1

1 アモスはテコアの村に住む羊飼いでした。一日中、丘の中腹にいて、羊が迷い出ないように見張っていたのです。

2 ある日、神様は、イスラエルに起こることを、幻によってお示しになりました。それは、ウジヤがユダの王、ヨアシュの子ヤロブアムがイスラエルの王であった時で、あの大地震が起こる二年前のことでした。その時の模様を、アモスは次のように報告しています。神様はまるで、ねぐらでほえる獰猛なライオンのように、シオンの山にある神殿から、大声で叫びました。すると突然、カルメル山のみずみずしい牧草がしおれ、たちまち枯れてしまったのです。羊飼いはみな、声をあげて泣きました。

3 神様はこうお語りになります。「ダマスコの住民は、何度もくり返して罪を犯した。わたしはそのことを決して忘れない。もうこれ以上、処罰を猶予しない。彼らは穀物を鉄の打穀機で打つように、ギルアデのわたしの国民を打ちのめした。

4 だから、ハザエルの宮殿に火を放ち、ベン・ハダデの堅固なとりでを突きくずす。

5 ダマスコの町の門のかんぬきを折り、アベンの平野に住む者や、ベテ・エデンで王位についている者を殺す。シリヤの国民はキルに戻されて奴隷となる。」

6 神様はこうお語りになります。「ガザは何度もくり返して罪を犯した。わたしはそのことを決して忘れない。もうこれ以上、処罰を猶予しない。ガザはわたしの国民を追い出し、奴隷としてエドムに売り渡した。

7 だから、ガザの城壁に火を放ち、宮殿を片っぱしから破壊する。

8 アシュドデの住民を殺し、エクロンとアシュケロンの王を滅ぼそう。残ったペリシテ人も皆殺しだ。」

9 神様はこうお語りになります。「ツロの住民は何度もくり返して罪を犯した。わたしはそのことを断じて忘れない。もうこれ以上、処罰を猶予しない。彼らは兄弟分であるイスラエルとの約束を破り、攻撃をしかけて征服し、奴隷としてエドムに売り渡した。

10 だから、ツロの城壁に火を放ち、とりでも宮殿も灰にする。」

11 神様はこうお語りになります。「エドムは何度もくり返して罪を犯した。わたしはそのことを決して忘れない。もうこれ以上、処罰を猶予しない。彼らは兄弟分であるイスラエルを剣で追いかけ、怒りにまかせて容赦せず、残酷に振る舞った。

12 だから、テマンに火をかけ、ボツラの宮殿をすべて灰にする。」

13 神様はこうお語りになります。「アモンの住民は何度もくり返して罪を犯した。わたしはそのことを決して忘れない。もうこれ以上、処罰を猶予しない。彼らはギルアデの戦いで、領土を広げるために残虐なことをしでかし、剣で妊婦を切り裂いたりした。

14 だから、ラバの城壁に火を放ち、とりでも宮殿も灰にする。嵐の時のつむじ風のように、戦場でものすごい叫び声があがる。

15 王も王子も捕囚として連れ去られる。」

2

1 神様はこうお語りになります。「モアブの住民は何度もくり返して罪を犯した。わたしはそのことを決して忘れない。もうこれ以上、処罰を猶予しない。エドムの王たちの墓をあばき、死者を丁重に取り扱わなかったからだ。

2 今、その報いとして、モアブに火を放ち、ケリヨテの宮殿をすべて破壊する。勇士が叫び、ラッパが鳴り響く時、大混乱が起こる。

3 わたしは王を滅ぼし、その臣下もみな切り倒す。」

4 神様はこうお語りになります。「ユダの国民は何度もくり返して罪を犯した。わたしはそのことを断じて忘れない。もうこれ以上、処罰を猶予しない。わたしのおきてをばかにして、従おうとしなかったからだ。先祖がそうであったように、頑固に逆らった。

5 だから、ユダを焼き滅ぼし、エルサレムの宮殿も、とりでも灰にする。」

6 神様はこうお語りになります。「イスラエルの国民は何度もくり返して罪を犯した。わたしはそのことを決して忘れない。もうこれ以上、処罰を猶予しない。賄賂を取って公正な裁判を曲げ、借金を返せない貧しい者を、奴隷に売り飛ばしたからだ。それも、たったのくつ一足分の代金でだ。

7 まさに貧しい者を地面に踏みつけ、おとなしい者を足蹴にしている。父と息子とが同じ巫女を犯し、わたしの聖なる名を傷つけている。

8 祭りの日には、借金のかたに奪い取った着物をまとい、わたしの神殿に、盗んだ金で買ったぶどう酒を携えて来る。

9 わたしが彼らにしてやったことを、よく考えてみよ。目の前に立ちはだかるエモリ人を、この地から追い払ってやったのは、このわたしだ。彼らは杉のように背が高く、樫の木のように強く、頑丈だった。だが、わたしはその実を切り取り、根っこを引き抜いた。

10 おまえたちをエジプトから連れ出し、荒野の中を四十年間も導き、ついにエモリ人の地を所有させたのだ。

11 また、おまえたちの息子の中から(神のために特別にきよめられた)ナジル人や預言者を選んだ。イスラエルよ、そうではなかったか。

12 ところがおまえたちは、ナジル人に無理にぶどう酒を飲ませて罪を犯させ、また、『うるさい、黙れ!』と言って、預言者を沈黙させた。

13 だから、満載した穀物の重みで荷車がきしむように、おまえたちを重荷にあえがせよう。

14 おまえたちの中で一番すばやい兵士が戦場でよろめき、剛健な者もみな弱くなり、勇士も自分のいのちを救えない。

15 射かける矢は、みなはずれ、ずば抜けて足の速い者でも逃げそびれ、熟練した騎手も危険地帯を駆け抜けることができない。

16 その日には、どんなに勇敢で力のある者も、武器を捨てて、命からがら逃げのびる。」神様がこのようにお語りになったのです。

3

1 聞け。これが神様の判決だ。エジプトから連れ出したイスラエルとユダの全家族に、神様はこうお語りになる。

2 「わたしは、世界中の国民の中から、おまえたちだけを選んだのだ。それだけに、おまえたちの罪を罰しないわけにはいかない。

3 だれが悪いことをしている者と、仲よく肩を並べて歩けるだろうか。

4 わたしは訳もなく、ライオンのようにほえているのではない。すでに、おまえたちを滅ぼす準備に取りかかっている。幼いライオンでも、うなり声をあげるのは、えさに飛びかかる寸前なのだ。

5 踏みつけなければ罠にかかることもなかったろうに。おまえたちは当然の刑罰を受けるのだ。

6 耳をすませ。警告のラッパが鳴っている。さあ、おののくがいい。わたしが、おまえたちの国に災いを下そうとしているからだ。

7 わたしはいつも、事が起こる前に、真っ先に預言者をとおして警告する。今も、そうしているのだ。」

8 ライオンがうなり声をあげた。恐れ、わななけ。神様の宣告が下ったのだ。どうして黙っていられよう。

9 アシュドデとエジプトの指導者たちを共に呼び寄せて、こう言え。「さあ、サマリヤの山々に陣取って、イスラエルの恥ずべき罪悪の現状をつぶさに見届けよ。

10 わたしの国民は、正しいことを行なうのがどういうことかも、忘れてしまったのだ。彼らの宮殿は、盗んだり、奪い取ったりした物でいっぱいだ。

11 だから、敵が襲って来る。彼らは取り囲まれ、頼みのとりでを破壊され、宮殿も略奪されてしまう。」

12 神様はこうもお語りになります。「羊飼いは、羊をライオンの口から救い出そうとしたが、間に合わなかった。どうにか、もぎ取ったのは、二本の足と片方の耳だけだった。それと同様に、サマリヤのイスラエル人は、やっとの思いで助け出されるが、生き残った者はみな、半分しかない椅子や、ぼろぼろの枕のようだ。」

13 天の軍勢を率いる神様は、こうお語りになります。「これから言うことをよく聞き、イスラエルにくまなく告げよ。

14 罪を犯したイスラエルを罰するその日に、ベテルの偶像の祭壇をも取りこわす。祭壇の角は折られ、地べたに落ちる。

15 金持ちどもの、大邸宅のような夏の別荘と冬の別荘を破壊し、象牙の宮殿も粉砕する。」

4

1 わたしのことばに耳を傾けよ、サマリヤに住むバシャンの太った雌牛ども。おまえたちは、夫をけしかけて貧しい人から物を取り上げ、困っている者からしぼり取っている。全く飽き足りることを知らないやつらだ。

2 そんなおまえたちの鼻に鼻輪をつけ、牛のように引いて行く時が必ずくる。神様は、ご自分の聖さにかけてそう誓われた。最後の一人まで、つり針にかけられて引かれて行く。

3 豪華な家から引きずり出され、いちばん近い城壁の破れ口から、町の外に放り出される。神様がこうお語りになったのだ。

4 さあ、どんどん、ベテルとギルガルの偶像にいけにえをささげろ。そうやって、いつまでも逆らうがいい。おまえたちの罪は山のように積まれている。いけにえは毎朝、十分の一のささげ物は週に二回ささげよ。

5 すべて正しい方法で行ない、特別のささげ物もせよ。おまえたちは、そうすることを得意がり、どこでもそれを自慢して歩いている。

6 神様はこうお語りになります。「おまえたちをひもじくさせたが、何にもならなかった。それでも、わたしのもとに帰ろうとはしなかった。

7 収穫の前に三か月間も雨を降らせないで作物をだめにしてやった。ある町には雨を降らせたが、他の町には降らせなかった。ある畑には雨が降っているのに、他の畑は乾ききっていた。

8 二、三の町の住民は、飲み水を求めて、雨の降った一つの町へ疲れきった体で出かけて行った。それでも満ち足りることはなかった。そんなことがあっても、なお、わたしのもとへ帰ろうとしなかった。」

9 神様はこうお語りになります。「立ち枯れ病と黒穂病を、農場やぶどう畑ではやらせた。いなごが、いちじくやオリーブの木を食い荒らした。それでも、おまえたちは、わたしのもとへ帰ろうとしなかった。

10 はるか昔、エジプトでしたように、おまえたちに伝染病を流行させた。戦争で若者を殺し、馬を奪い去った。死体からの悪臭がひどく鼻をついた。だが、そんなことがあっても、なお、わたしのもとへ帰るのを拒んだ。

11 わたしはソドムとゴモラにしたように、おまえたちの町の幾つかを破壊した。生き残った者たちも、まるで火の中から取り出された燃えさしのようだった。それでも、わたしのもとへ帰ろうとしなかった。

12 だから、警告しておいたとおり、おまえたちをもっとひどい災難に会わす。イスラエルよ、おまえの神に会う備えをせよ。」

13 山々を造り、風を送り、おまえたちの考えを全部知っている方と出会うことになるからだ。その方は、朝を暗やみに変え、山を踏み砕いてしまわれる。その名は神、天の軍勢の主だ。

5

1 イスラエルよ。私は悲痛な思いで、この悲しみの歌をうたいます。

2 「美しいイスラエルは押し倒され、地面にたたきつけられて、立ち上がることができない。助けの手を差し伸べてくれる者もなく、孤独の中に死んでいく。」

3 神様がこうお語りになるからです。「戦場に千人の兵士を送り出した町では、たった百人しか帰って来ない。百人の兵士を送り出した町では、十人がやっと生きて帰る。」

4 神様はイスラエルの国民にこう告げます。「わたしを求めよ。わたしを求めることによって生きよ。

5 ベテルやギルガルやベエル・シェバの偶像を求めるな。ギルガルの住民は連れ去られ、ベテルの住民には必ず悲しみが襲いかかる。」

6 神様を求めて、生きよ。さもないと、神様は炎となって、イスラエルをなめ尽くす。ベテルの偶像は、どれもその火を消すことができない。

7 邪悪な者たち。おまえたちは公正の名のもとに貧しい人をしいたげている。正義も公平も、おまえたちにはただの方便にすぎない。

8 スバル座やオリオン座を造った方を求めよ。その方は、暗やみを朝に変え、昼を夜にし、海の水を蒸発させて地上に雨を降らせてくださる。その名は「主」だ。

9 この方は、目にもとまらぬ速さと力で、強い者を打ちのめし、すべての要塞をつぶしてしまわれる。

10 おまえたちは正直な裁判官を憎んでいる。真実を告げる者を小ばかにしている。

11 貧しい人を踏みつけ、税や罰金や利子と言っては、ほんのわずかしかない持ち物を取り上げている。それゆえ、いま建てている石造りの豪荘な屋敷に、おまえたちは決して住めない。また、いま植えている見事なぶどうからつくるぶどう酒も飲めない。

12 おまえたちの罪が極悪で、数えきれないほどだからだ。私はそのすべてを知っている。おまえたちは、良いことすべてに反対している。賄賂を取り、貧しい人の益になることは何もしない。

13 だから賢い者は、神様がおまえたちを罰する恐ろしい日には、黙って口出ししようとはしない。

14 正しいことをし、悪から足を洗え。そのようにして生きよ。そうすれば、願いどおり、天の軍勢の主が味方となって助けてくださる。

15 悪を憎み、善を愛して、正しい裁判をせよ。あるいは、神様が、残っている国民をあわれんでくださるかもしれない。

16 それゆえ、天の軍勢の主である神様は、こうお語りになります。「あちらの通りでも、こちらの道でも、泣き叫ぶ声が起こる。農夫を呼んで、いっしょに泣いてくれるように頼め。泣き男や泣き女を呼んで、大いに嘆かせよ。

17 わたしが通り過ぎて破壊するので、どのぶどう畑にも悲しみの叫びがあがる。

18 おまえたちは、『ああ、早く神様の日がきてくれたらなあ。そうしたら、敵の手から救い出していただけるのに』と言う。だがおまえたちは、自分が何を願っているのか、わかっていない。その日は、光でも希望でもない。暗黒と絶滅の日だ。それはなんと恐ろしい暗黒であろう。喜びや希望の光などひと筋もない。

19 その日、おまえたちはライオンに追いかけられ、その上、熊に出会った者のようになる。また、真っ暗な部屋を壁に寄りかかるように歩いていて、思わず手が蛇に触れた者のようになる。

20 まさに、おまえたちにとって、それは暗やみと絶望の日だ。

21 おまえたちの、祭りと聖なる集会を開いては、わたしを『あがめたてまつっている』見せかけの演技など、真っ平ごめんだ。

22 完全に焼き尽くすいけにえも穀物のささげ物も、受けたくない。わたしをなだめようとしてささげる和解のいけにえなど、見たくもない。

23 賛美歌もうたうな。わたしの耳には騒音にしか聞こえない。どんなに甘い響きをかなでても、おまえたちの音楽など聞きたくない。

24 わたしは正義が力強く巷に満ちあふれるのを、正しい行ないが川のように流れるのを見たい。

25 イスラエルよ。おまえたちは四十年間、荒野でわたしにいけにえをささげた。だが、心の底ではいつでも、異教の神々を慕っていた。おまえたちの王サクテや星の神キウン、そして、自分たちが作った神々の像に関心を寄せていた。だから、おまえたちといっしょに、それらの神々も、ダマスコのはるか東へ捕らえ移そう。」天の軍勢の主である神様が、こうお語りになるのです。

26 -

27 -

6

1 イスラエルの国民によく知られた、エルサレムとサマリヤでぜいたくにのんびり暮らしている者どもは、のろわれるべきだ。

2 カルネへ行って、そこで起こったことを見るがいい。それから大ハマテや、ペリシテ人の地にあるガテへも下って行け。かつてそこは、おまえたちより立派で、栄えていた。だが、今はどうなっているかを見よ。

3 おまえたちは、迫っている刑罰のことを、ぜんぜん考えようともしない。だが、おまえたちの行ないによって、刑罰の日が刻刻と近づいているのだ。

4 おまえたちは、いちばん柔らかい子羊の肉や、最上の子牛の肉を食べながら、ぜいたくを尽くした象牙のベッドに寝そべっている。

5 堅琴に合わせて、くだらない歌をうたいながら、ダビデ王のような偉大な音楽家のつもりになっている。

6 自分はあびるほどぶどう酒を飲み、香油を体に塗りたくっていても、助けを求める兄弟たちには何もしてやらない。

7 だから、おまえたちが真っ先に奴隷となって連れ去られる。おまえたちの酒盛りは、とつぜん終わるのだ。

8 天の軍勢の主である神様は、ご自分の名にかけてお語りになります。「わたしはイスラエルの思い上がりと偽りの繁栄をきらい、彼らの豪壮な宮殿を憎む。この町とその中にあるすべての物を敵の手に渡す。」

9 残った者がたった十人、家一軒であったとしても、それさえも滅ぼされてしまう。

10 かろうじて生き残った親せきの者が、死体を葬る。死体を家から運び出す時、家の中に一人だけ生き残っている者に、「ほかにだれか助かった者がいるか」と聞くと、「いない」という答えが帰ってくる。そして、「しーっ。神様の名を口にするな。あんたの言うことを聞いておられるかもしれないからな」と言う。

11 神様がこのようにお命じになったからです。豪壮な邸宅も、貧弱な家も、木端微塵になれ。

12 馬が岩の上を走れるだろうか。牛が海を耕せるだろうか。これは聞くだけばかなことだが、おまえたちのやっていることも、負けず劣らずばかげている。正義をあざけり、よいことや正しいことを腐敗させ、堕落させているではないか。

13 また、無に等しい者であるのに、偉い者であるかのようにうぬぼれ、有頂天になっている。ちっぽけな力を、たいそうなご自慢にしている。

14 天の軍勢の主である神様はこうお語りになります。「イスラエルよ。わたしは、一つの国民を起こして、おまえたちを攻めさせる。北はレボ・ハマテから南はアラバの川筋までの全域で、彼らはおまえたちをしいたげる。」

7

1 神様は私に、こんな幻を見せてくださいました。最初の草刈りのあとに生えた、王に年貢として納める主要な穀物を、片っぱしから食い荒らすいなごの大群を、神様は用意なさいました。

2 見る見るうちに、その大群は何もかも食い尽くしてしまいました。それで必死になってお願いしたのです。「ああ神様。どうぞ、あなた様の国民をお赦しください。こんな災いに会わせないでください。神様が立ち向かわれたら、ほんの小民族にすぎないのですから、イスラエルはひとたまりもありません。」

3 そこで神様は思い直して、その幻を実行には移さず、「やめよう」と言ってくださったのです。

4 それから神様は、勢いよく燃え上がる火を見せてくださいました。それで人々を罰するつもりだったのです。その火は水という水を蒸発させ、イスラエルの全地を焼き尽くしてしまいました。

5 それで、またお願いしました。「ああ神様。どうぞ、そんなことはおやめください。神様が立ち向かわれたら、ほんの小民族にすぎないのですから、彼らはひとたまりもありません。」

6 神様は、この計画もご破算にし、「これもやめよう」と言われたのです。

7 それから、次のことを示してくださいました。神様は築き上げた城壁のそばに立って、重りをつけた糸で、それが真っすぐかどうか調べておられました。

8 そして、「アモス、何を見ているのか」とお尋ねになりました。「重りをつけた糸です。」そう答えると、続けてお語りになりました。「重りをつけた糸で、わたしの国民が真っすぐかどうか調べてみよう。もう罰することを差し控えたりはしない。

9 イスラエルにある偶像の祭壇と神殿は破壊される。また、剣でヤロブアム王家を打ち倒そう。」

10 ところがベテルの祭司アマジヤは、アモスが語ったことを聞くと、すぐにヤロブアム王に伝えました。「アモスは謀反人で、陛下を殺害しようとたくらんでおります。これは一大事です。放っておいたら、取り返しのつかないことになります。

11 あやつは、事もあろうに、陛下が殺され、イスラエルは奴隷として遠い地に連れて行かれる、などとぬかしております。」

12 そして、アモスにこう命じました。「とっとと、ここから出て行け。預言者め。そんなに預言がしたけりゃ、ユダへでも行って、好きなことをしゃべるがいい。

13 だがな、この首都に住むわれわれをわずらわすのは、いいかげんにしてくれ。ここは王の礼拝堂がある所なのだぞ。」

14 アモスは答えました。「私は預言者ではありません。預言者の家の者でもありません。ただの羊飼いで、果樹を栽培している者にすぎません。

15 ところが神様は、羊の群れの世話をしている私に、『さあ、わたしの国民イスラエルに預言せよ』とお命じになったのです。

16 ですから今、神様のお告げを聞きなさい。『イスラエルに不利な預言はするな』とのことですが、

17 神様のお答えはこうです。『わたしに邪魔だてしたので、おまえの妻は、この町で売春婦となる。息子や娘は殺され、おまえの土地は細かく分割されてしまう。おまえ自身も異教の地で死ぬ。イスラエルの国民も、祖国から遠く離れた地へ連れ去られ、そこで奴隷となる。』」

8

1 それから神様は、熟した夏の果物がいっぱい入ったかごを、幻のうちにお示しになりました。

2 「アモス、何を見ているのか。」「熟した夏の果物がいっぱい入ったかごです。」すると神様は、こうお語りになりました。「この果物は、わたしの国民イスラエルを表わしている。彼らの刑罰の時が熟したのだ。もう延期されない。

3 その時には、神殿から聞こえる騒々しい歌声は、すすり泣きに変わる。そこら中に死体が散らばる。だれもが無言のうちに、それを町の外へ運び出す。」神様がこう宣告なさったのです。

4 貧しい人から取り上げ、困っている人を踏みつける商人ども。よく聞け。

5 おまえたちは、安息日や新月の祭りが早く終わればよい、とひたすら思っている。そうすれば商売ができ、ごまかして儲けることができる。はかりをごまかし、金は多く取り、品物は少なく渡している。

6 また、わずかな借金、たった一足のくつの形に貧しい人を奴隷とし、かびた小麦を困っている人に売りつけている。

7 イスラエルの誇りである神様は、誓ってこうお語りになります。「おまえたちの悪行は決して忘れない。

8 この地は、滅びを目前にして震えおののき、だれもが嘆き悲しむ。この地は、増水したナイル川のように盛り上がり、激しく揺れ動き、再び沈む。

9 その時、わたしは昼のうちに太陽を沈ませ、地上を暗やみにする。

10 宴会を嘆きの場に変え、喜びの歌を絶望の叫びに変える。おまえたちは喪服を着、頭をそり、まるでひとり息子が死んだように悲しむ。その日には、悲惨、ただ悲惨があるのみだ。」

11 神様はお語りになります。「時は刻々と近づいている。その日には、この地にききんが起こる。パンや水のききんではない。神のことばを聞くことのききんだ。

12 人々は海から海へと至る所を歩き回り、神のことばを捜し求める。だが、あちらこちらと捜し回っても、ついに見つけ出せない。

13 美しい娘も、りっぱな若者も、神のことばを渇き求めてやせ衰え、ぐったりする。

14 サマリヤ、ダン、ベエル・シェバの偶像を拝む者どもは倒れて、二度と立ち上がれなくなる。」

9

1 私は、神様が祭壇のそばに立っておられるのを見ました。神様はこうお命じになりました。「柱のてっぺんを打て。神殿をゆさぶり、柱を倒し、下にいる者たちの上に屋根を落ちかからせよ。彼らは逃げようにも逃げられず、一人残らず下敷きになって死ぬ。

2 彼らが地獄に下っても、わたしは引っ張り上げ、また、天にのぼっても、引きずり降ろす。

3 たといカルメル山頂の岩間に隠れても、見つけ出して、捕まえる。深海に身をひそめても、海蛇を送って、かみ殺させる。

4 あるいは、進んで国外へ捕らえ移されても、剣に命じて、そこで彼らを殺させる。彼らが、善ではなく悪を受け取るのを、ちゃんと見届ける。」

5 天の軍勢の主である神様が地に触れると、地は溶け去り、そこに住む民はみな嘆き悲しむ。地はエジプトのナイル川のように盛り上がり、また沈む。

6 神様が住まわれる高殿は、その基を地にすえ、天にまでそびえ立っている。神様はまた、海の水を蒸発させて、地に雨を降らせる。その名は「主」である。

7 「イスラエルの国民よ。わたしにとって、おまえたちはエチオピヤ人より大切であろうか。確かにわたしは、おまえたちをエジプトから連れ出したが、ほかの国民にも同じようにしたのだ。ペリシテ人をカフトルから、シリヤ人をキルから連れ出した。

8 わたしの目は、罪深い国民イスラエルに向けられている。わたしはこの国民を根こそぎにし、世界にまき散らす。ただし、永久に根絶やしにはしないと約束した。

9 わたしが命じたとおり、穀物をふるいにかけるように、本物だけを選び分けるために、イスラエルを他の国々にふるわせるからだ。

10 だが、『神様は私たちに手を下さない』とうそぶいている不届き者は、みな剣で殺される。

11 その時には、今は荒れ果てたままになっているダビデの町を再建し、以前のように栄えた町にする。

12 イスラエルは、エドムに残されている者と、すべての国民のうちでわたしの国民となる者とを手に入れる。」このすべてを計画した神様が、このようにお語りになるのです。

13 「その時がくる。その時には、大豊作で、やっと収穫が終わると思ったら、息つく暇もなく別の種をまく有様で、イスラエルの丘のぶどう畑は甘いぶどう酒をしたたらせるようになる。

14 わたしは、わたしの国民イスラエルの繁栄を回復する。彼らは荒れた町々を建て直し、再びそこに住んで、ぶどうや果樹を栽培する。そこで自分たちの収穫した物を食べ、ぶどう酒を飲むようになる。

15 わたしは彼らを、わたしが与えた地にしっかり植えつける。彼らは、もう引き抜かれることはない。」あなたがたの神様がこうお語りになるのです。