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1 ペルシヤ王クロスの治世の元年に、神様は王の心を動かし、エレミヤの預言どおりのことを行なわれました。クロス王が、帝国中に次のようなお布令を出させたのです。これは永久保存の文書とされました。

2 「ペルシヤ王クロスはここに布告する。広大な領土をお与えくださった天の神様は、いま余に、ユダの国のエルサレムに神殿を建てよとお告げだ。

3 わが帝国におるユダヤ人は、直ちにエルサレムへ帰り、イスラエルとエルサレムの神様の神殿を建てるがよい。神様の祝福があるように。

4 帰らない者は帰る者の費用を負担し、衣服、旅費、旅じたくの費用を援助するように。なお神殿建築のためにも、進んでささげ物をするがよい。」

5 こうして、ユダ部族とベニヤミン部族の指導者たちと、祭司やレビ人たちも、神様から心を駆り立てられて、神殿再建をめざし、さっそく、エルサレムへの帰途につきました。

6 ペルシヤに残ることにした人々はみな、帰る者への援助を惜しまず、神殿へのささげ物をも託しました。

7 クロス王自身も、かつてネブカデネザル王がエルサレムの神殿から自国の神殿へと移した、金の鉢や、高価な用具類を寄贈しました。

8 王は財務長官ミテレダテに、それらを確認させたのち、引揚団の指導者シェシュバツァルの手に渡したのです。

9 その目録は次のとおりです。金の皿三十枚、銀の皿千枚、香炉二十九点、金の鉢三十個、さまざまなデザインの銀の鉢二千四百十個、その他の用具千点

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11 全部で五千四百六十九点の金銀の用具が、シェシュバツァルの手で、エルサレムに持ち帰られることになりました。

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1 次に示すのは、ネブカデネザル王によってバビロンへ捕らえ移された人々の子孫の中で、エルサレムや他のユダの町々へ帰還した者の名簿です。

2 指導者ゼルバベル(シェシュバツァル)、ヨシュア、ネヘミヤ、セラヤ、レエラヤ、モルデカイ、ビルシャン、ミスパル、ビグワイ、レフム、バアナ氏族別の帰還者数

3 パルオシュ族二千百七十二名、シェファテヤ族三百七十二名、アラフ族七百七十五名、ヨシュアとヨアブの子孫パハテ・モアブ族二千八百十二名、エラム族千二百五十四名、ザト族九百四十五名、ザカイ族七百六十名、バニ族六百四十二名、ベバイ族六百二十三名、アズガデ族千二百二十二名、アドニカム族六百六十六名、ビグワイ族二千五十六名、アディン族四百五十四名、ヒゼキヤ族、すなわちアテル族九十八名、ベツァイ族三百二十三名、ヨラ族百十二名、ハシュム族二百二十三名、ギバル族九十五名、ベツレヘムの人百二十三名、ネトファの人五十六名、アナトテの人百二十八名、アズマベテの人四十二名、キルヤテ・アリム、ケフィラ、ベエロテの人七百四十三名、ラマとゲバの人六百二十一名、ミクマスの人百二十二名、ベテルとアイの人二百二十三名、ネボの人五十二名、マグビシュ族百五十六名、別のエラム族千二百五十四名、ハリム族三百二十名、ロデ、ハディデ、オノの人七百二十五名、エリコの人三百四十五名、セナアの人三千六百三十名

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36 帰還した祭司、ヨシュアの家系のエダヤ族九百七十三名、イメル族千五十二名、パシュフル族千二百四十七名、ハリム族千十七名

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40 帰還したレビ人、ホダブヤ族の、ヨシュアとカデミエルの二族七十四名、聖歌隊員のアサフ族百二十八名、門衛のシャルム族、アテル族、タルモン族、アクブ族、ハティタ族、ショバイ族合計百三十九名。

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43 神殿奉仕者、ツィハ族、ハスファ族、タバオテ族、ケロス族、シアハ族、パドン族、レバナ族、ハガバ族、アクブ族、ハガブ族、サルマイ族、ハナン族、ギデル族、ガハル族、レアヤ族、レツィン族、ネコダ族、ガザム族、ウザ族、パセアハ族、ベサイ族、アスナ族、メウニム族、ネフシム族、バクブク族、ハクファ族、ハルフル族、バツルテ族、メヒダ族、ハルシャ族、バルコス族、シセラ族、テマフ族、ネツィアハ族、ハティファ族

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55 ソロモン王臣下の家系の人々、ソタイ族、ソフェレテ族、ペルダ族、ヤラ族、ダルコン族、ギデル族、シェファテヤ族、ハティル族、ポケレテ・ハツェバイム族、アミ族

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58 神殿奉仕者とソロモン王臣下の家系の者は、合計三百九十二名

59 時を同じくして、ペルシヤのテル・メラフ、テル・ハルシャ、ケルブ、アダン、イメルなどからも、エルサレムに帰った人々がいました。ところが、系図をなくしてしまっていたので、彼らが生粋のイスラエル人かどうか、明らかではありませんでした。

60 その数は、デラヤ族、トビヤ族、ネコダ族など、総勢六百五十二名にのぼります。

61 祭司の氏族のうち、ホバヤ族、コツ族、バルジライ族〔ギルアデ人バルジライの娘を妻に迎えたことから、この名で呼ばれた〕も帰還しましたが、

62 この人々も系図を紛失していたので、指導者たちから祭司職を差し止められました。さらに、ウリムとトンミム(神意をうかがう一種のくじ)で調べ、実際に祭司の子孫かどうかが判明するまでは、いけにえのうち祭司の食糧となる分も、与えられないことになったのです。

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64 こうして、総計四万二千三百六十人がユダへ帰りました。このほか、男女の奴隷七千三百三十七人と、男女の聖歌隊員二百人もいっしょでした。

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66 また、馬七百三十六頭、らば二百四十五頭、らくだ四百三十五頭、ろば六千七百二十頭もいました。

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68 指導者たちは神殿再建のため、率先してささげ物をしました。

69 それぞれの力に応じてささげられた金品の総計は、金貨九千万円、銀貨五千百万円、祭司の長服百着でした。

70 こうして、祭司やレビ人をはじめ、一部の一般人は、エルサレムおよび周辺の村々に住みつき、歌手、門衛、神殿奉仕者たちは、ほかの人々とともに、故郷の町へと帰って行ったのです。

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1 九月になると、帰還者たちがめいめいの故郷から、エルサレムに集まって来ました。エホツァダクの息子ヨシュアは、仲間の祭司や、シェアルティエルの息子ゼルバベル、およびその氏族の者とともに、イスラエルの神様の祭壇を築き、神の人モーセのおきてどおり、完全に焼き尽くすいけにえをささげました。

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3 祭壇を元の位置にすえ、さっそく、朝に夕に、完全に焼き尽くすいけにえをささげることにしました。人々は周囲の国々からの攻撃を恐れていたからです。

4 モーセのおきてどおり仮庵の祭りを守り、祭りのあいだ毎日、定められた完全に焼き尽くすいけにえをささげたのです。

5 このほか、安息日、新月の祝い、種々の例祭のため、定められた品々をささげました。また、国民は自発的にいけにえをささげました。

6 祭司がいけにえをささげ始めたのは、九月十五日でした。まだ神殿の土台が築かれる前のことです。

7 次いで、石工や大工が雇われました。ツロやシドンからは杉材を買いつけ、食料品、ぶどう酒、オリーブ油などを代金にあてました。杉材はレバノン山から切り出し、地中海沿岸を海路ヨッパまで運びました。このことについては、クロス王も許可済みだったからです。

8 実際に神殿再建が開始されたのは、帰還の翌年の四月のことでした。帰還者たちが勤労奉仕をし、ゼルバベル、ヨシュア、およびその仲間の祭司やレビ人の指揮のもとで働き続けました。二十歳以上のレビ人は現場監督にあたり、

9 この一大事業の総責任は、ヨシュア、カデミエル、ヘナダデはじめ、その息子や親族が負うことになりました。みな、レビ人でした。

10 神殿の土台が完成した時、ダビデ王の定めた様式にのっとって、祭司は祭服を着てラッパを吹き鳴らし、アサフの子孫はシンバルを打ち鳴らして、神様を賛美しました。

11 神様をたたえ、感謝する歌がうたわれたのです。「神様はすばらしい。その愛と恵みは、とこしえまでイスラエルに注がれる。」これを受けて、会衆全員が大声で賛美し、土台の完成を喜びました。

12 ところが、ソロモン時代の華麗な神殿を知っている、祭司、レビ人、指導者などの年配者は、声をあげて泣いたのです。

13 喜び叫ぶ声と泣き叫ぶ声とが重なりあって、一大音響をかもし出し、遠くまでもとどろき渡りました。

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1 ユダとベニヤミンに敵対する人たちは、この神殿再建のことを聞きつけると、

2 ゼルバベルや、ほかの指導者たちを訪ねて来て、こう切り出しました。「あんたがたの神様のことなら、わしらも放ってはおけんよ。ひとつ、手伝わせてくれんかね。わしらも、アッシリヤ王エサル・ハドンの手で、ここに住むようにされて以来、ちゃんといけにえをささげてきたんだからな。」

3 しかし、ゼルバベルやヨシュアをはじめ指導者全員は、口をそろえて断わったのです。「いや、それには及びません。イスラエルの神様の神殿は、クロス王の命令でもありますが、イスラエル人の手で再建すべきです。」

4 すると、その地の住民は、使いを立ててクロス王に偽りの報告を送り、イスラエル人の気をくじこうとしたり、脅そうとしたりしました。さらに、議官を買収して計画に反対させ、再建中止に追い込もうとまでしました。この種の妨害は、クロス王の時代からダリヨス王の治世まで、やむことがありませんでした。

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6 やがて、アハシュエロス王が即位すると、住民たちは、ユダとエルサレムの人々を非難する手紙を送りました。

7 アルタシャスタ王の時も同じことが行なわれ、ビシュラム、ミテレダテ、タベエルらの一味が、アラム語で手紙をしたため、それが翻訳されて王に差し出されたのです。

8 そのほか、この件にかかわった者には、知事レフム、書記官シムシャイ、数名の裁判官、各地方の役人、ペルシヤ人、バビロニヤ人、エレク人、シュシャンの人々、

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10 そのほか数か国の人々がいました。みな、大王オスナパルによって自国から連れ出され、エルサレムやサマリヤ、ユーフラテス川西岸地域に移住させられた人々です。

11 そのアルタシャスタ王へあてた手紙とは、次のようなものです。「ユーフラテス川以西に住む忠実なしもべどもが、ごあいさつ申し上げます。

12 恐れながら、お国から帰国いたしましたユダヤ人は、エルサレムの復興を図っております。この町がいかに反抗的で邪悪であったかは、歴史の証明するところです。すでに、城壁が築かれ、神殿の土台も補修されました。

13 しかし、町の再建は陛下のおためにはならない、とご承知おきください。ユダヤ人が納税を拒否するのは、目に見えております。

14 私どもは陛下のおかげで、安らかに暮らせるのです。こんなことでご威信が傷つくのを見て、なんで黙っておれましょう。それで、こうしてお耳に入れようとしたしだいです。

15 なにとぞ、古い文書をお調べください。この町が過去にどれほど反抗的であったか、また事実、支配下に収めようとした王や国の手にかみつくような騒ぎばかりを起こし続けて、ついに滅ぼされてしまったことが、おわかりいただけると存じます。

16 万一この町が復興し、城壁が完成したが最後、もはやユーフラテス川のこちら側の領土はないものと、おあきらめいただかなければなりますまい。」

17 王からは、知事レフム、書記官シムシャイ、そのほかサマリヤおよびユーフラテス川以西の重立った人々に、返書が送られました。

18 「諸君の手紙は、翻訳させて読ませてもらった。

19 記録も調べさせた。確かに、エルサレムは歴代の王に対して暴動の温床となり、反抗や騒乱が日常化した町であることがわかった。

20 また同時に、かつてエルサレムでは偉大な王たちが君臨し、ユーフラテス川の向こうの全地域を治め、ばく大な貢物、関税、税金を手にしていたこともわかった。

21 そういうわけで、さらに詳細な調査を終えるまで、工事の中止を命じることにする。

22 手遅れになって、事態の収拾も危ぶまれるようにはならないよう、くれぐれも気をつけよ。」

23 王の手紙に目を通したレフムとシムシャイは、エルサレムへ急行し、武力をかさに再建作業を中止させました。

24 結局、工事はペルシヤ王ダリヨスの治世第二年まで、中断されたのです。

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1 当時、エルサレムとユダには預言者がいました。ハガイと、イドの子ゼカリヤで、二人は神様からのお告げをたずさえて、ゼルバベルとヨシュアを訪ね、工事を再開するよう励ましました。こうした預言者たちの応援もあって、再び工事が始まったのです。

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3 すると、ユーフラテス川西岸地域の知事タテナイと、シェタル・ボズナイは、同僚を引き連れて、直ちにエルサレムへ駆けつけ、とがめだてました。「だれが、神殿再建と城壁の補修を許可したのだ。」

4 彼らはまた、工事にたずさわっている者全員の名簿を提出するよう、要求しました。

5 しかし、全状況は神様の見守りのうちにあったので、敵が力ずくで工事を中断させにかかるようなことはなく、ダリヨス王が事の真相を確かめて決断を下すまで、作業は続けられました。

6 知事タテナイ、シェタル・ボズナイやほかの高官たちから、ダリヨス王にあてた手紙は、次のとおりです。

7 「ダリヨス王に全き平安がありますように。

8 このたび、ユダの偉大な神の神殿の工事現場を見回りましたところ、巨大な石が積まれ、壁には木材が組まれておりました。工事は急ピッチで進み、順調のようです。

9 そこで、『だれの許可を得てやっているのか』と、指導者たちに問いただし、

10 ご報告するため、名簿を提出せよと言ってやりました。

11 すると、こう答えるではありませんか。『私たちは天地の神様のしもべであり、イスラエルの偉大な王が数世紀前にここに建てた神殿の、復興を図っているのです。

12 のちに、先祖たちは神様のお怒りを買い、見捨てられました。神様はネブカデネザル王の手で神殿を破壊させ、人々をバビロンに捕らえ移させたのです。』

13 彼らは、バビロン王クロスの元年に、王が神殿再建の命令を下された、と言いはるのでございます。

14 何でも、ネブカデネザル王がエルサレムの神殿からバビロンの神殿へと運んだ金銀の器を、クロス王が返されたそうです。王自らユダの知事に任命したシェシュバツァルが、これらの用具をエルサレムへ持ち帰り、神殿を復興する命令を受けたと申すのです。

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16 帰国したシェシュバツァルは、エルサレムに神殿の土台をすえました。それ以来、工事は続いていますが、まだ完成してはおりません。

17 どうか、バビロンの王室の文庫を調べ、はたしてクロス王がそのような命令を下していたかどうか、お確かめいただきたいのです。その上で、本件に関するご指示をお聞かせください。」

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1 そこでダリヨス王は、文書が保管してあるバビロンのあらゆる文庫を調べさせました。

2 その結果、メディヤ州のアフメタ城内で記録が発見されました。それには、こう記されていたのです。

3 「クロス王の治世の元年に、エルサレムの神殿に関する命令が出された。かつてユダヤ人がいけにえをささげていたその神殿を再建し、基礎をしっかり築き直すようにというものである。神殿の高さは三十メートル、幅も三十メートルである。

4 土台は巨大な石の層三段、最上層は木材を用いること。経費はすべて王が負担する。

5 ネブカデネザル王が持ち出した金銀の器は、エルサレムに戻し、元どおり神殿に安置すること。」

6 ダリヨス王は、知事タテナイ、シェタル・ボズナイはじめ、ユーフラテス川西岸の高官たちに、次のような手紙を送りました。「神殿工事を中止させる必要はない。元どおり再建させてかまわない。

7 ユダの知事や、工事責任者たちの邪魔をしてはならない。

8 むしろ、諸君の領地で徴収される税金から、すみやかに全工事費をまかなってやるように。

9 エルサレムの祭司たちのためには、完全に焼き尽くすいけにえ用の若い雄牛、雄羊、子羊を調達してやること。また、小麦、ぶどう酒、塩、オリーブ油も毎日欠かさず与えること。

10 そうすれば、彼らは天の神様の喜ぶいけにえをささげることができ、余や息子たちのためにも祈ってくれるだろう。

11 この命令を少しでも変えようとする者があれば、その家から梁を引き抜き、その者の絞首台を作り、家は瓦礫の山とすること。

12 エルサレムの町をお選びになった神様は、もしこの命令を破り、神殿を破壊しようとする王がいれば、その国を滅ぼさずにはおかない。余が命じる。万全の注意をはらって、この命令を守るように。」

13 知事タテナイ、シェタル・ボズナイとその同僚たちは、直ちに王の命令に従いました。

14 もう邪魔は入りません。ユダヤ人指導者たちは工事を続け、預言者ハガイやゼカリヤの説教に、大いに励まされていました。神様のご命令と、ペルシヤ王クロス、ダリヨス、アルタシャスタの布告どおり、神殿はついに完成しました。

15 それは、ダリヨス王の治世の第六年二月十七日でした。

16 祭司や、レビ人をはじめ、だれもが、大喜びで献堂式を祝いました。

17 雄牛百頭、雄羊二百頭、子羊四百頭が、いけにえとしてささげられ、雄やぎ十二頭が、イスラエル十二部族の罪を償ういけにえとしてささげられました。

18 そして祭司とレビ人は、モーセの法律にのっとって、さまざまな奉仕の班に組み分けされ、神様に仕えることになりました。

19 三月末(ユダヤ歴では一月十四日)には過越の祭りが祝われました。

20 すでに、多数の祭司やレビ人が、献身を新たにしていたからです。

21 また、ユダ在住の外国人の中には、その不道徳な習慣と縁を切り、イスラエル人とともに神様を礼拝する者もいました。国をあげて過越の祭りの祝宴を張り、また、七日間、種なしパンの祭りを祝いました。国中が喜びにあふれていました。神様のお取り計らいで、アッシリヤ王がイスラエルに寛大な態度を示し、神殿の再建にも、力を貸してくれるようになったからです。

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1 ここに、ペルシヤ王アルタシャスタの時代にバビロンからエルサレムに帰還した、エズラという人の家系図があります。エルアザル↓ピネハス↓アビシュア↓ブキ↓ウジ↓ゼラヘヤ↓メラヨテ↓アザルヤ↓アマルヤ↓アヒトブ↓ツァドク↓シャルム↓ヒルキヤ↓アザルヤ↓セラヤ↓エズラエルアザルの父は祭司のかしらアロン。

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6 エズラはユダヤの宗教的指導者にふさわしく、モーセがイスラエル国民に与えたおきてに、精通していました。彼は王にエルサレム帰還を願い出て、許されたのでした。神様に祝福されていたからです。

7 同行者には、祭司、レビ人と、聖歌隊員、門衛、神殿奉仕者などのほか、一般人も大ぜい含まれていました。一行は、アルタシャスタ王の治世の第七年三月中旬にバビロンを旅立ち、エルサレムには七月に着きました。旅の間も神様が守ってくださいました。

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10 エズラは、神様のおきてを学んで実行し、聖書教師となって、イスラエル中におきてを教え広めようと、心に決めていたのです。

11 神様のおきてを学んでいる祭司エズラに、アルタシャスタ王は次のような手紙を送りました。

12 「王の王アルタシャスタから、祭司であり、天の神様のおきての教師であるエズラへ。

13 わが国内のユダヤ人は、祭司であろうと、レビ人であろうと、だれでも君とともにエルサレムへ戻ってよい。

14 余および七人の議官は、君が神様のおきての写しを、ユダ、つまりエルサレムへ持ち帰り、宗教面での進展ぶりを報告するよう命令する。

15 どうか、われわれが神様にささげたいと思っている金品を、エルサレムに届けてくれ。

16 そのほか、国中のユダヤ人や祭司がささげたがっている金品も、集めて帰るがよい。

17 これらの基金は、まず、いけにえ用の雄牛と雄羊と子羊、また、穀物とぶどう酒のささげ物を買いそろえるために用いるように。向こうに着いたら、神殿の祭壇にささげてくれ。

18 残金の使い道は、君や君の同胞の考えに任せよう。神様の意志に添うよう、用いてくれたまえ。

19 また、われわれが神殿に奉納する金の器や、用具類も持って行ってくれ。

20 どうしても神殿再建の資金が不足する場合には、王室の宝物倉から援助することにしよう。

21 余はユーフラテス川以西の全財務担当者に、次のように命じよう。『エズラの要請があれば、何でも提供してやるように。彼は祭司であり、天の神様のおきてを説く教師であるからだ。

22 銀は六千万円相当まで、小麦は三十六キロリットルまで、ぶどう酒は三千六百リットルまで、塩はいくらでも与えてよろしい。

23 神殿再建に必要なものは、何でも提供するのだ。神様の怒りが王や王子たちに下るといけないから。

24 祭司、レビ人、聖歌隊員、門衛、神殿奉仕者、そのほか神殿で働く者は全員免税にせよ。』

25 エズラよ、神様から授かった知恵を働かして、ユーフラテス川以西の裁判官や知事を任命しなさい。人々が神様のおきてに明るくない場合は、教えてやりなさい。

26 神様のおきてや王の法律に従わない者は、即刻、死刑、流刑、財産没収、禁固などの刑に処すように。」

27 ああ、ご先祖の神様はすばらしい方です。王に働きかけて、エルサレムの神殿の美しさを取り戻してくださいました。

28 また、王や七人の議官、王室の実力者の居並ぶ前で、私にあのような栄誉をお与えくださいました。神様が共にいてくださったおかげで、私は高い地位につくことができました。それで、イスラエルの指導者にも、いっしょにエルサレムへ帰ろう、と説得することができたのです。

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1 アルタシャスタ王の時代に、私とともにバビロンから帰った指導者の名前と家系は、次のとおりです。

2 ピネハス族ではゲルショム、イタマル族ではダニエル、ダビデ族の傍系シェカヌヤ族ではハトシュ、パルオシュ族ではゼカリヤと、同行の男子百五十名、パハテ・モアブ族ではゼラヘヤの息子エルエホエナイと、同行の男子二百名、ザト族ではヤハジエルの息子シェカヌヤと、同行の男子三百名、アディン族ではヨナタンの息子エベデと、同行の男子五十名、エラム族ではアタルヤの息子エシャヤと、同行の男子七十名、シェファテヤ族ではミカエルの息子ゼバデヤと、同行の男子八十名、ヨアブ族ではエヒエルの息子オバデヤと、同行の男子二百十八名、バニ族では、ヨシフヤの息子シェロミテと、同行の男子百六十名、ベバイ族ではベバイの息子ゼカリヤと、同行の男子二十八名、アズガデ族ではカタンの息子ヨハナンと、同行の男子百十名、帰国が少し遅れたアドニカム族ではエリフェレテ、エイエル、シェマヤと、同行の男子六十名、ビグワイ族ではウタイ、ザクルと、同行の男子七十名

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15 私たちはアハワ川に集合し、そこにキャンプを張って三日間すごしました。その間に、国民と祭司の名簿を調べてみましたが、レビ人は一人も見あたりませんでした。

16 そこで、指導者である、エリエゼル、アリエル、シェマヤ、エルナタン、ヤリブ、エルナタン、ナタン、ゼカリヤ、メシュラムらを呼び集めました。知恵者として聞こえたエホヤリブとエルナタンにも、来てもらいました。

17 そして一同に、カシフヤにいるユダヤ人指導者イドのもとへ出向いてもらい、イドやその兄弟、また神殿奉仕者たちに、エルサレムの神殿で働く祭司をよこしてくれないか、と頼んだのです。

18 その結果、神様のお恵みで、傑出した祭司シェレベヤと、その息子や兄弟ら十八名が来てくれることになりました。シェレベヤは非常に思慮深い人で、マフリの子孫です。マフリはレビの息子で、イスラエル(ヤコブ)には孫にあたります。

19 神様はこのほか、ハシャブヤと、メラリの子孫エシャヤとその息子や兄弟を二十名、

20 また神殿奉仕者二百二十名を、遣わしてくださいました。神殿奉仕者とは、ダビデ王が制定した、神殿で働く者の階級で、レビ人を補佐するように任命されていた者です。これら二百二十名は、それぞれ名を記録に残されました。

21 さていよいよ、私はアハワ川のほとりで断食を命じ、一人一人が神様の前に謙虚になるよう勧めました。そして、これからの道中の無事と家族や持ち物の安全を、神様に祈りました。

22 途中の敵を恐れて、王に警護の兵や騎兵をつけるよう願い出たりするのは、恥だと考えたからです。というのも、かねてから王には、私たちの神様を礼拝する者はだれでも守られ、災難は、神様をないがしろにする者にだけ下るのだ、と申し上げていたからです。

23 そこで、私たちは断食して、神様のお守りを願い求めたわけです。神様は祈りに答えてくださいました。

24 私は祭司の中から十二人を、指導者に任命しました。シェレベヤ、ハシャブヤほか十人です。

25 この人たちには、銀、金、金の器や他の用具などの管理をしてもらうことにしました。このほか、王、議官、長官たち、それに国民がささげた品々の管理も任せました。

26 彼らに移管する際に金品を量ったところ、銀三億九千万円相当、銀の器類六千万円相当、金九億円相当、金の器が二十点で百五十万円相当あることがわかりました。このほか、金にも劣らないほどの、美しい青銅の器が二点ありました。

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28 私はまず、神様の前で、彼らを特別にこの仕事に任じ、次に、備品類や金品など、進んでささげられた宝物の数々を、神様のものとしてきよめました。

29 「エルサレムまでしっかり守っていただきたい。向こうに着いたら、一品たりとも欠けることなく、祭司、レビ人、イスラエルの長老たちに渡せるように。神殿の宝物倉に納めるものですからな。」

30 祭司やレビ人たちは、神殿まで守り通す務めを引き受けました。

31 こうして、一行がアハワ河畔のキャンプをたたみ、エルサレムめざして出発したのは、三月も末のことでした。途中、神様は敵や盗賊からお守りくださいました。

32 おかげで、何事もなく、エルサレムへ着くことができたのです。

33 到着して四日目、祭司ウリヤの息子メレモテ、ピネハスの息子エルアザル、ヨシュアの息子エホザバデ、ビヌイの息子ノアデヤらが、金銀や高価な品々を量って、確認してくれました。この人たちはレビ人です。

34 一つ一つについて受領書を作成し、金銀の目方を書き留めました。

35 それから、一行全員で、完全に焼き尽くすいけにえを神様にささげました。イスラエルのために雄牛十二頭、雄羊九十六頭、子羊七十七頭をささげ、罪が赦されるためのいけにえに雄やぎ十二頭をささげました。

36 また王の手紙は、軍司令官やユーフラテス川以西の州知事たちに手渡され、彼らも、神殿再建にひと役買うことになったのです。

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1 ところが、そんなある日、ユダヤ人の指導者たちが訪ねて来て、驚くべき報告をしたのです。ユダヤ人の中には、この地に移り住んだ異教徒のカナン人、ヘテ人、ペリジ人、エブス人、アモン人、モアブ人、エジプト人、エモリ人などの恐るべき風習に染まっている者が多くいるというのです。

2 イスラエル人は異教徒の女と結婚し、息子たちにも嫁をとらせていました。神様の聖なる国民は、こうした結婚によって堕落していたのです。その最たる者は政治家でした。

3 これを聞いて、あまりのことに、私は着物を引き裂き、髪もひげも引き抜き、打ちのめされた思いで座り込んでしまいました。

4 すると、神様を恐れる多くの人が、人々の罪のことで私のところへやって来て、夕方のいけにえをささげる時まで、そばを離れようとしませんでした。

5 ついに私は、どうしたらよいかもわからないまま、神様の前に出ました。そして、ひざまずき、両手を差し伸べて、

6 叫んだのです。「ああ、神様、何と申し上げたらよいのでしょう。とても顔向けできません。私どもの罪は背丈よりも高く積もり、悪行は天空のように際限なく広がっております。

7 私どもの歴史はすべて罪の歴史であり、歴代の王や祭司が異教徒の王の手で葬られたのも、このためです。そのあげく捕囚の身となり、略奪をほしいままにされ、はずかしめを受けました。ご覧のとおりのざまでございます。

8 しかし、神様は今、平和のひと時を与えてくださいました。少数の者が捕囚からエルサレムに戻ることを、お許しになったのです。喜びを与え、奴隷の身に、新しい世界を開いてくださいました。

9 確かに、私どもは奴隷でした。しかし、愛と恵みに富む神様は、そのまま見捨てたりせず、かえって、ペルシヤ王が私どもに好意をいだくようにしてくださったのです。王たちは神殿の再建事業を助け、エルサレムをユダの要塞の町と認めてくれました。

10 ですが、それにもかかわらず、神様、こんなことになってしまい、何と申し上げたらよろしいのでしょう。またしても、ご厚意を踏みにじり、おきてを破るようなまねをしでかしました。

11 私どもの国は、先住民族の恐るべき風習によって、すっかり汚れきっているとは、預言者たちが警告してくれていたことです。この地は、端から端まで腐りきっています。

12 だからこそ、娘は土着の者と結婚してはならず、息子は土着の娘を妻に迎えてはならない、また、ささいな事でも、この地の国々とはかかわってはならないと、神様はお命じになったのです。この定めに従いさえすれば、国は繁栄し、永久にその富を子孫に伝えることができる、と約束してくださいました。

13 このたび、私どもの犯した罪の重さに比べればずっと軽い罰とはいえ、捕囚という罰を受けたにもかかわらず、

14 こうして幸いにも帰国してみれば、またまたご命令に背き、恐るべき国民と結婚したりするのですから......。御怒りは、今度こそ、このひと握りの生き残りの者さえも、滅ぼし尽くすことでしょう。

15 ああ神様、神様の正しさでさばかれれば、御前に立つこの罪の身には、ひと筋の希望もあろうはずがございません。」

10

1 ふと気がつくと、神殿の前にひれ伏して、涙ながらに祈り、告白をしている私の回りを、男や女、子供までが、幾重にも取り囲み、いっしょに泣いているではありませんか。

2 エラム族のエヒエルの息子シェカヌヤが、まず口火を切りました。「ほんとうに、神様を裏切ってしまいました。異教徒の女と結婚してしまいました。けれども、まだ希望はあります。

3 私たちは異教徒の妻と離婚し、子供たちも手放すと、神様の前で約束いたします。あなたや、同じく神様を恐れる人々のご命令に従います。神様のおきてを守ります。

4 どうか力を奮い起こし、これからどうすればよいか指示してください。何でも、おっしゃるとおりにいたします。」

5 そこで、私は立ち上がり、祭司、レビ人、一般人の指導者たちに、シェカヌヤのことばどおり実行すると誓ってくれ、と呼びかけました。だれもが、うなずきました。

6 そのあと、私は神殿のヨハナンの部屋に入り、飲まず食わずで過ごしました。捕囚から帰還した人々の罪を悲しんだからです。

7 すぐに、ユダとエルサレムに布告が出されました。だれもが三日以内にエルサレムに出頭すること、出頭を拒む者は財産を没収され、追放される、という内容のものでした。

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9 三日以内の十二月四日には、ユダとベニヤミンの男子は全員やって来て、神殿の広場に座りましたが、事の重大さと、折りからの大雨のために震えていました。

10 私は立ち上がり、こう宣言しました。「異教徒の女と結婚したあなたがたは、罪を犯したのです。かつてないほど深刻な、神様の責めを受けています。

11 先祖代々の神様に、罪を告白しなさい。そして、そのご命令どおりにしなさい。回りにいる異教徒や女たちに近寄ってはならない。」

12 すると、人々はいっせいに立ち上がりました。「おっしゃるとおりにいたします。

13 ただ、一日、二日でけりのつくことでもございません。大ぜいがこの罪深い事件にかかわってしまったからです。雨も激しいので、これ以上ここに立ってもいられませんが、

14 指導者をとおして、お取り調べください。異教徒の妻をめとった者は、所定の時刻に、町の長老や判事を伴って出頭いたします。こうすれば、個々の事例に判決を下し、万事てきぱきと解決できます。神様の激しい御怒りも、やがて静まるでしょう。」

15 異議を申し立てたのは、アサエルの息子ヨナタンとティクワの息子ヤフゼヤ、メシュラム、レビ人シャベタイだけでした。

16 結局、この件は次のように処理されました。裁判官には氏族の指導者数名と私が任命され、十二月十五日から三月十五日まで、調査を続けました。次にあげるのは、異教徒の女をめとった祭司の名前です。一同は妻と離婚すると誓い、あやまちを認めて、雄羊をいけにえにささげました。マアセヤ、エリエゼル、ヤリブ、ゲダルヤ

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20 イメルの息子ハナニとゼバデヤ

21 ハリムの息子マアセヤ、エリヤ、シェマヤ、エヒエル、ウジヤ

22 パシュフルの息子エルヨエナイ、マアセヤ、イシュマエル、ネタヌエル、エホザバデ、エルアサ

23 レビ人のうちでは、エホザバデ、シムイ、ケリタとも呼ばれるケラヤ、ペタヘヤ、ユダ、エリエゼル

24 歌手ではエルヤシブ門衛ではシャルム、テレム、ウリ

25 一般市民では、パルオシュ族のラムヤ、イジヤ、マルキヤ、ミヤミン、エルアザル、マルキヤ、ベナヤ

26 エラム族では、マタヌヤ、ゼカリヤ、エヒエル、アブディエレモテ、エリヤ

27 ザト族では、エルヨエナイ、エルヤシブ、マタヌヤ、エレモテ、ザバデ、アジザ

28 ベバイ族では、ヨハナン、ハナヌヤ、ザバイ、アテライ

29 バニ族では、メシュラム、マルク、アダヤ、ヤシュブ、シェアル、ラモテ

30 パハテ・モアブ族では、アデナ、ケラル、ベナヤ、マアセヤ、マタヌヤ、ベツァルエル、ビヌイ、マナセ

31 ハリム族では、エリエゼル、イシヤ、マルキヤ、シェマヤ、シメオン、ベニヤミン、マルク、シェマルヤ

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33 ハシュム族では、マテナイ、マタタ、ザバデ、エリフェレテ、エレマイ、マナセ、シムイ

34 バニ族では、マアダイ、アムラム、ウエル、ベナヤ、ベデヤ、ケルフ、ワヌヤ、メレモテ、エルヤシブ、マタヌヤ、マテナイ、ヤアサイ、バニ、ビヌイ、シムイ、シェレムヤ、ナタン、アダヤ、マクナデバイ、シャシャイ、シャライ、アザルエル、シェレムヤ、シェマルヤ、シャルム、アマルヤ、ヨセフ

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43 ネボ族では、エイエル、マティテヤ、ザバデ、ゼビナ、ヤダイ、ヨエル、ベナヤ

44 以上が異教徒の女をめとった者たちで、妻との間に子供が生まれたケースも多くありました。