに惚れ込んでいるのです。

141 取るに足りない存在で、人からばかにされている私ですが、おきてだけは大事に守っているのです。

142 そのおきては完全無欠なので、神様の正義は永遠に朽ちないのです。

143 神様の戒めは、苦しみ悩んでいる私を慰めてくれます。

144 公平そのもののおきてを、真に理解させてください。そうすれば、胸を張って歩けます。

145 ああ神様、ひたすら祈り続ける私にお答えください。私もおきてに従います。

146 「どうか、お救いください。あなたにお従いしていますから」と、私は叫びます。

147 朝早く、日がのぼる前に私は祈り、どんなにあなたを信頼しているかを示してきました。

148 私は夜通し起きていて、お約束をかみしめます。

149 愛と思いやりに満ちた神様、私の声を聞き、元の健康な体に戻してください。

150 攻撃をしかける無法者が迫って来ました。

151 しかし、神様がそばにいてくださいます。神様の戒めはみな、真理なのです。

152 神様は決してお変わりにならないということを、私は小さいころから知っています。

153 悲しみの涙にくれる私を救い出してください。私は、お言いつけを忠実に守っているからです。

154 私を救い出して、かねてからのお約束どおり、再び胸を張って歩けるようにしてください。

155 神様のおきてなどどこ吹く風といった悪者どもは、だんだん救いから遠ざかっていくのです。

156 神様、限りないあわれみを注いで、どうか、再び私を生かしてください。

157 おびただしい数の敵が、なんとかして私を神様から離そうとやっきになっています。しかし、私は神様のおこころから、一歩たりとも迷い出たりしませんでした。

158 神様のおきてなどに見向きもしない、こんな裏切り者を見ていると、全く胸くそが悪くなります。

159 神様、私があなたの戒めをどんなに愛しているか、わかってください。どうか、あふれる恵みで、私の健康を回復させてください。

160 神様のおきては真理そのものであり、戒めは永遠にすたれません。

161 この世の権力者は、いわれもない迫害を加えますが、私の恐れるものはただ一つ、神様のおことばだけです。

162 私は、金鉱を見つけた人のように、おきてを喜んでいます。

163 どんな嘘でも徹底して憎む私ですが、おきては心から愛します。

164 このすばらしいおきてを思いめぐらし、一日に七回、神様をたたえます。

165 このおきてを愛する人は、平安な心を与えられ、過ちを犯すこともありません。

166 主よ。救いを待ち望んでいる私は、あなたのおきてを守ってきました。

167 あなたの戒めを何よりも愛し、慕い求めてきました。

168 実際、目の色を変えるほどにそれを追い求めたことを、神様はご存じのはずです。私のすることなすことはみな、神様のお目にとまっているはずです。

169 ああ神様、この祈りを聞き届け、お約束の知恵をお授けください。

170 どうか、お約束のとおり、救い出してください。

171 おきてを学ばせてくださる神様を、ほめたたえます。

172 神様の口から出る完全無欠なことばを、ほめ歌わずにいられるものですか。

173 おこころどおりに従う道を選び取った私を、いざという時いつでも助けられるようにしていてください。

174 ああ神様。私はあなたの救いを慕い求めてきたのです。あなたのおきてはこの上ない喜びとなっています。

175 生かし続けていただける限り、神様をほめたたえましょう。どうか、おきてによって支えてください。

176 羊のようにあてどもなくさまよう私を、捜し出してください。私は、お言いつけに背いたりしませんでしたから。

120

1 苦しみの底から助けを呼び求めると、神様は救いの手を差し伸べてくださいました。

2 ああ神様、うそでこり固まった連中から救い出してください。

3 平気でうそをつく者には、どれほど恐ろしい運命が待っていることでしょう。

4 おまえたちは鋭い矢で射抜かれ、真っ赤な炭火で焼かれるのです。

5 私は、神様を憎む、メシェクとケダルの住人の間に住んでいるようなもので、気苦労がますます重なります。平和をきらうこの連中と暮らすのには、ほとほと疲れました。

6 -

7 平和を愛する私に、彼らは挑戦的で、そのどなり声に私の声もかき消されてしまいます。

121

1 私は、山に住むという神々に、助けを仰ぐべきなのでしょうか。

2 いいえ、真の助けは、山々を造られた神様から来るのです。この神様は、天もお造りになりました。

3 このお方は、私が決してつまずいたり、足をすべらせたり、倒れたりしないように守ってくださいます。また、眠り込んだりもなさいません。いつも大きく目を見開いて、見守ってくださいます。

4 -

5 神様は自ら、あなたのために配慮してくださるのです。危険からも守ってくださいます。

6 昼も夜も注意深く、

7 あらゆる害悪を寄せつけず、いのちを守ってくださいます。

8 あなたの全生活を、神様は目に留め、援護してくださいます。

122

1 エルサレムへ行って神の宮に詣でよう、と誘われた時のうれしさは忘れられません。

2 いま私たちは、都の雑踏の中に身を置いています。

3 -

4 神様のおきてに従って、人々がイスラエル中からここに集まり、礼拝し、感謝をささげ、賛美しているのです。

5 都の門のそばでは、裁判官が人々の論争を裁いています。

6 エルサレムの平和のために祈ってください。この都を愛する人々に繁栄をもたらしてください。

7 エルサレムの城壁のうちに平和がみなぎり、宮殿は富み栄えますように。

8 この都に住む友人、兄弟のために願います。

9 神の宮にふさわしい平和で満たされますようにと。

123

1 私は天の王座の神様を見上げます。

2 食い入るように、いつ神様があわれんでくださるかと見つめています。ちょうど、召使が主人の顔色をうかがい、ちょっとした表情にさえ気を配って仕えるのと同じです。

3 主よ、お願いですから、あわれんでください。私たちはさんざん、金持ちや鼻息の荒い連中にばかにされ、あざけられてきたからです。

4 -

124

1 イスラエル中の人は、次のことに気づくべきです。もし神様が味方でなかったなら、

2 私たちは敵にいけにえとされ、皆殺しの目に会っていたことでしょう。

3 -

4 その激しい怒りと思い上がりの洪水にのまれて、おぼれたことでしょう。

5 -

6 神様のおかげで、敵のえじきにならずにすんだのです。心から感謝しなさい。

7 猟師のしかけた網から逃げる鳥のように、命からがら助かったのです。網が裂けて、たちまち自由に舞い上がれたのです。

8 天地をお造りになった神様から、助けの手は伸べられます。

125

1 神様を信頼する人は、シオンの山のように、どのような情況の変化にも動じないのです。

2 エルサレムがその周囲の山々に守られているように、主もご自分の国民を取り囲んで、守ってくださいます。

3 神様を信じて従っている人々を悪者どもが牛耳り、悪事を押しつけるようなことがあってはならないからです。

4 ああ神様、心のまっすぐな正しい人々を恵んでください。

5 そして、悪者どもは、処刑場へ引っ立ててください。イスラエルに平和がありますように。

126

1 神様が、捕虜となっていた人々をエルサレムへ連れ戻された時は、まるで夢でも見ているようでした。

2 笑いが込み上げ、ひとりでに歌っていました。外国人の驚きようと言ったらありませんでした。「神様って、すごいことをなさるもんだな」と騒いでいたではありませんか。

3 確かにすばらしいことでした。信じられないようなことでした。どれほどうれしかったことか!

4 旅人が砂漠でオアシスを見つけた時のように、私たちをすっかり元気にしてください。

5 涙をまく人は、やがて喜びを刈り取ります。

6 種を手にし、目を泣きはらして出て行った人々が、やがて収穫の束をかかえ、歌いながら帰って来ます。

127

1 神様に建築責任者になっていただかないのなら、家を建ててもむだです。神様に町を守っていただかないのなら、見張りが立つ意味もありません。

2 暮らしを支えるために朝早くから夜遅くまで身を粉にして働いたとしても、それが何になるでしょう。神様は、愛する者に適当な休息を与えようとなさるお方です。

3 子供たちは神様からの贈り物であり、ほうびなのです。

4 若いうちに生まれた子供は、身を守る鋭い矢のようです。

5 矢筒が矢でいっぱいの人はしあわせです。敵と論争する時にも、ちゃんと味方がついているわけです。

128

1 神様を恐れかしこみ、信じて従っている人に、祝福がありますように。

2 その人へのほうびは、繁栄と幸福です。

3 あなたの妻は、家庭の中で、いかにも満足げです。それに、食卓に集まる子供たちの健康そうなこと!オリーブの若木のように溌刺としています。

4 これこそ、神様を信頼している人たちの姿です。

5 人間的な喜びだけでなく、天の祝福をも、神様は注いでくださいますように!

6 孫の顔を見て喜べるよう、長生きしてほしいものです。神様がイスラエルを祝福してくださいますように。

129

1 イスラエルの述懐。私は若いころから迫害され、

2 長いあいだ差別にも甘んじてきましたが、滅ぼされることはありませんでした。敵には、私の息の根を止めることが、ついにできなかったのです。

3 彼らは私の背中をむちで切り裂きましたが、幸いにも、神様は、悪者どもが巻きつけた鎖を引きちぎってくださいました。

4 -

5 ユダヤ人を憎む者どもが面目まるつぶれになるように、敗北を味わわせてください。

6 土の浅い地に生えた草がしおれて黄色くなり、刈り取る者や束ねる者から、見向きもされないようにしてください。

7 -

8 道行く人々にも、「祝福がありますように。神様の名によって祈ります」などと、決して言わせないでください。

130

1 ああ神様。私は失意のどん底から、あなたの助けを叫び求めます。

2 「お願いですから、私の訴えを聞いて、助けてください。」

3 もし、神様がいつまでも私たちの罪を心に留められるのでしたら、とうてい、この祈りも聞いてはいただけないでしょう。しかし、恐れ多いことですが、神様は赦してくださるお方です。

4 -

5 だからこそ、お助けを信じつつ、期待をこめて待っているのです。

6 見張りの者が夜明けを待つよりも切実に、神様を待ち望んでいます。

7 イスラエルよ、神様を信じて希望を持ちなさい。神様は恵み深く親切で、両腕いっぱいの祝福をかかえておいでになるからです。

8 神様は、罪の奴隷となったイスラエルを買い戻してくださいます。

131

1 神様。私は思い上がったり、横柄な態度をとったりいたしません。知ったかぶりをしたり、ほかの者より善人ぶったりもいたしません。

2 今こうして、乳離れした幼児のように、神様の前でおとなしくしています。もう、あれこれ願い事を並べ立てるのはやめにしました。

3 イスラエルよ、おまえもまた、今だけでなく、いつまでも、静かに神様に信頼していなさい。

132

1 神様。あなたは、私の心が騒ぎ立っていた頃のことをご存じですか。

2 契約の箱を納める、イスラエルの全能の神様の神殿をどう建てたらいいかと思いめぐらし、休むことも、眠ることもできない状態でした。あのとき私は、どんなことがあっても神の宮を建てようと誓ったのです。

3 -

4 -

5 -

6 契約の箱は、最初エフラテにあり、次に遠く離れたヤアルの田舎に移されました。

7 しかし今こそ、神様の地上のお住まい、神殿にお迎えいたします。私どもはそこで、神様を拝むのです。

8 ああ神様、どうぞ立ち上がって、お力の象徴である箱とともに、神殿にお入りください。

9 祭司には、純潔のしるしの白い服をまとわせます。わが国の人々を、歓声でわき立たせてください。

10 あなたの国民の王として選ばれた、しもべダビデを退けないでください。

11 私の息子が後継者となって王座につく、とお約束くださったではありませんか。神様が約束を破られるはずはありません。

12 神様はまた、もし子孫が、神様と私との契約を守るなら、ダビデ王朝はいつまでも安泰だ、と約束してくださいました。

13 ああ神様。あなたはエルサレムを住まいとしてお選びになり、

14 こう言われました。「こここそわたしの永遠の住まい。わたしの望みの地。

15 わたしはこの都を繁栄させ、貧しい住民を満腹にしてやる。

16 祭司には救いの服を着せる。わたしを信じる都の住民は、喜びの声を張り上げるだろう。

17 わたしはダビデの子孫を全世界の王とし、その権力をますます増大させよう。

18 敵対する者には恥をかかせ、ダビデ王家は栄光に輝かせよう。」

133

1 兄弟たちが一つになって仲良く暮らす様子は、なんと楽しげで、すばらしいことでしょう。

2 それは、頭に注がれた香り高い油のようです。かつて、アロンに注がれた油はひげに流れ落ち、服のえりにまでしたたったではありませんか。

3 それは、ヘルモン山やイスラエルの山々に降りる露にも似ていて、新たな息吹を呼びさますのです。こうして、神様はイスラエルに、永遠のいのちの祝福を与えると約束なさったのです。

134

1 夜ごと神殿の警備に立つ、神様に仕える人々よ。さあ、ほめたたえなさい。

2 きよい手をあげて、ほめたたえなさい。

3 天地をお造りになった神様が、シオン(エルサレム)からあなたを祝福してくださいますように。

135

1 ハレルヤ。神様の国民は、神殿の内庭に立って、ほめたたえなさい。

2 -

3 恵み深い神様のすばらしいお名前をたたえて歌いなさい。

4 神様はイスラエルを、ご自分のものとして選んでくださったのです。

5 神様の偉大さは、とてもほかの神々とは比べものになりません。

6 天も地も、深い海も、神様は思いどおりにあやつられます。

7 地上にもやを立ちこめさせ、雨をもたらすいなずまを光らせ、その宝物倉から風を送り出されます。

8 神様はエジプト人に生まれた長男をみな、家畜の初子もろとも滅ぼされました。

9 エジプトの王や国民の目の前で、大きな奇蹟を見せられたのです。

10 強い国々を滅ぼし、負けを知らない王侯を殺されました。

11 エモリ人の王シホン、バシャンの王オグ、それにカナンの王たちをご覧なさい。

12 神様は彼らの土地を、ご自分の国民イスラエルに、永遠の贈り物としてお与えくださいました。

13 ああ神様。あなたの御名はいつまでもすたれず、あらゆる時代の人々に知れ渡ります。

14 神様はご自分の国民を弁護し、仕える人人をあわれまれるからです。

15 外国人は、人の手で作った金や銀の偶像を拝みます。

16 それこそ口があってもしゃべれず、目があっても見えず、

17 耳があっても聞こえない代物で、呼吸さえできないのです。

18 これを作る者も、また信心する者も、同じく無能です。

19 イスラエルよ、神様をほめたたえなさい。アロンの家系の大祭司よ、ほめたたえなさい。

20 レビの家系の祭司も、神様を信じてお従いしている人々も、神様をほめたたえなさい。

21 エルサレムの住民よ、ほめたたえなさい。エルサレムは神様のお住まいではありませんか。

136

1 絶え間なく恵みを注いでくださる神様に感謝しなさい。

2 神々の神であられるお方に感謝しなさい。その恵みはいつまでも絶えることがありません。

3 主の主に感謝しなさい。その恵みはいつまでも絶えません。

4 めざましい奇蹟をなさる、ただ一人のお方をほめたたえなさい。その恵みは絶えることがありません。

5 天を造られたお方をほめたたえなさい。その恵みは永遠のものです。

6 地中に水脈を巡らされたお方をほめたたえなさい。その恵みは絶えることがありません。

7 天に明かりをともされたお方をほめたたえなさい。その恵みは絶えることがありません。

8 昼のために太陽を、夜のためには月と星とを造られたお方の恵みは、絶えることなく続きます。

9 -

10 エジプト人の長男を打ち殺された神様をほめたたえなさい。イスラエルへの恵みは絶えることがありません。

11 神様は、大いなる力を背景にイスラエルの人々を連れ出し、敵に対しては、こぶしを振りかざされました。イスラエルへの恵みは絶えることがありません。

12 -

13 紅海を真っ二つにし、道をあけてくださった神様を、ほめたたえなさい。その恵みは絶えることがありません。

14 その道を無事に通らせてくださったのも、神様です。その恵みは絶えることがありません。

15 一方、エジプト王の軍隊はおぼれてしまいました。イスラエルへの神様の恵みは、絶えることがありません。

16 荒野を旅する間も導いてくださったお方を、ほめたたえなさい。その恵みは絶えることがありません。

17 強大な諸国の王の手から救い出してくださったお方を、ほめたたえなさい。その恵みは絶えることがありません。

18 勇名をはせた王も、敵対すれば神様の手で打たれました。イスラエルへの神様の恵みは、絶えることがありません。

19 エモリ人の王シホンも、バシャンの王オグも、神様の手にかかって殺されました。イスラエルへの恵みは絶えることがありません。

20 -

21 これらの王の領地は、イスラエルのものになりました。神様の恵みは絶えることがありません。

22 そうです、神様に仕えるイスラエルへの、変わることのない贈り物としてです。神様の恵みは絶えることがありません。

23 神様は、私たちがどれほど弱い存在か、思い起こしてくださいます。その恵みは絶えることがありません。

24 敵の手から救い出してくださる神様の恵みは、絶えることがありません。

25 神様はいのちあるすべてのものを養われるお方です。その恵みは絶えることがありません。

26 ああ、天の神様に感謝しなさい。その恵みは絶えることがないのです。

137

1 バビロンの川のほとりに座り、私たちはエルサレムをしのんで泣きました。

2 手にしていた竪琴も柳の枝にかけてしまいました。

3 どうして歌う気になどなれましょう。ところが、冷酷無比の征服者たちは、余興にシオン(エルサレム)の歌をうたえと、しつこくからみました。

4 -

5 ああエルサレムよ。もし私がおまえを忘れるようなことがあれば、もしおまえへの愛を失うようなことがあれば、この琴をひく腕が折れ、二度と歌えなくなるがいい。

6 -

7 神様、バビロン軍によるエルサレム陥落の日の、エドム人たちの仕打ちを忘れないでください。「建物という建物はみなこわしてしまえ」とわめき散らしていました。

8 どう猛な野獣、バビロンよ。今におまえは滅ぼされるぞ。よくも私たちを痛めつけてくれたな。今度はお返しだ。おまえを滅ぼしてくれる人には、祝福があるように。

9 おまえの赤ん坊を、岩に投げつける人に、祝福があるように。

138

1 主よ。私は心の底から感謝し、御使いたちの前でほめたたえます。

2 礼拝するたびにあなたの宮に向かい、そのすべての恵みと真実を思い起こして感謝をささげます。神様は、御自身の名誉にかけても、お約束は守られるはずですから。

3 必ず私の祈りに答えて、力を与え、励ましてくださいます。

4 主よ。この世の王はみなお声を聞き、感謝をささげます。

5 彼らは、栄光に輝く神様の道をたたえて歌います。ご栄光の偉大さに圧倒されるからです。

6 この上なく偉大な神様は、謙そんな人を重んじ、高慢な人を寄せつけません。

7 たとい、四方八方を苦しみに取り巻かれても、私は無事に救い出していただけます。怒り狂った敵には、神様のこぶしが振り下ろされるのです。

8 私のためのご計画は、次々に実現していきます。神様の恵みは絶えることがないからです。どうか、私を置き去りにしないでください。私は神様の手で造られた者ですから。

139

1 主よ。あなたは私の心の奥底まで探り、どんなささいなことも見のがされません。

2 私の立ち居振る舞いさえご存じです。遠くからでも、私の内面をすべて読み取られます。

3 また、私の進む道を下調べして、どこで休息をとるべきかも教えてくださいます。常に私の居場所もご存じです。

4 そして、口を開かない前から、私が何を言いたいかも見抜いておられます。

5 先になりあとになりして、祝福の御手を伸べてくださいます。

6 しかし、このようなことはあまりにももったいない話で、ほんとうだとは信じがたいほどです。

7 神様の視界から逃れることは決してできません。身を隠すことも、不可能です。

8 たとい天までのぼろうと、神様はそこにおられ、死の世界まで降りて行こうと、神様はそこで待っておられるのです。

9 たとい朝風に乗り、地球の果てまで飛んで行こうと、

10 神様の力強い腕は、私を導き、支えてくださいます。

11 もし暗やみにまぎれ込もうとしたりすると、夜はさっと私を照らし出す光となるのです。

12 神様の目をさえぎるのに、暗やみは、何の役にも立ちません。神様のためなら、夜も昼のように輝くのですから。

13 神様は、精巧に私の体の各器官を造り、母の胎内で組み立ててくださいました。

14 こんなにも複雑かつ緻密に仕上げてくださったことを感謝します。その腕前は天下一品だと、よくわかっております。

15 秘密の工房で私を組み立てる時、神様は立ち合われました。

16 生まれる前から、まだ呼吸を始める前から、神様の目は私に注がれており、その生涯にわたるご計画も、練り上げられていたのです。

17 主よ。あなたが私をかた時も忘れずにいてくださる事実は、かけがえのない支えです。あなたは一日に、数えきれないほど何度も、私のことを思い起こしてくださるのです。朝、私が、まどろみから覚めるころにも、まだ私に思いを馳せていてくださるのです。

18 -

19 必ず、悪者どもは神様の手にかかって滅びます。血に飢えた者どもよ、とっとと消え失せるがよい。

20 神様の御名を汚し、横柄な態度をとる連中のばかさかげんには驚きます。

21 主よ。あなたを憎む者どもを、この私が憎まずにいられましょうか。心を痛めずにいられましょうか。

22 もちろん、憎まざるをえないのです。あなたの敵は私の敵ですから。

23 ああ神様。私の心を探り、その内面を調べ上げてください。

24 もし、あなたを悲しませるようなものがあるなら、教えてください。そうして、永遠のいのちへの道からそれないようにお導きください。

140

1 ああ神様、私を悪者から救い出し、乱暴者から守ってください。

2 連中は一日じゅう悪事をたくらみ、騒ぎを引き起こします。

3 そのことばときたら、毒蛇の牙のように人を刺すのです。

4 彼らの手の届かない所に私を置き、その暴行を防いでください。彼らは危害を加えようと策略を練っています。

5 わがもの顔にのさばる連中は、私を生け捕りにしようと、罠をしかけました。足をすくい、宙吊りにする輪なわです。また、身動きがとれないように網を投げかけようと、待ち伏せています。

6 ああ、私の救い主であり盾であられる神様、この祈りに耳を傾けてください。悪者どもの思いどおりには、させないでください。彼らのすることばかりがうまくいき、いばり散らされてはかないません。

7 -

8 -

9 そのたくらみを、そのまま彼らの頭上に返してやってください。自分たちのしかけた罠で、身を滅ぼしますように。

10 赤々と燃える炭火を、その上に降らせてください。また、火の中か、底なしの穴に、彼らを投げ込んでください。

11 二枚舌を使う者どもが、この国で甘い汁を吸うのはごめんです。早々に罰してやってください。

12 しかし神様は、踏みつけにされている人々を助け、貧しい者の権利をお守りくださいます。

13 神様を信じて従う人は、きっと感謝の声をあげることになるでしょう。神様のおそばで暮らせる時が、必ずくるからです。

141

1 主よ、どうか早く、私の祈りに答えてください。助けを呼び求める声を聞いてください。

2 私の祈りが、夕方の供え物となり、あなたの前に立ちのぼる香となりますように。

3 主よ、どうか、この口を堅く閉じ、くちびるに封をさせてください。

4 悪に走るきたない心を取り除いてください。罪人の仲間入りをして、彼らのごちそうに舌つづみを打ったりなど、決してしたくありません。

5 神様を敬う人のきびしい忠告は、親切心から出たものです。非難されたように感じても、結局は薬となるのです。ですから、拒絶反応を示してしまいませんように。私は、悪者どもには警戒を怠らず、彼らの悪行に対抗して絶えず祈ります。

6 リーダー格の悪党が神罰を受け、その骨が地面にばらまかれでもしたら、はじめて連中は私のことばに注意をはらい、今まで、私が彼らを助けようと苦心していたことに気づくでしょう。

7 -

8 神様。私はあなたを見つめ、いつ助けてくださるかと待っています。神様は私の隠れ家ですから、彼らに手出しをさせないでください。

9 彼らの罠に近づけないでください。

10 その罠には彼ら自身がかかり、この私は難を免れることができますように。

142

1 私は神様の前に悩み事をさらけ出して、あわれんでくださいと祈ります。

2 -

3 私は打ちひしがれ、絶望しています。どの道を進めば敵のしかけた罠にかからずにすむかは、神様だけがご存じです。

4 ほら、右側の少し先に、罠が一つあります。だれ一人、声をかけて助けてくれる人はいないのです。私がどうなろうと、だれもおかまいなしです。

5 そこで、私は神様に祈りました。「神様。あなたは唯一の隠れ家です。あなただけが、無事に守ってくださるのです。

6 窮地に追い込まれた私の叫びを聞いてください。迫害する者どもの手から、救い出してください。相手は強すぎて、とても手に負えません。

7 どうか、私を牢獄から連れ出し、神様への感謝にあふれさせてください。私が助けられた事実は、神様を敬う人々への朗報となるでしょう。」

143

1 神様、私の祈りを聞き、願いに答えてください。神様は、約束を決してお破りにならないお方ですから。

2 私を裁判にかけないでください。神様ほど完全なお方はいないのですから。

3 私は敵に追いつめられ、地面にたたきつけられました。そして、むりやり暗い所に押し込まれたのです。

4 いっさいの希望を失った私は、恐怖に取りつかれ、身震いしています。

5 昔、神様はすばらしい奇蹟の数々を行なわれたではありませんか。

6 かわききった地が雨を慕うように、私は神様に両手を差し伸べています。

7 主よ、すぐにもこの祈りに答えてください。悩みはますます深刻になります。どうか見放さないでください。でないと、私は死んでしまいます。

8 朝のうちに、神様の恵みを見せてください。神様をあてにして生きている私に、どの道を選ぶべきか教えてください。私は真剣勝負で祈っています。

9 主よ、敵からお救いください。私はあなたのふところに飛び込んで危険を避けます。

10 あなたは私の神様ですから、ご意志にそった行動をとらせてください。恵み深い御霊によって、私を祝福の道へと導いてください。

11 主よ。私をお救いくだされば、ご威光はひときわ明るく輝くでしょう。あなたは約束を守ってくださるお方ですから、どうか、私をいっさいの苦しみから引き上げてください。

12 私を愛してくださる恵み深い神様!すべての敵を根絶やしにし、危害を加えようとする者どもを滅ぼしてください。私は神様に仕える身ですから。

144

1 揺るぎない岩、神様をほめたたえましょう。戦いが起こると、神様は、弓をひく私の腕を強めてくださいます。

2 いつも恵み深く、愛を注いでくださる神様は、私の要塞であり、びくともしないやぐらです。私を救ってくださる神様は、盾となって立ちはだかってくださいます。こうして、神様は国民を私に服従させてくださるのです。

3 主よ。いったい人間のどこが、お目をひくのですか。どうして、こんな人間を相手になさるのですか。

4 人の一生は、ただのひと呼吸のよう、また影のようで、あっけなく消えるではありませんか。

5 主よ、どうか、天を裂いて降りて来てください。あなたの手が山に触れると、煙が吹き出します。

6 主よ、いなずまの矢を敵に放ち、くもの子を散らすように蹴散らしてください。

7 天から御手を差し伸べ、私を引き上げてください。深い水の中から、強い敵の腕から、助け出してください。

8 彼らは嘘のかたまりで、まことしやかに誓いを立てます。

9 ああ神様。私は十弦の琴をかなで、あなたに新しい歌をささげます。

10 あなたは王に勝利をもたらされるお方です。あなたのしもべダビデを、運命の剣から救い出されるお方です。

11 どうか、悪賢い敵から、私を救い出してください。

12 神様を信じる国の祝福された様子を話してみます。男の子は、すくすくと成長する木のように、元気いっぱいに育ちます。女の子は、宮殿の壁の柱のように、しとやかで優雅です。倉には穀物がぎっしりで、これ以上つめ込めません。羊の群れは、幾千頭、幾万頭と増えていきます。牛は次々と子供を産みます。敵は一人も攻めて来ず、平和が満ちあふれています。町に犯罪は一件も発生しません。このように、神様を信じる国民はしあわせになれるのです。

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145

1 私の王である神様。くる日もくる日も、私は永久にあなたをほめたたえます。

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3 声の限りに、偉大な神様をたたえましょう。神様の偉大さは、一生かけても窮めることができません。

4 それぞれの時代に生きる人々が、子供たちに、神様のすばらしさを言い残していきますように。

5 そのまぶしいばかりの栄光、ご威光、それに奇蹟を、私は深く思いめぐらします。

6 だれもが、神様のなさる恐ろしい御業について語ります。私は声を大にして、その偉大さを伝えます。

7 人々は、神様の恵み深さと、正しさについて歌います。

8 神様はやさしく、あわれみ深く、短気を起こさず、愛にあふれていらっしゃいます。

9 だれにも恵み深い神様の思いやりは、その一つ一つの行為に込められています。

10 主よ。いのちあるものはみな、あなたに感謝をささげます。あなたの国民は賛美し、

11 口々に、栄光に輝くあなたの王国を話題にのせ、その威力について語り合うでしょう。

12 また、神様の行なわれた奇蹟と、栄光に包まれたご支配についても語るでしょう。

13 神様の王国に終わりはなく、その統治は、代々限りなく続くからです。

14 神様は倒れた人を起こし、あまりの重荷に身をかがめている人の背筋を伸ばされます。

15 すべての人が、神様に助けを求め、必要な食べ物をいただくのです。

16 神様はいつも、生きているすべてのものの願いに答えてくださいます。

17 神様はいつでも公平第一で、恵みにあふれておられます。

18 そして、真心から願い出る人のそば近くにいてくださるのです。

19 神様は、敬虔な心で信頼を寄せる人々の願いを、かなえておやりになります。助けを呼び求める声を聞いてくださいます。

20 神様を慕う人はみな守られ、悪者どもは滅ぼされます。

21 私は神様をほめたたえ、世界中の人に、神様のきよいお名前を、いついつまでもあがめるようにと呼びかけます。

146

1 真心から、神様をほめたたえましょう。

2 生きている間はもちろん、死ぬまぎわの虫の息でも、神様を賛美します。

3 人の助けをあてにしてはいけません。どんなに偉大な指導者も、頼りにはならないのです。

4 人はみな死ぬ運命にあるからです。呼吸が止まり、いのちの火が消えた瞬間に、その人の人生の計画は、すべて水泡に帰すのです。

5 しかし、神様の助けをあてにし、望みをつなぐ人はしあわせです。

6 神様は、天と地と海と、その中のいっさいのものをお造りになりました。どんな約束でも守り抜き、

7 貧しい人や虐待されている人に公平なさばきを保証し、飢えた人には食べ物をお与えになるのです。囚人を解放し、

8 盲人の目をあけ、身をかがめて歩いている人の重荷を取り除かれます。神様は正しい人を愛しておられるからです。

9 神様は移民の権利を守り、孤児や未亡人のめんどうを見られますが、その一方、悪者の計画をひっくり返されます。

10 エルサレムよ。あなたの神様は、永遠に支配なさる王なのです。ハレルヤ。神様をほめたたえましょう。

147

1 ハレルヤ。神様をほめたたえましょう。神様を賛美するのは、道理にかなった喜ばしいことなのです。

2 神様はエルサレムの町を建て直し、捕虜として連れ去られた人々を返してくださいます。

3 傷心の人々をやさしくいたわり、傷口を包帯で手当てしてくださいます。

4 神様は星を数え、その一つ一つの名前を呼ばれます。

5 偉大な神様のお力は限りなく、その知恵は底なしです。

6 主は謙そんな人を支えられますが、悪者どもは泥の中にねじ伏せられます。

7 神様に感謝の歌をうたいなさい。竪琴の伴奏で、賛美の歌をうたいなさい。

8 神様は雲で天をおおい隠し、夕立を送り、牧草を青々と生やしてくださいます。

9 また野の獣を養われます。からすの子は、神様に食べ物をねだって鳴くのです。

10 どんなに足の早い馬でも、神様からすれば、のろまのかたつむりと同じです。どんなに腕力を誇る人でも、神様からすれば、赤ん坊の手をねじ伏せるより簡単なのです。

11 しかし、神様を敬い、その愛と恵みを待ち望む人々を、神様はことのほかお喜びになります。

12 エルサレムは神様をほめたたえなさい。シオンも賛美の声をあげなさい。

13 神様は敵に備えてあなたの城の守りを固め、あなたの子供たちを祝福されたからです。

14 神様は平和を与え、最上の小麦で倉を満たしてくださいます。

15 神様のご命令は全世界に行き渡ります。そのおことばは、飛ぶように駆け巡るのです。

16 神様は真っ白な雪を降らせ、地面に霜をまき、

17 雹を地上に投げつけられます。その凍りつくような寒さに、だれが耐えられましょうか。

18 しかし、神様が春をお呼びになると、暖かい風が吹いてきて川面の氷を溶かすのです。

19 神様はイスラエルに、ご自分のおきてと礼拝の仕方を手ほどきなさいました。

20 こんなことは、ほかの国にはなかったことです。他の国民は、神様の戒めを聞かされていません。ハレルヤ。神様をほめたたえましょう。

148

1 天よ、はるか上空から神様をほめたたえなさい。

2 御使いたちは、天の軍勢ともどもに賛美の声をあげなさい。

3 太陽と月、それにまたたく星もみな、神様をほめたたえなさい。

4 大空も、雲のはるか上にある水蒸気も、神様をほめたたえなさい。

5 造られたものがみな、神様を賛美しますように。みな、神様のおことば一つででき上がったからです。

6 これらは、いつまでも残るものとして造られました。神様の命令は、どんなことがあろうと、取り消されはしません。

7 海の底にいる生き物よ、主をほめたたえなさい。

8 いなずま、雹、雪、雨、風、それに霧よ、神様のお指図に従いなさい。

9 山や丘、実のなる木や杉、

10 野獣や家畜、蛇や鳥、

11 王や国民、それに支配者や裁判官、

12 若い男や女、老人や子供など、

13 みな声を合わせて、神様をほめたたえなさい。賛美を受けるのにふさわしいお方は、神様だけなのですから。神様の栄光は、天地をひっくるめた一切のものより、はるかに尊いのです。

14 神様はご自分の国民を強くし、かけがえのないものと思っておられるイスラエル国民の名声を、大いに高めてくださいました。ハレルヤ。神様をほめたたえましょう。

149

1 ハレルヤ。神様をほめたたえ、新しい歌をうたいましょう。神様の国民よ。賛美の歌声をあげなさい。

2 イスラエルよ、あなたを造られた神様を喜びなさい。エルサレムの人々よ、王であるお方の前でこおどりしなさい。

3 タンバリンと竪琴の伴奏で、踊りながら神様のお名前をほめたたえなさい。

4 神様はご自分の国民を喜んで受け入れ、謙虚な者を救ってくださるのです。この光栄を思い浮かべて、神様の国民が感謝しますように。寝床でも、喜びのあまり歌いだしますように。

5 -

6 神様の国民よ、神様をあがめなさい。神様に代わって両刃の剣を取り、国々に報復しなさい。

7 -

8 王や指導者を鉄の鎖で縛り上げ、

9 懲らしめてやりなさい。神様の国民の栄光は神様ご自身です。ハレルヤ。神様をほめたたえましょう。

150

1 ハレルヤ。神様の家でほめたたえましょう。神様のお力を示す天で、ほめたたえましょう。

2 偉大な奇蹟を思い起こして、ほめたたえましょう。

3 ラッパと十弦の琴と竪琴をかなでながら、賛美の歌をうたいましょう。

4 タンバリンを打ち、元気のいい聖歌をうたいましょう。弦楽器と笛でほめたたえましょう。

5 大音響を出すシンバルを打ち鳴らして、ほめたたえましょう。

6 生きているものはみな、賛美の声をあげなさい。さあ、あなたも神様をほめたたえなさい。ハレルヤ。